【感想・ネタバレ】白い牙のレビュー

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胸が痛くもなるけど引き込まれる

現代の日本の犬との関係を考えると、主人公であるホワイト・ファングの経験は時に辛く悲しくもあるけれど、それが当時の犬と人との関係性のひとつなのかと思えば、ひとつの歴史が感じられる作品でした。
そして狼犬目線の物語はとても興味深く、野生の狼や人に飼われている犬がどう感じ、何を思っているのか、真実は不明でも、なるほどそういう感覚なのかと納得出来る文章でした。特に彼らにとって人間は神に見えている。それがとても興味深かったです。

#切ない #感動する #エモい

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2023年12月04日

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2人の男が極寒の地で犬ゾリで棺を運ぶ冒頭の章に、ロンドンの真骨頂があると思う。これだけで短編小説のようだ。

犬の視点から人間を神々たち、と表現していて、人間の文明というものがあらゆる生き物の中でずば抜けていると感じる事になる。(文明を築けたのは一握りの人間による所が大きいので、あまり自惚れる事はできないのだが。)

ロンドンの著作はいつも新しい視点を与えてくれる。

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2014年07月05日

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表紙の孤独そうなオオカミ君に一目惚れして、レジダッシュした作品。
これは大当たりでした!本当に面白かった~~!!

主人公は、ホワイト・ファング(白い牙)と呼ばれるオオカミの子。
それも純粋なオオカミではなくて、オオカミと犬の混血。
そのあたりの設定が最後の最後まで生きてきます。

ホワイト・ファングの視点から描かれるお話がとても新鮮です。
虐げられてすっかり頑なになった彼の心を溶かしてくれる、新たな出会い。

泣いたり、怒ったり、ほっこりと幸せな気持ちになったり。
とても素晴らしい物語でした。

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2013年10月19日

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冒頭から、アラスカの雪の平原でハラペコ狼にとりかこまれ、一匹一匹食べられていくソリ犬・・・ついには人間も・・・な展開でつかみからがっつり。狼好きのバイブル。「野生の呼び声」が飼い犬が狼化して自然に還る話ならこっちは逆で、狼がよい主人に出会い、な話だった。なでるぞ!なでられる!の攻防は食うか食われるか!並みにハラハラである。

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2012年09月14日

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オオカミブーム到来中につき、表紙のオオカミの佇まいにも惹かれて、猛暑の中、北極圏(アラスカ?)の話を読みました。最初は、現実との気温差のせいかなかなか物語に入り込めなかったけど、子オオカミに名前がついたあたりからはかなりぐいぐい読みました。そして、苛酷な前半~中盤のせいで、後半は相当せつなく、胸にグッとくるシーンの連続…。いやー、素晴らしい名作だと思います。
…ただ、残念ながら、個人的には翻訳がイマイチだったなと。光文社の方が良かったりするのかなー。表紙でつい新潮文庫の方を選んでしまったけど…。

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2012年07月30日

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北の荒野で2分の1イヌの血を持った母親キチーと老オオカミとの間に生まれた4分の1イヌの血を引き継ぐホワイトファングの数奇な生涯の物語。

動物文学の面白さを教えてもらった本。動物の行動心理、物事や人間に対する思考がとっても面白い!

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2012年05月21日

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自分以外のすべてに、彼は激しく牙をむいた。強さ、狡猾さ、無情さ・・・彼は生き延びるため、本能の声に従い、野性の血を研ぎ澄ましてゆく。自分の奥底に今はまだ眠る四分の一のイヌの血に気付かぬままに──。

森に暮らす一頭のオオカミが、人間のエゴによって虐げられ、恐怖を感じていたある日、今度はその恐怖を取り除き、愛情という無償のものを与えてくれる人間との出会いによって、徐々に人間に心を開いていく様子が、感動的だった。
動物を主人公にした小説だが、とても読みやすかったので、初心者にオススメしたい一冊。

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2010年09月23日

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「狼の仔」として生を受けたホワイト・ファング(白い牙)が、母方に混じった家犬の血の導きで人間社会に順応し、野性との葛藤に苦しみながらも、数奇な運命の果てにめぐり合った「愛」の力によって、アイデンティティと終の住処を獲得するまでを描いた、動物文学の古典。


ちょうど、先に読んだ「荒野の呼び声」のひっくり返しのようなお話です。
ただし、完全に逆ともいえないのは、「荒野」の主人公が完全な家犬であったのに対して、「白い牙」は生粋の狼ではない。彼の母親が犬と狼の混血であるところがミソで、さもなければ、この小説はただの絵空事になってしまったでしょう。

「荒野」同様、作者の経験が生かされて、厳しい自然の描写や、動物の生態観察の細やかさが圧倒的です。
特に冒頭、荒野を犬ぞりでわたっていく旅人が、狼の群れに徐々に追い詰められていく場面は、ホラー小説はだしのスリル。
中盤以降は、アメリカ文学らしい、少々甘い展開ですが、この楽観性が心地よく、多くの人に受け入れられた要因だと思います。


狼にも犬にもなりきれないホワイト・ファングの心理を擬人的に描いてあるのが、傷ついた子供がトラウマから回復するメタファーのようにも読め、意外に古びていない、現代にも通用する作品と感じられました。

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2011年07月19日

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文句のつけようのない傑作。
一行一行、かみ締めるように読んだ。
四分の一のイヌの血を持った、孤独な灰色オオカミの数奇な生涯の物語。

作者のジャック・ロンドンは、ずいぶん波乱に満ちた一生を送ったようだが、なぜこんなにイヌの生態に通じているのだろう?
かのコンラート・ローレンツが「人、イヌにあう」を著し、動物行動学者の目からイヌ、そしてイヌと人間の関係について考察したのは1953年。
この作品が発表されたのは、それからおよそ50年近くもさかのぼる1906年のことである。
偉大な小説家の洞察力とは、これほどまでに卓越したものなのか?!
実に驚くほどの正確さをもって、真実に迫る創作を成し遂げるものなのですね。

どんな優れたイヌの解説書よりも、イヌという種の本質を教えてくれる一冊である、と思う。

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2009年10月04日

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文句のつけようのない傑作。
一行一行、かみ締めるように読んだ。
四分の一のイヌの血を持った、孤独な灰色オオカミの数奇な生涯の物語。
どんな優れたイヌの解説書よりも、イヌという種の本質を教えてくれる一冊である、と思う。

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2009年10月04日

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(01)
野生と人間との間にはいつも葛藤があって,それがこじれたり決裂したりすれば,殺し合いにもなる.人間が狼を見続けてきたように,狼もまた人間を見続けてきた.人が狼に畏敬の念を抱く可能性があるとすれば,狼もまた,人を神のように感じとる可能性も同時にありうる.
しかし,本書は人間が書いたものであって,狼や犬が書いたものではない.よって,狼の眼を通して,異種の人間と神と同族の狼や犬を見て,その体験を綴った小説といえる.そこに描かれているのは,狼でありつつ,狼的な人間や,人間のうちにある野生であり,神は,人間でありつつ,人間のうちにある神とその世界(*02)でもある.
白い牙,ことホワイト・ファングには野生が宿っているが,遠い犬の性質を通して,既に理性の芽生えがあり,その理性がいかに人間の手によって育成され,神に近づきうるかを,その半生と出生譚を通じて体現している.
暴力もあり,恐怖もある.心の寛さがあり,魂の飢えもある.狼は言葉をもたないが,持たないがゆえの豊潤で野生的な感覚と応対がある.
人間の魂が入ったような白い牙には,狼がのりうつったかのような著者の入魂を読み取ることができる.

(02)
狼はひたすらに純粋でもある.そのため,人間社会が奇妙に,さもしく,汚れた精神に彩られていることの対比が美しい.冒頭のヘンリの物語が,ぎりぎりの人間を,つまりは動物になり,肉になりつつある純粋な人間を現し,エピローグともいえる終盤の章では,それでも人間社会の希望を描こうとしている.

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2019年12月01日

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犬(オオカミではあるが)の習性をよく描写していて、非常に面白い。動物から見た人間の不思議な点や残酷な点なども興味深い。

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2011年10月25日

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主人公はホワイト・ファング(白い牙)と呼ばれる狼。舞台は、ゴールドラッシュに沸く北米の原野です。
厳しい自然界の掟を学んだホワイト・ファングは、人間と共に暮らすことになっても、生き延びるために野性の本性を研ぎ澄まし、本能の命ずるまま行動し、自分以外のすべてのものに激しく牙をむきます。彼は強く、狡賢く、凶暴で、情け容赦のない・・・・そして孤独な灰色狼です。けれど、ホワイト・ファングの血の四分の一は、犬のものでした。すぐれた順応性も併せ持っています。
この小説は凡そ100年前に書かれたものだそうですが、動物行動学者も顔負けの洞察力にはびっくりです。作者ジャック・ロンドンの生涯も、ホワイト・ファングに負けず劣らず波乱万丈だったようですが、その経験が作品にも大いに反映されているのでしょうネ。狼の目を通して世界を描き、しかも過度に擬人化せず、登場する人間のセリフに頼ることなく物語を進めながら、これほど読む者をひきつけるのですから、動物文学の傑作といわれるのにも納得です。犬好きの人にはたまらない1冊ですよぉ。

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2011年09月28日

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入院中に読みました。
動物文学っていうのでしょうか、動物が主役で、ほどほどに擬人化された感じの物語。こういうの昔大好きでした。なぜか最近は遠ざかっていたれど、やっぱり好きです。

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2010年11月06日

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オオカミの目から見た世界や他の生き物との関わりが、躍動感あふれて描かれていて面白かった。
怒りと憎しみに凝り固まって成長したオオカミ(四分の一はイヌ)が、人間の愛情に一歩ずつ目覚めていく過程が清々しい。そこに到るまでの虐げられた期間が苦しかったからこその開放感を味わえた。

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2010年10月11日

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小学生で読んだ本。最後の方で内容を思い出した。犬との混血のオオカミの一生。生まれて以来の厳しい環境とオオカミの本能がキャラクターを築いていった。一部の人より厚い義。飼い主に左右される運命。人に関わる動物の悲哀。2020.9.6

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2020年09月06日

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white fang

生きる力強さ、過酷さ、美しを狼を通して感じることができた。
初めて神の優しさに触れる場面は鳥肌ものだった。

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2018年09月29日

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アラスカの荒野に生まれ、様々な人間の手を経て、はるか南の地にたどり着くオオカミの物語。

痛々しいまでの野性の厳しさ、人間の残虐さと優しさが描かれた物語は、ちょっと最後のエピソードが唐突だったけれどやはり力強くたくましいお話でした。

ラストページにほっこり。

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2015年02月16日

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小学生の頃に読んだ。
そのあとアニメで見た。
30数年ぶりにきちんとしたものを再読してみたら、覚えている話と全然違った。
でもやっぱり面白かった。
動物がきちんと動物として描かれる物語って、面白いよね。

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2012年09月25日

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ホワイトファングの目線から見た人間の「理」。
資質と環境によって形作られていくホワイトファングの「個」。
環境を作っていく者として、思慮深い人間になりたいと思った。

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2012年04月14日

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J.ロンドンの名作。
最初に読んだのは小学生の時。
あれから
数十年を経て、再会した本作はやはり名作であった。
生きることと信じることの大切さを一頭の狼犬の生涯を通じて
問いかけてくる。

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2010年06月22日

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H.18年度、高校生放送コンテスト課題の内の一冊。昨年度から色々な大会で使われていました。オオカミと犬の混血のホワイト・ファングのお話。

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2009年10月04日

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