【感想・ネタバレ】彼女たちの部屋のレビュー

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Posted by ブクログ

簡潔な文で映像が浮かぶ。女性を、というのがやや鼻につくけど、自己再生と周りの人を助ける、というテーマを一気に読ませるスートリー仕立てはなかなかです。

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2023年09月16日

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世界の女性の生きづらさを、改めて考えさせられる本だった。いつの時代も強く闘う女性達の姿に、勇気とパワーで満たされた。受け継がれる正義感。
読み終えた後、暖かい感情が全身を駆けめぐり、しばらく涙が止まらなかった。
強い勇気をもらえる一冊。ずっと持っていたい本。

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2023年02月20日

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現在のパリで困難を抱える女性が身を寄せる女性会館の様子と、100年前のパリで会館設立に尽力する様子を交互に描く一作。
抱える困難は違っても、連帯できる。時代や立場が隔たっていても手を差し伸べる勇気は、変わらない。

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2022年11月17日

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知らなかったことをたくさん知った。アフリカ大陸に根深く残る女性器切除、フランスの貧困、難民のこと…。
何もしないより、ちょっとのことでもした方が何倍も良い。小さいくちばしで汲んだ水を山火事に掛けるハチドリみたいに。
自分のことだけで手一杯、他のことは気になっても何もできない…それは本当か?何かほんの少しでもできることを探して、やりたくなった。

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2022年01月15日

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この本を通して、色々なことを知れた。
女性器切除のことも名前は知っていたけれど、具体的なイメージを持てていなかった。
言葉を失うような経験を持つ人間が、この世界にはまだまだ沢山いる。

恵まれたことに、私はソレーヌ側の人間。
今年からPLANに寄付をし始めたけれど、お金を差し出すだけでなく、もう少し深く関わっていきたいな、とこの本を読んで思う。
闘いは終わっていない。

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2021年11月01日

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「三つ編み」を読んだ後にこちらの作品を読みました。「三つ編み」と似たようにこの作品では過去と現在が繋がっている作品で、楽しく読めました。ブランシュのやったことがソレーヌの代までずっと続いていて、その意思もそのまま受け継いでいた物語だったので、読んでて胸が熱くなりました。
読もうか迷っている方は「三つ編み」も一緒に読んでみて下さい。

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2020年09月30日

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稀に出会う、信念とか感情とかにモロに響く作品。
生き方はなかなか変えれんくても、考え方はいつでも変えれるしな。

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2020年08月09日

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翻弄される女性を救う場所、それを作った女性とそこで再生する女性のリンクが見事すぎて、読み終わってもしばらく本から手が離せませんでした。ソレーヌ、よかったね、と肩を叩きたくなりました。上の立場にいたと思っていた彼女が、会館で生きる女性たちに近づいていく様には、旨がしめつけられます。これが、共感の姿です。そして、素晴らしいエンジンを積んで目標に向けてひたすら突っ走ったプランシュの生き様には、拍手せずにはいられません。アルバンも、本当に素敵です

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2020年08月04日

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パリ、女性会館という場所で現代と100年前が行き交う。女性が安心して眠れる場所に生涯を捧げた女性と、100年後のその場所で人生に再び意味を取り戻す女性。
書くこと、報われること、この場所から始まっていくこと。読みやすい文章の中に情熱の灯り、時を越えた女性たちへのエール。


物語の中にパリの貧困の現状、女性を取り巻く窮状が頑とした意志で書かれていたのがよかった。同じ女性であっても境遇が違えば見えないものはこんなにあって、いつ立場がひっくり返るかもわからない。
女性が女性に「気づく」物語でもあり、境遇の差を越えた連帯と友情、人生賛歌でもある。
とても好き。

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2020年08月04日

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ネタバレ

ソレーヌが初めて人前で大泣きする場面、シンシアが絶望して自死するところ、私の人生とは違うけど、登場する女性1人1人の苦悩に自分を重ねて読んだ。
145ページのハチドリの話ー事態の打開には程遠くても、せめて自分にできることはするーが好き

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2020年08月01日

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前作同様に一気に読めた。ただ、現在と過去のパリが抱える問題の理解が自分に足りず消化不足の感は残った。

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2020年07月25日

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まさに一気読み。この読む事を止める事ができない内容と読みやすさは著者のレティシア・コロンバニさんの筆力の賜物であり翻訳者の齋藤可津子さんの素晴らしさのおかげだと思う

本作の中でも取り上げられていた風習についての本(積んである)を次に読もうと決めた

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2020年07月19日

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読んでいるうちに、ブランシュやソレーヌまでにはなれなくても、困窮した女性を助ける人になりたいと思った。日本にも困窮している女性がいて、そのことを知っているのに、何もしないというのは違うような気がするから。ささやかでも自分のできることを考え、実行したい。

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2024年04月24日

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みつあみ、私たちの教室につづく今作。
どれが好きかな?と思ったけど、どの作品もすき。何故なら、どの作品も主人公、とりまく女性たちの苦悩、体験、生き様、選択した生きる道、選択するまでの葛藤や出会い、自分と向き合わなければならない環境があったりして、、
くるしい描写もあるが最後に一筋の光が見えて、その光はキラキラしてるというよりも、透き通った光であり、空気。
そして 繋がり が強い、どの作品も。
独りのようで一人じゃないって、思える優しい感触がある。
それを感じられるラストがどれもあって、希望なんだ。私はこの作風は好きである。
いつか日本を舞台に、作ってほしいな。

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2024年04月17日

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まるで映画を見てるみたい、と思ったら作者は女優さんで脚本書いて監督もする才女でした。
100年前の弱者救済のために生きるブランシュと、彼女を人として尊重するパートナーのアルパン。(実在の人物)救世軍の彼ら彼女らの一途な働きにより作られた女性会館。
100年後、その女性会館で挫折したエリート弁護士のソレーヌの物語が、ブランシュの物語と交互に進行します。
鬱になったソレーヌが、代書のボランティアを通じて周りも彼女も変わっていくのは、読みながら癒やされ励まされます。
移民問題がリアルに描かれていて、フランスならではと。

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2023年09月16日

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著者デビュー作の"三つ編み"で
インドの不可触民である女性が、自分の娘にその仕事をさせたくなくて逃げる話と、
イタリアで家族経営の仕事(村の人々の髪をカツラにする)を継ごうとしている若い女性
そしてカナダで乳ガンを宣告されるシングルマザー
の三人の生き方がそれぞれ描かれながら、つながっていく話でした


この"彼女たちの部屋"は、
著者がたまたま通りかかって知った「女性会館」から、その施設の創設に尽力した実在の人物ブランシュ(1920年代)
と、
現代の女性ソレーヌ 弁護士でバリバリ仕事をしていたはずが、ある判決が終わったところでクライアントが目の前で飛び降り自殺してしまう
それからうつ状態に...何もしない生活を続けている彼女に医師はなにかすることをすすめる。ボランティアとか。
文章を書くことが好きだった彼女は、人の代わりに代筆する という言葉に惹かれ、ついたところは上記の「女性会館」
生活保護を受けている人たちや、外国から逃れてきた人など生活に困窮した女性たちの生活の場。

ここでいろいろな文を読んだり書いたりするうちに少しずつ打ち解け、そこでまた事件が起き......

いろいろな環境の人がいます。
路上生活を何年もしていたから部屋でゆっくり寝られない人や、
アフリカの風習で女性に対し酷いことをすること
(なんと、女性器切除!という慣習…)から逃れるためにフランスにやって来た人
母親から逃れるためにパリに来て独り立ちしようとしたけどうまく行かず路上生活する若い女の子

1920年代に、困窮した女性や子供のための大きな施設を作るために資金調達に奔走する話と、
現在の女性の保護と独り立ちへの手助けが、交互に綴られていきます。

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2022年08月28日

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ネタバレ

『三つ編み』の作者の第2作。

順風満帆の弁護士のソレーヌは仕事の失敗すなわち顧客を破滅に陥らせたことから燃え尽き症候群になり、医師からボランティアを勧められる。様々な職種の中から選んだのは困窮した女性の避難施設の代書人(Écrivain public)。

百年前、当時の女性としては道を外れた生き方を貫き、この施設の設立のために尽力した救世軍の女性・ブランシュ。

一人で住む部屋を得るというのは一度堕ちてしまうと困難を極める。ソレーヌは目の前のたった一人でも救えるのか。

フランスの女性というと、日本では雑誌で特集を組まれるほど憧れの対象であったりするけれど、施設の女性たち社会から爪はじきにされている。日本でもありそうな事情から滅多になさそうな事情まで施設に身を寄せる理由は様々。

「運も実力のうち」ということばがありますが、運がなければ、出自が恵まれていなければ、普通の生活にも辿り着けないという状況には心が痛みます。

「鍵を手にする、それはなんでもないことではない。人生を手にすることだ。」(P229)

フランスの作品ということで読む前は「言い回しが独特かも?」などと思い込んでいましたが、かなり読みやすいです。著者は小説家、映画監督、脚本家、女優、だそうで、確かに端的かつ正確にイメージを伝える文章が特徴的です。

施設設立のブランシュのパートは、歴史的なものはブランシュが体験したこと感じたこと、ブランシュがどうだったかというところが重点的に描かれていて、歴史的事実というより物語のテイストが強く、それもまた読みやすさにつながっていると感じました。

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2022年08月26日

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ネタバレ

クライアントの死をきっかけに、堰をきったように抑圧されてきた思いや、恋人との別れ、周囲からのプレッシャーなどに押し潰されそうになる主人公ソレーヌが、女性会館での人々との交流を通して、他人の価値観よりも自分の思いに正直になっていく様子が描かれていた。
物語が終盤にさしかかるにつれて、パラレルに語られてきた女性会館の創設者ブランシュと重なる部分が増えていき、最後にはブランシュが女性たちに手を差し伸べたように、ソレーヌもリリーに手を差し伸べた姿に心を打たれた。

パリという世界が憧れるような素敵な街の片隅で、世界中から集まった貧困や差別と闘いながらお互い支え合って生きていく女性たちが実際にいること、その背景に存在する人々の努力や想いに驚き、感銘を受けた。

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2022年03月20日

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前作「三つ編み」では、同じ時を生きるイタリア・インド・カナダの女性たちの人生を、まさに三つ編みのように交差させて描いていたが、今作は、フランスの同じ場所を舞台に別の時代を生きる女性たちを描いている。
それぞれ横軸と縦軸で紡ぐ物語。
その切り取り方がすごい。

100年ほど前、救世軍の創成期の頃に幾多の困難を乗り越え、女性のための居場所を造った女性ブランシュと、現代に生きるバーンアウトしてしまった敏腕弁護士ソレーヌ。自分を含め女性が抱える困難に寄り添い、立ち向かう二人の女性の生き方に、諦めずに進めと言われているような気がする。

救世軍は、年末になるとターミナル駅などで募金を募る「社会鍋」を、子どもの頃よく見た。
その名前が印象的だったが、日本ではあまり知られていないのではないだろうか。この物語を通して、思いがけず救世軍のことも知ることができきた。

2020.12.18

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2021年04月25日

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ネタバレ

映像化向きの本だなーと少し鼻白んでしまうところはあるけど,すごく良い話だった。三つ編みと同じくすごく好き。
しかし弁護士って,こういう話の主人公にされやすい職業なのかな。

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2021年02月15日

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「三つ編み」や今作、「82年生まれ、キム・ジヨン」などの所謂フェミニズム文学に弱い。共感と、連帯感。
私自身女性として生きてきて、女性ならではの生きにくさを感じることがあるけれど、特にレティシア・コロンバニの作品に描かれる女性たちの人生というのはとても過酷で、同じ世界・同じ時代に生きているとは信じられないほど。
偶々生まれた環境が違うだけ・偶々ボタンを掛け違えただけでここまで違ってしまう人生に、罪悪感のようなものを感じてしまう。なにか自分に出来ることがあればしたいけれど、無力な自分に何ができるのか、そこまでの責任が負えるのかと思うと、躊躇してしまうー 今作の主人公の一人、ソレーヌの気持ちがとてもよくわかる。
救世軍というとミュージカル「ガイズ&ドールズ」しか思い浮かばなかった。こんなに尊い活動をしている団体なのだと初めて知った。ただただ、圧倒されるような気持ち。

今作の中で紹介されていたフランスの思想家ピエール・ラビ氏のハチドリ運動の話がとても胸に刺さった。
大きな山火事に、小さな嘴に運べるだけの水をかけ続けたハチドリのように、自分は自分にできることをするのだと、私は動けるだろうか。

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2020年11月23日

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前作「三つ編み」とテーマは同じ。
こちらは2つの時代に生きた2人の女性の物語。

100年前、自分の全てを出し切って貧困や差別にあえぐ女性たちのために生きた高潔なブランシュ・ペイロンの存在には驚かされました。
直向きに、ただ直向きに「助けたい」という信念を貫き通した人生には頭が下がります。

そして100年継がれた思いを確と受けとめたソレーヌ。
彼女は心に大きな傷を負っていましたが、女性保護施設で出会った個性豊かな女性達とのふれあいの中で、徐々に前を向き、立ち上がり、進んでいく気持ちを取り戻していく様が心を打ちました。

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2020年09月30日

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パリの女性会館。現在と過去、二人の女性の苦闘。現在のソレーヌ、女性会館で代書人のボランティアをすることになる。100年前、救世軍のブランシュは女性・子供を救う施設を作る。ソレーヌは自分とは違う境遇の女性たちに最初は戸惑うが、代書を通じて心を通じ合わせる。ブランシュは病気であっても女性のために奮闘する
ブランシュの方は女性会館ができるまで、ソレーヌの方は、うつ状態を脱し、自信を取り戻し、立ち上がるまで。タイプは違うが二人の強さが描かれる。二人の物語でもあるが、現在のところで描かれる女性会館に登場する女性たちも、私に、読者にエールを送る。様々な境遇で戦う女性たち。どの女性もなんと力強かったことか。信じること、進むこと、この本から得られる者は多い気かった。できることは少ないかもしれない、でも確実にすることが大事なのだな。

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2020年09月29日

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ネタバレ

サルベーションアーミー、前世紀の前半の時代に女性が動ける組織があったことが驚き。平等な使命に生きる結婚があったことが驚き。
みつあみの期待を持たずに読みたかった。

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2020年08月20日

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デビュー作『三つ編み』で心を深く揺さぶられた作者の長編第2作。女性保護施設でボランティアをする女性弁護士と、その施設を創設した実在の救世軍夫妻の姿を交互に描く。現代編の想像を超えた悲惨さに絶句するが、1920年代にこの施設を作ったペイロン組にも驚かされる。彼らを動かす“他者のために”という強い気持ちはすごいなと思う。自分には何ができるだろうかと考えさせられた。

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2020年07月05日

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SL 2023.3.16-2023.3.18
パリの女性会館はおろか、救世軍のこともほとんど知らなかった。100年前から社会から排除された女性たちに屋根を与えようとして奮闘した人たちがいた。それは現在に続く闘い。そしてこれからも終わることのない闘いだということがある意味哀しい。
自分にできること、あるはずだけどできていないことに恥入るばかり。

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2023年03月18日

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ネタバレ

その時の姿形で目の前の人を判断しがちだけど、人間一人一人に目には見えない物語があることを思い出させてくれた。

ソレーヌが立ち直ってゆく様子も良かったな。


『傷ついた者の魅力、倒れ、再起した者が持つ魅力がある。』

この一文が好き。

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2021年12月19日

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敏腕弁護士のソレーヌは、敗訴したクライアントが見の前で飛び降り自殺をしたことから神経を病んてましまい、弁護士事務所を休職している。医師の勧めで、女性の保護施設でボワンティアとして代書人をすることになる。エリートとして自信満々だったソレーヌからは想像もしていなかった最下層の女性たち。それぞれの辛い過去からの自立を目指す彼女たちと触れ合うことで、ソレーヌ自身も自分を取り戻していく。

この施設を1925年に女性の保護施設にした救世軍の女性の顛末が、現代のストーリーの間に挟まれているが、二つの物語を並べる効果があまり感じられない。現代の彼女たちだけでも良かったのではないか?

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2021年07月08日

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『三つ編み』のレティシア・コロンバニによる新刊。大きな挫折のあと、保護施設『女性会館』で代書人のボランティアをはじめた弁護士のソレーヌの現代パリターンと、100年前の救世軍のブランシュの過去パリターンが交互に進む物語。さまざまな地域に根付く「女性」に関する問題を提起した作品、救世軍に関してはあまり詳しくなかったのだが、本作を読んでいるうちに興味が出たので、あとで詳しく調べてみようと思った。

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2020年08月31日

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フランスの女性会館の創始者ブランシュと、現代に生きるソレーヌが、女性会館という場で、時代を超えて、女性への共感と支援を培っていく。
いつでも汗を流して今の自分たちを作ってくれた先駆者がいるものだけれど、その時代と現代を交互に語ることで、両者が有機的に繋がり、ヒューマニズムの希望のようなものを読者に見せてくれる。
その希望は読者にも伝播して、
私たちもやれるかも?やってやろうじゃない!
という気持ちにさせる。フェミニズム小説はこうでなくっちゃ。

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2020年07月29日

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