感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
タイトルに『事始』とある様に、何故この物語が始まったかの「始まり」の物語。
1つ1つ独立している話の様で、第5話の「家鳴り」に全て繋がって行く。細い糸で編まれた様な一冊で作者の構成力が光る。
Posted by ブクログ
久々に宮部みゆき。このシリーズは何故かずっと手を付けずにほったらかしてしまってたが、面白いやない。なんで今まで読んでなかったのか?
時代小説かつ怪談、綺譚ものなのだが、人の情(人情というとちょっとイメージが違う)を扱った連作短編。とはいってもすべての物語につながりがあり、最初から読まないと話がつながらないので、長編と考えた方が良いか。
京極夏彦だったか「一番怖いのは人」という言葉があるが、まさにその怖さ…というか儚さ弱さが怪異を生むといったテーマ。おちかちゃん、こんなやっかいな人の気持ちばかりをこれから100も聞くことになるんだけど、大丈夫だろうか?カミーユのように壊れなければいいんだが…と余計な心配をしてしまう。
Posted by ブクログ
【2024年54冊目】
変調百物語――通常の百物語は人々が一堂に会して行うが、三島屋で行われているそれは、語り部がやってきて、話が済めば帰ってしまう、まさに変調の百物語だ。とある事情で三島屋に身を寄せている「おちか」は、叔父の伊兵衛の依頼でその百物語の聞き手となるのだが…。
外れなしの宮部みゆきさんの三島屋変調百物語シリーズ第一作目です。やはり外れなし!五つの連作短編集をドキドキしながら読みました。
章が進む度に主軸となる主人公のおちかの過去のあれそれも明らかになっていき、最終章の五章では過去話となっていたこれまでのお話が一つになりました。見事!
おちかの成長ぶりも良いですし、最終章で姿を見せたラスボスも良いですね。いつか彼の話を聞くことにもなりそうな気がします。
なんとシリーズは9作目まで出ているようで二作目以降を読むのが楽しみです。