感情タグBEST3
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シューマンの「詩人の恋」の新解釈?7部構成でそれぞれの主人公が詩人の恋について解釈する.恋に悩む高校生のおふざけ解釈やミステリータッチの大学合唱部編に大学教授のテロがらみのドイツ編,手を替え品を替え解説してくれる.ただ第7部は歌唱指導まで入りもう詳細すぎて素人にはお腹いっぱい.だけど最後の一覧表は分かりやすくて助かりました.謎の手紙のアイデアはともかく,それがなくてもなかなかに興味深い「詩人の恋」の解釈だと思いました.
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ないわ!連続殺人はどうなってんねん、回収してー。つーか、大学合唱サークルのパート、なくていいから。いきなり阿井センセのサバティカル・ショッピングから良くない?
あと、プロの歌手が「子音を立てろ」だ「ずり上げるな」とかって、アマチュア合唱みたいな指摘されてるってどーよっ、あり得ないわっ。
しかしまあ、おそらくメインテーマであろう「ブラームスが加担したシューマンの企み」自体は興味深いものではあった。けれど、せっかく現代ドイツまで引き継がれたのに、ネオナチ絡みで消失…ってトコが、変にリアルで嫌な感じ。
ハイネの訳詩は引用元が明記されていないところを見ると、作者訳なのかな。私は新潮文庫の片山敏彦訳で育った(?)ので、一瞬「?」だった。
作者も結構なシューマニアーナなんだろうなあ。「第六部 伯林」中の、阿井センセの表題音楽と絶対音楽辺りの語りはなかなか情熱的だった。
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芸術ミステリは、深水黎一郎さんのライフワークであり、代名詞。自分は芸術全般に疎いが、深水さんの芸術ミステリの一ファンのつもりではある。
深水さんの芸術ミステリは、その分野に精通していれば当然面白いし、自分のように全くの素人が読んでもやはり面白い。通と素人の両方を唸らせる。読者を置き去りにした蘊蓄系ミステリが多い中、なかなかできることではない。
手に取った待望の新作は、もちろん深水流芸術ミステリの系譜を継いでいる。面白いかったかといえば面白かった。しかし、本作と同名の歌曲集『詩人の恋』を知らなかった僕は、面白さと同時に悔しさも味わったのだった。
全七部からなるが、長さはばらばら、時代は過去だったり現代だったり、第二部「伝記的事実」はその通り第三者視点で淡々と綴っている。いずれも『詩人の恋』の内容が関わってくるが、この難解な詩を現代の恋愛模様にアレンジした第三部、第五部は、意外な展開に苦笑した。おっさん読者は若い感性に嫉妬しそうだ。
シューマンやブラームスの時代を描いた第一部、第四部。短くても濃密だが、謎を残して終わる。この謎が現代で解かれるのかなあと期待しつつ、読み進める。伯林を舞台にした第六部は、涙なしには読めない。一学者として誠実に生きてきた人物に同情する…。第六部の重要性に、自分は読み終えてから気づくことになる。
いよいよ真打登場の第七部。何と何とあの男が再登場。内容はとても理解できたとは言えないが、瞬一郎は歌唱指導までしてしまうんかいっ! そんな彼が最後に披露した、『詩人の恋』に込められた真相とは。偉い人の説がまかり通る、学問の世界。これを論文として提出したら、どう受け止められるのかと、ふと思った。
やはり、『詩人の恋』を知っている方が面白さは増すだろう。自分には真に理解できていないという点で、星四つとさせていただきたい。星五つはつけられない。