【感想・ネタバレ】サロメのレビュー

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Posted by ブクログ

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原田マハさんの作品は何冊か読んでいるけれど、芸術作品を題材にした小説を読むのは初めてでした。
私は芸術に疎いので、私なんかが感想を書いていいのか?…と言う思いで書いていますが、大きい衝撃、というよりも心臓を少しずつ蝕まれている感覚…ダメだとわかるのにやめられない中毒性のような…何と表現して良いかわからないほど素晴らしく、好きな作品でした!
芸術や愛、自己承認欲求などがどれも狂気(凶器)に変わっていきます。読めば読むほど恐ろしい、でも読み進めたくなる。ロンドンやパリの美しい情景と狂気のコントラストも良かった。ラストも芸術を題材にした作品らしく読者に想像させるような終わり方が素敵でした。

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2023年11月23日

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ネタバレ

山田五郎のオトナの教養講座でオーブリー・ビアズリーを取り上げ、原田マハの小説にも言及があったので積読にしてあった本書を読んでみた。まさに19世紀の世紀末の世界、オスカー・ワイルドのサロメの挿絵として発表されたビアズリーのサロメはオスカーを凌駕してしまった、しかしその耽美な世界は当時のキリスト教世界では認められる事はなかった。著者の作品は事実とかなり逸脱した物が多く、これちょっと歴史的に大丈夫という物も多いが、しかしショウビジネスでは男色なんて当たり前、おまけに近親相姦まで匂わせている、原田マハ流石だね。かつて上岡龍太郎は芸能界はヤクザといっしょと言った、今世間を騒がしているジャニーズ問題だが、今更何を言ってるのこんなのは昔から当たり前じゃないと言いたい。

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2023年09月14日

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ネタバレ

『リボルバー』のように、現代アートの研究者のもとにアーティストにまつわる謎が持ち込まれる。本作は現代パートはほとんどないし、読み応えはちょっと『リボルバー』より少ないけど、ビアズリーの姉メイベルに引き込まれ一気に読んでしまいました。相変わらず原田マハ作品はアーティストの背景などの理解が深まるので嬉しいです。

ジェーンが出した「未発表のサロメ」とは?「事件」とは?
読み進めるにつれて、少しづつ糸が解きほぐれていく爽快感がありましたが、衝撃のラスト...なんか分かったような分からなかったようなモヤモヤな後味。嫌いじゃないけども。
エリック・エリエールって誰だっけ?
メイベルはワイルドの首を切ったの?
元から切るつもりでエリックに相談したの?
ジェーンが言う「本当のサロメ」とは、オーブリーが書いた翻訳のことじゃなくて、メイベルが主人公の話ってこと?
ちょっと話が出来過ぎなところもありましたが、実在した人物の「もしこうだったら?」の想像の話って面白いなぁと思いました。

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2023年08月25日

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本当にこの時代に入り込んでしまったかのような世界観。オーブリーが亡くなるラストシーンでの一言がサロメそのもの。弟を支えるメイベルが頁を進める度にとんでもない行動力を発揮していく事に恐ろしささえ感じた。オーブリーがメイベルの行動を事細かに全部知っちゃったら絶縁レベルだろうな・・

オーブリーとワイルドが出会わなければきっとこの原田マハさんのサロメも無かったことと思うと...。

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2023年07月19日

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中心人物はオスカー・ワイルドとオーブリー・ビアズリーだが、オーブリーの姉であるメイベル視点でストーリーが進んでいく。
メイベルは苦労人という印象が強かったが、後半になるにつれて強さとヤバさが露見していった。
ワイルドもオーブリーも只者ではない。みんな狂っているからこそ読む手が止まらなかった。

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2023年08月29日

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ワイルドの同名小説に関連した画家オブリー・ビアズリーの伝記小説
19世紀イギリス、ヴィクトリア朝のデカダンス文化をあたかもリアリティがあるように体感させる描写は以前読んだ『楽園のカンヴァス』にも感じた事ではあるものの作者の取材力や情報量に舌を巻く
ここに登場してくるワイルドは気取り屋で嫌味ったらしくもあるが、人を惹きつける才能とカリスマ性もあり同時に魅力的でもある
現実にはどういう人物であったかは当時を知っていた人間の伝記でしか知る由もないが、その立ち振る舞いは現在のロックスターの位置付けに近いものを感じられて後々彼が世界に様々なカルチャーへの影響を与えているのだと思えば非常に感慨深く感じられた
今回その彼が主人公のオーブリーを悪徳と不道徳の世界へと誘おうとしている態度を見ればワイルドがメフィストファレスの存在の様に思えてくる
しかし物語では実際に悪の道を進んだのはオーブリー自身ではなくワイルドに憧れていた姉の方で少しづつサロメとシンクロさせていく様な怪物になっていく様は読んでいて圧倒される事となる
すでに歴史の事実として語られている事ではあるが、それをフィクションと事実を混じり合わせて一つの物語に構築していくだけでも優れた作り手であると思う
その上でさらに物語の展開を予測つかない物にしていくのは本人の才覚もあるからだと思う
この作品は西洋絵画好き以外にも19世紀ヨーロッパ文化を嗜む人、アングラ文化が好きな人にも一緒に楽しめる内容であるので好事家には手元に取っておいた方がいい一冊であると思われる

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2023年08月13日

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いや〜女って怖いっすね。

最初はオーブリービアズリーが主役やと思いこんで読んでましたが姉ちゃんが主役やったとは!

やられました。面白かったです。

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2023年06月24日

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ノンフィクションかのような『サロメ』をめぐる物語。

弟であるオーブリーを献身的に支えていたメイベルがいつの間にかサロメのように狂っていく。

オスカー・ワイルドに出会った人はみんな狂ってしまうのかとも思いつつ。

物語の前に何年何月って書かれるけど回想しだして時間軸がズレるので分かりにくい。

ーブリーの挿絵も今作に入れるのは流石に難しいのかな。どんな絵なのか想像で補うか携帯で調べるしかなくて少し残念。

結構未発表の『サロメ』は本作で語られるメイベル視点の物語なんだけど、それをしまったのはメイベルだからメイベルが書いたってこと?
挿絵もヨカナーンがワイルドになっているそうで理由は顔と包帯だがワイルドが中耳炎となって頭に包帯を巻き始めたのはオーブリーがなくなってからなのでメイベルが加筆したということ?真筆って言ってたけどラストでよく見ると首の部分だけ加筆とも言ってた。
本編よりもそこが気になる。

登場人物メモ
・甲斐祐也
ロンドン大学に留学
東京国立近代美術館の研究員。
新興美術とオーブリー・ビアズリーを専門に研究。

・ジェーン・マクノイア
ロンドン大学大学院近代文学史のジョン・バーキンス研究所所属の研究員。
オスカー・ワイルドを主に研究。

・イライザ・ハイス
V&Aのキュレーター。



・オスカー・ワイルド
19世紀末の作家。代表作として戯曲『サロメ』。
男色家。

・オーブリー・ビアズリー
19世紀末の画家。挿絵を主に手がける。
結核により25歳で死ぬ。

・アルフレッド・ダグラス
ワイルドの恋人。絶世の美男子。
『サロメ』を英語版に翻訳。

・サラ・ベルナール
舞台女優

・メイベル・ビアズリー
オーブリーの1歳上の姉。舞台女優を1年ほどしていた。

・エリック・クリエール
メイベルを誘った男。

・エドワード・バーン=ジョーンズ
有名な画家。

・ジョン・エヴァンス
メイベルに付きまとう劇場主。

・フレデリック・エヴァンズ
書店の店主。オーブリーの絵を飾る。

・ジェニー・リー
イギリス演劇界きっての実力派女優。

・トーマス・アーウィン
パブリック・シアターの劇場主。

・バーネット
演出家。

・ピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ
フランスを代表する画家。

・J・M・デント
出版業に携わっている男。

・アンソニー・ウィトキン
「グレイス・パレス」支配人。

・ジョン・ダグラス
アルフレッドの父親。

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2023年11月22日

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