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Posted by ブクログ
スジ子、タラ子、カズ子のお酒のつまみ的三羽烏が登場する5巻である。
その中でもスジ子は文壇バーから紳士服のフィッター店にヘッドハンディングされたキャラで(※上述三名は元同僚の関係)、フィッターである松任谷次郎と共に新キャラとして物語に新たな色を加えている。
テーマ的には小物の扱いというか、生地(フランネル等)やワンポイント的小物(スワールトゥの靴や思い出の野球バットを再利用したボタンなど)でエピソードが取り揃えられた巻である。
ただ、それ以上に大きいのが
「本来は邪道なはずの特急仕事を正面から邪道だと言ってくれるキャラの登場」
だろう。
そんな彼、フィッター&コーディネーターである松任谷次郎がどんな形で物語に絡んでくるかは、次巻以降注目したいところである。
彼も含めて、日本編を回すための関係性が徐々に構築されてきた印象が強い一巻だった。
これからに期待しつつ、巻末のナポリ日記(ジラソーレ勢+αによる怪談会)も楽しい内容だったことも加味して、星五つで評価している。
今巻はエピソードの切り口や構成にも工夫が施されていて(最初にドーンと正道の仕立てを描き、以降に小物を扱っていく構成などは匠の技だ)、そうした視点からも星五つに相応しい巻だと思う。