【感想・ネタバレ】カルマ真仙教事件(下)のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

宗教は何のためにあるのか。
人を救うためだ。幸せになるためだ。

釈迦も、キリストも、ムハンマドも、その大情熱から人に法を説き、その弟子たちがその教えを世界に広めた。

だが、その宗教者が人を殺した。猛毒のサリンを通勤電車に撒くという、想像もつかないようなテロ行為を行った。

1995年5月16日。
麻原彰晃こと松本智津夫が逮捕された。

人類史上に例を見ない凶悪な犯罪の解明のため、取り調べが進んでいく。
だが、あってはならない捜査情報の漏洩が度々発生してしまう。

警察の威信が地に落ちていく。

「かつての公安部にこんな情報漏れなんてありましたか? 現場の多くは命懸けで仕事をしているんです」
「上を信用できなくなったら現場は死んでしまいます。大げさでなく、本当に死人が出るかもしれない。それが警察捜査の現場というものではないでしょうか」


その後警察を辞し独立した主人公は、事件の調査のためロシアと北朝鮮に赴く。
そこで知るのは驚愕の事実。

欲望に狂った宗教指導者と、世間知らずのエリートたちが巻き起こした平成最悪の事件。
結局彼らも、更に強かな巨悪に利用されただけだった。

出家などしても人は幸せになれない。

日々、現実と格闘していくしかないのだ。

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2018年05月17日

Posted by ブクログ

これは恐るべき本だ。オウム真理教事件の全てがここにある。まさにそういうことだったのかと痛感する。警察庁長官銃撃事件がなぜ解決しないのかも良く分かった。

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2017年12月27日

Posted by ブクログ

教団幹部が次々に自白を始め、ついに身を隠していた教祖阿佐川が逮捕された。一方、長官狙撃事件は容疑者が絞れぬまま、迷宮入りが囁かれ始める。度重なる捜査情報の漏洩と内部告発で公安部が揺らぐ中、鷹田はある決断をする。貸金庫の大金と北朝鮮の関係は。

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2018年06月24日

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オウムの裏に北が絡んでることをどれだけの国民が認識しているだろうか?警察組織の闇も絡んで読み応え充分だった。

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2018年03月07日

Posted by ブクログ

教団関係者が逮捕され、自白を始める。
そして、教祖の阿佐川も逮捕される。
そんな中、公安からの情報漏洩や内部告発が起こる。

ルポルタージュであるかのような話の流れに戦慄する。
あの大事件の裏側には、多くの黒い闇が漂っていたのがわかる。
もう二度と起きてほしくない…そんな著者の強い気持ちも感じる。

2024.3.7

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2024年03月07日

Posted by ブクログ

実際の事件も終結したとは言えない何とも言えない終わりを遂げたけれどこの小説も同じような結末だった。
おいてけぼりをくらったような、心もと無さを残して立ち尽くすような感覚。

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2019年11月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

何かの本の後ろで紹介されてて読みたかったもの。旅のお供に。つーか、こんなに面白そうなのに何このレビューの少なさ。めちゃめちゃオウムだった。元公安の人だそうだ。どこまでが本当のことなのか。自伝的な感じだけど、それにしては鷹田が立派すぎるような。こないだNHK未解決事件で見た警察庁長官事件のあの自首?してる爺さんのことはあっさり否定されてた。そうなのか。しかし警察もオウムも登場人物が多くてついていけないというか。メモ取りながらじゃないと分からん。上巻はすごく面白かったけど、だんだんつまんなくなった。オウム事件のことも中途半端な感じで終わったし。何か消化不良。結局オウムがどうしてあんなに大きくなったのか、解明できないのか。死刑が実行されたせいか、各局オウム関連のドキュメントが出てるような。私のHDにも溜りにたまりまくっている。この本のことが頭に残ってるうちに見なきゃ。

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2018年12月06日

Posted by ブクログ

最終巻。オウム事件をモデルにした物語。作者自身が警察OBであり、事件の真相をより近くで知る人物だからこそ、描かれる物語にはとても臨場感を感じることができた。オウム事件が社会に与えた衝撃と恐怖。そして、この事件の発生で屈辱に滲んだ警察の奔走と複雑な組織体制。騒然とした風景が目の前に浮かんできた。
もうすぐ平成も終わる。それを前にして麻原をはじめ教団の重要人物が死刑に処せられたものの、平成の世を恐怖に陥れた衝撃的なこの事件の記憶に終わりが来ることはないだろう。

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2018年12月06日

Posted by ブクログ

最後まで興味深く読めた。
固有名詞は置き換えられてはいるものの、自分としてはオウム真理教事件の記録簿を読むような心算での読書となった。(おそらく、多くの読者が同じだろうけど)

どこまでが事実に即した描写でどこからが創作なのかは不明・・・だが、なんとなくではあるが、「あの事件」の流れを知れたつもりにはなれた。

★3つ、7ポイント半。
2018.09.18.新。

※やはり、自分には濱嘉之 作品は合わないのかもしれない・・・・上巻ではなりを潜めていた「紙芝居っぽさ」が、いつの間にか復活していて・・・・。

上記のように「オウム事件の解説書」というつもりで読むにはかなり貴重な情報が満載の一冊であるにもかかわらず、中巻の中盤以降は「小説」を読んでいる感じが全く感じられなかった。

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2018年09月18日

Posted by ブクログ

オウム真理教による一連の事件捜査に従事した元公安による小説。
小説というより、実在の人名や地名を少し変えただけのノンフィクションであり、著者の回顧録。
面白くなってきたと思ったら、著者が昇進試験のため現場から離れ、他部署に異動になり、挙句に警察を辞めたため、尻すぼみに終わってしまった。
20年後、残された謎を追う話はフィクションのようだが、結局は解決されないままだった。

「13人の死刑員がまだ息をしているうちは・・・」
「平成が終わろうとしている今、その時期は迫ってきていると?」
2017年刊行、タイミングを狙ったような話だった。

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2018年07月10日

Posted by ブクログ

オウム真理教による一連の事件を題材に再構成されたフィクション全3巻の下巻。教団本部の強制捜査による教祖阿佐川光照の身元確保、逃亡信者の逮捕の後に次第に一連の事件の真相が明らかになっていく様を描いています。
本書は文庫書下ろしで2016年12月刊行ですので、つい数年前にあった逃亡信者が大晦日に自首したことや、現天皇陛下の退位を受けて平成の終わりとともにこの事件を俯瞰するシーンが描かれるなど、下巻の後半はつい最近の事象まで言及しています。
平成の時代を振り返るとき、決して忘れることのできないオウム真理教事件に関するノンフィクションとして読める作品でした。

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2018年01月18日

Posted by ブクログ

中までは面白かったんだけど、下は警察ものにありがちな内輪の人事話に終始。結末も尻すぼみで残念。中までのオウムに関する半ノンフィクションは(自己弁護も散見されるが)ぐいぐい引き込まれた。

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2017年12月17日

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