【感想・ネタバレ】生きるぼくらのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

引きこもりの青年。
ある日、母が出でいった。
これは母からの「出てこい」というメッセージとなった。

「失敗を繰り返してこそ、成長できる。
自分が傷ついてこそ、人の痛みを理解できる大人になれる。」

すごく心に沁みました。

少し前まで引きこもりだった青年。
必死に米づくりをして言われた一言。
「東京のど真ん中の、でっかいビルに本社があるような会社に、かっけぇスーツ着て通勤すんの。こんな泥臭い作業俺なんかには、、、、」

これにイラつきながらも、成長していく稲の様子を送り続けたのは、まさしく自分が「成長」して、自分の人生から「人の痛み」を理解できるからだったんだろうな、と。

その結果が、農機具メーカーの子会社への就職。「あなたのおかげです。あきらめずに、、、田んぼの写真、おれに送り続けてくれたから」

そして、苦労して作ったお米を噛みしめ、母に食べてほしいと願う。

凍える冬。水温む春。灼熱の夏。豊穣の秋。巡る季節。草木のそよぎ、花々の目覚め。小鳥のさえずり、虫たちのうごめき。
そのすべてを受け、育つお米。それを食べ、また育てる私たち。そして、生きるぼくら。

私の亡き祖父もお米を作っていました。そのお米を食べて育ちました。祖父の命も、お米を作るうえで受けた自然も、私の中に生きています。

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2024年05月04日

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