【感想・ネタバレ】アルキメデスの大戦(2)のレビュー

1933年の日本海軍を舞台にしているのに、主人公のファーストミッションは「超巨大戦艦建造費用の見積もりの調査」というもの。読み始めたときは正直、「え、地味すぎないか?」と思いました。建造費用がどうこうって裏方のさらに裏方の話じゃないですか、と。

しかし、読み進めていくと、自分の浅はかさを思い知らされます。まず、主人公・櫂直がかっこよすぎる。東京帝大中退の数学の天才で、英語・仏語・独語もペラペラ、しかもイケメンで女性にもモテるんです。
戦艦に関する知識はゼロという状態で、海軍省経理局という超絶アウェイにいきなり放り込まれて、数学の才能一本で真実を解き明かしていく――そんな下剋上ファンタジスタぶりを見せつけられるだけでも痛快で面白いのに、国防や戦争が抱える矛盾、上層部の軍人たちの曲者ぶりなど、読者を唸らせる要素がたっぷり盛り込まれています。
さすが、庵野秀明氏、かわぐちかいじ氏、秋本治氏が帯に推薦コメントを書いているだけあります……! このお三方の並び、信頼感しかないですよね。

正義感が強く平和を愛する櫂が、新型戦闘機を開発するなど、図らずも戦争の要となる技術戦略畑に深く関わるようになっていく様が、物語の面白さであると同時に、戦争に向けて動き始めた世界からは誰も逃れられない……という恐ろしさを物語っているようでもあります。『ドラゴン桜』(講談社)や『インベスターZ』(コルク)を世に送り出した三田紀房先生ならではの、“面白くて考えさせられる”作品です!

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購入済み

は逸品です!

歴史的な研究を丁寧に解説したエンターテイメント作品として、珠玉の一品です。絵もかなり完成度が高く、見やすいです。緻密で計算された作品を作るのは、この人が一番だと思う。

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2022年03月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

長門実測して、リバースエンジニアリングというのはおもしろかったです。

#9 図面にまで頭がまわるとは、切れ者な平山。
#10 金持ちの尾崎家にろうそく。停電が多かったのでしょうか。
#13 鶴辺のアングルドデッキの提案。赤城が3段甲板で、一番上が着艦、一番下が発艦だから、それほど需要があるとは思えないのでした。
#14 鶴辺は自分の乗った船が撃沈されて、なぜに大艦巨砲主義を忌避するのか?

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2019年11月14日

無料版購入済み

計算能力が常識ハズレ

軍が国家よりも上位にある と心から信じている軍人たちが確かにいたのだな、ということを改めて認識させられる巻である。国のためになることは、法律や規則を破り誤魔化しても実行すべきである、そう固く信じている軍人たちを相手に、主人公が常識ハズレの計算能力を発揮する巻である。大艦巨砲主義が国のためになると固く信じている軍人たちにとっては「国賊」ものであろうが。

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2023年11月12日

Posted by ブクログ

戦艦建造決定会議までに、捏造予算の不正を暴きたい櫂直。軍機で情報得られないので、戦艦長門実測して戦艦の建造情報を得ようとします。少しずつ努力を重ねている中、決定会議が開かれます。予想外の速さで。
会議に間に合わせるために、必死で組み立てた方程式で捏造された建造予算を暴き、財閥との裏取引も暴露して、戦艦大和の建造に反対します。
結果はいかに、といったところで3巻へ続く。

でも、大和なんだよなぁ。どうなるんだろ、この後。

あ、尾崎の娘さん最低。誘っといて訴えられても困っちゃいます。

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2016年08月21日

Posted by ブクログ

シリーズ、第二弾。
帝大きっての数学の天才・櫂直(かいただし)。

戦況が深まる中、海軍の計画する新型の巨大戦艦。
対立する航空主兵主義派と、大鑑巨砲主義派。

櫂は、巨大戦艦の異常に安い製造見積もりの裏を探ろうとするが、なかなか上手くいかない。

戦艦『長門』に乗船し、あらゆるデータを採取し、それを新型巨大戦艦に当てはめようとするが、敵は卑怯な手で櫂を陥れる。

果たして、櫂は会議決定までに、見積もりの裏を暴くことが出来るのか?

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2021年03月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1-4巻共通
関数のくだりはいいが数学者=計算が得意というのはミスリードと思う
ただただただ、抱いた女性の体を巻き尺でって、冷めた

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2019年08月11日

シリーズ作品レビュー

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