【感想・ネタバレ】訴訟王エジソンの標的のレビュー

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Posted by ブクログ

トーマス・エジソンとニコラ・テスラ(ウェスティングハウス)の直流交流戦争に立ち会った弁護士が主役の話。
章の巻頭に格言が採用されているけど、私はエジソンのものが好きだ。
おそらくエジソンは大衆受けも含め、処世術に物凄く長けている。発明体制の発明が凄い。
対立するニコラ・テスラは凄く変わり者で孤独を愛する。幻視能力でもあるような、天才的な発明能力があるが、純粋過ぎてアグネスの庇護欲をかき立てたような、不思議な魅力を放っているな、と事故直前の研究室のシーンで思った。
ウェスティングハウスやモルガンなど実業家、投資家も出てくる。彼らと同時代に立ち会ったらどうだろうな、と想像出来るし、知能戦もおもしろい。
それぞれの個性の違いも理解でき、巻末にフィクション部分を明らかにする誠実さ。面白い歴史小説だった。

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2020年03月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かった。
実在の人物が電球の訴訟に絡んで錯綜する。かのエジソンが敵役。主人公の弁護士ポールは敗戦続き。奇人二コラ・テスラは予測不能。控えめな登場をしたアグネス・ハンティントンの行動は胸がすく。
類似の小説が思い当たらない。

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2019年09月19日

Posted by ブクログ

電気の黎明期を演出した3人、エジソンは発明を、ウェスティングハウスは実用的システムを、ニコラ・テスラは必要な科学と応用を橋渡しする。もうひとり、社会に受け入れられる「事業」が生まれるにあたって、弁護士がいた、、という実在の人物に魂を吹き込んだノベル。
海外のノベルで、一読、一生忘れられなくなった作品はいくつかある。『シャドー81』、『A−10奪還チーム』、『百万ドルをとり返せ!』、『レッド・オクトーバーを追え』や、SFならば『星を継ぐもの』、『竜の卵』、『楽園の泉』など。この作品は、僕にとってはこれらの超名作に匹敵する。

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2019年08月27日

Posted by ブクログ

電球と直流交流にまつわるエジソン、ウェスティングハウス、テスラと弁護士ポールの訴訟の話。作者後書見たけど出来事的には大体事実というのには驚いた。「若い弁護士が敗北濃厚の裁判を勝ち切る。」って漫画やん…と思った。流石に出来すぎ。エジソンのイメージすごい発明家やったけど、発明もさながら発明の工場を作ったのが功績なんやな。最後の方で3人の発明家がそれぞれ何を求めたかってのが端的に書いてあったけど、同じ発明家でも全く求めてるものが違うのが面白いよね。じゃあベルはどうやったんやろうな。作品的には発明家アベンジャーズって感じで、どう解決するかも最後までわからんかったからハラハラしながら読めた。

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2023年04月14日

ネタバレ 購入済み

「今の」発明家を描く歴史小説

発明家には3種類ある。
アイデアを考え理論を作り出す者、理論を商品にして売る者、新しい商品を社会に不可欠な産業システムに変える者。
それぞれテスラ、ウェステイングハウス、エジソンを指していて、今作ではこの3人の対立構造が主題となる。

一般的な発明家のイメージである知的好奇心のままに研究し続けるのはこの中でテスラだけだ。しかも彼はこの3人の中で一番蚊帳の外。
なぜなら彼のような好奇心だけで、悪く言えば暇つぶしに研究をしても儲かることはない。新しい理論を商品に変えなければ資本主義は儲からないし、もっと儲けるためにはその商売が不可欠になるぐらいにシステム化する必要がある。

章の合間に偉人の名台詞なるものが乗っているが、乗っている台詞の中で多いと感じるのは現代のカリスマ実業家として名を馳せたスティーブ・ジョブスである。今作の中でいえば、彼もまた発明家の一人である。
儲けられる道筋を作ることが出来る発明家こそ今の発明家であり、故にその道に関わる者全員が発明家なのだろう。後は儲けの配分を争うだけだ。

今作の主人公はウェイスティングハウス側についた弁護士であり、生み出さない側の視点から発明家という特異な存在を浮き彫りにしている。
正直、ヒロインとの流れはまぁまぁうっとうしい所もあり、アメリカンラブシーンは入れんでもと思った。しかし、ラストの些細な、しかし思わぬ展開は今まで凡人として扱われた主人公だからこそ来たものがあり良かった。

翻訳としては意訳を良い意味で多用せず、そこそこ堅く仕上げた点が歴史小説として合っていた。良作と言える。

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2020年06月12日

Posted by ブクログ

ひょんなことからウェスティングハウスの顧問弁護士になった若手ポール。エジソンのエジソン・ジェネラル・エレクトリックから300件以上訴えられている。どうすれば、エジソンに勝てるか?発明界の巨人に挑む姿を描くドキュメント風小説。

かなり事実に基づいているらしく、こんなことがあったのか驚きながら読んだ。(一応、エジソン=悪辣なヒール、ポールとウェスティングハウス=善人的に読み取った)

人物造形やストーリーが素晴らしいのだけれど、長い。レストランで何を食べたかなど瑣末な描写はもう少し控えて、三分の二ぐらいに抑えてくれればさらに良かった。

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2019年07月11日

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ニコラ・テスラが、頬ひっぱたいて「シャキッとしろ!」と言いたくなるような人物なのは良かった(結構イライラさせられた)
ただ主人公にも同様にイライラ、他の本ではみられない悪ーいエジソンに苦戦を強いられダラダラしてる感じがした。
エジソンとウェスティングハウスの電流戦争が題材

実在の人物や社名。モノが効果的に出てくるのが面白い。
合間に古今東西発明にまつわる人(だけでもないが)の言葉が引用されてサクサクと小刻みに読める。
だけど期待したより淡々と進むので火花が出る激しい闘いではなかったが、むしろヒロインとくっつかずも想いが交差した空気感のほうがバチバチとした磁場が発生してるかの様だった。

余談:「イミテーション・ゲーム」の脚本を書いたのがグレアム・ムーアで、主役を演じたのがベネディクト・カンバーバッチで、そのムーアがエジソンを書いたのがこの「訴訟王エジソンの標的」で、カンバーバッチがエジソンを演じたのが「ザ・カーレントウォー」なのにこの脚本はムーアではない…ややこしい!

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2019年06月26日

Posted by ブクログ

2022-12-15
ほぼ一気読み。読み終わってから、映画『エジソンズゲーム』原作だと気づく。それくらい手に汗握って面白い。やっぱりテスラだよねえ

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2022年12月15日

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