【感想・ネタバレ】さよなら、愛しい人のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2021年06月02日

今フィリップマーロウにハマってるのも資本制社会が見えて俺が生き方を模索してるからだろうな。それにしても男もなかなか辛い...(苦笑)

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Posted by ブクログ 2019年06月23日

展開が全く読めない
マーロウなんでそっち行くん?なんでそんなことするん?って思いながらずっと読み進めてました
ドントシンクフィールって感じですね
素晴らしい

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Posted by ブクログ 2019年05月25日

村上春樹訳のハードボイルドミステリであるフィリップ・マーロウものの2作目。旧訳のほうは荒々しく削り出した巌を撫でて温度を感じるようのな無駄のない文体だが、今作の新訳のほうは、岩の成分を一つ一つ手で探ってフィリップ・マーロウというキャラクターを浮かび上がらせるような作りになっている。ハードボイルド、と...続きを読むいう単語から連想するような気取った感じはなく「こういう生き方しかできない」どこまでも不器用でたった一つの美学のみで突き進んでいくマーロウには男として憧れるものを感じる。事件の流れから最後で明かされた真相の読後感もさることながら、マーロウの身に起こる一つ一つの出来事に対してのレスポンスが一番の魅力だろう。ヒーローでもアンチヒーローでもなく、無力で繊細だが、その不屈の美学と飾らなさには凄く共感を覚える。ある種の損な生き方というのは、時に得がたいものなのだ。

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Posted by ブクログ 2018年08月04日

仕事で訪れた酒場で事件に巻き込まれ、これをきっかけに、様々な人々の思惑の繋がりの中に絡め取られていく。主人公はその中を緩急つけながらもがき進んでいくことになります。いったい俺は何を探しているんだろうという疑問を持つ暇もないままに。
行間にある登場人物から発せられるサインと、同じく行間にある主人公の直...続きを読む感とが、事件の真相に向かって読者を進ませてくれます。説明できないけれども分かる必然性が、読者を虜にするのではないかと思います。それだけ登場人物が魅力的に生き生きと描かれていて、目の前で映画を見ているかのようにはっきりと場面が浮かび、感動します。魅力的なセリフの数々。読後にこの世界の余韻に浸るひと時に幸せを感じます。

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Posted by ブクログ 2017年01月11日

切ない。この切なく寂しい、それでいて暗くない読後感がチャンドラーの魅力だと思う。あまりにも漠然とした感想だけれど。

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Posted by ブクログ 2015年06月11日

銀行強盗で8年間服役していた心優しき大男のムース・マロイ。
別れた踊り子の恋人ヴェルマを探して黒人街の酒場フロリアンを訪ねるが、酒場で冷たくあしらわれ激情に駆られた彼は殺人を犯して逃走してしまう。
現場に偶然居合わせた私立探偵フィリップ・マーロウはアテにならない警察に憤慨し、シンパシーを感じたマロイ...続きを読むのため、ロサンジェルスの街でヴェルマ及びマロイ捜しを開始する。
そんな中、盗まれた宝石を取り戻すため、8000ドルの受け渡しに一緒に同行して欲しいとの依頼を受けたマーロウだったが、自らの失態により依頼人を殺害されてしまう…。
次第に絡み合う二つの事件。
果たしてマロイの一途な愛は成就するのか?

1940年に発表された私立探偵フィリップ・マーロウシリーズの長編第2作目。
今回は2009年に発表された村上春樹の新訳版に挑戦。


「10代の頃に読んだ作家を再読しよう」企画(笑)の第三弾。
いやぁ~、 この作品はチャンドラーの小説の中で
『長いお別れ』に次いで僕が好きな作品。

初めて読んだのは高校時代だけど、
いまだ夢から覚めやらず。
今読んでもチャンドラーの小説は抜群にカッコいい。
(やはり今でもフィリップ・マーロウは僕にとっての永遠のヒーローなのだ)

学生時代に読んだ清水俊二訳があまりにも素晴らしかったので不安だったけど、
なかなかどうして村上春樹訳も新鮮で、いろんな意味で楽しめた。
(ただ、微妙に改変したタイトルが物語っているとおり、 あえて比較するなら清水俊二訳の方がよりハードボイルドに則した硬質な文体だったのに対して、村上春樹の新訳版はいくぶんソフトな文体でハードボイルドに慣れてない人にも読みやすくなってる気がする。ただ、タイトルは清水訳の『さらば愛しき女よ』に分があるし、大男マロイは村上のムース・マロイより清水訳の『大鹿マロイ』と訳す方が僕は合ってると思うのだが…)


身長は180cm。体重85kg。髪は黒。肌は浅黒くガッチリした体型。
年齢は当時30代前半。服装は常に帽子と細身のスーツ着用。
拳銃はコルト38口径オートマチックを所持。
酒と煙草(キャメル)を愛し、
シニカルでいて、他人の気に障る冗談を好んで口にし、
どんなに痛めつけられても『痩せ我慢の美学』を貫き、警察や権力に屈しない、
孤高の騎士・ 私立探偵フィリップ・マーロウ。

今作でも、行きがかり上知り合った大男マロイにシンパシーを感じ、
頼まれてもいないのに自らヴェルマを探すお人好しマーロウが笑える。
いや、実にマーロウらしい(笑)。


変幻自在の比喩表現を駆使した詩的でストイックな文体。
社会批判を盛り込んだ深い文学性。
あふれるリリシズムと
散りばめられた宝石のような名言の数々。

チャンドラーの作品は
探偵小説としての物語の構成やプロット云々よりも
とにもかくにも文章が秀逸なのだ。

言葉の使い方、描写力、形容の仕方、優れたリズム感で読ませるシャレた会話、絢爛たる比喩の多用など
ストーリーを抜きにして、ただ文章を読むだけでも充分に楽しめるところが
数ある探偵小説の中でも異色だし、深い味わいを生んでる秘密だと思う。
(もちろん、その文体にはマーロウの心情が溶け込んでいる)


チャンドラーが大都会ロサンジェルスを舞台に描くのはいつも
上流階級と下層階級との対比で、
今作でも上流階級に生きるしたたかな女たちと
貧しいけれど誇り高い騎士マーロウ、そして天使のように純粋な犯罪者マロイを対照的に描いている。  

常に弱者の側に立ち、
何度となく痛い目に遭いながら
マロイを放っておけないお節介なマーロウのドン・キホーテの精神。
常に自分のルールに従い、
敵が巨悪であっても気に入った人間のためには敢然と立ち向かう姿を男なら笑えるわけがない。

学生だった僕が打たれたのは、
力こそすべての古いアメリカ的な強さではなく、
マーロウが体現していた武士道に通じる精神の強さ、
信念を貫く不器用な生きる姿勢だったんだと今にして思う。

チャンドラー作品にはいつも悪女(ファム・ファタール)が出てくるのだが、
今回は美貌を武器に男を裏切ることでしか生きていけなかった女を描いていて
マロイの不器用な生き様と同様に哀切極まりない結末は
深い余韻を残す。

大男の前科者、ムース・マロイ。
行方不明のマロイの恋人、ヴェルマ・ヴァレント。
好奇心旺盛で男勝りでマーロウにゾッコンな(笑)、元警察署長の娘
アン・リオーダン。
クサい匂いを発するインディアンの用心棒、セカンド・プランティング。
暗黒街のボス、レアード・ブルーネット。
マーロウを助け賭博船までの案内人を買ってでるレッド・ノールガアドなど、
とにかく脇役たちが生き生きとして素晴らしく魅力的なのも
チャンドラー作品の醍醐味だ。


簡潔に言えば今作も『長いお別れ』同様に
男が男を助けようとする話である。
行くなと言われれば言われるほど首を突っ込んでしまうひねくれ者のマーロウが、
純粋な心を持つ一人の犯罪者のために
身も心もボロボロになる話である。
しかしそこには男たちが憧れた生きる姿勢があり、
自分が信じた者のために強くあろうと
もがき続ける男のロマンがある。

あとがきにある村上春樹の言葉、
『チャンドラーの小説のある人生と、チャンドラーの小説のない人生とでは、確実にいろんなものごとが変わってくるハズだ。』
におおいに共感。

奇しくもマーロウに憧れた松田優作フリークのリリー・フランキーが言った
『男には2種類しかない。優作が心に棲みついた男と、そうじゃない男だ』
と並ぶ、愛ある名言だと思う。


文科系「不良」少年少女たちよ、
(そして草食系男子よ!)
カッコいい男が知りたけりゃ、
迷わず読むのだ!


(なぁ~んて、ハードボイルド風に決めてみました笑)

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Posted by ブクログ 2014年06月02日

アムサーに会いに行った場面の短い文章による章だて、切替。緊張感を持ちながら、結末に向けて急激にスピードアップし、深くなっていく流れ。
フィリップ・マーロウの相変わらず、タフでわざわざ話をややこしくする物言い。
訳者も言っているが、主人公とその周りの登場人物達の際立つキャラクターに読んでいて楽しくて仕...続きを読む方ないという感覚だった。

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Posted by ブクログ 2023年07月18日

すっかりこの文体に魅了されてきてしまった。無駄に細かい情景描写や、このシリーズでなければ許せないようなキザな台詞など、楽しめた。中身はミステリー・サスペンスとしては雑に感じるところもあるが、そんなことはどうでもよくなりますね。賭博船に潜入するあたりが、ちょっと頭に入ってこない部分があったけど、登場人...続きを読む物さえ押さえれば読み易いと感じる。次はどれを読もうかな。

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Posted by ブクログ 2023年04月26日

タイトルにある、"さよなら、愛しい人"と崇められるような、そんないい女、出てきたかな?と一読した時思ってしまったのだけれど。ところが...、
しばらくシーンを反芻しているうちに、いや、彼女そう悪くもないかも?...むしろ、心根のとても優しい人だったのかも?...とか、後からじんわ...続きを読むりと読後感が変わってきた。
人間の心の機微が何層にも重なって現れる、素晴らしい作品。

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Posted by ブクログ 2022年05月27日

〈私立探偵フィリップ・マーロウ〉シリーズ第2段。チャンドラー作品は『ロング・グッドバイ』に続き2作目である。相変わらず正義感が強く、かつハードボイルドな主人公マーロウであった。伊坂幸太郎作品に出てくる屈強な殺し屋のような、個性豊かな人物がたくさん出てくるところも読みどころ。マーロウは私立探偵なので、...続きを読むどんなに苦境に立たされても人を殺めることは絶対にしない。そこが非常に好感が持てる。そして何より、独特のシニカルな口調が個人的にとても癖になる。彼のような才能があれば、世の中を上手く渡れるかもしれない。

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Posted by ブクログ 2022年03月21日

初レイモンドチャンドラー。
訳者はあの村上さん!
ハードボイルドな世界観にめくるめくミステリー。
魅力的なマーロウをはじめとするキャラクター達。
読んでいてプリンが食べたくなってしまった。

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Posted by ブクログ 2021年11月17日

フィリップ・マーロウのシリーズ2作目。

1作目でマーロウの癖の強さに慣れたのか
マーロウ節が楽しみになってきました。

この手の「表現の回りくどさ、言い回しのくどさ、長ったらしい文章」は嫌いなんですが、マーロウのキャラクター自体がくどさの極みなので、セリフ以外のくどさも不思議と受け入れられました。...続きを読む

そこは村上春樹氏のうまさなのかな。

ミステリー作品としてはふわっとしていますが、ただただマーロウを堪能するための小説として十分な価値があります。

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Posted by ブクログ 2021年11月16日

今回もやはり途中からよくわからなくなってしまった。
マーロウはなぜあのような暴力を受けなくてはならなかったのか。
なぜ麻薬中毒者の病院に入れられたのか。

最初の方のグレイル夫人とのお酒を飲むシーンが一番印象に残った。。。

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Posted by ブクログ 2021年04月11日

前作よりも更にマーロウが好きなった。
相変わらず個性的な人たちの中で、よく殴られ、よく酒を飲み、そして何だかんだで真相に辿り着く。
この本の醍醐味って、きっと謎解きとかじゃなくて、マーロウがあーだこーだしてるところとか、その雰囲気を楽しむものなんだろうと、改めて感じた。
私は村上春樹訳しか読んだこと...続きを読むがないが、気障でちょっと皮肉っぽいマーロウにぴったりだと思った。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年03月30日

さよなら、愛しい人

著者:レイモンド・チャンドラー
訳者:村上春樹
発行:2011年6月15日(単行本は2009.4)
早川書房(ハヤカワ・ミステリ文庫)

村上訳で読み返すフィリップ・マーロウ。今回は「さらば愛しき女(ひと)よ」の邦題で知られる本作品。やはり昔読んだ文庫本は見つからなかったが、不...続きを読む思議に話は少し覚えていた。最後の真相究明までは無理だったが。

本作品は、マーロウシリーズの2作目。訳者あとがきにも書いてあるが、マーロウの代表作で、「長いお別れ」「大いなる眠り」とならんでベスト3に上げる人が多い。今回の訳でも470ページほどあり、とても長い。しかし、掛け値なしの傑作。きっかけが、依頼された仕事ではなく、たまたま巻き込まれた殺人事件という設定で、そこに普通に依頼された仕事があって、それと関係があることが分かって、点と点が繫がるという展開だけど、いろいろ出てくるキーパーソンの役割が最初の推測と最後の解明部分とでは大きく違ってくるところが、純粋な推理小説にも近い。マーロウものにしては、少し珍しいかも。

なんと、1940年に刊行された。

(設定)
黒人専用バーの前を通りがかると白人の大男マロイが暴れている。マーロウが覗くと引き込まれ、1杯やるはめに。大男は昔ここで働いていて、一緒に働いていた女を捜していた。分からないと言われ、黒人経営者を殺して逃亡した。
マーロウは、マリオットというジゴロから依頼され、宝石強盗団から宝石を取り戻し(買い戻し)にいく先まで付き合うことに。しかし、マリオットは殺されてしまい、自分も気絶。
マロイを探すため、黒人専用バーがまだ白人でも入れたころの店の所有者(死亡)の妻のところに行ったマーロウ。ボロボロの家だったが、そこには高額な抵当権が設定されていて、持っていたのはマリオットだった。2つの事件が結びついてきた。

***(個人的メモ、ネタ割れ注意!)***

ムース・マロイ(ムショ帰りの大男)
ヴェルマ・ヴァレント(マロイの恋人)
ジェシー・フローリアン(フローリアンズの元経営者の妻)
リンゼイ・マリオット(ジゴロ)
アン・リオーダン(マーロウも知っている元警察署長の娘でライター)

ミセス・グレイル(翡翠のネックレスを強盗された富豪の妻)
ジュール・アムサー(心霊治療)
プランティング(アムサーの用心棒、インディアン)
ソンダボーグ(医師)
レアード・ブルーネット(暗黒街のボス)

ナルティー(77番通り警察)
ランドール(LA中央警察署殺人課)
ジョン・ワックス(ベイ・シティー警察)
ガルブレイス(ヘミングウェイ)(ワックスの部下)
ブレイン(ワックスの部下、体調崩す、マーロウを殴る)

マーロウがフローリアンズの前を通りがかると、白人大男のマロイが暴れている。気になったので覗くと、マロイにつかまり無理矢理2Fのフローリアンズで突き合わさせられる。そこは数年前に黒人専用バーになったが、黒人用心棒をマロイがやっつけ、この店で以前に働いていた恋人のヴァレントの行方を聞いたが知らないと言われ、立腹したマロイは奥のオフィスに入って行って黒人経営者を銃殺して逃亡。

警察に事情を聞かれたマーロウは、ヴェルマ・ヴァレントを探せばマロイも見つかるかもと提案、ではそれを無償でやれと言われる。

マーロウはまず、ある中のフローリアンズ元経営者の妻の家に。店を手放したいきさつなどを聞いたが、過去に店で働いていた芸人たちの写真を見せてくれたにもかかわらず、ヴァレントの写真だけ見せようとしなかったことを見抜く。ピエロの格好をした写真。後にわかったが、マーロウが引き上げた直後にマロイもそこを訪ねたらしい。

マリオットという男から依頼。知り合いの金持ち夫人が翡翠のネックレスなどの宝石を強奪された。2人で自動車移動中に。強盗団は、非常に価値のある翡翠は処分先を探すのが大変だから8千ドル払えば返してやると言ってきたので、一緒に行って欲しいというのが依頼だった。依頼料100ドルを受け取ったマーロウは運転をし、指定の場所に行こうとしたが直前で入り口が狭くなったので車を止めて徒歩で行った。そして車まで引き返すと、マリオットが殺され、自分も殴られて気絶した。預かっていた8千ドルは奪われたが、依頼料の100ドルは無事だった。マーロウは責任を感じて犯人捜しを決意。マリオットの死体を探ると、模造鼈甲の煙草入れの中に3本のロシア煙草があり、別に普通の煙草も持っていることが分かった。

現場に通りがかったのは、捜査好きのライター、アン・リオーダン。マーロウを車置き場まで送ってくれた。しかし、彼女は戻り、3本のロシア煙草を抜き取っていた。
彼女はマーロウを訪ね、宝石商をあたって翡翠ネックレス持ち主の金持ち夫人がグレイル夫人であることを教え、抜き取ったロシア煙草をおいていった。

マーロウはマリファナだと思われるその煙草を分解すると、一枚の名刺が中に巻かれていることを突き止める。住所なく電話番号のみ。心霊療法のアムサーの名刺だった。彼はそこに電話をして会いたいというが拒否される。しかし、マリオットの名を上げると6時に来い、住所は言えないので迎えの車をそちらに出すという。

マーロウは再びフローロリアンが住むぼろ家の抵当権所有者を知人に頼んで調べてもらうと、なんとマリオットだった。しかも、不動産価値に比べてかなり高額だった。彼はフローリアンをまたたずね、マリオットとの関係を訪ねると、以前にマリオットの家で働いていた、今も少し面倒を見てもらっている、とのこと。どうやら毎月仕送りをもらっていたらしい。もう仕送りは来ないよと言い残して去った。

グレイス夫人の執事から電話があり、会いたいとのこと。訪ねると、彼女、病気の夫、ライターのアン・リオーダンがいた。グレイス夫人から事件の際の詳細を聞いたが、どうも本当のことを言っていないようだった。そして、彼女はマリオットにポルノ的な写真を撮られているという弱みを握られていた。マリオットはそういうことで金をせびる男だったようだ。

マーロウがオフィスに戻ったのは6時15分前だった。インディアンが迎えに来た。心霊治療のところに連れて行かれた。インディアンにはすっとぼけて「どんな依頼だ?」と言って着手金を要求、100ドル渡されたので車に乗ったのだった。
アムサーが出てきて話をする。マリオットもグレイル夫人も患者として来たことがあるという。ロシア煙草のことを言い、マリオットは強盗とつるんで襲わせているやつだ、お前も一蓮托生だというと照明が落ち、屈強なインディアンに襲われて気絶。持参していたロシア煙草1本も奪われていた。2本はオフィスにあると説明していた。

気が付くと警察官が2人(ヘミングウェイとブレイン)とアムサーと女子事務員。アムサーはマーロウがゆすりに来たと思い連絡、録音した会話を起こした文書を女子事務員に読ませていた。アムサーは去り、2人の警察官がマーロウを車で連れ出してどこかで降ろすので歩いて帰れといった。あるところで降ろされると、マーロウは背後から殴られ気絶。殴ったのはブレインだったことが後に判明。

気が付くと部屋に閉じ込められていた。幻覚を見ている。麻薬を打たれている。倒れそうになりながらも、旨く好きをみて部屋から脱出、建物内を探るとなんとマロイがかくまわれていた。そして、医学博士を自称するソンダボーグの部屋へ。そこは麻薬中毒とアル中を収容する私立施設だった。ソンダボーグは銃でマーロウを押さえ込もうとするがマーロウは先手を打って去る。

マーロウにこれ以上手を出すなと警告していたLA警察のランドールが訪ねてきた。彼は、マリオットは宝石強盗の手先だったが、もう賞味期限のためあの事件を最後に消されることになった、と推測した。そして、マリファナ煙草に心霊療法師の名刺を入れて、捜査でわざと見つかるようにしてメッセージを残そうとしたと。また、ベイ・シティーの警察官は腐敗しまくっていることも。レアード・ブルーネットが街を牛耳っている。市長の金蔓でもある、と。
マリオットがマーロウに連絡した時、すでにマーロウの名刺を持っていたことをランドールは指摘した。後に、その名刺は汚れていて、フローリアンに渡したものであることに気づく。フローリアンが名刺の上に濡れたコップを置いていたことを思い出したから。

2人でフローリアンの家に行くと、彼女は殺されていた。首の骨を折られたあと、脳をかち割られていた。マーロウはそれがマロイの仕業だと見抜く。ただし、事故っぽい。

マーロウは、ランドールに教えられたのをもとに、ブルーネットの経営する船上カジノに乗り込む。捕まるがブルーネットに会えた。そして、船の警備上の穴を教えてやるかわりに、マロイへの伝言を頼むことができた。

マロイがマーロウを訪ねてきた。マーロウは、マロイがヴェルマの行方を聞き出すために再びフローリアンを訪ね、詰問して揺すぶった時に首の骨を折ってしまったこと、そのあとに頭を割ったことを指摘した。そこに、グレイル夫人が来た。マロイは奥に隠れていた。
グレイル夫人は、実は裏街道を行っていた女だった。それをフローリアンは嗅ぎつけて脅していた。マリオットを通じ、彼女の家の抵当権を高額で押さえ、生活費も出していた。
しかし、マロイが刑務所から出てきて、ヴェルマを探し、マーロウも彼女を探し始めて、ヴェルマは危機感を覚え、マリオットにマーロウを殺すように説得したが、マリオットは鎖が弱いので彼を殺すことにした。そこで、宝石強盗事件をでっち上げ、マーロウに依頼をして殺す機会を作ったが、ヴェルマはマリオットだけを殺してマーロウを殺さなかった。

そんな話をしている時に、マロイが出てきた。なんと、彼女はヴェルマだったのだ。そして、マロイを8年前に警察に売ったのもヴェルマだった。マロイはまだ彼女を愛していたが、彼女は彼を嫌いだったのだ。そして、グレイルと結婚して莫大なお金を手にしていた。グレイル夫人はマロイを撃って逃げた。

マロイは死んだ。そして、3か月後、ヴェルマは歌手に戻って逃げていたが、歌声で見抜かれて逮捕されそうになったので刑事を撃って、自分も撃って自殺した。

腐敗していたベイ・シティーの警察署長は解雇され、刑事の多くは降格。そして、レッドという元警察官が復職した。レッドは、マーロウがカジノ船に乗り込むのを手助けしてくれた好漢だった。

アムサーはとんでもない詐欺師で逃げている。ソンダボーグも行方知れず。

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Posted by ブクログ 2021年02月11日

はじめてのレイモンド.チャンドラー 
私立探偵フィリップ・マーロウシリーズ第2弾
村上春樹新訳版
「タフでなければ生きて行けない。」
「優しくなれなければ生きている資格がない」
「さよならをいうのは、少し死ぬことだ」
1940年に書かれたハードボイルドの世界観は
女性蔑視、人種差別表現満載で、今日...続きを読む発表したら
炎上間違いなしかも。



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Posted by ブクログ 2020年01月28日



村上春樹が翻訳したレイモンド・チャンドラーの名作「さよなら、愛しい人(Farewell,My Lovely)」を読みました。

「The Long Goodbye」「Big Sleep」に引き続き3作品目。

フィリップ・マーロウは相変わらず頭が切れて、率直で、男くさくて、女性に対してシビアで、...続きを読むへこたれず、強く、そして孤独です。
そこに首を突っ込むの?という点が普通と違ってドキドキの連続で、案の定痛い目に何度も会います。今回は半殺しのヤク漬けにされかかるなど、ちょっと程々にしておきなよと忠告したくなるぐらい。

あと言葉尻がいちいち面倒くさい。相手に食ってかかるし、皮肉っぽいし。あと、まるで○○のようだと比喩するのは村上春樹が訳しているから?そのせいもあって、そのうちフィリップ・マーロウが「やれやれ」とか言いそうな雰囲気。そういや村上春樹作品の主人公もフィリップ・マーロウ的な人が多い気もします。

そういったぶぶんも全部ひっくるめて、フィリップ・マーロウ作品群の最大の魅力だと思います。


登場人物も多彩。
へらじかマロイ、美女たち、警察の方々、クセの強いおばちゃんたち、臆病なスケコマシ、占い師、脱法医者、暗黒街のドン、などなど。皆ビビットに表現されており、頭の中で絵が浮かんでくるようです。
一番印象に残っているのは、のちに無残な姿となるアル中のおばちゃんですかね。お酒とラジオだけが私の心の拠り所、同情したくなる境遇の彼女の印象は深く残ってます。


前作Big Sleepでも思ったけど、名推理!と言うのはないです。
フィリップ・マーロウの行動が事件の解決に繋がっていくという流れ。
ストーリーの展開のされ方から、こうなりそうだな、と言う推測はつきますが、後の種明かしで、はあ、なるほどねとなります。読んでるだけではよく推理できないある種の名探偵コナン的な種明かし。まあ推理小説らしいですけどね。



物語では「愛しい人」は死んでしまい、「愛した人」も同じ道を歩んでしまいました。

愛しい人がどうであれ、
愛しい人に何をされようが、
貫く愛というのは素晴らしいものですね。



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Posted by ブクログ 2017年08月10日

時間おいてまた読みたい。
好きな登場人物順
マーロウ/アン・リオーダン>
ムース・マロイ/グレイル夫人>
ランドール警部補>他

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Posted by ブクログ 2016年07月14日

チャンドラー作品、二作目(村上春樹訳)。訳者自身がかなり影響を受けているためか、“ハルキっぽさ”というのは“チャンドラーっぽさ”と同一のものなんだなぁ、と読んでてずっと思いました。これは内容を愉しむものではなく雰囲気、またはマーロウという人物の言動、行動、仕草などを愉しむもののようだ。この点もハルキ...続きを読む作品と同じである。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年04月11日

本作でも相変わらずフィリップ・マーロウはクールでタフでハードボイルドなわけですが、「ロング・グッドバイ」に比べると、やはり少し見劣りします。

「さよならを言うのは、少しだけ死ぬことだ」のような名言もなく、マーロウさんがぐだぐだ言うセリフが多いです。

また、人生の悲しみに対する描写もイマイチです。...続きを読む

しかし、やはりメタファーは非常に凝って独特であり、村上春樹氏は本当にレイモンド・チャンドラーから多くのものを学んだ(若干パクリぎみの部分も)のだなと思わされます。

ロング・グッドバイに比べると、素晴らしい!ってほどではないですが、中々読めます。

最後の方に出てくるアンの『私はキスされたいのよ、ひどい人ね』というセリフと、最後の最後の「しかしさすがにヴェルマが向かったところまでは見えなかった」という終わり方は割と素敵かな。

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Posted by ブクログ 2014年01月23日

”タフガイ”の私立探偵がフィリップ・マーロウが活躍する
チャンドラーの小説シリーズ。


推理モノ、として楽しむよりは、
ハリウッド界隈の上流階級のスキャンダルを覗き見たり、
警察内部の人間模様を垣間見たり。
そういったいろんな人間の生き様を見ながら、
主人公マーロウをはじめ、
小洒落た台詞の押収を...続きを読む楽しむ、そんな小説な気がします。


基本的には、いろんな人間の横顔や裏側をだんだん解き明かす、
そんな話が好きな人にお勧めかなぁ。

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Posted by ブクログ 2013年11月23日

マーロウのなんだか気障ったらしい台詞回しは、訳者である村上春樹の小説の登場人物に通じるところがあるように思った。
ハードボイルド=やせ我慢、と思ってしまうのは僕だけか?

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Posted by ブクログ 2014年10月19日

面白かった。以前読んだ「ロング・グッドバイ」「リトル・シスター」よりも、マーロウが酷い目にあっている。マロイやインディアンなど、登場人物たちが一癖あって魅力的。

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Posted by ブクログ 2022年06月23日

マーロウが時折見せる「弱さ」が意外で、読みどころの一つ。

事件が大詰めとなり、大ボスとの対決を前にあれこれと考えを巡らせ、くじけそうになるマーロウ。

「私には酒が必要だった。郊外の家が必要だった。しかし今のところ私が手にしているのは、上着と帽子と拳銃だけだ
だからそれらを身にまとい、部屋を出た」...続きを読む(p380)

マッチョ一辺倒ではないからこそ、かっこよさがより際立つし、そんなマーロウを応援したくなる。村上春樹作品はチャンドラーを中心にアメリカ文学をうまく掛け合わせたブレンドウイスキー。そして、こちらは原酒。やっぱり原酒にトライしたいところだ。チャンドラー万歳。

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Posted by ブクログ 2020年12月09日

チャンドラーが残した七冊の長編小説のうち、これで三作を読んだわけだけれど、村上春樹氏の翻訳がいよいよこなれて来て、とても読みやすくなっているように感じた。

「ロング・グッドバイ」も「大いなる眠り」も、やや村上氏にもチャンドラーを翻訳するということへの愛があふれるゆえ気負うところがあったような、僅か...続きを読むなぎこちなさみたいなものを感じたのだけれど、そういうサイドブレーキを引いたまま運転しているような印象が綺麗サッパリなくなっていてとても愉快にこのタフでいかした私立探偵との旅を感じて読み進めることが出来たように思える。
もちろんそれは、この作品そのもののもつクオリティやパワーが他の作品に比べてもやはり高いこともあるのだろうけど。

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Posted by ブクログ 2020年10月26日

マーロウはかっこいいですね、シェイクスピアの言い回しがかっこいいです(シェイクスピア読んだことないんですが)。

今回は伏線がたくさんあり、ミステリアスな内容です。気合入れて読まないと、伏線回収で付いていけなくなります(私です)。

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Posted by ブクログ 2021年01月13日

一作目で挫折しないで大正解。何故なら、正にこんなハードボイルドが読みたかったから。タフガイだけれど、決して完全無欠ではないマーロウ。自身の恐怖心を鼓舞する人間らしさも魅力的。皮肉たっぷりの台詞回しには思わず笑みが溢れてしまう。表現が比喩的過ぎたり、説明が省略され過ぎていて、状況が把握出来ない場面も幾...続きを読むらかあるが、深く考えるのはそれこそ野暮なのか。組織の腐敗は現代の警察小説にも通じており、古典でルーツを探るのもまた一興。邦題を「愛しき女」から「愛しい人」に改題したのは【二人それぞれの愛情】を表すためですかね。

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Posted by ブクログ 2016年12月29日

登場人物たちの交わす皮肉たっぷりの会話についていくのが大変。でも、海外小説を読む醍醐味はこういうことなのかもしれない。

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Posted by ブクログ 2016年01月11日

レイモンド・チャンドラーが1940年に発表した第2作目の長編。
原作は、長く清水俊二訳の『さらば愛しき女よ』(1956年刊行)で親しまれてきたが、本作品は2009年に村上春樹が新訳で発表(単行本。2011年に文庫化)したものである。(邦題は清水訳が優れていると思うが)
本作品が発表後70年を経ても新...続きを読むたな支持を失わないのは、ストーリーの展開の妙よりも、主人公フィリップ・マーロウの、クールで、ウィットに富んでいて、少しシニカルな語りと、見かけによらないタフガイ振りに魅せられる読者が多いからなのであろう。
ロングセラー・シリーズ物においては、たいてい魅力ある主人公が登場するものだが、チャンドラーが作ったマーロウはその代表と言えるだろう。
あるホテルに聞き込みに行ったマーロウが、情報を得るために切り出す場面~「好きな方を選んでくれ・・・聖書を一章読んであげてもいいし、酒をいっぱいおごってもいい。どっちがいいね?」
事件を解決した後、アン・リオーダン嬢がマーロウに語る場面~「あなたって大したものよね・・・どこまでも勇敢で、強情で、ほんの僅かな報酬のために身を粉にして働く。みんながよってたかってあなたの頭をぶちのめし、首を絞め、顎に一発食らわせ、身体を麻薬漬けにする。それでもあなたはボールを離すことなく前に前にと敵陣を攻め立て、最後には相手が根負けしてしまう。どうしてそんなことができるのかしら」
村上春樹をして、「チャンドラーの小説のある人生と、チャンドラーの小説のない人生とでは、確実にいろんなものごとが変わってくるはずだ。そう思いませんか?」と言わしめる、チャンドラーの代表作である。
(2013年5月了)

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年08月09日

『ロング・グッドバイ』に続いて、村上春樹訳の私立探偵フィリップ・マーロウシリーズ。
原作はこちらのほうが前の作品のようで。

『ロング・グッドバイ』に比べると少々物足りなかったけど、こちらのほうが物語の展開がわかりやすくて読みやすかった。

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まったく洗濯桶みたいにキュートな女だ。
(P47)

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