• 過怠
    ネタバレ

    「かたい」 という言葉
    初めて聞きました。
    あまり使わない
    まさに過ち怠った医師のミスで
    人生を取り違えられた菜々子の物語

    菜々子は成長し医大生となるが
    母親との関係がしっくりこないことに
    悩んでいた
    韓国からの留学生ジヒョンとの出会いから、
    もしや彼女が取り違えられた片方か
    と気を揉みつつ読んだ

    このストーリーの良いところは
    産んだ母親ではなく
    取り違えられた娘の立場で
    すすんでいくとこだと思う
    母親目線だと
    とかく感情的になりがちだか
    菜々子の自分で解決したい
    実の親に会いたいと行動するところが
    好印象だった
    重たいテーマが軸だが
    友人、恋人関係、学生生活が
    描かれるので読みやすい

    0
    2023年09月03日
  • もっと悪い妻

    短編なのですぐ読めちゃう
    そのせいか少し物足りなかった

    悪い妻というタイトルほど
    悪くないやん
    って思った私は悪い妻なのかもね

    0
    2023年09月03日
  • ソ連兵へ差し出された娘たち

    タイトルから想像される事実は
    この本にとって前半の部分のみ
    後半は命からがら満州から
    引き揚げてきた女性たちの
    戦後の戦いだ

    新聞で性被害にあった女性の体験談を
    読んだことがあるが
    男性にとっては加害の事実は
    一時のことかもしれないが
    女性にとっては一生続く苦しみ
    だということを知った
    その性差の感覚の違いは
    どうしようもなく大きいのだ

    男たちが口にする
    「減るもんじゃないから」ではなく
    「減るなんて生易しいものではなく
    すり減って消耗して呑み込まれて
    蝕まれて病んでいくもの」だと
    抗議したい

    だから作者が戦後77年もたって
    過去の事実を執拗

    0
    2023年03月18日
  • ボーダー 移民と難民(集英社インターナショナル)

    あなたが日本人ならば
    この本を読む義務がある

    テレビでもてはやされる
    アニメや漫画、伝統芸能、日本文化
    きれいで便利、平和でいい国
    日本に好んでやってきて
    大金を消費する観光客
    ばかりを優遇する日本ではなく

    身近に暮らして
    日本人がやりたがらない労働をしている外国人を隣人として
    差別せず尊重して大事にしてほしい

    その輪が広がって
    理解のない国をも動かす一助となりますように
    まずは読んで知って欲しい
    教科書にも載せるべき
    そんな一冊です

    されど現実は国の政策よりも
    先に進んでいる
    (というか国の政策が的外れで遅すぎる)
    日本はもはや技能実習生

    0
    2023年02月12日
  • 星屑

    とても面白かった!
    恋愛モノの村山由佳さんは
    あまり好きではないので
    読み始めから
    こういうのが読みたかった、と
    どんどん話に入り込めた

    昭和の芸能界の話
    出てくる芸能人の名前から想像したり
    正反対のミチルと真由が
    「ガラスの仮面」のようだと
    ワクワクしたり昭和世代には
    たまらん展開でした

    憎まれ口を叩きながらも
    いいマネージャーコンビの
    桐絵と峰岸が
    恋愛関係にならないとこも好感もてた

    ドラマ化しそう
    NHKの朝ドラも笠置シヅ子とか
    戦後じゃなくて
    こっちの方か面白いのに残念

    中表紙の本のタイトルが
    芸能人のサインみたいに
    なってる

    0
    2022年10月29日
  • 嫌いなら呼ぶなよ

    綿矢さんを読むのはは7冊目
    新刊はひととおり読んできた

    レビューも良かったため
    読み始めたが
    冒頭の「知らない人から嫌われるのは
    あなたが素晴らしい証拠」
    パリス・ヒルトン
    を表現したのか

    一見普通の人風の主人公たちの
    悪意に満ちた言葉の数々に
    ついていけなかった

    高瀬隼子さんの
    「おいしいごはんが食べられますように」
    を読んだ時にも感じた
    読後の徒労感にげんなりした

    これが共感を呼ぶ時代なのか
    コロナや戦争やミサイルや
    物価高や円安のせい?
    いや私が歳をとったせい?

    嫌いなら読むなよ
    と言われそうだか
    読了はしました
    だが次回作

    0
    2022年10月09日
  • 老後とピアノ

    稲垣さんと同世代の私
    幼い頃のピアノレッスンの話が
    まさしく私と同じだったので
    共感しながら読んだ

    私も40代の頃
    山下達郎さんのライブを観て感動し、
    音楽をやりたいと
    衝動的に電子ピアノを購入
    だが上手く弾けずに挫折した
    過去あり

    家族からはもう弾かないの?と
    言われながらも仕事や家事が
    忙しいのでリタイアしたらやる!
    と言い訳しつつやってない訳である

    だから稲垣さんのピアノにのめり込む
    様に、
    私のピアノへの思いは生半可だった
    と反省した

    つまづいてもあきらめない
    50過ぎてから始めた
    先人の知恵と工夫をこの本で拝借して
    勇気と希望

    0
    2022年09月24日
  • 汝、星のごとく
    購入済み

    読んでて苦しかった

    これでもかという不運に見舞われる
    暁海(あきみ)と櫂(かい)の
    17歳から32歳までを描く

    正直、恋愛モノも闘病モノも
    あまり好きではないのですが

    ふたりのそれぞれの生活と葛藤を
    時系列にそって描かれてるため
    ふたりの人生を擬似体験してるような
    共感が生まれる
    その共感を保ちつつ
    ラストの幕切れまでなだれこむため
    不覚にも泣いてしまいました

    この小説に共感する人が多いのは
    今の時代の閉塞感だろうか

    次に読むのが
    「八月の母」早見和真 なのだが、
    こっちもヘビーすぎて
    間に 「掬えば手には」瀬尾まいこ
    をはさみたくなった



    0
    2022年08月28日
  • N

    720通りのストーリーを
    お好きな順番で読む
    1編ずつ天地返しの装丁と
    話題性という意味では
    面白いと期待して読んだが

    一気読みしてないから
    3編読んだところで
    登場人物がリンクしてくるのが
    覚えらんない!と
    紙に人名、職業、要点を
    まとめながら読んだが
    時系列が少しわかりづらかった

    私が読んだのは
    花→雄蜂→少女→刑事→鳥→星
    だが、リンクが繋がった!とか
    きちんと着地した!という感じは
    なかった
    1編1編もすごく面白いというほど
    でもなく、何度も読み返したいとは
    思わないし
    読む順番が変わっても
    それほど印象が変わるとも思えなかった

    0
    2022年04月17日
  • 燕は戻ってこない

    新刊出すペース早い桐野さん
    いつも日常生活とはかけ離れた設定
    なのに
    物語に入り込めて一気読みして
    しまう没入感から
    中毒性あって新刊を買わずには
    いられない作家さんだ
    今回も期待を裏切らない

    世の中の不条理や格差
    非正規雇用の独身女性リキの
    都会にも地方にも
    居場所を得られない
    先行き不安なギリギリの生活
    不妊治療での男女の体と気持ちの
    負担の違いや
    ビジネス化した生殖医療
    アセクシャルや外国人労働者など
    問題提起もからめ描かれる

    出てくる人がみんな満たされてない
    自己中心的で露悪的
    どういうラストに着地するのか
    ハラハラしながらも
    無責任

    0
    2022年03月12日
  • いのちの停車場
    ネタバレ

    作者が現役医者だけに
    在宅医療の描写がリアル
    医療用語もわかりやすかった

    映画はまだ見てないけど
    映像だとつらいシーンばかりで
    本で読んだ方が良かったかも

    最後の元医者の父が
    安楽死を望むところでは
    自分の死をもって
    娘に医者としての姿を
    教えたのだと思うと
    尊厳死の尊さを感じました

    と同時に最後の一手を下さなかったのは
    娘を思う父としての思いやりだったのだろう

    思い通りの死を迎えられる人は
    幸せなのかもしれませんね

    残された者はどうやっても悔いは残るものですが

    いかに死ぬかは
    いかに生きるか
    それを意識して生きたい

    #泣ける #深い #タメになる

    0
    2021年09月11日
  • 羊は安らかに草を食み

    「羊は安らかに草を食み」は
    バッハ作曲の
    統治者が優れている地では
    安息と平和が訪れる
    という歌だと知った

    そのタイトルが意味するところを
    読了後に実感する

    宇佐美まことさんは初読みの作家さんでした。なのに没頭して読み、感極まって泣きました。
    宇佐美さんの作品をもっと読みたい、
    出会えて良かったと思える作家さんに
    なりそうです。

    私の母も88歳
    満州引き上げ者です
    当時5歳で弟2人と赤ちゃんだった妹
    両親共に
    生きて日本へ帰れました
    だから今私がここにいられるのです

    益絵とカヨのような壮絶な体験ではなく、恵まれてた方だと思いますが
    終戦当時同

    #泣ける #切ない #感動する

    0
    2021年08月22日