【感想・ネタバレ】天子蒙塵 1のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

一気に読み切ってしまいました。何故あんまり評価が高くないのかわからないくらい、とにかくひたすら面白かったです。

蒼穹の昴シリーズも11巻目に来ました。この、一人の女性が語る話の運び方が本当にわかりやすくて面白くて、今のところシリーズ内で一番好きです。
「女性の本性は政治ではなく、真実の愛を求めること。老仏爺が教えてくれました」という台詞があって、それは傷ついた文繍には癒しだったかもしれない。でも、どうしても生きることは政治に繋がってしまう。貧しくとも読み書きができなくともという話なのかもなと思いました。自分の運命は絶対に変えられるのだと。

"でも、これだけは言える。神と悪魔はけっして対峙する存在ではなく、ひとりの人格の、あるいは一つの国家の併せ持つ、ふたつの貌だということ。"

"国家にも人間にも善悪はないと思います。みずから善行と信じたものが、他者にとっては悪行となるだけです。"

どちらも納得のいく言葉でした。

史上初、中華皇帝と離婚した皇妃、文繍が歳をとった春児と朝日新聞記者で史了の早稲田の教え子、北村記者に紫禁城を追い出されてから「満洲国」に至るまでに何が起こったのか、家族とは何か、離婚によって得られる自由とは何かを語る話。

1
2023年03月31日

Posted by ブクログ

壮大なストーリーにまた戻ってくることができた。
この物語の行く末がどうなるのか続きを読むのが怖いけど気になる。

0
2021年08月22日

Posted by ブクログ

1巻は、溥儀の第2夫人の文繡の語りで進む。

浅田センセの本気の(?)日本語はものすごく美しいなぁ。

懐かしい面々が登場してうれしい反面、史実の無念な結末に進むのが何とも・・・。

0
2021年05月30日

Posted by ブクログ

蒼穹の昴が忘れられず、辛い事があるとこれを読み返し、号泣してスッキリすると次に進み、このシリーズの張作霖の生き様に感動しつつ、懐かしい人達の登場にワクワクしてまた、読み返す
私の人生の一冊というか最大の本がこのシリーズです

1
2021年06月10日

Posted by ブクログ

冒頭は蒋介石に軍を禅譲してイタリアへの船上の人となる張学良。

袁世凱、孫文は既に退場し、中華民国は成っているが、革命勢力、張作霖、日本軍の睨み合いの中で溥儀の王室は生き永らえている。
以前は英邁な皇帝と王妃として語られていた溥儀と婉容、第2夫人の文繡から語られる姿は憐れで哀しい。天津での散財も皇帝は金の意味を知らないから、散財とも認識できない。タイトルの蒙塵の言葉が沁みる。

張作霖からの提案を決断できない溥儀。こういう可能性もあったんだろうか。

張学良の登場シーンは少ないが、プレイボーイの浮名も伊達じゃないカッコ良さ。

梁文秀も再登場したが、物言わぬ春児の変わらぬ誠意が懐かしい。

1
2021年05月31日

Posted by ブクログ

「蒼穹の昴」シリーズの第五部。「蒼穹の昴」の主要人物が再び登場して懐かしい。
ラストエンペラー宣統帝溥儀の紫禁城からの退去から天津での生活を軸に、溥儀の離婚した側妃が語るストーリーは、テンポよく物語の世界に引き込まれる、さすがの浅田節。
過去のシリーズ「中原の虹」と「マンチュリアン・リポート」の間を埋める話もあっておもしろい。

0
2021年08月04日

Posted by ブクログ

民国が成立して、宮城を追われた溥儀一家のその後と満州成立まで。その間に第2夫人であった淑妃が離婚をして自由を得たところを、李春雲と北村記者が回想記として聞きまがらら当時の出来事を裏側から聞く話。結構内容が濃く描かれている。 良い。 次へ!

0
2021年07月12日

Posted by ブクログ

蒼穹の昴シリーズ、第5弾。全4巻中の1巻。
話は張学良の視点からのプロローグから、満州国皇帝・溥儀の元側室であり、皇帝を相手取って離婚を成立させ、自由を勝ち取った淑妃の目線での満州国成立の経緯の話。
皇帝という、国の頂点の孤独さはいつの時代も存在するはずだが、特に滅びに立ち会う権力者の孤独は壮絶なものがあると感じる。
滅びの不幸を、皇族という血のせいで受け止めざるを得ないことに、権力の儚さを感じさせる。

0
2021年06月27日

購入済み

相変わらずの浅田節

蒼穹の昴シリーズの第五作目とのこと。作者浅田次郎の最大の売り物である、語り口の巧さ 効果的な言葉の言い回し いわゆる浅田節は健在である。しかし、逆に浅田節以外の見どころはあまりない。魅力的な登場人物キャラクターは前作以前から引き継いだ人々だし、要所要所で先祖の亡霊が出てくる展開もこのシリーズ共通の手法である。なんだか水増し気味の気がする。

0
2023年09月03日

Posted by ブクログ

シリーズ5作目。
溥儀が満州国の皇帝になるまでが描かれています。
前作「マンチュリアンレポート」をはじめ「中原の虹」や「蒼穹の昴」から随分間が空いたので、人間関係や相関が忘却の彼方でした。
自分のレビューやググってようやく思い出したところ多々あります(笑)
登場人物多くて、ストーリが追いきれません。
前作含めて、じっくり、あいだ開けずに一気に読まないとだめです(笑)

第一巻は
張作霖爆殺から5年後の物語。張学良はイタリアへ。
そして、溥儀とその家族は紫禁城を追われ天津租界へ。そんな中に溥儀と離婚をした側妃の文繍との物語。
主な語りは文繍です。
離婚に至る経緯を記者の北村と李春雲(春児)に語ります。

世の中を何もしらず、王朝再興を夢見る溥儀。
善意、悪意を知らず、溥儀の立場が利用され流出する資産。
正妃・婉容との確執。
婉容はイギリスへの亡命を望むがかなわず、壊れていく婉容。

そして、自由を求めて離婚を成立させた文繍。

本当かどうか分かりませんが、文繍の語る麻雀牌のうんちくが残りました。
麻雀牌の一索が孔雀の柄の理由。
萬子はお金、筒子は貨幣の形、索子はお金を束ねる縄。けれど、一索は自由を奪われた孔雀
とのこと。

なんとか内容についていくことができますが、かなり、つらい。
やっぱり、前作をしっかり読んでからじゃないと厳しいです(笑)

0
2023年06月11日

Posted by ブクログ

蒼弓の昴から読んでるシリーズですが、うーん一巻だからかなぁちょっと何が言いたいのかよくわからない…。相変わらず名前の読み方が覚えられなくて、ルビふってる箇所まで度々戻ってまたこんがらがる。二巻にいく前に再読した方がいいかなぁ。

0
2022年11月24日

Posted by ブクログ

婉容と文繍に以前から興味があったので読んでみた。婉容の描き方は辛辣な感じもしたが、一つの見方として知ることができたこともあり、興味深かった。

0
2022年07月26日

Posted by ブクログ

「蒼穹の昴」から続く浅田次郎中国歴史冒険シリーズの第5部。蒙塵とは塵を被ること。ここでは天子が行幸するとき本来は道を清めてから行くが、変事の際には頭から塵を被りながらバタバタと逃げ出すという意味。
大清帝国のラストエンペラー愛新覚羅溥儀が紫禁城を追われ転々としながら日本軍の後押しで成立した満州国の執政に就くまでの裏側を溥儀の側室であった淑妃文繍へのインタビューという形で物語られる。
既に無力となっている清国皇帝の生活ぶりや皇后婉容と側室の淑妃文繍とによる異様な夫婦(家族)生活の実態など現代のわれわれには理解しがたいことなども興味深い。
溥儀のファミリー(皇后婉容と側室文繍)と大清帝国の行く末を黙って見守る春児と文秀、玲玲。満州国には関東軍の支配力が迫ってきます。

0
2021年07月07日

「歴史・時代」ランキング