ブロンズ
レビュアー
  • P.As. 1

    20年ぶりの新世代編

    1.「風と共に来たりぬ」:養母と元不倫相手の娘のふり
    2.「目撃者(偽)」依頼:富豪一家の娘のふり
    3.「花の上のピアニスト」依頼:行方不明の友人のふり

    続編が連載されているのは知っていましたが、前作再読に合わせて遅ればせながら購入。
    出版社は変わってもシリーズとして前作とまとめられているのが嬉しいです。

    新シリーズのサブタイトルは映画からの命名だとか。
    新キャラお披露目回となる1話目から隠し子のふりをするのは、前作を思わせてくれてわくわくします。
    3話のショパンの「雨だれ」も、「ショパンはひとりできかないように」を思い出して勝手に懐かしくなりました。
    でも単純に続編だから、P.A.の設定...続きを読む

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  • うしろに何かみえてますが 1

    お掃除オカルトファンタジー

    新刊発行に合わせたキャンペーンにて試し読み。
    家事代行(というかハウスクリーニング専門)業で働く主人公が、掃除とともにトラブルも霊視で打開する、ほんのりオカルトファンタジーなお話。

    心温まるヒューマンドラマの謳い文句どおり、確かに全てハッピーエンドなのですが、どんな事件も深刻にならずふわっと解決されるので個人的には物足りなかったです。
    もしくは無意識にP.A.のような感動を求めてしまい、採点基準が辛くなっていたのかも。
    でも一話完結で読みやすくオカルト要素も強くないので、安心感のある軽い読みものを楽しみたい方には打ってつけだと思います。

    ただ公衆電話のかけ方を知らない今時の小学生を描く一方...続きを読む

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  • 八百夜(1)

    淡々としているのに引き込まれる

    以前1話が無料で読めた際に、購入をだいぶ迷った作品でした。もちろん購入を躊躇うほど面白くないからではなく、連載が続いてくれるかどうかが不安だったからです。
    3巻の発売が決定したようなので、これを機に購入。

    主人公(というか狂言回し?)のヤオは、いかにも口八丁で生きてきた流れ者といった風情。死ぬことのままならぬ身だけあって飄々としていますが、那州作品の魅力を凝縮したような、不思議な心安さがあります。
    始めにトオワの新たな王アケトがヤオに心を動かされ、続いてマトとケイトの兄弟が心を許すようになり……この先が気になるところで以下次巻。
    娯楽に飢えたトオワの民ならずとも、ヤオの『話』を聞い...続きを読む

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  • 神クズ☆アイドル: 1

    最高に面白い!

    Twitterで流れてきた作品紹介ツイートを偶然見て気になり、無料連載分を一気読み後すぐ電子版を購入しました。
    電子版にもカバー下の漫画や裏表紙が収録されていて嬉しいです!(カバー折り返しや背表紙まで!)

    やる気のないアイドルの仁淀くんと、幽霊になってしまった大人気アイドル・アサヒちゃんの迷コンビぶりがとにかく最高。
    脇を固めるユニットの相方・苦労性気味の吉野くんや、やり手そうな信濃社長ももちろん魅力的ですが、何より仁淀オタの皆さんの登場や、イケ産での瀬戸内くんとの出会いで面白さが倍増した気がします。
    ファンになるのは出遅れましたが、続刊がすぐに読める幸せ…! この先の展開も楽しみ...続きを読む

    #笑える

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  • ヒメタク 1

    新米美人運転手が織り成す人情物

    青年誌の細野作品といえば「ギャラリーフェイク」が有名ですが、「ジャッジ」や「S.O.S」等長編でなくとも秀逸なものも多々あります。この「ヒメタク」も間違いなくその一つ。

    通称「ゴミ山」と呼ばれる悪名高きタクシー会社に、新人運転手として入社した主人公。掃き溜めに鶴さながらのうら若き彼女は果たして、ゴミ山を変える奇跡の人に、ゴミの山から咲く人の花となれるのか。
    冒頭だけ読むとその先に劇的な展開を期待しそうになりますが、「ヒメタク」の主人公は再建請負人のような活躍をする訳ではなく、日々真っ正直に職務に励むだけです。しかしそこにドラマがある。

    様々な問題を抱える乗客たちに一介のタクシード...続きを読む

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  • ヒメタク 2

    新人として突然やってきた訳あり美人ドライバーが、通称「ゴミ山」と呼ばれるタクシー会社に変化をもたらす…という作品紹介だけ見ると主人公がバリバリ会社変革をしそうだけれど、この「ヒメタク」は飽くまでタクシードライバーと乗客、もしくはその周辺に主眼を置いた人情噺。
    一話完結で進むこともあり、細野作品の中では「りざべーしょんプリーズ」や「ビールとメガホン」に近い雰囲気でしょうか。

    元レーシングドライバーの主人公は運転技術には長けていても、乗客たちがそれぞれ抱える問題を全て解決するほどの力はありません。しかしそれが却ってこの作品にリアリティを与え、各話のドラマを生んでいると思います。

    2巻...続きを読む

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  • 天の神話 地の永遠 I

    永遠かもしれないファン必見

    たまたま「永遠かもしれない」を読み返していたら、出版社を跨いで続編が出ていたことを知りました。
    レビューに書き込んでくれた方のおかげです。今頃とはいえ気づけて良かった。

    少し大人びてすっかり日巫子様役が板についたこすもと、相変わらず日巫子様一筋で過激な巫女守の日嗣。懐かしい二人の活躍がまた読めるなんて感激です。
    この巻では99代様の過去話が読めるのも、昔のファンとしては嬉しいところ。
    掲載誌が変わったせいか、巫女や神和の祓えをする役割が強調されているような、ホラー要素が強まった気がします。
    一話完結なのは導入としては入りやすかったです。このままP.A. 方式で進むのでしょうか。前...続きを読む

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  • 天の神話 地の永遠 II

    1巻では前作「永遠かもしれない」よりもホラー要素が増したように感じていましたが、2巻はまるで事件簿のような様相を呈しています。
    おしかけ巫女守の王士くんが助手ポジションに落ち着きつつあるからでしょうか。とはいえ犯人役は神様か、神を呼び出した人間と決まっているので、各話とも謎はさくさく解決されます。
    一巻ごとにカラーが変わるなんてこのシリーズでは予想外でしたが、こういうのも面白いですね。

    王士くんといえば「雪白の街」で、突如美少年風にイメチェンされていて驚きました。「25時の吸血鬼」でのゴスロリ衣装のこすもにも意外性を感じましたが、王士くんはその比ではありませんね。「耳ふたぎ」の時とは...続きを読む

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  • フットボールネーション 15

    加熱していく決勝戦

    今回の指南は『肩甲骨と腕の使い方』…上半身を正しく使えれば、下半身、キックのパワーも増す。言われてみればなるほどと納得するのですが、物理で説明してくるあたりがこの作品らしいところ。
    『立甲』とはまた初耳の言葉が出てきました。毎回知見が広がります。
    巻を重ねるにつれ、サッカーは脚だけでやるスポーツではないことが立証されていくよう。巻末の対談も興味深いです。

    一方の決勝戦は、47番筧の投入により一ノ瀬がFWとしての才能を発揮。これまでとは打って変わって間宮にも強気のアピール。接戦の末に決着は延長戦へ。
    東クルは「記憶」と「記録」に残らなければ存在意義がないチーム。つまり勝つしかない。厳...続きを読む

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  • 死役所 16巻

    ついにあの人の過去が…

    単行本派です。前の巻の予告ページを見て以来、16巻発売を待ち遠しく思っていました。
    シ役所職員の中で一二を争うほど死刑囚になった経緯が気になるシラ神さん。
    序盤から『神様の子』『人殺しの子』と不穏な台詞が出てくるので、何となくシラ神さんが手にかけた相手を予想しながら読み進めましたが……まさかの展開でした。
    口癖の「ごめんなさい」がこんな重い理由からきているとは……。
    でも読み返すと「自分が死ねば」ではなく、「皆 死んでしまえば」と考えたあたりに予兆はあったのかと思うと……薄ら寒い気持ちになります。
    「現世に会いたい人はいない」という言葉が辛いです。

    シラ神さんの過去回の後なので...続きを読む

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  • 二月の勝者 ー絶対合格の教室ー 8

    極まっていく親が続出

    中学受験に呑まれてゆく各家庭に、時にはドキドキハラハラしながら、時には身に覚えがある話に苦い思いをしながら、毎週楽しみに掲載誌を読んでいます。単行本一冊分にまとまると更に読み応えがあります。

    この巻では『十月』も佳境に入り、いよいよ島津家の亀裂が表面化。後半は前巻でも言われていた通り、『極まっていく親』が続出しています。
    一口に「面白い」だけで済ませてしまうのは憚られるシビアな展開ですが、やはり今回も読み応え十分なのは間違いないです。
    波乱の結末を見届けられる次巻が待ち遠しい!

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  • 銀襴緞子

    繊細なタッチが生む独特の切なさ

    初出の花ゆめ版(紙の本)は著者の初コミックス。大事に読み返していましたがさすがに劣化が著しく、新たに電子版を購入しました。

    悲喜交々な女子校もの「乙女の祈り86」、悲哀漂う大正浪漫風「深紅の恋」、駄菓子屋を舞台にした下町もの「日暮町夢色小路」、山村の古の祭りを描く「銀襴緞子」の4編を収録。
    全編通して繊細なタッチで描かれるどこか切ない雰囲気は、今読み返しても魅力的です。


    出版社が異なるため装丁が初出と変わっていますが、むしろ表紙のイラストは花ゆめ版よりも鮮やかに再現されています。
    表題作「銀襴緞子」のカラー表紙が収録されているのも嬉しいところ。
    単行本の柱コメント(雑誌掲...続きを読む

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