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境界認知
話題になった本のコミックス化。
少年院で精神科医をしている六麦という男。
休憩中のテレビで報道された事件の犯人が、かつて自分の担当した少年だということに気づく。
少年・田町雪人は父親の暴力によって離婚した母親に育てられたが、母親の精神不安定による入院などで施設で暮らす。
その中で万引きを繰り返す素行不良によって少年院に連れてこられる。
最初は表情に乏しく自分の考えてることを言葉に表せないことがイライラにつながり悪循環につながるが、六麦との面談や集団生活のなかでの相手とのやりとりで、他者を思いやって行動することが、相手も自分を思いやってくてることにつながることに気づき、人のことをちゃんと考える事で自分の人生も前向きに考えることができるようになる。
やがて出所するときに代表でスピーチを任されるほど見違えっていたのである。
そんな彼が数年後殺人事件を起こした。
その数年で彼にどんなことが起きたのか。
そして全国にいるであろう境界認知の人々がカウンセリングや療育を受けられず、自分がどうして社会になじめないのか、どうしたらいいのかわからず、自分の考えてることを言語化できず、それが怒りと衝動として行動に現れ事件を起こしてしまうのかと思うと、とてもやるせない。
犯罪と知能
難しい社会問題の一つかもと思った。
知的障害患者が全て犯罪に繋がるとは思えないが、
ケアする機関がないのは問題点なのだろう。
考えさせられる漫画だった。
社会とは何か
知的な凸凹が招く、社会的受容感の欠落からの犯罪
少年院の中では優等生で明るい表情をしていた少年が殺人罪を犯してしまう悲しみ。社会構造が生み出す能力の凸凹による苦しみ。
自分より下の世界に行けば、生き生きと光り輝き自由に振る舞え、自分の良いところが目立つ
対して
自分より上の世界に行けば悪いところばかりが浮き彫りになり、苦しくて息もできないような毎日を送ることになる
そんな経験、誰にでもあるのではないだろうか
いろんな人間がいる
どこで何をすれば良いのか
どの場所なら苦しまずに生きていけるのか
そういうものを探す勇気や探すことを諦めずに手伝える人のサポートが
圧倒的に不足している社会だし
そういうサポートは行政には一応あるのだが、そこに繋がることのできる人が全体数に対してあまりにも少ない。
改めてそういうことを感じた一冊でした。
生育歴の中で誰にも励まされず、受容されず、教師からも友人からもダメな奴だと烙印を押されることの苦しみを
一体どれだけの人が知っているだろう。
少年院に入り、殺人を犯し、実刑判決を受け入れた彼の人生が、彼にとって本当の望みであったわけがない。
知的障害の傾向があるために責任能力を問うことで刑期は短くなったかもしれない。けれども彼はそれを拒んだ。それが彼自身の矜持であり、自分はみんなと同じ人間なんだという主張なんだろうと思うと。
少年院から出所したあとの彼をどうして社会が上手くサポートできなかったのかと、そう考えずにはいられないのです。
期間限定無料に惹かれて読了。
読んでいてとても気が重くなる。だが、今こうしている間にも起こっている出来事なのだと思うと目を背けるのも憚られた。
タイトル通り、非行少年達はケーキに見立てた円形をベンツマークのように三等分できないのだが、もう一つ印象深いテストが物語冒頭で出てきた。四角形や円形、三角形がごっちゃになった複雑な図形を見ながら真似して描き上げるというもの。
「できました」と誇らしげに渡してきた彼の描いた図形は、フリーハンドだからとかというレベルをはるかに超えていた。別物だ。列車の線路のようにまっすぐな図形を描いてきたシーンに、ぞっとした。
働く主人公には畏敬の念を覚える。
うーん
興味深いですけど、まだためし読みなのでもやっとした気持ちになりました。非行少年と先生の話ですが、知的障害の非行少年の話の始めだけでした。
これがリアルなのかな。
なかなか少年院に入ってる人たちのことを、知る機会はないので、これがリアルなのかな、と思います。精神科医の視点から描かれてるので、理解が難しい部分はそのまま書いてあり、分かりやすいかな?