【感想・ネタバレ】漂流怪人・きだみのるのレビュー

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Posted by ブクログ

もう一度繰り返そう。長生きすることだ。 
そうすれば、新地獄.極楽の布教者たちのそのときどきの所論の適否、正誤がわかるだろう。
そして現役の人間としてくたばることだ。
そうしたら子供の世話になるという屈辱的な考えを起こさずにすむ。
子供は子供。
親は親だよ。
そうだろう。

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2020年06月16日

Posted by ブクログ

面白いですが、辛く悲しい本です。
「面白い」のは、こんなにもフリーダムに生きていた人がたかだか40〜50年程前にいたのか! という驚きと、その漂流生活ぶりのユニークさ。
「辛く悲しい」のは、漂流者の唯一の弱点でもあった少女(実の娘)との別離と、その少女が辿った修羅の道。
自由人だった筈の怪人が病に倒れ、最愛の娘にも会えずに終焉を迎え、娘の養父の手で死後醜聞にまみれ、娘は娘で実父を全否定する養父に反発して、図らずも実父と似た道行きを辿って行きます。
彼らに対する著者の筆致から深い愛情を酌み取るとともに、人間は完全に世間のしがらみからは自由になれないのだと、寂しさを覚えた一編でした。
なお、それはそれとして、作中に登場する「きだドン」の漂流料理レシピは実に美味しそうです。レシピネタとしてもおススメという不思議な本でもあります。

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2018年10月29日

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