【感想・ネタバレ】乙霧村の七人のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

大学の文学サークルで企画した実際に一家五人が惨殺された事件の起きた村である乙霧村を訪れる。サークルの顧問はノンフィクション作家である、泉蓮。彼が書いた「乙霧村の惨劇」の事件現場を見に行くことになる。乙霧村では彼らが訪れる前に学生による失火があり、彼らの訪問を快く思っていない。
泉蓮の大ファンであり、一人だけ4年生(他は3年生)の友里の視点で物語は語られる。
純、玲美、哲夫、昌枝、浩樹と友里の6人で乙霧村を訪れることになるが、惨劇の舞台となった松浦家で斧を持った男が現れる…

情景描写がいまいちわかりにくいが、八つ墓村のようだと、感じる。
サークル名がヴェリティ(真実)なのだが、ミスマープルの「復讐の女神」に出てくる女性の名前を思い出した。
昌枝が終始、友里に対して酷い態度なのが、もう腹立たしい。純や玲美の金に飽かせた態度、哲夫の上から目線な物言い、いくら行ってみたかった、とは言っても、友里さん、メンツは選んだ方がいいよ、と思った。
思ったより、サクサク読めたし、おどろおどろしい雰囲気を取り払ってみれば、よいお灸になったようにも思う。
善人と悪人、簡単に決められないのが人間だと思うけれど、この人が言っていることは信じるに足ることか、と思いながら読んでみるのもよいと思う。
英一がやったことは、5人(浩樹を除く)にとっては恐怖でしかなかった思うが、一番最後の泉の昌枝に対する一言も怖い。
想像していた怖さと違って、いい意味で裏切られた。

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2022年11月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

正直、冒頭から違和感ありありでした。現代の女子大生が主人公にしては達観した語り口で、しっかりしたタイプの女の子をイメージさせたいのかと思いきや、「旧タイプの携帯電話を使っていて、そもそもLINEやゲームなどに熱中する習慣はない」なんて、いくら文学女子が主人公とはいえ「ああ、伊岡先生は現代の女子大生のイメージを捉えきれていないな」と直感的に思ってしまいました。他の登場人物も古臭い感じだし、それだったら時代背景ごとスライドさせてスマホなんて存在も無くせばいいのに...って感じです。でも、蓋を開けてみれば「伊岡先生すいませんでした!」と言いたくなりました。(ちょっとしてやられた感もあります。

0
2020年11月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『乙霧村の惨劇』というノンフィクション小説の謎について追求した作品(作品の終盤は)
前半は乙霧村に肝試しに来た大学生達を惨劇のたった一人の生き残りの男が追いかけ回す、鬼ごっこ状態で読んでいて自分も追いかけられているような緊張感を味わった。
後半は事件の真相について。
自分の想定外の事が次々と判明して驚きっぱなしだった。
ホラー小説だが、哀愁漂う作品だった。

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2020年07月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

おどろおどろしい表紙に惹かれて、
何の予備知識もなしに衝動買い。
読んでみると...

想像のナナメ上の裏側の対偶を突いてくる感じ(^ ^;

読み始めと中盤と後半では、まったくテイストが違う(^ ^;
どころか、読中の予想をすべて裏切ってくる(^ ^;
何なら、物語の発端というか、根本とも言える設定すら
信用できなくなってくるような...(^ ^;

人物描写はちょっとリアリティが薄い気もするが、
それでも息つく間もなく読ませる怒濤の展開(^ ^;
「答合わせ」を読んでると、余計に混乱してくるという...(^ ^;

何とも不思議な一冊である(^ ^;

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2020年03月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「戦慄のホラー・サスペンス!」の惹き文句にこの表紙絵。ものすごく怖そう。伊岡瞬でなければ立ち止まって手に取ることはなかったと思います。この著者だから、ビビらすだけの話ではないはず。

22年前に辺境の集落、乙霧村で起きた一家5人惨殺事件。犯人も斧で頭をかち割られて死亡。生き残ったのは幼い男の子ただひとり。その事件を題材にしたノンフィクションを書いたのが、メディアでも顔の売れている人気者の教授。彼が顧問を務める大学のサークルに所属するメンバーは、顧問抜きで乙霧村へのツアーを計画。村へ到着すると、22年前の事件当時と同じ豪雨に見舞われる。そんななか、悪ふざけをする大学生たちを諌めるように現れた正体不明の男。彼はあまりにもあの事件の犯人に似た風貌で……。

やはり惹き文句とは異なって、非科学的なことなど何もない、ホラーというよりはサスペンス・ミステリー。しかし、犯人の正体は早いうちに推測がつき、驚きはありません。非科学的なことはないけれど、憎悪の念に駆られた人物の犯行計画は無理やりの感もあり、しかも切なさまでには至らない。叙述トリックを混ぜ込んだオチも、鮮やかさには欠けます。それでも最後までぐいぐいと読ませるのはさすが。

初版の283頁目の誤字はまったくいただけません。せっかくここまでぐいぐい読ませたのに、「アンタ、誰やねん」と唖然。このせいでテンションがダダ下がりするので、早いとこ修正をぜひ。

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2017年12月05日

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