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Posted by ブクログ
再読。初めて読んだときは、ラストがなんとなくよくわからなかった。2回目でもよくわかったというのではなく、意識が身体から離れた描写がすごいなあと、自然に落ち着くところに落ち着いた感じがした。集中豪雨に見舞われたあとの町の描写は秀逸。裏表紙の紹介に「恩田陸がすべてを詰め込んだ集大成」と書かれていて、「大げさな煽り文句」と思ったが、確かに恩田さんらしい要素や細部が結構入っていて、「ふんふん、確かに」。だけど、「集大成」には早すぎるでしょ。まだまだこれからいっぱい書く人なんだから。
Posted by ブクログ
さて、前半から読まれている皆様、お疲れ様です。後半はもう少し読みやすいと思います。
何しろ事件の全貌が見えてきてますからね。
街に隠された歴史とそれを取り巻く人間たち。すこしずつ詳らかになる謎。ここにきてやはり恩田氏の技巧が唸るというものでしょう。
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町の建築に代々携わる謎の建築企業新村グループとそれを統括する老女志津。
その秘密に気づきつつある高校生の和音。
偶然にも和音と同様、亡くなった吾郎の死に不振なものを感じる高校生修平。
こうした人間関係が絡まりつつも物語を展開させます。
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そして何より印象的なのは吾郎の死、ではないでしょうか。
魂が肉体から離れるとどうなるか。自分の肉体が腑抜けになっている状態が見える。同時に肉体では感覚が失われる。
これはもう、あたかも臨死体験をしたかのような書きぶり。
更には、自我・私、という気持ちが薄れ世界と一体化してゆくという。
なんか・・・死ぬときに本当にこうだったら、死ぬことって多分全然怖くないんだろうな、と思いました。吾郎が、ちょっぴり寂しいけど、みたいな発言をしていたのですが、そこがまたリアルでしたね。
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ということで恩田氏の新聞連載小説でした。
下巻はどんどん読みやすくなると思います。死を意識しちゃっている方とかには最後の最後はとても印象深い終わり方だったと思います。
えも言われぬ読後感でした。
Posted by ブクログ
下巻の後半で全ての謎が明かされるが、真実は少し意外だった。
不穏な雰囲気に包まれたストーリー展開ながら、蓋を開けてみれば、浮島という特徴のある土地には、その土地を守るための昔からの言い伝えがあったが、今では住人は細かい部分は記憶しておらず、その地をよく知る旧家と、その家族に代々特集能力を持つ人がいた、ということをベースに紡ぎ出された物語だった。
そして、人並外れた記憶力とか透視のような能力を持つ人には、それなりの苦しさや心身への負担があるんだな、と思った。自分は凡人でよかった。(笑)
Posted by ブクログ
世界観は大好きです。
ただ、あまりにふんわり終わりすぎたのがちょっと。街の秘密、主人公の脳裏、もっと深く結論が欲しかった気がします。
Posted by ブクログ
塔と水路の町で起きた殺人事件にまつわる人と町の物語。
世界観や文章は間違いなく恩田さん。
いろいろな登場人物に観点から物語が語られ、それぞれが関連をもちながら進んでいく手法は本当に楽しい。
上巻はぐいぐいと引き込まれていく。
なぜ上巻なのか。
世界観、文章、手法は最後まで本当に面白かったが、下巻に入っての、殺人事件の顛末、町の秘密など、伏線の回収がしょぼく感じてしまった。
もう少しミステリー色の強い結末の方が個人的には好きだった。
自然の怖さと、先祖の知恵と、ファンタジーの融合という感じで、それはそれで面白いのだが、ちょっとピンとこなかったなぁ。
月の裏側のようなホラーっぽい方が良かったような。
Posted by ブクログ
タイトルの意味がわかった瞬間になんかじわじわとくるお話。
殺人事件の解決がまさかのアレにはびっくりしたけど、まぁ恩田さんやしアリかな 笑。
むしろあれだけの伏線をよくまぁ拾えたなぁ、と感動。
ただ、弟の存在と和音がキャラメルの箱を隠す下りはいらない気もするけど。
いつものことながら、前半のあのワクワク感はほんまにたまらん。
恩田節は健在やなー。