【感想・ネタバレ】異人たちの館のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年01月14日

倒錯のロンドに続いて折原さん2作め。仕掛けを警戒しながら読み進めるも、意外な展開に翻弄されました。折原さんだから、と仕掛けを打っているのはわかるので慎重に読み進めるとこれは誰のこと?章の最後は「…」で終えないで!先が気になる!ともやもや不気味な感じ。後半全てが紐解かれてスッキリ!登場人物が作家だと作...続きを読む中作が出てきたり、構成自体はかなり複雑かつ最後まで読み進めるのは根気がいるので万人にはおすすめできない。まさに折原さんを読むなら2作めにふさわしい作品。とにかく見事に騙されたし、作者のミスリードに思いっきり乗っかって最後に全てがつながる感覚を楽しんでほしい。

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Posted by ブクログ 2022年01月21日

ある男の伝記を執筆する事になったゴーストライター島崎潤一目線で、一人の人間の生い立ちを探っていくというあらすじ。
長編ながら、インタビュー形式だったり、作中作があったりと形式がコロコロ変わるので最後まで弛れることなくスイスイ読めました。もちろん内容的にもずっとどうなるのだろうとドキドキさせてくれるも...続きを読むので叙述ものであると知っていても楽しめる一作でした。

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購入済み

2020年12月19日

わあ~面白かった~! 夢中になって読みました。なかなかのボリュームでしたが、一気読み!! 折原ワールドはやっぱり楽しい。

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Posted by ブクログ 2023年05月08日

本作は600頁にも及ぶ長編大作です。著者によると本作が「マイベスト」であり、読者に自信を持ってお勧めできる作品であるとのこと。読んでみるとさまざまな要素がてんこ盛りで、「叙述トリックの名手」と言われる著者の渾身の一作と言えるかもと思えました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年04月06日

1番の驚きは、伏線の多さかなと思いました。

最初に
「かあさん たすけて こまつばらじゅん」の
文字を見つけた警察が
「書いている途中で枝が折れたんでしょう」と
言っているんですね。
書ききってるじゃん?と漠然と思ってましたが、
確かに途中だったし、

珍しく、作中に勉という名前の人が3人も
出て...続きを読むきて、
名前に何かあると思わせるところとか、
2人とも「じゅん」ってことにもっと
注目すべきだったなぁ。

永い文章の中で数多くの伏線があり、
しっかりとつながるところは、さすがでした。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年03月02日

ブックカバーかけて読書するもので、作品の読みごたえに満足しつつカバー外して改めて表紙見たら、表紙でもなんとなくネタバレしててまた震えた。

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Posted by ブクログ 2023年01月18日

 半年程前に富士の樹海に消えた作家志望の男「小松原」、かつて神童とまで呼ばれた才能の持ち主であった彼に何が起こっていたのか? 同じく作家志望の「島崎」は彼の母親から依頼を受け彼の伝記を書くことに、調べるうち明かされていく小松原家の歪んだ過去と彼の周りに巣食う謎の「異人」。  そして島崎の周りにも「異...続きを読む人」の影が現れ・・・。 過去、現在、手記、インタビュー、数多の断章で構成された謎の記録。

 多重視点ながらインタビューと現在の視点はきっちり交互に展開されむしろ読みやすかったです。 序盤は主人公と共に過去の詮索を行っていき、徐々に主人公は事件の渦中に巻き込まれ、終盤は読者に大きな謎を投げかける。 全容の見えないホラーでもあり、主人公が災禍に追われるサスペンスであり、ラストに衝撃を控えるミステリーに仕上がっています。
 折原さんの作品では古い部類に入るのですが、集大成と言って良いと思います。 技巧はもちろんですが、樹海に作家主人公に現実の事件をモチーフにしたり得意な事を詰め込んでみた感じ、それでいてストーリーの破綻もなく600pの大作ながら綺麗にまとまっています。 読み終わると「異人たちの館」を書いた作者の想いがぐっと伝わる。 文句無しで折原氏の傑作と呼べますね!!

小松原淳が生きている可能性、一度死んだ幽霊のようなライターとゴーストライターのダブルミーニングは自分も思い至って愉快な推理だなぁと満足したのですが、まさかもう一人幽霊作家になれる人間が残っていたとは!!
 「潤一」と「淳」の名前被りは気にかかっていましたがどこにも隙がない、と思ったらまさかのモノローグ。 潤一が島崎姓を捨てるまでの伏線と言うか展開が最初の方から始まってるのでこれは相当上手いと思う。
 読み終わると「異人たちの館」を書いた作者、息子の名誉を守らんとする母親の想いがぐっと伝わる。 やっぱり叙述物って面白い。

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Posted by ブクログ 2022年09月17日

これはまたすごい作品を読んでしまいました。
ストーリーは単純で、1年前に富士の樹海で行方不明になった作家志望の青年の伝記を、彼の母親の依頼で書くことになったゴーストライターが取材をしていくにつれ、徐々に明らかになる青年の周囲にある過去の闇と、ライター自身が巻き込まれていく現在が混じり合い…。
あれ?...続きを読む全然単純じゃないね。

まず、天才少年だった過去を持つ作家志望の小松原淳というのが、幼年期から内向的で虚弱体質で、だけど自尊心が強くて生意気で、お坊ちゃん育ちだから余計に鼻持ちならなくて。
天才の自分が書いた小説が認められないのは、見る目がない編集者や読者たちのせいだと信じ、自らを省みることがない。
貧しい母子家庭に育った淳は、その後母の再婚により新しく父親と妹ができる。

ゴーストライターの島崎は、実業家の父と大学教授の母の間に生まれたものの、親の期待に応えることができず、家を出て作家を目指している。
純文学とミステリで2回新人賞を取ったものの、原稿の依頼は小説ではなくゴーストライターとしてのもの。

作家を目指しながら結果を出せていないという点では、島崎もまた淳と同じ鬱屈を抱えている。

ミステリなので詳しくは書けないけれども、何に圧倒されたかというと、一つ一つの謎は割と簡単に解けるのに、全体像が全く見えてこないところ。
地の文の外に、淳が書いた小説、島崎の書く伝記など何種類もの文章が錯綜し、現在と過去が捻じれていく。

例えば、淳が学生時代に書いたミステリが作中に出て来るが、その後さらに十数行をラストに追加したバージョンが出てくると、見えていた世界が一変してしまうのだ。

淳をはじめとして、小松原家の誰一人として好感を持てる人物がいないんだよね。
っていうか、異常。
異人じゃなくて、異常。
さらに島崎とあともう一人もやっぱり異常。

何かにとりつかれるというか、妄執って、人を異常にするのね。
ミステリだけど、サスペンスホラー寄り。
そして子離れのできない親は、害毒であるということ。

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Posted by ブクログ 2021年10月24日

最初のページから叙述トリックが使われていたとは恐れ入りました。

物語の序盤から伏線を忍ばせ、途中に何度か挟まるモノローグ。このモノローグにもやられました!

終盤の怒涛の伏線回収、真実解明は気持ちの良いものでした。

島崎が死んでしまったのが悲しい。

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Posted by ブクログ 2021年08月10日

期待していなかっただけに面白かった。かなり凝っていると思った(年譜、インタビュー、小説中小説、モノローグの組合せ)
失踪した息子の伝記を作り、自費出版したいというスタート自体非現実的と思ったが、請け負ったゴーストライターの島崎とその息子の小松原淳、その二人の両母親(メインは小松原の方だが···)、小...続きを読む松原淳の妹との輻輳する関係が面白かった。
どうも「新潮ミステリー倶楽部」というシリーズがあるらしく読んでみようかな?

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Posted by ブクログ 2021年06月20日

サスペンスとしては間違いなく一級品であり、著者が得意とする、短編小説や日記を挟み込む形式の多重文体も存分に発揮されている。

しかし、折原一の作品ということで、自分は後半での叙述トリックによるどんでん返しを期待しすぎていたのかもしれない。

この作品にも確かに叙述トリックは使われているが、驚きはあま...続きを読むり大きいとはいえない。

期待が大きすぎただけに、少し残念だった。

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Posted by ブクログ 2021年05月10日

著者の作品は初読みとなりましたが、2018年発掘部門「超発掘本!」、いやいや読み応えありました。

1993年に発刊された作品の為、昭和を彷彿させる雰囲気がプンプンする中、600Pに及ぶ大作の中には多重文体、現実にあったB級事件、叙述トリックにサスペンス...いやぁ〜これでもか〜って感じで詰め込まれ...続きを読むていました。

本作の特徴は多重文体だと思いますが、それがハンパなく盛り込まれてどんどん本筋の間に差し込まれて(遭難者のモノローグ、島崎潤一がまとめた小松原淳の年譜、淳の関係者へのインタビュー、淳が書いた短編小説…)おり、見事に混乱させられます^^;

本作の主人公はゴーストライターの島崎潤一。

富士の樹海で見つかった白骨遺体、近くの洞窟から見つかった小松原淳という若者の免許証、こんな感じで本作の幕は上がります。

小松原淳は疾走しており、母親は島崎に淳の伝記をまとめるように依頼をし、島崎が淳の生い立ちからどんな人物だったのかを淳が残した物と関係者への取材でまとめていくのが大筋のストーリー。

淳の幼少期に起こった誘拐事件に父親譲治の疾走、それぞれの事件にかかわる謎の背の高い不審な男の影...

淳の妹ユキ。

謎が謎を呼び、過去と現在がクロスする中、物語は思いもよらない結末をむかえる。


説明
内容紹介
富士の樹海で失踪した息子・小松原淳の伝記を書いて欲しい。
売れない作家・島崎に舞いこんだゴーストライターの仕事。女依頼人の広大な館で、資料の山と格闘するうちに島崎の周囲で不穏な出来事が起こり始める。
この一家には、まだまだ秘密がありそうだ――。
五つの文体で書き分けられた著者の初期最高傑作が甦る!
メディア掲載レビューほか
折原一のマイベストは、サスペンス小説の歴史の集大成だ

読み出したら途中でやめられず、最後まで読み通してしまうサスペンス小説は多々あるが、それらの中に、時代が経過しても古びた印象を受けない作品は果たしてどのくらい存在するだろう。折原一が1993年に発表した長篇ミステリー『異人たちの館』が、そんな貴重な1冊であることは確かだ。

作家志望の島崎潤一は、前年9月に失踪した小松原淳の伝記の執筆を、淳の母・妙子からの依頼で開始した。淳は8歳で児童文学賞を受賞した天才少年だったものの、その後は大成しなかったらしい。島崎は淳の過去を知る人々を取材して廻るが、彼の半生には誘拐未遂・失踪・殺人など、数々の不穏な事件が起きており、そのたびに謎の“異人"の姿が見え隠れしていた。そして島崎自身も何者かにつきまとわれる。

淳の過去を調査するうちに次々と意外な事実が発覚し、冒頭から漂っていた不気味な雰囲気は次第に濃密なものとなってゆく(BGMのように作中を流れる童謡「赤い靴」も効果的)。作中には取材対象者の証言、淳が執筆した小説、何者かのモノローグなどが入り乱れ、読者を奥深い迷宮へと誘う。極度に技巧的な構成、さまざまな文体の使い分け、登場人物の造型に滲む異常心理、巧妙かつ大胆な伏線など、海外サスペンス小説を愛好してきた著者がそこから学んだ数多くの美点を一作に凝縮したような小説に仕上がっている。その意味で本作は、サスペンス小説の歴史の集大成であるとも言えるだろう。

著者本人が自作のマイベストと評価している本作は、2016年に刊行された文春文庫版を含め3度も文庫化されている。まさに不朽のサスペンス小説なのだ。(百)

評者:徹夜本研究会

(週刊文春 2017.3.30号掲載)

内容(「BOOK」データベースより)
8歳で児童文学賞を受賞し天才少年と呼ばれた小松原淳は、なぜ富士の樹海に消えたのか?母親の依頼で淳の伝記を書くことになった作家志望の島崎は、膨大な資料を読み、関係者に取材して淳の人生に迫るが、やがて不気味な“異人”の影が彼の周辺に出没するようになり…。著者畢生の傑作がここに復活!
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
折原/一
1951(昭和26)年生まれ。早稲田大学卒業後、編集者を経て88年に『五つの棺』(後に改作して『七つの棺』)でデビュー。95年には『沈黙の教室』で第48回日本推理作家協会賞(長編部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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Posted by ブクログ 2021年04月13日

地元の素敵な書店員さん激推しの本だったので読みました。

だいぶ昔の本だけど、のめり込んで読みました。

ミステリーはドキドキするから苦手だけど
やっぱり面白い。
夜に読んだら眠れなくなる。

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Posted by ブクログ 2021年03月14日

樹海で行方不明になった小松原淳の伝記を書いて欲しいとゴースライター島崎順一の元に依頼が。伝記のための取材をしていく中で不可解な事件の数々、不審な影。島崎はゴーストライティングの中で何に出会うのか。
折原一さんの作品は初めてでしたが、読みやすさと伏線回収の数々、そして叙述トリックの爽快さが良かったです...続きを読む。こんなにスラスラ読める作品は東野圭吾作品以外で初めてかも。600ページの大作ですが、あっという間に読破できました。
モノローグや時系列表などあまり小説で見かけない描写に最初は違和感あったけど、読み返しやすくてページ数の多い作品にありがちな伏線確認しにくいというデメリットをカバーしていた。
ただラストがちょっとしっくりこなかったのが残念!全体的に良作だったので、★4で!

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Posted by ブクログ 2020年09月09日

2018年本屋大賞発掘部門「超発掘本!
樋口麻衣さんは、この本を読んで欲しくて書店員になったという。
こんなもの、面白くないわけがないということで
読み進めた訳でありますが
本当に面白くないことはなかったと言うところです。

なかなかの分厚さをもつ本でしたが
メインストーリー、インタビュー、モノロー...続きを読むグ、作中作…
様々な語り口で展開されていく為、そこまで苦なく読めました。
展開やトリックなどについて私から何も言うことはございませんが、ただどうしても気になった部分と致しましては…特にこれといった理由なく主人公に惚れるヒロインでしょうかね。

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Posted by ブクログ 2020年05月31日

叙述ミステリーといわれる作品を初めて読みました。
随所で伏線が散らばれており、読みながら前のページに戻ったりなどしておりました。
年表があったため、とてもわかりやすく
最後にはそういうことか。なっていました。
各所で鳥肌を立たせながら、ボリューミーな作品ながら読みやすさがあります。

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Posted by ブクログ 2019年11月24日

読み応え抜群(ページ数がすごい)。
個人的に折原さんの叙述ミステリは大好きなのと、小松原淳がどういう生涯だったのか気になって一気読み。
ある程度予想つくところもあれば、結構意外だった部分もあったし、作中作もあふれていて面白かった。

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Posted by ブクログ 2019年10月29日

「殺戮にいたる病」から叙述トリックにハマり、この「異人たちの館」がオススメにあったから読んでみました。
面白くてすごい短時間で読み終えたけど、騙された〜って感覚はあんまりなかった気がします。
多分これは叙述トリックだって構えて読んでたからかなと。

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Posted by ブクログ 2023年09月23日

終盤からマシンガンのように小出しにひっくり返され、
スタボロに混乱させられました。快感!

叙述トリックだとハードルを上げられながらも、
多くの読者を引き込ませる作者に感服(600頁もあるし騙し続けるのは大変)

作者の本立て続けに読んだので、流石になんとなく分かったので暫く時間を置こうと思う

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Posted by ブクログ 2022年12月04日

人間の欲望と絶望、ミステリーと言うよりはサスペンスに近いかもしれない。
母親の子離れ出来ない事がもたらしてしまった事件。でも、いつまでも母親にとって子供は子供だ。面倒みたい気持ちは分かるけど、やはり自立も大切なんだなと思った。
淳と潤一。名前は似てるけどそれぞれの生き方が真逆に違う二人。お金も地位も...続きを読む…二人の生き方は果たしてどちらが幸せだったのかは読者によって変わるかもしれない。淳の生き方は決していいとは思わないけど、淳も板挟みされてるし決して淳だけが悪い訳では無いと思う。
面白くなるのが本当に最後の方で、ページ数と情報量も多いから、初心者にはあまり不向きで、途中で飽きる可能性大。

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Posted by ブクログ 2022年08月23日

これは誰が描いてる文章?誰目線?って思いながら読み進めていくとだんだんストーリーが繋がってきて、あぁこれはこの人目線だったのか〜、ということは、このあとにこういう状況になるのか…
って考えながら読んでるとなんかズレがある…
って一気に引き込まれた!
謎解いたつもりが解けてなくて、何度も考えがひっくり...続きを読む返されて、登場人物がすごいかき乱してくる笑笑 
進んだと思ったら戻ったりするし、人もたくさん出てくるから、途中頭の整理が必要になる

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Posted by ブクログ 2022年08月04日

筆者には『倒錯ロンド』で踊らされましたから。

作中作が多用されている辺り、今度こそ踊らされないように足を踏ん張ってました。

それでも、やっぱり先が気になる展開。
そうですよね、折原さんですものね、という結末でした。

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Posted by ブクログ 2022年03月13日

2022.03.13

自費出版の息子の伝記 ゴーストライター 中年女性の影 連れ子同士 新人賞 異人とは

インタビュー、モノローグ、作中作、色々駆使しており狙い通り混乱させられた。叙述とわかっていてもワクワクしながら読まされるのはさすが折原。

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Posted by ブクログ 2022年01月21日

2022.1.21
所々のつたない大袈裟な表現とかが更に気味悪さを増して気持ち悪かった(褒めてます)
序盤の方が気味悪くて好みだったかも。

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Posted by ブクログ 2021年10月15日

どこかのサイトで紹介されてたのを見て買った一冊。

ゴーストライターの話だった。

タイトルに館とついていたので、綾辻さんの館シリーズみたいな館の中で起こるミステリーだと思っていたが違う内容だった。

ストーリーの中に小説があったり、年譜があったりモノローグがあったり今まで読んだ事がない作りの小説だ...続きを読むった。

そうゆうのが、始め面倒な小説だなと感じたが、話の中では重要であり、年譜は物語を理解するのにはすごい便利だった。

モノローグはびっくりした。
あらら そっちの人の話かと

あらためて話を振り返ると2人の小説家はどちらも母親の過保護の元に育った人達なんだと思った小説でした。

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Posted by ブクログ 2021年08月29日

どうせ騙されるんだろうなと思いつつ、一応警戒しながら読んだ。
そしてやっぱり騙される。
物語終盤にかけて畳み掛けるように真相が明かされていくので理解が追いつかない。
地の文、関係者への取材内容、モノローグ、作中作。
どことなく怪しいけど、結局気づかない。
これだからミステリーは面白い。

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Posted by ブクログ 2021年02月08日

折原一は『倒錯の死角』に続いて2作目。

作家志望の島崎潤一は、新人賞は獲ったことがあるものの、小説家としてなかなか芽がでない。創作活動をする傍ら、生活費を稼ぐために出版社から依頼されてゴーストライターの仕事をしていた。
あるとき宝石店を経営する小松原妙子という女性から、彼女の息子である淳の伝記の執...続きを読む筆を依頼される。淳は前年の9月に失踪しており、未だ生死は不明だという。島崎は執筆のため、淳の部屋で彼の過去の資料を調べ始める。そして過去に彼に関わった人たちに話を聞くが、誘拐や殺人・事故など彼の人生には多くの不吉な事件が絡んでいて、その事件にはどれも謎の異人の影が付き纏う。
本文とは違うフォントで時々挟まれるエピローグは、場面が変わり、樹海に迷い込んで出られなくなった男の独白のようだ。彼は必死に救助を求め、母親を呼び、どうにか生きようとするがその命は既に消えかかっている。彼が失踪したという小松原淳なのだろうか。

600ページ近くの大作。
作者自身のマイベストである『異人たちの館』は、その厚さがまったく苦にならないくらい読み易い。と同時に常に、濃い霧の中を歩いているような先が見えない不安を抱かせる。影は見えるのに、それがなんなのか分からないというもどかしさ。

叙述トリックってパターンがあるから、最初からそれと分かって読むと面白さが半減してしまうのが残念だ。できれば知らずに読みたいと思うが、それもなかなか難しいだろう。
あと、無理矢理な感じがどうしても感じられてしまう箇所がある。そんなの不自然だよとか、ずるいよとか。この話もいくつかそう感じる節はあった。
それからあまりにも長い話だったので、最後の終わり方があまり印象に残らなかった。でも年表はとっても親切だと思う。ややこしい話だと、時々自分で作る場合もあるわたしには有り難かった。

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Posted by ブクログ 2020年05月11日

これまで手を出したことがないジャンル
著者のあとがきまで読んでもう一度思い出すと うーんなるほど みたいな感じ

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年04月27日

以前、著者の『失踪者』を読んだら、面白くて。
そのすぐ後、本屋に行ったら、これの講談社文庫版が並んでいたので買って読んだことがある。
その時は、『失踪者』と比べたらイマイチかなーと思っていたのだが、この本、なんでも著者のマイ・ベストだとかで。
えぇー、そんなに面白かったかなぁーと、あらためて読んでみ...続きを読むようと思ったら、とっくに絶版。
古本も、著者が「マイ・ベスト」なんて言うもんだから、猫も杓子も読んでみようと思うのか、えらく高いと。
その後の文春文庫版が出て、さらに数年。やっと古本の値段も下がったのと、久々に折原一モードになったので、読むころ合いはよしと読んでみた次第w

そんなこんなで読んだ感想は、あれ?こんな話だったっけ!?みたいなw
いや、大筋は合っていたんだけど、根本的な部分で記憶がごっちゃになっていたみたいで。
例の「お受験殺人事件」を題材にした話だと思っていたんだけど、「あれぇ、な~んか違う!?」とw
とはいうものの、「うーん。イマイチ、かなぁ…」という最初に読んだ時の印象は変わらなかったかなぁ…。

すごく凝った話になっていて、その辺は確かに面白いんだけど、悪役?犯人?敵役?がオールマイティーすぎるんだよね。
ま、物語の敵役というのは大概オールマイティーなもの、と言っちゃうなら、確かにそうなだけどさーw
でも、敵役のオールマイティーさに比べ、主人公(?)があまりに無力で。別に、そんなに入れ込んじゃうような主人公でもないwんだけど、それでも、読んでいてストレス溜まる!みたいなところがあるなーと思った。

つまりは、書く側の思い入れ=読者の面白さではない、ということなんだろう。
ただ、思い返してみても、大した展開があるわけでもないのに、約600ページを次々とめくらせちゃう不思議な面白さはあるように思った。


折原一は、最初に『失踪者』を読んだ時、すごく面白くって。
上にも書いたように、そのすぐ後にこの『異人たちの館』を読んだり、『~者』シリーズは出ると必ず読むんだけど、どれも『失踪者』を読んだ時ほどのコーフンを得られないんだよなー。
『失踪者』は、祭りのシーンも絡めたラストの緊迫感からくる興奮がよかったんだけど、折原一って、実はそういう作風ではないんだよね。
『~者』シリーズはほぼ全冊、その他も数冊(有名な『倒錯のロンド』はたぶん好みじゃないので読んでない)読んで、やっとそれに気づくって遅すぎだろ!と自分にツッコミを入れた(爆)

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年02月07日

【一言で評価】
 折原一の作品らしく,読んでいるときのサスペンス感は抜群。しかし,オチが釣り合っていない。竜頭蛇尾というイメージの作品
【感想】
1993年に出版されたが,あまり売れず2002年に講談社文庫版が出版されたが,これもあまり売れず。2018年に本屋大賞の発掘部門で「超発掘本」となり,文春...続きを読む文庫で3度目の文庫化。あとがきでは,著者の折原一自らが,マイベストに挙げている作品
 あとがきによると「倒錯の死角」や「倒錯のロンド」のような叙述トリックの創出に汲々とするようになっていたところで,複数の太いスト―リーを並行して書いていき,途中で混ぜ合わせ,叙述トリックはサスペンスを盛り上げる要素とするという作風を確立させた作品とのこと。確かに,今後に書かれた「○○者」シリーズに通ずる作品のように思えた。
 個人的な感想をいうと,折原一は,やはり初期の作風が好みであり,多数のストーリーや作中作などの様々な文体を併せ,叙述トリックはサスペンスを盛り上げる要素とするようになってからの折原一の作風はあまり好きでない。読んでいる途中は面白いのだが,オチがそれほど面白くなく,読み終わってからがっかりする作品が多い。
 異人たちの館もそうで,読んでいる途中は面白いのだが,オチの部分がイマイチ
 この作品のメインプロットは「小松原淳」と「島崎潤一」を誤認させる叙述トリックだろう。小松原淳も島崎潤一も富士山麓の樹海で遭難しており,母親から「じゅんちゃん」と呼ばれている。島崎潤一の母親も,やや病的な人物で小松原潤一のアパートに忍び込んで原稿に手を入れるなどの奇行をしている。
 小松原淳の父親が「ジョージ」という外国人で連続幼女殺人事件の犯人。小松原淳をイジメていた少年なども殺害しており,小松原淳に殺害されているというスジは折原一らしいというか,かなり無茶なスジ。その後,ユキとの関係を責められ自殺しようとした小松原淳が,実は生きており,小松原家に帰ってきて地下室で生活をしているという展開も,折原一らしいと思うけど,かなり無茶なスジである。
 最後に小松原淳が島崎潤一の作品を乗っ取ろうとして,島崎葵(島崎潤一の母)とユキの逆襲に会うというオチがなんとも弱い。小松原淳の父が外国人のジョージで,謎の異人が小松原淳だということが,ラストに至るまでの段階で分かっているので、最後の終わり方がさっぱり意外性がない。
 トータルで感じることは,冗長だということ。読んでいるときは,サスペンス感があるのでそれほど感じないが,読んでから振り返ると冗長さを感じる。作品を支えるプロットが小松原淳と島崎潤一を誤認させる叙述トリックと,小松原淳の父がジョージという外国人で連続幼女殺人事件などの犯人だったということ。ジョージが外国人だったので,小松原淳もハーフで異人だとして登場していた人物が小松原淳だったというところ
 いくつかの作中作もあり,それらも若干スジに絡んでいるが,さほど効果的でない。作中作はなくても全体に影響がない。これも冗長さを感じさせる。読んでいるときは,もっと大きな伏線があるのかと思って読んでいるので,最後で作中作にあまり意味がなかったと分かると拍子抜けしてしまう。
 トータルの評価としては,ギリギリ及第点というイメージの★3。

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Posted by ブクログ 2019年12月21日

長いけど読みやすい。
最後に一通り整理された登場人物の年表があるおかげで混乱しなかった。
読んでいて心拍数が上がる。

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