ぷっさんさんのレビュー一覧
レビュアー
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購入済み
ついに完結
200年近く前のフランスで起きた出来事ーフランス革命。
その結末を処刑人として生きるサンソン家の人々の視点から描いたイノサンとイノサンRougesが完結した本作品。
国が違えど時代画違えど、政治にしろ文化にしろ『変わり目』が激動であるのはフランス革命でも幕末でも一緒。
そして人間の本質は貴賤にこそ違いがあれど、貴族でも平民でも同じで、他人を蔑み、引きずり下ろすことをよしとする醜さがある。
そんな醜さに立ち向かった兄妹の物語なのだと、美しい描写のページを読み進め、閉じて感じ取りました。
本作は史実に基づいたフィクションであるけれども、時代の激流に飲まれずもがいて生き -
ネタバレ 購入済み
ついに完結
2021年、アニメ化が決定した「ジョジョの奇妙な冒険第6部 ストーンオーシャン」を読了。
第5部までが敵味方ともの多くの犠牲をはらみながらも希望あるビターエンドとすれば、第6部ストーンオーシャンは限りなくバッドエンドに近いビターエンドかもしれない。
物語というか、ジョジョの世界の象徴のような承太郎が死に、その娘である当部主人公である徐倫もその仲間もほぼ全滅してしまう。
だけど徐倫の仲間であり希望の少年エンポリオが、ラスボスを倒すことができた。
徐倫とその仲間であり、プッチ神父の実弟ウェザー・リポートの力を使って。
ラスボスが滅んだ世界は今まで徐倫たちが存在した世界とは違う -
ネタバレ 購入済み
ついに完結
新しい解釈のもと、編纂された日本書紀の裏側に迫った本作がついに完結。
天智天皇、天武天皇の両主人公から時代が進み、藤原鎌足・不比等ら子孫の光明子と時の帝聖武天皇の世で、どのように蘇我入鹿を鎮めようとしたのかが描かれきっている。
聖徳太子とは一体誰なのかにはじまり、大仏建立に至った経緯、孝謙天皇が即位した成り行き、行信の失脚、そして藤原氏の今日までの隆盛と祟りの行方。
すべて触れ、描き、完結させたのは見事というほかない。
小さなコマに転生したと思しき人物が描かれていたところも、本当は互いをどう思っていたのかが持統天皇目線で語られているところも、読者の心に一抹の清涼を届けて -
購入済み
晴れやかな最終回
アニメ化、アニメ映画化とともに空前の鬼滅ブームを巻き起こした本作の最終巻がついに発売されました。
多くの読者がついている今作に詳しいエピソードの感想はもしかしたらいらないかもしれません。
ひたむきで心優しく愚直なまでに真っ直ぐな主人公炭治郎と、鬼にされてもなお、大切な人たちを守ろうとする妹禰豆子、そして大事な仲間、善逸、伊之助、鬼殺隊の柱と隊員たち。
お館様とそのご家族のみなさま。
さらに現登場人物の遠いご先祖様たち。
誰がいなくても欠けていても、この物語はきっとこの最終回を迎えられなかったであろうことは、作者「吾峠呼世晴」氏の加筆からもあとがきからも、そして作品から -
ネタバレ 購入済み
物語はそろそろ終焉なのだと
ついにパラディ島の壁の中の巨人が目覚める描写で終わる第30巻。
主人公エレンが始祖の巨人化したということなのだろう。
地ならしが発動し、パラディ島vs世界の戦いが幕を開けたシーンで終巻している。
おそらく、もうそんなに長く連載が続くのではなく、本当にクライマックスに入っているだと感じる。
無垢の巨人になる資質を持ち、世界中から忌み嫌われ、駆逐対象といっても過言ではない、主人公はじめパラディ島の島民の大多数とマーレの収容区に居住してるエルディア人は、全て始祖ユミルことユミル・フリッツの子孫であり。
ただし、エルディアを揺るぎない帝国にしたとはいえ、質実ともに奴隷であったこと -
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平安味ある
平安時代の「とりかえばや物語」を、さいとうちほ氏が現代風アレンジで描ききった当作品。
少女マンガらしく、キュンキュンする描写はもちろんのこと、大人が閲覧しても「あー!わかる!」となる男女の恋愛模様もしっかり入っています。
女性の地位が低く、身分の高い男性に選ばれることしか幸せがなかった古の時代。
作者が、主人公の沙羅双樹、睡蓮はもちろんのこと、脇を固める三の姫、四の姫、南天の姫君、悪役の梅壺の女御など、女性を強くしなやかに描いているところが原作と違い、とても印象的でした。
ときの帝、吉野の君、石蕗と、麗しく高貴な男性人物も、今の時代なら浮気者になってしまうところを、上手