【感想・ネタバレ】妖怪番長(2)のレビュー

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Posted by ブクログ

何度でも、声を大にして、喉が潰れるのもお構いなしで訴えるが、私の中で、『うしおととら』が一番に熱い妖怪漫画だ
けど、もし、この熱、一点で超えないけど、届きそうな作品が他社から出ているモノの中にあるとしたら、集英社刊では梅澤春人先生の『妖怪伝奇 Roku69Bi』、そして、講談社刊では、この『妖怪番長』だろう
柴田イズムは、理屈抜きで読み手の魂を根っこから揺さぶる事が出来るチカラ、藤田イズムに近しいモノを感じる。柴田先生と、藤田先生が人間的にも、漫画家としても、種類が似ているからだろうか?
ストーリーにこれ以上ないほどマッチしている絵も、ファン以外からしたら、下手に映るだろう。けど、ファンには、この独特な絵柄から、柴田先生の強烈なオーラ、この2巻に登場する河童の言葉を借りるなら、“闘魂”をしっかりと感じる事が出来る
おっぱいのデカい美女河童とのガチンコプロレスかと思いきや、まさかの乱入者で、とんでもないピンチに突入、そんな背中が煤け、濃厚な死の気配すら感じる危機の中で、目覚める底力、この展開が実に柴田先生らしく、グイグイと力のみで読み手を作品の奥深いトコまで引っ張っていく
あえて、残念と感じた一点を挙げるなら、人類最強と言っても良さそうな木場先生の活躍がほぼ無かった事だけど、その分、次巻への期待が高まったし、この2巻では1巻以上に巫子のバトルが多めかつ激しめに描かれているので、まず、不満に感じるファンはいないだろう
勢いに任せて突っ走って勝ってきた巫子だが、数で押してくる百騎蝦蟇との多人数戦で、ガムシャラだけじゃどうにもならない事を知り、死を一旦は覚悟した事で、戦いの中で落ち着き、敵の残数を確かめる事の大切さを知り、河童の喝で“闘魂”を覚醒させた事で、大きく成長した
そんな彼女への、鎖子の根拠となるのが、女同士の友情でもなく、女同士の恋愛でもない、不純物一切なしの信頼も凄まじい
また、やはり、柴田先生の妖怪デザインにオリジナリティがあって、好感が高まるばかり
胸が熱くならない話は一つとして無いので、最もお勧めを選ぶのは難しいが、スカッとしたのは、やはり、スイッチが入った巫子が落ち武者の亡霊をバッタバッタと殴り倒していき、ついに全滅させた第17話「あと一人」だった
この台詞を引用に選んだのは、他の台詞よりも柴田イズムが強いからだ。ぶっちゃけ、柴田先生の作品を読んだ事のない人間には、「ハ?」と思っちゃう台詞だろう。けど、これで胸が奮えるってコトは、私の中にも“闘魂”が確かにあるってコトだ

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2015年10月21日

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