【感想・ネタバレ】啼かない鳥は空に溺れるのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

2組の母子が出てくる。

1組は母子家庭で、亜沙子は母の気にいる人と、お見合い的な出会いをして婚約する。
だが、そのひとには予想できない性癖があり、それが原因で婚約破棄。
その後、一卵性双生児のようだった母は体調を崩しがちになり、それで娘を縛り付ける。

もう1組は、裕福な地方の社長の娘として産まれた千遥。聞くに耐えない罵り方をする母から逃れるため、無理して東京の母の気にいる女子大に合格して、母から離れることに成功。東京を満喫するも、就職を決められず契約社員にしかなれなかった。母とのイライラを解消するため分不相応な買い物に走り、お金が足らなくなり、愛人になる。その後、紆余曲折があり、公認会計士に合格した歳下の男と婚約する。

結局、2人とも婚約破棄して次の道を歩む。

1人は親から離れ、1人は親のもとに戻る。
同じように困った母を持ち、離れたいと思い続けて、出した結果は2人とも正反対。

この本を単行本で読んだ時とは、私自身の状況が変わりすぎていて、全く違う気持ちで再読した。


亜沙子の母にならないよう、気をつけたいと思う。

そして私自身の母とも距離感を考えないといけないと強く思った。ここ10年ほど距離を置いているが、千遥のように、倒れた親を見たら、気持ちが変わるのだろうか?

時間を置いて、また読んでみたいと思う。

母との関係に悩む人に、読んでほしい作品。

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2021年05月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最後の数行を読んで、思わず息を呑んだ。その辺のホラー映画よりも怖かった。唯川恵さんは恋愛小説のイメージしかなかったため、今回のような話は新鮮だった。
母親に愛されすぎるが故に、縛り付けられる娘。
幼い頃から母親に憎まれ、お互いに憎悪の対象であった娘。どちらも苦しくなるほど辛く、読んでいて応えた。
遥は報われてほしかった。一度母を見捨てたものの、介護を通して母との関係をやり直した。功太郎との婚約を破棄してでも母に付き添った。だけど全てが空回っていて、全てが無駄になった。本当に可哀想だと思った。
「ありが…」の言葉も本当にありがとうなのだろうか。
幼い頃に肉親に虐待を受けた子供は、どんなことがあっても親のことを嫌いになれないと聞くが、千遥はその良い例だと思った。

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2023年09月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

過保護な親と虐待(放任や暴言)する親、それぞれが見られて面白かった。亜沙子の親はまだしも、こんなに酷い事を子供にする親が居るのかと恐ろしくなります。
最後はうまくいくかと思いきや怖かった。いやーこれが現実か。
どちらの親も最終的には何も変わっておらず、千遥の親に関しては、確実に婚約破棄のタイミングを狙って言った確信犯的な言葉にはゾッとしました。亜沙子もきっと親がブログで書いた通りに、近々母親の元に戻ってくるような気がして怖いです。
毒親からは早く逃げてー。

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2023年03月04日

Posted by ブクログ

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娘として全く共感できる部分がないことが、自分が幸せに育てられ今に至る証拠なのだと感じた。子に注ぐ愛が深すぎるあまり、もはや執着しそれが子にとっても重荷となる関係。逆に強く当たり散らして吐け口とし、それでも子は無関係と切り離せず母の顔色を伺う関係。どちらもあることなのかと思うと不憫であると同時に、私は自分の母のような母親になろうと思わされた。
しかし「泣いたら、許されると、思うな」は、本当にホラーだった。。

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2023年03月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読み終わりがなんとも言えない気持ちになった…
亜沙子側が後半ギクシャクしていく中で、千遥は後半あ〜よかった、少し希望が出てきたと思ったら母の最後の言葉…。

亜沙子は亜沙子でまさか弘太郎とどうにかなろうとするなんて。
読者側としては千遥を知ってしまっているからだとは思うけど、これもなんとも言えない気持ちになったし素直に応援出来なかったな。

面白くて読み進めてしまったけど、自分の中でまとめきれずモヤっとしてしまった。

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2023年01月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

母と娘に限らず、親子の関係に、お互いに目に見えない束縛や依存や承認欲求は誰にだって多少あるものと思う。それを”呪縛”としたものが、本作品なのかなあ。それにしても亜沙子の最後はご都合主義っぽくて、ちょっと冷めた(笑)

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2019年07月07日

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