【感想・ネタバレ】啼かない鳥は空に溺れるのレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年05月06日

2組の母子が出てくる。

1組は母子家庭で、亜沙子は母の気にいる人と、お見合い的な出会いをして婚約する。
だが、そのひとには予想できない性癖があり、それが原因で婚約破棄。
その後、一卵性双生児のようだった母は体調を崩しがちになり、それで娘を縛り付ける。

もう1組は、裕福な地方の社長の娘として産まれ...続きを読むた千遥。聞くに耐えない罵り方をする母から逃れるため、無理して東京の母の気にいる女子大に合格して、母から離れることに成功。東京を満喫するも、就職を決められず契約社員にしかなれなかった。母とのイライラを解消するため分不相応な買い物に走り、お金が足らなくなり、愛人になる。その後、紆余曲折があり、公認会計士に合格した歳下の男と婚約する。

結局、2人とも婚約破棄して次の道を歩む。

1人は親から離れ、1人は親のもとに戻る。
同じように困った母を持ち、離れたいと思い続けて、出した結果は2人とも正反対。

この本を単行本で読んだ時とは、私自身の状況が変わりすぎていて、全く違う気持ちで再読した。


亜沙子の母にならないよう、気をつけたいと思う。

そして私自身の母とも距離感を考えないといけないと強く思った。ここ10年ほど距離を置いているが、千遥のように、倒れた親を見たら、気持ちが変わるのだろうか?

時間を置いて、また読んでみたいと思う。

母との関係に悩む人に、読んでほしい作品。

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Posted by ブクログ 2018年08月16日

母に縛りつけられる2人の娘。
何しても認めてくれない母親と娘に依存仕切っている母親。
逃れられない、呪縛。
私も母とべったりだったから、愛されたいけど鬱陶しいし認めてもらいたい。その気持ちが痛いほど分かる。

こういう親見てると子供って縛りつけて置くために産むのか?と思えてくる。母自身の夢を娘託す親...続きを読むも子離れ出来ない親もしんどすぎる。子供の幸せより自身の幸せってか、、産まれて来たくなくなるわ。

千遥の方は最後うまく行くのかと思いきや、、、何だかなーーー毒だわ(=_=)

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年09月20日

最後の数行を読んで、思わず息を呑んだ。その辺のホラー映画よりも怖かった。唯川恵さんは恋愛小説のイメージしかなかったため、今回のような話は新鮮だった。
母親に愛されすぎるが故に、縛り付けられる娘。
幼い頃から母親に憎まれ、お互いに憎悪の対象であった娘。どちらも苦しくなるほど辛く、読んでいて応えた。
...続きを読む遥は報われてほしかった。一度母を見捨てたものの、介護を通して母との関係をやり直した。功太郎との婚約を破棄してでも母に付き添った。だけど全てが空回っていて、全てが無駄になった。本当に可哀想だと思った。
「ありが…」の言葉も本当にありがとうなのだろうか。
幼い頃に肉親に虐待を受けた子供は、どんなことがあっても親のことを嫌いになれないと聞くが、千遥はその良い例だと思った。

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Posted by ブクログ 2023年09月10日

母と娘の、歪ながら、ありふれた関係性。言葉で傷つける母親、言葉で縛り付ける母親、その中に渦巻く仄暗い心理。娘は大人になるにつれて母親の心理を読みとり、距離をとろうと抗っていきます。相手にされたような心理攻撃をやり返すのではなく、むしろなるべく相手を傷つけないように配慮して、波風を立てないよう努め、あ...続きを読むくまで娘としての勤めを果たしつつ、一定の距離を設けながら支配からの解放を目指しています。これはとても歪で、外界からは見えない複雑な心理戦ですが、残念ながら社会のどこにでもいる母娘です。
母親は娘を支配しコントロールしようとしていることに無自覚だったり、娘も母親の言葉の暴力や執着を知りながら決別しきれなかったり、そうした関係性は決して珍しくありません。多くの人に読んで知って貰いたいです。
全体的に読みやすい文体ながら、会話の流れや娘視点の心理が生々しく描かれています。そして母親自身を含めて、家族が過去に娘にしてきた仕打ちの記憶を塗り替えて話しているのも、母親がSNSで娘との関係を誇張しているのも、絶妙にリアルでゾッとしました。

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Posted by ブクログ 2023年09月08日

人生は自分の都合のよいようにばかりはいかないものです。ちょっとしたタイミングのずれで全く違う結果になることもありますよね。
そして、やっぱり人は大きくは変わらない。人の温かさに触れたと思ったら、あぁやっぱりと何かが待ち受けている怖さをずっと抱えながら、一気に読み進めました。

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Posted by ブクログ 2023年03月04日

過保護な親と虐待(放任や暴言)する親、それぞれが見られて面白かった。亜沙子の親はまだしも、こんなに酷い事を子供にする親が居るのかと恐ろしくなります。
最後はうまくいくかと思いきや怖かった。いやーこれが現実か。
どちらの親も最終的には何も変わっておらず、千遥の親に関しては、確実に婚約破棄のタイミングを...続きを読む狙って言った確信犯的な言葉にはゾッとしました。亜沙子もきっと親がブログで書いた通りに、近々母親の元に戻ってくるような気がして怖いです。
毒親からは早く逃げてー。

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Posted by ブクログ 2023年02月19日

娘の結婚を機に、歪みがさらに浮き彫りになる2組の母娘の関係が交互に描かれてゆきます。

愛情を求めても幼い頃から母親に暴言を吐かれ拒否されてきた千遥と、過干渉な母親の善意を装った重たい思いに絡めとられそうな亜沙子。

まったく逆の関係性ではあるけれど、千遥も亜沙子も母親に自分の人生を支配されてきたと...続きを読む思っていて、でも顔色を伺いながら自分の気持ちより母親を優先しているのは娘自身で、共依存の関係性にあります。

最後、亜沙子の母親のブログ(母娘がどんなに仲がよいかを虚実を混ぜて発信している)の言葉にも恐ろしさをかんじたけれど、千遥の母親の言葉が、もし記憶の残像としてではなく現在の言葉としたらと思うとゾッとしました。

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Posted by ブクログ 2022年11月17日

女がそうさせるのか、愛情がそうさせるのか
母と娘は似ているのに似ていない

唯川恵さんの本が大好きなので買いました。唯川さんの本にも介護という言葉が出るようになったのか。時代を感じる。
ひたすらキラキラ女子の女同士のドロドロ恋愛が多かった作家さんですが、昨今のキーワードを上手く拾ってらっしゃるのかな...続きを読むと思いました。面白かったです。一気に読みました。
さて、母と娘がキーワードのこの本です。読んでいて既視感を感じる方も多いのかな。親ガチャに失敗した女2人。幸せと言われるはずの結婚話が逆に怖い。
読んでいて、幸せになって欲しい、でも普通に終わるはずないよねと思っていたら案の定でした。
唯川恵さんの本はやはり良いです。

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Posted by ブクログ 2022年03月02日

千遥の境遇に度々共感しながら読んでいたから、最後らへんで千遥がお母さんとの関係を修復しつつあったこと、千遥自身がなによりそれを喜んでいることが私にとっても嬉しかったのに、最後の最後、千遥母のセリフが恐ろしすぎて鳥肌立った…。
千遥が不憫でならない。じゃあ離れれば良いじゃんって思う人もたくさんいるんだ...続きを読むろうけどそうじゃない。子供にとって親は、たとえ大嫌いでも心の奥底では大好き、愛してほしい、認めてほしい。だから表面上では憎くて憎くて忘れたくても、愛されることを求めて離れられないんだよな、少しでも認めてくれたらそれまでの恨みがどうでもよくなるくらき嬉しいんだよな。千遥には幸せになってほしい…
どうして千遥の母がこうなってしまったのか、何十年も前に姑との不仲が原因で精神的に病んでいたという話があったけど、正確な原因はわからず。家族の記憶と千遥の記憶が異なるのもすごく共感できた。家族って一番近いから言わなくても伝わるよねって思うけど他人だからそんなことない。近すぎて言いたくても言えないこともある。母との関係に悩む一娘として、心に残った小説だった。

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Posted by ブクログ 2022年02月13日

こ、こわかった…

「母と娘とは、身体のどこも繫がっていないシャム双生児なのかもしれない」

大好きなのに大嫌い。
大切だけれど憎たらしい。
愛されたいけど鬱陶しい。

母と娘が持つ不安定な感情の描き方にぞっとしつつも、先の展開が気になって気になって、物語に入り込んでしまった。
こんな毒親にはならな...続きを読むいようにしよう。と、肝に誓った。。

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Posted by ブクログ 2022年01月02日


いや何ちょっと待って、しんどい…



千遥と亜沙子、東京で暮らす2人の女性が、それぞれの結婚を機にそれぞれの母親と向き合っていくお話。

32歳の千遥は、幼い頃から母に疎まれ虐げられて生きてきた。地元ではそれなりに名のある家庭。跡取りである弟といつも差をつけられ、大学生になって独立してからも、...続きを読む母の影をいつも気にしながら生きている。自分はちゃんと母に認められるような生き方をしているか。

27歳の亜沙子は、中学の時に父を亡くして以来、母親と2人暮らし。「亜沙ちゃんだけが生きがい」という母親を大切に思いながらも、どこかで鬱陶しさを感じている。

どちらも必要だったのは、母親と自分は別々の人間である、とお互いが認識すること。



普通に結婚が決まって普通に母親と和解していい感じに再構築していくストーリーかと思ったら、なんか母娘も結婚相手もその周りも波瀾万丈すぎて最後までドキドキした。

中林さん良い奴じゃん、、と思ったけどそういうことか、とか。
功太郎なんか不憫だけど人のこと言えないよな、とか。
千遥の地元の友達とカラオケにいくシーン、よかったけどきっとあれが続くとそれはそれでしんどいんだろうな、とか。
人間は欲張りだな。

ラスト、亜沙子はまだ希望が持てる終わり方だったと思うけど(突拍子はないけど)、千遥のあれはただのホラーじゃないか?
どん底に突き落とされた。あれでもまだ頑張って再構築しようとするんだろうか。母娘のしがらみってそうまでしないと抜け出せないものなんだろうか。
あんなこと言われたら、もう知らない、私は私よ、って飛び出してしまいそうだけれど。

私は私よ、と言えるだけの主体性がこれまでの千遥の人生の中で作られてこなかったのかもしれないな、とは少し思った。

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Posted by ブクログ 2021年11月10日

◾︎母と娘であっても互いに別の人間としてそれぞれの人生を生きること。
依存されるのも依存するのも良くないなあ。

◾︎終盤の「泣けば許されると思うな」の恐怖

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Posted by ブクログ 2021年10月14日

主人公の二人とも共感できる点が多かった。
複数の男と交際し、お金をかけて綺麗であり続ける千遥にも、
同年齢で周りから結婚について聞かれる亜沙子にも。

母子家庭で育った私は亜沙子に近いが、私の母はどちらかというと放任主義で、2人で旅行なんて行ったこともないし、最後にランチをしたのなんていつだろう…。...続きを読む

母と娘は、姉妹でも友達でもない、私にとって一番不思議で一番居心地の良い関係だ。
私がどんな時に喜び、どんな時に苦しむか、何でも知っている、一番信頼できる存在。
そんな母が私を縛り、口を開けば私を蔑み、苦しみ続けていたら…と考えるとゾッとする。
私が母を好きでいるのは、「ほっといてくれるから」である。
とはいえ、親にだって苦悩があり、誰にも言えない闇がある。

この本を読んでみてと勧めてくれた、27年間私をずっと支え続けてくれた母に感謝したい。

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Posted by ブクログ 2021年02月18日

母が見つけて来た亜沙子の結婚相手は、蓋を開ければとんでもない性癖の持ち主でその点も不気味でしたが、ブログに自身の理想を事実の様に書き連ねる亜沙子の母にも更に、不気味な物を感じてしまいました。

それぞれの母と娘の関係が終わりに近づくに連れハッピーエンドになるのかと思いきや両方の母娘共にまるでホラー...続きを読むを思わせる様な展開で、最後まで飽きずに夢中に読み進める事が出来ました。

この二人の立場までは行かなくても、どこか近い部分を感じる娘さんも多いのではないかと思わせるリアリティーも感じる1冊でした。

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Posted by ブクログ 2024年01月26日

状況は違えど、いわゆる共依存のような関係にある二組の母娘。
それぞれ、娘がその関係から脱しようともがく様子には共感しつつ、母の目線で描かれるところが全くなく、結果的に「毒親と可哀想な子ども」みたいな構図に見えてしまうのが残念というか。
千遥と亜沙子が、誰かのためではなく自分のために生きようとする日は...続きを読む来るんだろうか。

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Posted by ブクログ 2023年03月30日

母親に虐められた娘と、母親に縛られた娘の二人の物語。
一生ついて廻る事からどうやって独立していくのか。
脳溢血で障害を持つことになってしまった母親を介護するも、最後の母親の一言が衝撃的。
エンディングがなかなか良い。

この手の話は現実でも聞く事もあり、どこでも誰でもあるんだろうなと想像がつく。
...続きを読むを持つ母親や、母親について良い感情を持っていない方は読んでみると共感が持てる部分があるのかもしれない。

唯川恵さん、ちょっと前にも読んだことがあるが、当たり外れがある作家さんなのかな?
続いて、この方の小説を読んでみることにする。

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Posted by ブクログ 2023年03月01日

娘として全く共感できる部分がないことが、自分が幸せに育てられ今に至る証拠なのだと感じた。子に注ぐ愛が深すぎるあまり、もはや執着しそれが子にとっても重荷となる関係。逆に強く当たり散らして吐け口とし、それでも子は無関係と切り離せず母の顔色を伺う関係。どちらもあることなのかと思うと不憫であると同時に、私は...続きを読む自分の母のような母親になろうと思わされた。
しかし「泣いたら、許されると、思うな」は、本当にホラーだった。。

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Posted by ブクログ 2023年01月27日

読み終わりがなんとも言えない気持ちになった…
亜沙子側が後半ギクシャクしていく中で、千遥は後半あ〜よかった、少し希望が出てきたと思ったら母の最後の言葉…。

亜沙子は亜沙子でまさか弘太郎とどうにかなろうとするなんて。
読者側としては千遥を知ってしまっているからだとは思うけど、これもなんとも言えない気...続きを読む持ちになったし素直に応援出来なかったな。

面白くて読み進めてしまったけど、自分の中でまとめきれずモヤっとしてしまった。

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Posted by ブクログ 2022年10月04日

幼いころから酷い言葉を母から投げられて
冷たくあしらわれてきた「千遥」

女手1つで育てられて母との関係は良好だったが
だんだんと束縛が強くなる「亜沙子」

千遥は故郷を離れて愛人の高級マンションに住む
そこに転がりこむ別の男が有名会社に就職プロポーズ
母をギャフンと言わせるチャンスがきた

亜沙子...続きを読むは母にすすめられた男と結婚の予定が
その男には変な性癖があることが分かった

結婚に揺れていた時に
千遥の母は倒れ、亜沙子の母は手首を切る

一言で言うと2人の毒親っぷりが怖い
ちょっとしたホラー
でも読んでしまう
千遥にも亜沙子にもこれから真っ直ぐ強く生きて欲しい

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Posted by ブクログ 2022年03月13日

要素要素はほとんどデータベースみたいなものでオチも安っぽいホラー感は否めないんだけどいわゆる毒親コンテンツが昨今はネットに溢れかえっているからそう感じるのかもしれない、当事者はしんどいだろうな

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Posted by ブクログ 2021年03月22日

2021年31冊目。再読②
何度読んでもめっちゃ嫌な気持ちになるのに、また手にしてしまい一気に読んでしまうのはなんでだろう。
「数年後、もし千遥と亜沙子がともに娘を産んだとしたら、彼女たはちはどんな母親になるのだろう。」とあとがきにあり、そんな物語も読んでみたいと思った。

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Posted by ブクログ 2020年02月20日

読んでいて疲れる作品。タイプの違った毒親を持つ2人の娘が主人公だが、本人たちの意思なんてとうの昔に失くしたのではないかと思うぐらい束縛されてて可哀想に思ってしまった。色々な家族の形があれど、ここまで悲観的に見える家庭もそうそう無い…と思いたい。物語の中では側から見た時は普通の家族に見えているのもまた...続きを読む恐ろしい。

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Posted by ブクログ 2019年07月07日

母と娘に限らず、親子の関係に、お互いに目に見えない束縛や依存や承認欲求は誰にだって多少あるものと思う。それを”呪縛”としたものが、本作品なのかなあ。それにしても亜沙子の最後はご都合主義っぽくて、ちょっと冷めた(笑)

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Posted by ブクログ 2019年03月22日

いわゆる毒親でしょうか。娘を精神的に虐待したり愛情の名の下に束縛したり。自分のコントロール下に置こうとする言動はかなり怖い。
自分の親がそうでなくて良かったとホッとすると同時に、自分が毒親にならないよう気をつけないといけないと思いました。子供には子供の人生があってそれを尊重しなくてはいけない。基本的...続きを読むな事だけど忘れがち。一気読みした本でした。

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Posted by ブクログ 2019年02月27日

歪んだ母と娘の関係性。ラストどのようになるのか気になって読み進めたが、曖昧な感じで終わっていたのが残念。
ただ、千遥の母には恐怖を感じた。

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Posted by ブクログ 2018年10月15日

同僚に借りた本。2組の毒母と娘の話で、毒母に逆らえない娘達にイライラさせられながら読んだしまった。全てを否定されながら育った美人の千遥。娘だけが生き甲斐の母と育った亜沙子。千遥の方はうまく毒母から逃げられたはずなのに結婚話を機に実家との繋がりができて、結局は母の元に。亜沙子は母が仮病や自殺未遂までや...続きを読むりながら亜沙子を自分の思い通りにする事を生き甲斐にしている事実に気付き、母を棄て逃げたパターン。
自分の子供だとしても人間に執着してはいけない。別の人格を持つ人間だし、所有物では無いのだから。こういう依存型のタイプは、AI人型ロボットを活用して依存していけば満足できないかな。

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