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寂しげ
「終末期病棟」というものが存在することをこのマンガにてはじめて知りました。言葉からして寂しい名称…そんな病棟も陰では「ごみ捨て場」と呼ばれていることに驚きました。現実味が強いです。いろんな利用者さんのそれぞれの死に方に涙腺が緩んでしまうような終わり方もありました。
Posted by ブクログ
お別れホスピタル』は終末期病棟の話です。
にぎやかな見舞客のある寝たきりの臼井さんを妬んで、使用済みのオムツ(パンツ)を投げ込む、隣の大戸屋さん。
奥さんのことが大好きな85歳の大西さんを取り合う、79歳 独身の犬井さんと10年前にご主人を亡くした76歳の堀川さん。二人は大西さんを巡って日々喧嘩をする
が、大西さんが亡くなられると『退院したのよ』『あなたの気持ちわかるわ』『実はわたしも好きな人がここにいたの・・・』と少々ずれた会話で慰め合うようにな
る。『延命治療をしておじいちゃんを死なせないで!』と医師に懇願し、亡くなった時には『他の病院にすればよかった・・・』と文句を言う年金目当ての派手な家
族。抗ガン治療をすれば延びる命を『これ以上金のかかる治療はするな!もうビタ一文出さない!』と言い切る息子。その声をベッドで聞き涙する母親。
様々な患者と家族に翻弄される看護師たちの本音に『ですよねー』と同感する。
このコミックは絵がゆるい。しかし、このゆるい絵が、現実の厳しさを薄めて受け止めさせてくれている。