【感想・ネタバレ】夏空白花のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

野球について私は興味なかったけれど、凄く胸が熱くなる作品だった

戦後の日本
困窮が続く中で甲子園を再開するために尽力する
甲子園の場面はほぼなく、甲子園を復活させるまでの物語
そして甲子園を復活させるために尽力した男の物語
米兵が統治する中、直談判に行き用具を集める
並大抵の覚悟では出来ないことだろう
甲子園という存在が朝日新聞のもと運営されているのは知らなかった
それが今でも続いているのはとても凄い
甲子園の存在は、過去の先人たちがどうにか若人の為に再開したいという熱い想いが今に続いているのかもしれない
そんな昔から野球が、甲子園が行われていたのだと
そういった歴史の中で培われてきたのだと
物語が本当にあった事だとは限らないけれど、それでも戦後に復活させるのは本当に覚悟が必要だっただろうと思ってしまう
過去の甲子園の夏空も、さぞ美しいものだっただろうな


この物語とは関係ない話ではある
正直、丁度戦争の別作品を読んでいる最中だった
それは戦時中の特攻隊の物語
それを読んでいる時にこの物語を読むと、日本はなんて呑気なんだろうと思ってしまう
でもたぶん、実際に徴兵されない人々はこんなものなんだろうなって
戦後、徴兵されたもの達が戻ってきたら食糧に困る
その言葉が別作品を読んでいるからこそとてもとても苦しかった

0
2023年05月15日

Posted by ブクログ

元々高校野球は好きでよくテレビでは見ていましたが、息子が高校球児になったので当時は親として大変だったものの、地方大会では決勝まですすんだので熱狂と感動を味わうことができました。
日本の高校野球は独特なので、いい面悪い面はあるものの、長い間国民の支持を受けて100回以上も大会を維持しています。この大会の存続を願って奔走してくれた野球を愛する人々に支えられてきたのだと改めて感謝しながら読みました。日米の野球観の違いも興味深かったです。国の背景、文化の違いがあってもスポーツを通して理解しあえる。最後の場面は特に感動しました。

0
2020年10月31日

Posted by ブクログ

著者得意の甲子園もの。戦技甲子園を復活しようとする人々が描かれます。主人公の奥さんとマーカット局長の「一言」が良かった。でも、甲子園ものでは、「雲は湧き、光あふれて」の方が好き。近代東欧史ものでも「革命前夜」とか「また、桜の国で」などの傑作をものにしているので、そろそろ直木賞に届いてほしいなあ。最高傑作は流血女神伝だけどね。あれは読み継がれるべき大傑作です。

0
2018年09月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

戦争による高校野球の中止。終戦後に再開させたくてもなかなか目処が立たないなかなんとしてもという決意のもと動き出す神住。野球に対する強い想いと元球児としての願い。GHQの壁。困難なことがたくさんある中で日本の復興のひとつのシンボルとして野球を、それも高校野球の復活。アメリカ側とのやりとりで見えてくる日本のこれまでとこれから。野球とベースボールの違い。戦争の悲惨さと立ち直ることの難しさ、全てを受け入れて進むこと。その大変さ、苦悩、悲しみがある。だけど野球に願いを乗せて、球児に未来を見て、そしてタイトルの意味がわかるラストにある希望。とても素晴らしい物語。

0
2018年08月15日

Posted by ブクログ

文庫化まで待ちきれず。

戦後の甲子園再開に奔走した人々の群像劇、と思いきや、主人公の奮闘がメイン。
しかし、周囲の人物たちもしっかりと魅力的。
(とくに主人公のオクサマ)

表紙カバー絵の構図、こういう意味だったのか。

この作品にも取り上げられているとおり、日本の高校野球のあり方については賛否両論さまざまな意見があるとは思うが、甲子園の球児たちのひたむきなプレイはず~っと変わらず、いつ見ても感動してしまうのだなぁ。

今年の「給水タイム」はイイネ!

0
2018年08月10日

Posted by ブクログ

須賀しのぶさんの著書はやはりいい。
『また、桜の国で』『革命前夜』『神の棘』『紺碧の果てを見よ』と読んで来たが、どれもハズレはない。
前半は物足りなさがあったが、物語が動き出す後半は引き込まれて一気に読んだ。
1945年、敗戦翌日から、戦争で中止となっていた高校野球大会を復活させるために奔走する人々を描いた小説。

GHQや文科省と駆け引きしながら、あきらめず、出会いから人脈を広げ、敗戦の翌年には開催した。そこまでの道のり。そこに絡んでくる人々。野球ファンではなくても、楽しめると思います。
野球好きには尚更楽しめるのではないでしょうか。

それにしても、やはり巨人は好きになれない。沢村栄治に対する姿勢は嫌いだ。

0
2024年05月04日

Posted by ブクログ

野球には詳しくないですが、これまでと価値観がガラリと変わる中で、前を向き動いた人々の熱量に胸を打たれました!

0
2024年04月08日

Posted by ブクログ

どこまでが史実かは分かりませんが、野球好きの自分はとても楽しめました。ベースボールとやきゅうの違いはあっても、ど真ん中には野球というスポーツが聳え立っているのだと。また、奇しくもコロナ禍により、「子どもたちの1年は大人の10年」という言葉も実感することができました。「青春は密」という監督の言葉もありましたしね。いつの時代も野球は人々を魅了し、時には人生を狂わせるほどの魔力をもっているのだと思います。

0
2023年01月02日

Posted by ブクログ

終戦の重苦しい雰囲気から始まり、鬱々とした気分で読み始めたが、スミスら米軍と関わり始めた辺りから面白くなってきた。特に面白かったのが日本とアメリカの野球の価値観の違いが次第に露になるところ。日本の甲子園にかける熱量は確かにアメリカには理解しがたいのかも。ただ、観客側の残酷さというか身勝手さは現代に通じるところもあるのかな。その辺のもやもやを残しつつ、単純な感動で終わらせないところが良いと思う。とは言え、最後の場面は間違いなく胸が一杯になった。

0
2020年07月26日

Posted by ブクログ

面白かった。

日本の夏といえば、甲子園。
終戦直後の日本で、高校野球復活のために奮闘した新聞記者の姿を描いた小説。

タイトルは「なつぞらはっか」と読む。
夏空に白球が飛んでいく様を喩えたのか、と思ったら違う。夏空の下、グラウンドを走り回る白いユニホーム姿の選手のを譬えたのだという。

敗戦の1年後に、焼け野原の中で、主要な球場を接収された中で、高校野球の全国大会が開催されたなんて、よく考えれば奇跡だ。そんな奇跡が目の前で繰り広げられれば、選手たちはまさしく希望の真っ白な花のように、観客の目には映っただろう。

なぜ、日本において、こんなに野球が他のスポーツに比べて特別扱いされているのか?また、なぜ、日本にとってアメリカという国は特別なのか。
この本を読んでよくわかった気がする。

著者の須賀しのぶさんは、僕と同じ年代の方。
そのせいか、野球というスポーツに対する距離感がとても似ているな、という印象を持った。
野球への愛情を持ちながら、「野球道」からもアメリカン・ベースボールからも距離を置いた目。ただの感動物語でないところがさらに良い。

本屋大賞2019 1次投票第17位

0
2019年08月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

戦後間もなく、疲弊した日本の若者たちのために高校野球を復活させようと奔走した、朝日新聞記者の物語です。
正直最初はこの作品中の多くの人々と同じく、「なんでこの大変な時期に野球なんぞ…」と私も思ってしまいました。
食糧難で生きるだけでも必死なのに、球投げて打って遊んでるんじゃない!と、当時の母親の気持ちになってしまった。
でもそんな批判を受けつつも必死で走り続けた神住の努力と、戦後1年で復活した球児たちの誇り高い美しさには涙が止まりませんでした。
どんな状況でも夢や希望は何ものにも代え難い宝なのでした。

0
2019年06月11日

Posted by ブクログ

初めて読む作家さん。
以前、某公共放送の歴史番組で、終戦わずか一年後に開かれた高校野球(当時は中等学校)の大会について視聴して驚いたことがあったが、この作品はその史実をさらに深掘りしてあって興味深く読んだ。
主人公が夏の甲子園大会の主催者である朝日新聞の記者でありかつて甲子園でプレーした球児であるものの甲子園で苦い思いを残したままというキャラクターならではの視点、そしてGHQ側、つまりアメリカ側から見る日本の「野球」とアメリカの「ベースボール」との違い、更には戦時中難しい立場で生きてきた日系人、更には当時すでに甲子園があこがれであり目標でもあった球児たちや球児たちを取り巻く大人たち、それぞれの視点や言い分、胸に秘めた思いなどが公平に熱く語られていて、その点でも興味深く読めた。
夏の大会再開に漕ぎ着けるまでの様々な苦労や交渉はもちろんだが、いろんな人々の葛藤も描いてあって良かった。

終戦直後で誰もが生きていくのに必死だったとき、今日食べるものすら手に入るかどうかわからない、そんなときに野球大会を再開するなんてトンデモ話だと今でも思うが、それを一年で本当に開いてしまうのだからすごい。
そして実際にこんな苦しい状況の中でも地区予選を勝ち抜いて全国大会にやってきた中等学校の球児たちの熱意、決して安くないチケットだったにもかかわらず満員の観客がいたということにも驚かされる。
さらに言えば、当時はプロ野球より人気の高かった東京六大学野球や、職業野球と呼ばれていたプロ野球も再開していたことにも驚く。
人が生きていくためには食料やお金だけではない、なにか熱中できるものが必要なんだと改めて思う。

一方で現在でも大会が開催されるたびに巻き起こる議論、日本ならではの精神論や「野球道」についての厳しい指摘もあり、このあたりも考えさせられた。

最後まで読み終えて、タイトルの意味がわかる。その情景を想像しただけでも感動する。

0
2019年05月02日

Posted by ブクログ

やっぱり日本は野球とともに近代化してきたんだね。そして戦後復興も野球とともにってわけだ。甲子園大会(戦後の最初は西宮だったけど)が、球児の夢であることは疑いようがない。勝利至上主義をはじめとして歪なところもあるけど(特に近年は商業主義が行き過ぎてると思う)。戦後最初の大会で挨拶に立ったGHQの「最善を尽くせ、そして一流であれ!」は最高だ。スポーツはこうありたい。

0
2019年04月04日

Posted by ブクログ

現代の高校球児、その時代は中等学校の球児だった朝日新聞の記者が、終戦直後に高校野球を再開させようと奮闘する。

史実にもとずくフィクションは大好物です。
初めは読みにくく、気づけば流し読みとなっていて、もしかして合わないかも?と残念に思っていましたが、ジョーの秘密に到り、ビビビと来てしまい、改めて初めから読み直しました。

高校野球再開に奔走する神住の熱意が今ひとつつかみにくい感じでしたが、この時代にあれだけの行動力は熱意なくてはできないことかと、後に読み込みきれていなかったことに反省しました。

高校野球、六大学野球、プロ野球の当時の立ち位置が、今とは少し違うようでとても興味深かったです。

近いうちに「二つの祖国」を読む予定です。
タイミングも良かったと思います。

0
2019年04月03日

Posted by ブクログ

終戦後の生きていくのも大変な中果たして高校野球開催は時期尚早では?
感動的な話だけで終わらせないのはさすが須賀さん
混乱の日本の様子がよく分かる。

実名も出ているが
どこまで真実でどこから小説なのか?
興味はつきない。

そう言えば、父はプロ野球も高校野球も好きだったな
父の世代は今よりずっと野球に熱中していた
その意味が少し分かった気がする。

0
2019年03月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

著者作品は3作目。
 ドイツが好きで、ヨーロッパの近現代史が得意分野と思っていたが、高校野球を題材にしたものもあるのも知っていた。その著者が、2018年夏、高校野球100回大会の節目に世に送り出したのが本書。

 大戦後1年で復活を果たした高校野球。その史実を基に、その復活までの尽力を、朝日新聞社運動部の一記者神住を軸に描く。
 舞台は、1945年夏の大阪、物語はあの玉音放送から始まる。それまでの正義、価値観がひっくり返り、食うや食わずの焼け野原の中、敗戦翌日からストーリーは動き出す。
 物質的な困難は容易に想像つくが、GHQの存在、文部省との綱引きなど、周辺には多くの障害があったことを、ひとつひとつ丹念に描いている。そのあたりは、さすが歴史もの作家という筆致だ。読みやすい。

 予想外だったのは、野球の普及には、当然、それを国技とするアメリカの強力な後押しがあったからと思っていたが、大リーガーに代表されるプロが魅せる“ベースボール”と、なぜか、当時は六大学に代表される学生のゲームが人気を博していた“野球”との違いに、アメリカ側=GHQが異を唱えていたという点。
 職業野球は読売グループが東京を中心に動いており、六大学野球もまた別の動きをしている中、関西では甲子園球場での高校野球の再開に向け、朝日新聞が奮闘する絵図が面白い。思いもよらない障害が、内外の要因で錯綜する。

 歴史的事実も実に興味深いのだが、そのような史実の後追いだけではないのが、この著者の巧いところ。主人公の神住を、かつて夢破れたの高校球児とし、さらには沢村栄治の同世代に設定した。熱狂する甲子園、それに翻弄される若者の夢、挫折の心情にも触れる。さらには戦争で徴兵される無念を沢村の人生に象徴させる。
 また記者の立場として、地方を巡り当時の日本の敗戦直後の実情を描き出し、同僚たちの会話から、記者魂の他、マスメディアのあるべき立場、世間に対する責任までを論じようとする、実に欲張りな内容になっている。戦中、“紙の爆弾”(=大政翼賛の新聞記事のことだ)を放ち続けた新聞、その中に居た人間たちの生身の苦悶が生々しく描かれている。
 史実部分より、実は、そうした同僚、先輩記者、カメラマンとの熱い会話が読み応えあったりする。さらには、妻美子が神住に放つ言葉は夢ばかり求めがちな男どもへの痛烈な警鐘に聞こえた。

「あんな、動機なんてどうでもええねん。言うとくけどな、調子乗っっとった男は、なんやうまくいかへんなった途端に、すぐ行動理念やの何やのと目に見えんこと言い出すけどな、そうなったらまずろくなことにならへんからな。戦争がええ例や。あんたらすぐ、精神論に走って目的見失って迷走して取り返しのつかんへんことになるやんか」

 占領軍のアメリカ側とに芽生える不思議な友情も見ものだ。“キベイ”という存在も本書で初めて知った。「イッセイ」でも「ニセイ」でもない「キベイ」。多くの英語辞典に“kebei”という単語として掲載されている特別な意味をもった言葉。その運命を背負った一人の男が、学生野球の存在を良しとしないアメリカ側を説得する切り札として登場する意外性と、フィクション部分ではあろうが、アメリカ軍vs日本軍で合いまみえるテストマッチの清々しさ。 野球世代には響くものがある、実に読み応えがあった。なのに、平易な文章で読みやすいんだなぁ、これが。

 あと巧いと思ったのは、タバコの使い方。昭和の記者は、ぜったいヘビースモーカーだったろうなというのがよく分かる。時代感を出す小道具としてタバコが活きている。また「朝日」という銘柄のタバコがあったのを上手に使っている点にもニヤりとさせられる。
 細部にまで配慮の行き届いた、なかなかニクイ作品。

0
2019年02月09日

Posted by ブクログ

終戦直後、高校野球の復活を目指して全国を回る記者。彼はかつて投手として活躍していたが、苦渋を味わって野球から遠ざかった身だった。
そんな彼が、戦争の傷跡が深く残る世間に野球を復活させようと駆けまわる。彼を動かすものはなにか…そして、大会の再興を阻むものはなにか。
真摯にその時代を描き、野球にまつわる人々の思いを様々な側面から描いた物語。

この作者さんは、戦争ものも残酷さ含めて難なく描き、さわやかな青春小説も軽く描いてしまう幅広く豊かな作風を持たれています。

そんな手練れの作者さんが、いたってストレートに(フィクションとはいえリアルに)高校野球大会の復活までを市井の人々の視線で真正面から描いた物語は、あっという意外性や悲劇がなくともこんなに読ませてくれるのだと思うほど、いきいきとした力に満ちていました。

その力を生むのは、野球へかける熱い思いを持つ人、複雑な想いを抱く人、そして憎しみをも抱く人。さまざまな立場の人々の生きざまが文章を通して浮き上がり、話に温度を持たせてくれたと思うのです。

読み終えると表紙のような青空を仰ぎ見たときの気持ちになれる、とても素敵な小説でした。

0
2018年12月20日

Posted by ブクログ

高校野球、ファンではないけれど他にない魔法がかかっているのは私もわかる。

その高校野球と、戦争が重なりあい、ドラマが生まれる。

登場人物それぞれの背負うものと、それらが噛み合う運命と。

0
2018年12月19日

Posted by ブクログ

今年の夏、100回を迎えた全国高校野球選手権大会、そのタイミングで書かれた高校野球復活の物語。敗戦後の日本で、甲子園大会を復活させて、未来の若者に元気と希望をって思いで東走西奔する新聞記者の神住。しかし、GHQや野球道具不足など幾多のハードルが待ち構えていて、学生野球に対する野球道のような考え方の危うさもあって、考えさせられる部分もあります。それにしても、彼の奥さんはよくできた男気のある女房だなあ(笑)

0
2018年09月19日

Posted by ブクログ

昭和20年8月15日。
終戦の日から、中等学校優勝野球大会(いわゆる甲子園)の
復活に奔走する大阪朝日新聞 元運動部社員神住の物語。

中盤以降まで淡々と話は進んでいく。
が後半俄然面白くなるよん。

0
2018年09月14日

Posted by ブクログ

終戦の焼け野原から甲子園を復活させようとする者たちの奮闘記。野球への愛憎、貧困、記者として抱える時代へ協力した後ろめたさ、米軍や役所の妨害。さまざまな壁を乗り越えて一大イベントを仕掛けようとする姿とそのまわりの風景に涙。今日に引き継がれる負の面も引き摺っている描写もまたよし。高校野球のなくなったいまこそふさわしい。

0
2020年08月02日

Posted by ブクログ

夏といえば甲子園
夏休みによく素麺食べながら観てたなー。
これは実話なのかしら?
今こそ夏の代名詞になってる甲子園の基礎をつくったのは名誉ですね。
もう少し心を揺さぶられるのを期待してました。

0
2020年04月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

毎年当たり前のように観ている"甲子園"。そこには敗戦の後、たった1年で復活させるのに幾多の苦労や苦難があったのだと、この作品を読んで思い知らされました。当時甲子園がアメリカ軍に接収されていたなんて初めて知りました。そんな当時の事実を背景に、実在した選手も絡め、フィクションの小説にしている須賀しのぶさんの作品は本当に面白い。以前読んだ「また、桜の国で」と同じように、海を越えて探している人がいて、そのオチが最高に面白かった!
須賀さんの作品、他にも読んでみたいなって思いました。

0
2020年04月14日

Posted by ブクログ

高校時代に野球部のマネージャーをしていた身としては野球の美しさと残酷さを痛いほど知っているので、描写がとても突き刺さった。
正直主人公の神住があまり好きになれないまま終盤まで読み進めたけど、それを差し引いても戦後一年で高校野球を復活させるという物語は魅力的だった。どんなに辛い状況でも、それが心から楽しめないものだったとしても、甲子園がたった一年で復活したことには大きな意味があったと思う。
沢村をはじめ、戦争に散っていった色んな選手のエピソードを知れたのもよかった。

0
2019年07月11日

Posted by ブクログ

75戦後にはこう言った熱い気持ちとバイタリティを持った方々が復興の礎を作ったんですね。朝日も初心に戻って肥大化した功罪を改めて考えたらどうかな?

0
2019年06月25日

Posted by ブクログ

なんでも「道」にしてしまう日本人。そして戦争直後とくればそれは「野球道」としか言えないようなものである事は想像しやすい。そんな中でも子供たちは野球を求めて居ると確信する大人達。そして一方では大人から復興の象徴として搾取されていると感じる大人達。単なる復興物語ではない重さのある本で、読んでいると確かに今の高校野球に通じる窮屈な「野球道」に通じる物が有るような気がします。
基本的には日本国内の障害や、GHQの拒絶を乗り越えての感動物語であって然るべきですが、感動の部分以上に物語に葛藤が感じられます。
敵役の人々のいう事も一理あるので、一方的に応援できない心情が出来てしまいます。これは物語の欠点ではなく美質だと思います。でもそれが面白さにつながっているかはちょっと分からない・・・。
今現在も、感動を起こすために熱中症になるリスクを回避しようとしない頭の固い運営。連投に継ぐ連投によって体を壊す球児。現在もここに始まる「野球道」に支配されているのではないだろうか。そう意味では「野球とベースボールはちがう」という何度も文中で繰り返される言葉が頭を離れない。

0
2019年02月18日

Posted by ブクログ

敗戦直後、GHQがポツダム宣言の執行でどのような占領政策を施すのか国中が不安に怯えるただ中、今の高校野球夏の甲子園大会復活に向けて朝日新聞社員が奮闘した成行きは伝えてもらった。でも、小説としての魅力は残念ながら乏しい。野球用具の不足、球場の接収、指導者の欠如、プロ野球との確執ほか課題山積で、神住は解決に向けて果敢に挑むが、一つひとつの事象の描写に深みがない。あれこれ広く手がけているうち、最後の神宮球場での日米試合であっさりと方がついた。人物ごとに善悪の役どころが曖昧だ。

0
2019年01月13日

Posted by ブクログ

野球少年がいるので、期待して読んだけど…

『革命前夜』や『また桜の国で』に比べると、読み応えが…。

受容する私の問題かな。

0
2019年01月03日

Posted by ブクログ

終戦の一年後、
まだ道具はおろか、食べるものさえも満足に揃っていない状況の中
甲子園での高校野球大会が復活する。
人々は野球に何を託し何を見ているのか。
日本人にとっての野球とは
単なるベースボールではないことを
今の時代の私でさえ感じることがある。
野球が人々の心の支えなると信じて
退会復活のために東奔西走した朝日新聞社員たちの
熱い物語でした。

0
2018年12月01日

Posted by ブクログ

読みやすいのでどんどん進む。

甲子園って敗戦一年後に復活だったのか。
執念。

野球に代表される学生スポーツ信仰は特異である。

ベースボールと野球が違うっていうのは新鮮だった。

0
2018年11月11日

「小説」ランキング