• 「小池劇場」の真実
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    豊洲新市場の安全性については概ね正確。
    しかし保守系のジャーナリストが保守系の人たちに取材してまとめた本なので保守派を胡散臭く思ってる人たちには伝わらない。
    建築や環境の専門的な文章は読者受けしないだろうが豊洲新市場の設計業者や地下水の分析業者に取材してイデオロギーに染まってない専門家の見解も載せるべきではなかっか。

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    2018年10月04日
  • 変節と愛国 外交官・牛場信彦の生涯
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    1938年中国との講和を潰した廣田弘毅の後任に就いた宇垣一成外相はイギリスを仲介とした講和を模索する。大臣に抵抗しアジアからアングロサクソンの排除を訴え戦争を継続させたのが牛場ら革新官僚。
    本書ではこの時の牛場らの行動が日中外交に与えた影響を過小に評価している。
    その後、第二次世界大戦下のドイツにあってナチス体制に心酔していた牛場はドイツ敗走間近の情報を本国に送らない、寧ろ妨害する。

    こういう「己が信じた道を突き進む猛烈仕事人間」を肯定的に受け止める事ができる読者向け。
    自分には無理だった。国益を口実に親米派に鞍替えするならもっと早く変節の人になって欲しかった。

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    2018年08月22日
  • 日中十五年戦争史 なぜ戦争は長期化したか
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    正直残念

    基本、陸軍悪玉論。
    故に若槻内閣末期に奉勅命令で関東軍の暴走に一時とはいえ歯止めをかけたこと(当然次の犬養内閣でなし崩し)などはさらっと流される。
    また盧溝橋以降しばらく静観していた海軍が上海爆撃を契機に陸軍に先駆けて南京攻撃を唱えたのを「苦渋の決断」などと評したりもする。
    何よりトラウトマン工作に米内海相が反対した理由を「わからない」というのは悪の陸軍の研究に注力するあまり海軍の内情について調査不足では無いだろうか?

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    2018年03月23日
  • 疾風の勇人(7)
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    終わった理由は、、、

    説1、面白くなかった?いやこれは納得できない。
    説2、作者が吉田茂退陣後の構想を持ってなかった?これは分からない。
    説3、敢えて陰謀論。安倍総理にとって岸信介を悪く描かれるなど慣れていて意に介さないだろう。しかし、国家主義的な国家改造を目論む自民党右派にとって最大の障害は泡沫野党では無く、自民党リベラル派、即ち宏池会。よりによって岸田氏からこの作品を紹介された自民党清和会の誰かは些細な芽でも潰せるなら潰してしまおうと考えたのでは?ま、邪推です。

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    2017年10月19日
  • 多田駿伝~「日中和平」を模索し続けた陸軍大将の無念~
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    読み応えある評伝

    名前こそ知っていたが漸く評伝が出た。日中戦争を扱った戦史研究は数あれど近衛第一次声明からの近衛改造内閣と参謀本部の動向についてはあっさりと済まされることが多く、多田駿という人物とその内面は良く知られていなかったと思う。
    僧侶が何故か高級軍人になってしまった人である。書簡にある日本や日本人への諫言が重い。

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    2017年03月28日