【感想・ネタバレ】今日は心のおそうじ日和 素直じゃない小説家と自信がない私のレビュー

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購入済み

試し読みをして、その後一気に読了してしまいました。
美空ちゃんと先生のやりとりが可愛くて、光景が目に浮かんでニヤニヤしながら読み進め、すぐに読み終わり。
ものすごく久しぶりに小説を読みましたが、続編をすぐに購入したいくらいに引き込まれました。
涼子さんの幸せを願ってやみません。

#ほのぼの #癒やされる

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2023年09月22日

Posted by ブクログ

男は絶対読むべきですね。特に結婚してる男…そして家事をやらない方は特に…
家事の大切さを実感できる本です。家事をするのが当たり前。生活するためにやらなければならない。
共働きの夫婦また専業主婦の方々にもとっても良い刺激になる物語です。
私はこの本に出会えてよかったです。共働きで3児の父親ですが、家事は毎日してますが、この本のお陰で家事の考え方が変わりました。家事をさらに楽しくやれそうです。本当にありがとうございます。

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2023年05月27日

Posted by ブクログ

不倫した夫から離婚をされ娘を抱えて実家にも居場所がない主人公が同じく辛い過去を抱えた偏屈な小説家の先生の家で住み込みの家事をします。自己肯定感が低い主人公が先生、娘、編集者などに支えながらの素敵な再生物語でした。

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2023年02月23日

Posted by ブクログ

著者の本は刺さる。今回も付箋貼りたいところがたくさんあったけど、ゆとりのない中で読むので(なぜその状況で読むのか)先々ページをくった。めちゃくちゃ面白かった。

ただ、もっとほんわかハートフルストーリーかと思ってたので冒頭から「えっ」とはなる。これも著者のパターン

わりと濃いな?!ていうバックグラウンドをさらっと書くのよね。
著者が強いのか著者が書くキャラが強いのかわたしが弱すぎるのか。

わかりやすく強キャラではなく、それ、わりと大変な状況やで…?というのをみんな受け入れてるというか。
我慢強いって感じかな。

続編もあると知って即リクエストした。(そして続編は)もう手元にある。楽しみ。

主人公の元夫の、主人公に対する追い込み方がうちの元夫と同じやなと思った。数年前なら読めなかったかもしれんな。

しかし家事のスキルはすごい。わたしは専業主婦はできなかった。

さくさくハッピーエンドやけど、そのくらいがちょうどいい。

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2022年12月18日

Posted by ブクログ

家事って、誰でもやれることみたいなイメージで、低く見られがちな仕事。というか、あまり世間では、仕事と思われてないかも。

でも、生きていく上で、掃除や食事や洗濯は、誰にとっても発生することで、それらに丁寧に取り組むことはすなわち、人生の質を上げることに繋がるのかもしれませんね。

軽く見られがちな家事の、偉大さ大切さに気付かせてもらいながら、楽しく読めました。
終わり方もスッキリ☆

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2022年05月16日

SN

購入済み

泣ける

私も理由は違えど荒んだ気持ちだったので、とても心に響きました。私にも心の掃除が必要だったようで大泣きしてしまいましたが、今ではスッキリとした気持ちです。

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2021年10月11日

Posted by ブクログ

 成田名璃子「今日は心のおそうじ日和」、素直じゃない小説家と自信がない私、2019.9発行。面白かったです。テーマは「掃除」。ゴミ屋敷化している屋敷の(有名な)小説家、山丘周三郎(娘を事故で、妻を病気で亡くし独り身)とその家政婦になったバツイチのシングルマザー、平沢涼子の物語。涼子の娘、美空(みく)(小3)がいい味・いい役をこなしています。掃除(家事)をするということは、心を整えること。はい、同感です! 続編が出てるようで、楽しみです。

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2021年05月08日

Posted by ブクログ

家へ出戻るが、そこでも兄嫁にノースキルのお荷物扱いされ身の置き場が無かった。そんな涼子に、住込の家政婦の仕事を紹介されて…

 とにかく涼子の元旦那が酷すぎる。ある意味モラハラ洗脳で、涼子の専業主婦を馬鹿にしすぎるのに閉口気味でした。卑下してるけど、あそこまで家事スキルがあれば家事代行サービスで働けるレベルですね。
 
 娘の美空がとても賢く、家事を頼まれている小説家の山丘の気難しい懐に上手く入り込んで緩衝材になってくれてました。
 頑なだった山丘とも少しずつ打ち解け、そして山丘自身のトラウマも美空のお陰で解消されていくのがとても穏やかで心地よかったです。

 出版社の川谷が癒し系で私のお気に入り。
 元旦那もバチが当たりそうで、胸がスッとしました。

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2021年05月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

表紙絵が#井田千秋 さんだったので読んでみたこちら。
とても面白かったです。
専業主婦の家事は立派な仕事。
でも、主人公のこなす家事は私には無理ー(^_^;)。
しっかり者の娘さんと
優しい周りの人たち、
主人公が幸せになってよかった。
最低な元旦那さん、こんな人いるんだろうか…。

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2020年12月11日

Posted by ブクログ

家事は生きていく上で最低限で良い。けれど、家事の行き届いた生活はとても気持ちが良く、心のおそうじになる。それは常日頃から私も感じている事なので共感できる部分が多々ありました。そして家事が苦手な私に少しやる気もくれました。笑

山丘先生、川谷さん、美空。登場する人物が皆愛おしい〜

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2024年02月03日

Posted by ブクログ

モラハラクズ浮気元旦那!ひー!となるくらいのクズですな。

しかしここまで極めるとそれだけで強みですよね。続編もあるようなので楽しみです。

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2024年01月10日

Posted by ブクログ

夫の浮気により夫婦生活は終了した。その後紹介で有名作家さんの家に家政婦として勤めることになった。先生は家族を亡くしてて、2年もの間執筆をしていなく、家も荒れ放題であった。そんな家を建て直し、先生に執筆活動をさせた親子は本当に凄いと思う。そして、実家を追われて先生と同居。意外とこんな生活も良いもんだなぁと思う。最後には浮気した夫が女に捨てられたのも笑えた。

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2023年09月05日

Posted by ブクログ

生きている間は、生きる・活きることが大事だと思う
家事をやるのは活きること。生きていくために、生きることを支えるために必要なこと
まぁ手間だと思っちゃうとなかなかできないよね…w
あとがきが本文とちょっとノリが違くて、でもなんかすきだなと思ったのでした

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2023年08月18日

Posted by ブクログ

こちらはさてさてさんのレビューに惹かれてのチョイス。

夫の不倫が原因で離婚し一人娘を連れて実家に帰ったものの、父母に兄の家族も住むそこにも居場所はなく、舞い込んだ家政婦の仕事に向かったところ…というところから始まる物語。
仕事の経験はほとんどないが家事だけは好きという主人公・涼子さんの掃除欲というか主婦魂に感心する。
相手が気難しい作家先生であろうと汚れたものや散らかった部屋を見るときれいにしないと気が済まないし、何度「出ていけ!」と怒鳴られても懲りずに掃除洗濯炊事に勤しむし。詳細に記される掃除や炊事の手際の良さがお見事。
私はこの手のことについては配偶者におんぶに抱っこなので本当にすごいと思うのだが、旦那からは貶められ兄嫁からは蔑まれてきた主人公の自己肯定感は低く、とても不憫。
そんな彼女が家政婦の仕事を通じて、また“素直じゃない”作家先生やちょっと暑苦しいが涙もろい編集者との触れ合いを通じて、自己の人生を見直し歩みを進めていこうとする姿に、しんみりしたりほっこりしたり。
最後になってちょっと忙しく、あまりにうまく行き過ぎたようには思うが、全体的にはとても良い心持ちで読めた。

作者のあとがきで、自分の心の持ちようについて書かれていた言葉も良かった。(フレーズに登録)

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2023年05月09日

Posted by ブクログ

あなたは『家事』が好きでしょうか?

掃除、洗濯、そして炊事という『家事』の三点セット。人によって好き嫌いというものはあるかと思います。私なら…そうですね、炊事、洗濯、掃除の順かなあ…。はい、私、さてさては『家事』は好きというより当たり前にやります。一人暮らしの○年間に散々やったので、結婚した今でも妻任せでは全くありません。読書にじっくりと浸るためにも『家事』の時間もとても大切です(笑)。

ただ、『家事』はプロ任せという方もいらっしゃると思います。昨今『家事代行サービス』で検索すると数多の検索結果が表示されもします。単に面倒というより、プロの力で日常の『家事』の結果以上の成果をそこに見たい、そんな思いから『プロ』に依頼する方もいらっしゃるようです。どんな仕事にも『プロ』がいるように、『家事』の世界にだって、あなたを思わず唸らせるそんな『プロ』の存在があるのだと思います。

さて、ここに父親から『家事の得意な女性を探している』人がいると聞いて、そんな人の元に『家政婦』として通うようになった一人の女性を描いた物語があります。『もうとっくに離婚してるのに、自分が離婚したって認めたくないんです』と、前に進むことのできない今を生きるその女性。この作品はそんな女性が『家政婦』として小説家の家で働く物語。そんな女性が『家事のプロ』という言葉に何かを感じる物語。そしてそれは、『家政婦』として生きる日々の中で、女性の人生が前に向かって動き出すのを見る物語です。

『俺の荷物は、涼子が実家に帰っている間に引き払うから… あとのことは、弁護士と相談してやりとりしよう』、『第三者が聞いたら、浮気したのは私のほうだと勘違いする』ような言葉を残して夫が出ていき残されたのは主人公の平沢涼子。『バツイチのシングルマザー』と『ぼんやりと呟』く涼子は娘の美空(みく)を連れて実家へと戻ることにしました。場面は変わり、『行ってらっしゃい。お仕事、無理しないでくださいね』と『両親と同居中の義姉の柑菜(かんな)』を送り出した涼子は『これで、家の中に残っているのは両親と出戻りの私だけ』と『たちまち気が緩』みます。『私より二つ上の三十五歳。総合職のワーキングマザー』の柑菜のことを『素敵な人だが、一緒にいるとほんの少し緊張する』という涼子は『千葉の浦安から都内の実家に出戻ってから一ヶ月』が経ちました。そんな時、『お父さん、ちょっと話があるんですって』と母親に呼ばれた涼子は『一体、何を言われるのだろう』、『行き場のない娘と孫に、出ていけとまでは言わないよね?』と不安な心持ちで居間へと向かいます。『実はな、私の古い知り合いが家事の得意な女性を探しているんだよ』と『おもむろに話しはじめた』父親は、『年齢は確か五十代に入ったばかり』、『去年奥様を亡くされてね』と続けます。そして、気になる一言を付け加えます。『今まで三人の家政婦を雇ったらしいんだが、どの人も長くつづかなかったそうだ』。『少し、話が怪しくなってきた』と『セクハラまがいの冗談を飛ばすような面倒な中年親父』を思い浮かべる涼子。そんな涼子に『できれば住み込みで家政婦をと望まれていてね』、『小説家の先生だよ』と続けた父親に『ちょっと待ってよ』と思わず返す涼子。結局、両親の強い勧めもあって断れなくなった涼子は『とりあえず、会うだけ会ってみるけど』とその場を収めます。そんな話を娘の美空に話すと『面白そう!私も一緒に行きたい』と目を輝かせるも『ダメに決まってるでしょ』と返した涼子。そして、『面接の日』となり『緑道沿いに面した一軒家』、『山丘』という表札のかかった家へと訪れます。『よれよれのジャージ姿』で現れた男性に『平沢涼子です。本日はよろしくお願いいたします』と挨拶すると『あれは娘さん?』と返す山丘。涼子が振り返ると『平沢美空です。今日は母がお世話になります』とまさかの美空の姿がそこにありました。やむなく二人で部屋に上がらせてもらうと『仕事内容は、この家の事全般になる…』と条件を説明する山丘。美空の余計な一言もあって翌日お試しで働くことになった涼子。そして、翌日山丘の家へと出向いた涼子は台所に入って絶句します。そこには『巨大なゴミ捨て場と化した元台所』があったからです。『三人の家政婦が逃げ出した理由はおそらく…』と思う中、『胸の底に灯ったこの熱い炎は何だろう』と思う涼子。そんなところに現れた山丘は『大抵の人間は、この段階で匙を投げる。君も、帰りたいなら帰ってくれて構わない』と言い放ちます。しかし、『私の中の掃除欲が、ぎらぎらと、めらめらと』盛り上がる涼子は『帰りませんよ。むしろ、徹底的に掃除させていただきます』と告げました。『洗う、磨く、こする、落とす、干す、畳む。やってやる!』と思う涼子が山丘周三郎宅の『家政婦』として人生の新たな一歩を踏み出していく物語が描かれていきます。

内容紹介に“突然終わった結婚生活。職務経験もろくにないが、家事だけは好きだった。 そんな私に住み込み家政婦の仕事が舞い込む。相手は高名な小説家。行き場のない私と、ふれ合いを拒む小説家。最初はぎこちなかった関係も、家事が魔法のように変えていく”とうたわれるこの作品。内容紹介にある通り『家政婦』となる主人公が活躍する物語です。”家庭における家事を補助・代行する職業”とされる『家政婦』という言葉を聞くと、古くは市原悦子さん主演「家政婦は見た!」、今だと松岡昌宏さん主演「家政夫のミタゾノ」などのTVドラマが思い起こされます。『家事』はその家庭のプライベートな部分に立ち入るものであり、表からは窺い知れないその家庭の深部が見えてくる…というところからそこにドラマが…というのがこれらのTVドラマの感覚だと思いますが、一方で成田さんの作品は少し立ち位置が異なります。そこに描かれるのは、『家事しかできない』という言葉への切り込み、依頼主との繋がり、そして主人公・涼子の再出発の人生を描いていく、そこにこの作品の魅力があります。一つずつ見ていきましょう。

まず一つ目ですが、この作品では『家政婦』として働く涼子の『家事のプロ』としての姿が描かれていきます。そんな中から『浴室』掃除をする涼子のお手なみを拝見しましょう。

『まずはざっと汚れを洗い流さなくちゃ』という涼子は、『浴室用の洗剤ではなく、最初は敢えてボディソープ』を使います。『お風呂の汚れは大抵が皮脂汚れや水カビだから、特別な洗剤でなくとも、ボディソープが十分に役割を果たしてくれる』というその理由。『シャッシャッと小気味よくブラシを前後させながら、切石を敷き詰めた立派な床から赤カビを駆除していく』涼子は『そう頑固な汚れでもないから、すいすいと元の状態に戻せるのが快感だ』と感じます。そして、次は『問題は、水道のミネラル分がこびりついた白カスや、黒カビである』と『用意したクエン酸スプレーを黙々と噴射して、しばし放置』している間に『見事な鱗に覆われてほとんど何も見えなくなっている鏡を見て』『あんたの命も今日までだからね』と『胸の内がかっかと燃えてき』ます。

このような感じで、掃除に洗濯に、そして炊事にとさまざまな知恵を活かしながら取り組んでいく涼子の姿は、『ゴミ屋敷』のようだった山丘の家が綺麗になっていく姿が読者の脳裏にもはっきりと浮かび上がってくる分、とても爽快な気分が味わえます。家事のさまざまな知恵を見せてくれるこの作品の魅力の一つだと思いました。

次に二つ目は依頼主との繋がりを描くところです。依頼主である山丘は小説家を本業としています。『若者達の日常を巧みに描いた「日輪」で当時最年少で芥河賞(笑)を受賞』したという大御所作家の山丘。しかし、『ここ二年ほどは作品を発表しておらず、ファンの間では様々な憶測が飛び交っている』という状況にありました。『家政婦』という仕事柄、そんな山丘に隠された真実が見えてくる中に山丘との関係性も変化を余儀なくされていく涼子の姿が描かれていくことで小説家の内情が垣間見えもします。小説家が主人公となる作品は多々ありますが、この作品のように小説家をお世話する主人公という関係性の物語は珍しいと思います。あまり本を読まないという涼子は、山丘の出版社の社員である川谷にさまざまな質問をします。

『小説家というのは、本を一冊出すだけではなく、連載というのもしているんですか』

という質問に、

『作家として知名度のある先生方にほとんど限られていますが、文芸誌というのがありまして、小説を連載しているんですよ。一部の熱心なファンしか読みませんし、我々出版社としても決して採算を求めやすい出版物ではないのですが ー 何しろ、連載させないと書かないという先生方も多くて』

そんな風に答える川谷は、『連載すると、毎月原稿料が入るんです。定期的な収入というのは、小説家に拘らず、フリーで働く方には大切な収入源』と補足します。なるほど。小説を読んでいると、”文芸誌○○に連載していたものを単行本として刊行”、と巻末に記されている作品を時々見かけます。私自身は文芸誌を読んだことは一度もないですが、そういう裏事情があるようです。そして、涼子は、小説家・山丘と『家政婦』という関係性の中でそのあり方を模索していきます。『文字だけで世界をこんなにも鮮やかに紡ぎ出せるのか』と山丘の存在を見る中に『先生は、どういう空間が心地いいのだろう』と考えていく涼子は『最初の頃はなんて気難しい人だろうと思っ』ていたのが、『空の色と同じように、気がつくと先生の印象もまた移り変わって』いると変化していきます。

そして、最後三つ目として、そんな涼子の再出発の人生が描かれていきます。冒頭に『バツイチのシングルマザー』と自らの未来を思い、『家事しかできない、駄目な人間。今の時代には適合しない』と自らのことを認識する涼子は、『総合職のワーキングマザー』でもある義姉の柑菜との関係もあり、実家に居場所を無くしてもいきます。そんな中に涼子は気づきの瞬間を得ます。

『掃除がきらいだという人もいるし、ましてや鏡の鱗状汚れ落としなど苦行に感じる人が殆どだろうが、あれは私にとっては登山のようなものなのだ』と思う涼子は、『山頂からの絶景を眺める瞬間』と、『元の輝きを取り戻した鏡を眺める瞬間』は、『きっと同じくらいのアドレナリンを放出するのだ』と思います。

人が何に夢中になるかは人それぞれです。新たな事業を起こして未知なる世界に自ら飛び込んでいくことを喜びとする方もいるでしょう。会社勤めであってもさまざまなプロジェクトを企画し、会社組織を動かしていくことに喜びを見出す方もいるかもしれません。その一方でこの世の仕事というのは多種多彩です。人々が手を出したがらない部分、違うことに夢中になるが故に疎かになってしまう身近な事ごと、そんな事ごとを鮮やかにやってのける『家事のプロ』。そのような存在は『家事しかできない』のではないのだと思います。『家事のプロ』として、その能力を如何なく発揮していく涼子の姿が描かれたこの作品。そこには、『家政婦』の”お仕事小説”を見る物語が描かれていました。

”家事は、誰にでもできることかもしれないけれど、決して万人に向いているわけではない。当然、そのレベルにもかなりばらつきが出てくる”

そんな風に語られる成田名璃子さんの描く物語には、『家事のプロ』として新たな人生をスタートした主人公・涼子の歓喜と苦悩の日常が描かれていました。さまざまな『家事のプロ』の技の数々に、なるほど!と参考になる記述盛りだくさんのこの作品。猫のコヨーテの存在が物語に柔らかい雰囲気感を終始醸し出すこの作品。

『家政婦』を主人公とした物語の中に、人が抱える苦悩と、それを乗り越えようとする人の力強さを感じた、そんな作品でした。

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2023年02月22日

Posted by ブクログ

家事に対するマインドを変えてくれたことに感謝しています。私は掃除が苦手で克服しようと「掃除本」ばかり読んでは実行出来ずにいました。そういう時にこの本を読んで家事(特にお掃除)ができる人の頭の中が実感できました。家事をする家と向き合って観察して気持ちよく暮らせるよう工夫する。このマインドを知ってから本を読んで掃除の方法をインプットすることを辞めました。ストーリーも楽しめましたが、家事の実用書としても使える本だと思いました。

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2022年12月06日

Posted by ブクログ

p270「みんなの家事」
男女を超えて、家事をするすべての人に対する応援歌。暮らすための補助行為じゃなく、あなたが自分や家族のためにできる特別なこと。それって人生そのものなんですよ。

専業主婦で自分に自信がない凉子がバツイチになり、家政婦となり今までの家事スキルのおかげで自信を持ち始める。
読むとお掃除やる気スイッチが入り、丁寧に家事をしたくなる。

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2022年05月28日

Posted by ブクログ

夫の不貞で離婚して実家に出戻ったバツイチ子持ち元専業主婦が、近所の小説家の家で家政婦をしつつ自分の家事能力の自信をもつお話

小説家の家はまるでゴミ屋敷で、荒んだ生活をしているように思える
実は小説家にもそうなった理由があり……


家事の重要性がよくわかる
僕は一度結婚生活を経験してから、また一人暮らしに戻ったわけだけれども
昔の一人暮らしのときは部屋の掃除もそんなにせずに埃の塊が所々目につくし、トイレは放ったらかし、バスルームは湯船は使わずにシャワーだけで済ませるような暮らしだったけど
今や週に1度は必ず掃除機かけて、トイレ掃除をして、休みの日にはノンビリと昼間から本を読みながら長湯するような生活
どっちが精神衛生上よろしいかは明白
前は「掃除しなくても生活に支障がないし」と思ってやってなかったんだよね
そもそも、床に直置きしたり、とりあえずの置き場がそのまま永続したりと掃除しにくい部屋だったのもあると思う
部屋の掃除は、まずは物の置き場所を決めてそれを維持すること
そうしたら掃除をする気にもなる
どこまで汚れを許容できるかというのは人それぞれだし、その基準の違う人と暮らす事で妥協点を見つける必要がありますねぇ

ま、だからこそ家事に投資するコストとそのメリットも人それぞれなところがネックですなぁ

料理に関しても、昔もやってはいたものの、キッチンが狭かったしコンロも電熱式という致命的な状況だったので、今思えばよくやれてたなぁと思う
朝は雑炊的なもの、お昼ごはんは外食で、夜は買ったお惣菜+自分でちゃちゃっと作ったものという状況に比べれば
作り置きでお弁当を毎日作って、外食はおろかお惣菜を買わない充実した生活のなんと素晴らしいことか

やはり、抑圧された結婚生活を経験した後だと家事がまったく苦にならない
ただ、そんなに手の込んだ料理ではなく、ただ炒めただけとか、食材や味付けを変えるだけで、本質的には簡単な料理しかしてないけどね

そもそも、家事って極めようと思うと様々な分野の知識が必要になる
化学、生物学、建築学、物理学、安全工学、経済学、心理学、等々

作中でも、自分が稼いでいるならアウトソーシングでいいじゃないかという意見がある
確かに、それができるならそれでもいいけど、その価値と必要性を知った上でするか、ただ面倒事を避けるためにするかで違ってくるよな

いや、ホントに実家の母親の凄さを改めて実感しますねぇ

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2021年07月09日

Posted by ブクログ

読みやすい文章でサラサラと読めて、読後感もスカッとしていて、成田さんの作品はいつも安心して読めます。
気難しい作家先生とのやりとりはどこか博士の愛した数式を思い出させるような。あの作品でも少し触れてましたが、家事って理数系の実践力の要るスキルだなぁと。そして家政婦という人様のおうちに入り込む文系(と言い切ると語弊があるけれど)の心情理解力?が大事。
最後の着地点が自己肯定と家事という仕事の肯定でとても良かったです。落書きの件がいちばんハッとさせられました。考えたこともなかったので、こういうとこから人を思いやる想像力を学べるのが小説のいいところだと改めて感じました。

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2021年06月19日

Posted by ブクログ


物語はほのぼのと進んでいく感じ。
自信のなさすぎる主人公に
少しイライラしました。
だけど周りの人がいい味をだしているので
緩和されます。
物語自体は大きな展開はみせないものの
言葉の選び方や文章が綺麗で
特に季節や天気の表現の仕方が美しく
読んでいて楽しかったです。
好きな作家さんになりました。

続編の2巻もあるようだけれど
1巻でとても満足したのでこの余韻に浸ったまま
終わろうと思うので読みません。

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2021年03月14日

Posted by ブクログ

家事なんて。と言われ続けて、自分に自信を持てなくなってしまった涼子。気難しい先生や、しっかりものの美空と一緒に居るうちに、少しずつ変わっていくのが楽しい。「家事=誰でもできる」と思われることが多いけれど、涼子ほど家事のスキルが高くて、大好きな人はそうそういないだろう。涼子がそんな自分の「スキル」を、少しでも誇れるようになるといいな。と思った。

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2020年07月20日

Posted by ブクログ

いろいろ無くした主人公が、自分を取り戻していく物語。生きることは思い通りに行かない事だらけだけど、新たな出会いがまた新しい道を開くことになるのだと思いながら読みました。今、無性に掃除がしたいです。

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2020年04月27日

Posted by ブクログ

夫はキャリアウーマンと浮気して本気に。離婚を切り出された主人公・涼子は自分を「ただの主婦」としか思えないままシングルマザーに。実家の両親は快く迎え入れてくれるけれど、バリバリ働く義姉にとっては「何もできない」出戻りの小姑。そんな涼子を心配する両親が持ってきた仕事は、男やもめの作家宅、住み込みの家政婦

涼子の娘・美空の子どもらしからぬ物の言い様に、素直でない私は最初イラッ。このこまっしゃくれたガキが~と思っていました(笑)。しかし素直な心で読むように努めたらアラ不思議。美空に救われて大好きになっている。

ちっとも自信を持てないシングルマザーと、妻子を喪ってから何も書けずにいる一見偏屈な作家先生と、ふたりを取り巻く若干の優しい人たち。ありがちな物語ではあるけれど、心がスーッと洗われるよう。部屋を整理することが心を整理することにもなる。家事が心を整えるのですね。主婦をナメたらあかん。

作家先生の言葉もよかった。「この世界に、退屈な人間などいない」。

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2020年03月31日

Posted by ブクログ

終わり良ければすべて良し,家事も極めると立派なスキル.
小説家の先生と家政婦とその後にまた違った展開があるのではと期待してしまう最後です.ほっこり温かい気持ちになれました.

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2020年03月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

家政婦と小説家の話ということから、レーベル的に未婚の家政婦さんと青年の小説家の不器用な恋愛的な話かななんて勝手に想像していたら、全く違っていて驚きました。
10歳の女の子がいる離婚したてほやほやのシングルマザーさんと、50代だと思われる男鰥の小説家さんの物語でした。
しかも、この2人が中心かと思いきや、10歳の娘さんも、小説家さんの大ファンでもある編集者さんもメインキャラクター。
この4人で、自分に自身がなかった家政婦さんと、家族を失って小説を書けなくなっていた小説家さんの新たな一歩を皆で踏み出していく。
そんな家族と絆の物語だったように思います。
想像以上に大人な物語でした。
これは少なくとも家政婦さんと同年代以上じゃないと、感覚的にぴんとこない部分もあるかもしれません。
でも、だからこそ若い世代に読んで欲しい気がします。
今は珍しくなった専業主婦だった家政婦さん。
家事くらいしか取り柄がなく、実際そのせいで離婚する羽目になったものだから、自分自身に価値を見いだせずにいた。
彼女と同じように「働いていない主婦なんて」とか「家事しかしていない癖に」と言われて自信が持てずにいる方が他にもいるのではないかなと。
専業主婦に限らず、自分の取り柄が分からず、苦しんでいる人はきっといる。
そう言う人にこそ、この本を読んで、少しでも自信に繋げてくれたらなと、そう願わずにはいられません。
そのヒントがきっとこの物語の中にあるから。
少なくとも「家事」に対する考え方は変わると思います。
丁寧に、本当に丁寧に描かれた物語でした。
だから、最後の最後でちょっと一足飛びで話が進んだ気はしました。
まあ彼女にしてみればご褒美ということで。
自信がなかった彼女が見つけたものとは。
是非読んで、読んだ本人がご自身で答えを見つけて欲しいです。

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2019年10月16日

Posted by ブクログ

マイナス状態からの立ち直りの物語。主に家事をもくもくとこなすことで心を整える。そんなお話。一見地味なお話だけど、読むと不思議にすっきりする。
家事って形として資格とかがあるわけじゃないけど、ちゃんと家事をこなせる人はすごいよね。立派なスキルです。

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2019年10月18日

Posted by ブクログ


家事がどのようなものなのかなんて、考えたことがが無かった。
「家事は生きるための本番」という言葉に納得。
生きていくには、やらなくてはならない行為。
一人暮らしを始めて分かる親の有り難さというものは、生きていくために生活を支えてくれていた親の存在を実感する事なのだと思った。

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2024年02月26日

Posted by ブクログ

お掃除のコツが描かれてたのが良かった。素直じゃない小説家が、家政婦の女性とその子供に触れることで、心を開くお話。心も家も整理して、キレイにしておくからこそ、全てがうまく回るのかもしれない。

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2023年01月29日

Posted by ブクログ

家事しかできない無能な女だと夫に思われ、キャリアウーマンと浮気された挙句に離婚し、娘を連れて実家に出戻る涼子。
実家でもバリバリ働く兄嫁には、邪魔なようで肩身の狭い思いをする中、父の伝手で小説家の家政婦として働くことに。

そこは、とんでもないゴミの山で、おまけに無愛想な小説家。
お互いに上手くいかずにぎこちなかった関係が、娘をあいだにいつしかお互いにわかり合えるほどになり、家事しかできないと思っていたが、それをいかして家事レッスンをしたり本を出すまでになる。

何気ない毎日が、奇跡になる物語であり、清々しく爽やかな風を感じられた。


家事とは、手を抜けばいくらでも抜けるし、突き詰めれば際限なく湧いてくる仕事でもある。
できれば、したくないと誰もが思うのではないだろうか?(いや、わたしだけか…。)
それでも不健康にはならない程度の家事はやっているつもりだが、年々億劫になってきている。
部屋を綺麗に整えることにより、気持ちも浄化されるのはよくわかる。
ちょっと真似て隅々まで掃除をしてみようか…。

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2022年06月27日

Posted by ブクログ

家事をする人にオススメ。
ヒントになる知識も少しだけ入っています。
ハッピーエンドのサクッと読める話。

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2021年07月04日

Posted by ブクログ

卑屈だった主人公が家事が得意なことは素晴らしい才能だと気がついて強く生きていく。小説家もまた前に進み始める。面白かった。家事が得意っていいよなぁ。羨ましい。

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2020年06月16日

Posted by ブクログ

専業主婦を貶され続け、浮気をされた挙句、一方的に離婚された涼子。娘の美空を連れて実家に出戻っていたが、父の紹介で有名作家の山丘の元で家政婦として働く事に。一年前に妻を亡くした山丘家のゴミの山と積もりに積もった汚れに闘志を燃やすが、気難しい山丘は何かと追い出したがっている様子。そんな山丘に懐いた美空や、明るい新人編集者のお陰で、何となく良好な関係を築き始める。自分を卑下していた涼子と、小説が書けなくなった山丘の再生の物語。ちょっと出来過ぎな最後だが、4人の繋がりが温かい気持ちにさせてくれた。

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2020年04月08日

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