【感想・ネタバレ】汚れた赤を恋と呼ぶんだ(新潮文庫nex)のレビュー

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不思議だがいいと思う

自分が恋した相手には変わってほしくない。でも自分は変わって行くだろうし、相手も変わって行かざるを得ないだろう、ということに対する矛盾や葛藤、苛立ちみたいなものがとぉっても回りくどく、とぉっても丁寧に、とぉってもめんどくさく描かれている。
恋をしているとき(もしくは「これが恋かも?」と気付きつつあるとき)にこんなにも理性的、客観的に自分や相手のことを考えられるとは思えず現実味がないが、その非現実的な部分がこの作品の世界観や雰囲気にうまく絡んでいて惹かれる。
常に淡々と漂うネガティブな空気も好きだ。

『逆上がりは、できるようになった?』

何だ?何だ?何だぁ?

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2018年04月29日

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今までの階段島シリーズとは異なり、現実世界でのお話になります。なぜ七草や真辺が階段島に捨てられたのか・・・?

そして最後に明らかになった、2人の想い。甘えや憧れを捨て、一緒に寄り添えるように願った想い=「汚れた赤を恋と呼ぶんだ」のセンスには感服しました!

暗躍する人間も登場し、現実サイドと階段島サイドの差も感じられたので、ますます次巻が気になるところ。

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2017年10月18日

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【あらすじ】
これは僕の失恋であり、同時に、初恋の物語だ。
七草は引き算の魔女を知っていますか――。夏休みの終わり、真辺由宇と運命的な再会を果たした僕は、彼女からのメールをきっかけに、魔女の噂を追い始める。高校生と、魔女? ありえない組み合わせは、しかし確かな実感を伴って、僕と真辺の関係を侵食していく。一方、その渦中に現れた謎の少女・安達。現実世界における事件の真相が、いま明かされる。心を穿つ青春ミステリ、第3弾。

【感想】

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2017年07月25日

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階段島の続き。島の中の話ではなく、外の世界が舞台。前の話との繋がりが見えておもしろかった。魔女がなにかまだよくわからなかったけど、続きが気になる。一気に読めた。

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2023年01月09日

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初読では、捨てた方の七草と真辺の感情、考え方がわからない部分が多かった。今回、改めて読み直してみて共感できる部分が増えていた。階段島の外の2人はより複雑で人間臭くて、どことなく愛しい存在だなと思う。「汚れた赤を恋と呼ぶんだ」。最後のシーンにこの言葉が濃縮されていて私は好きだ。

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2020年05月05日

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階段島シリーズの1作目を初めて読んだときは、正直よくわからなかったけども、もう1度1作目を読み、続けて2作目を読んだときに、少しずつ面白さがわかってきた気がした。

そんなわけで、3作目に至ったわけだけども、今回の作品はパラレルワールドの主人公が主役。というか、パラレルワールド自体が主役というべきか。どちらが表か裏か、魔女の思惑一つ。その上で現実世界のリアリティのなさは、おそらくあえてなんだろうなぁ。

作者が「色」に意味を込めている理由はいろいろあるんだろうけども、その1つは2つの平行世界に色を固定させないことじゃないかと思う。一方の色が決まってしまえば、もう一方も自ずと色が見えてきてしまう。そうさせないためのタイトルな気がするし、決めぜりふな気がする。

それにしてもみんな賢すぎじゃないかなぁ(笑)

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2019年03月29日

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登場人物の言葉の一つ一つに意味があり重みがある。

終わりに今までは捨てられた人しかいない島に奪いにくる人がやってきてどうなるのか気になる終わり方だった。

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2018年03月19日

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 シリーズ三作目、書き手には相当な筆力が必要な内容。

 というのも、階段島のシリーズは捨てられた感情が人格を持って暮らす島であり、島の外では捨てた側の人間がいる。
 今作では、悲観的な性格を捨てた側の七草の視点で、島の外側(現実)が語られている。

 群青、白と同じ人物であるはずの七草だが、その特徴である悲観を無くした七草を描くのは、同一人物であるが感情が違う人物の書き分けというのは、非っ常に難しいと思うのだ。


 現実の七草は希望をもって行動するが、島での七草は悲観的に行動する。

 一作目で、島の七草が階段の下で現実の七草と会い、大地をどうにかしろ、と伝えたシーンが現実の七草側の視点で描かれる。

 魔女から悲観を抜き取られた後に見たその夢で、現実側の七草も行動を始める。

 それと同時に、真辺も魔女と会おうとしている。そして、真辺が捨てた感情はなんだったのか。


 相原大地を救おうと、現実と島と両方の真辺と七草が行動する。

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2016年10月17日

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階段島シリーズ3作目。

1、2作目では階段島が舞台ですがこの作品では島ではなくて、現実のほうが舞台となります。
少し話が難しくなります。

魔女を探している謎の少女安達が現れます。彼女は、階段島シリーズにおけるトリックスターの役割を果たしているようです。

真辺が変わっていくという現実を受け入れず、階段島に送りまれた七草。対して、七草への依存を必要とする真辺は、その依存するペルソナを階段島に送り込んだことがわかります。

親との関係で苦悩する大地を見ながら、真辺由宇も深く傷ついていました。

傍でそれを見た七草は感じます。
真辺に感じていた、赤い太陽みたいな優しく暖かい感情、好きという気持ち。
そこには真辺の涙が重なって、くすんだ色に見える。それでも汚れた赤を恋と呼ぶんだ、と。
こんなにも彼女の涙を拭き取ってあげたいじゃないか、と。

少し抽象的な話が多く、解釈に難しい巻となっています。

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2024年05月07日

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階段島シリーズ第3弾。

第2弾の停滞期(←失礼な)を経て、物語が動き出した。今回は、階段島ではなく、現実の世界(と言っていいのかよくわからないけど)側の七草や真辺のお話。
こちら側では、魔女は「引き算の魔女」と呼ばれ、彼女を探そうとする七草が行動を起こすところから物語が始まる。「引き算の魔女」を探す七草が出会ったのは安達という少女。安達のことをなんとなく不思議に思いながらも、魔女探しという名目で協力しあう二人。七草は魔女に会い(正確には電話をもらい)、自分の一部を捨てることに成功。続いて、真辺も、大地も自分の一部を捨てたよう。

今回は七草と真辺が捨てたものがはっきりしたわけだけど、なんとなく興ざめしたのは私の性格がひねくれているから。
結局、七草と真辺はお互いがお互いを思いあってるってことね、はいはい。
「愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない(by B’Z)」
「あなたさえそばにいれば他に何もいらない(by大黒摩季)」
「あたしは君のメロディーやその哲学や言葉、全てを
守る為なら少し位する苦労もいとわないのです(by 椎名林檎)」
と往年の名曲を3曲ほど歌ってしまった。

ま、でも、こうできゃ人格を捨てるほどには至らないよね。物語にならないよね。

「正直者になるために嘘をつく」とか「そうかもしれないけれど、全く違うかもしれない」とかいう言い回しに少々疲れてきたけれど、シリーズ完結まで読み切ろう。

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2023年01月16日

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階段島シリーズ。
だが、階段島の話でなく、こちら側の七草、真辺、大地の話。も1冊前があると良かったな。
七草が捨てたのは信仰。真辺が捨てたのは七草。わかるような、わからんような
汚れた赤を恋と呼ぶんだ うわー
泣き顔を笑顔にできなくても、コートで涙を拭えるなら、それを僕は幸せと呼ぶんだ うわー
愛する少女が傷ついたなら、臆病に傷痕をなでて、それを僕は恋と呼ぶんだ うわー
よく思いつくもんだ、このようなセンテンスを。

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2020年04月13日

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三冊目にして初めて、現実世界の七草と真辺、大地が描かれる。階段島にいる「捨てられた七草」が思っているのとは現実は少し違いそう??
前二巻に比べて少し現実みが出てきた気がする。捨てた側の葛藤?も描かれて、一巻を読んだときのような違和感は少し薄らいだ。

しかしやはり、文章はすごく読みやすいのだけど、なにかが徹底的に自分とは合わないなと感じてしまう。観念的すぎるのかなー。私とは論点が違うのかな。最後まで読んだらもう少しスッキリするかなと思ったり、とりあえず彼らの着地点が気になったりするので読み進めてはいるけれど。

そもそもスッキリする話ではないのかもしれないなー。

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2019年01月28日

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現実サイドを書くのかー。という驚きはあったけど、前作の方がよかったかな。個人的には理想主義者のキャラクターの方がかっこよく見えるのと、階段島のあの雰囲気が好きなので。
でもここから動き出しそうな感じ。

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2018年02月10日

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階段島ではなく、人格を捨てた現実側の物語。1巻と同じ時期で、1巻の「僕」との接触もある。ただ1巻の内容を覚えてなくて僕と僕の会話がよくわからなかった。登場人物たちの理屈っぽい、嘘っぽい会話はいまだに慣れない。(七草が捨てたもの:真辺への信仰。真辺の変化を恐れる自分。真辺が捨てたもの:七草に頼る自分。大地が捨てたもの:母を嫌いになれない自分。安達が捨てたもの:魔女。 僕は過去に小学校の校庭で引き算の魔女に会っていた)

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2017年01月25日

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