感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
例によって再読。
あー、めっちゃ良い。前半は沙弥香、先生、児玉さんとどっちかというと美人な人たちが可愛く描かれてて魅力的だし、後半は完結に向けて駆け出してるし。
沙弥香先輩はね、単体だとマジでイチオシだし、燈子との取り合わせも凄く良い。考え方も好きだし。最初から敵わない、叶わない恋に臨んでいたのは分かってるけど、ほんと良いよな。小説読まなきゃ。
私の好きなあなたでい続けてくれる信頼、という「好き」の解釈は素敵だと思う。相手の好きだった要素が変わっていっても好きだと言えるか、という話に関して考えたのは、それでも肯定できるとしたら、それは「好きな要素」じゃなくて「好きになった要素」に過ぎないから、という答えも提示できるかもね。現実でどうかは知らないけど。
いよいよ物語は佳境へ……
物語も終盤……クライマックスを控えて、登場人物たちの揺れ動く心の機微が描かれ、胸を打たれます。
これまで平穏を保ってきた湖の水面に、彼女たちが心の底に秘めていた想いを投げ入れるかのように、幾つもの波紋が広がり、波打ち、さざめきはこの先に待ち受ける完結へと向かっていきます。
終わって欲しくない!と切実に願いながらも、彼女たちの心の成長が、自然にこの『やがて君になる』という物語に終わりをもたらすのでしょう。
いつか……更に成長した彼女たちのそれぞれの物語が描かれることを仲谷先生にお願いします。
Posted by ブクログ
前後を除くほぼ全編が沙弥香回。沙弥香の視点から、修学旅行の前の気持ちの整理、旅行中の葛藤からの告白、そしてその回答の受け入れ(諦め)までを余すところなく描く。
思わずページを捲るのが止まってしまうような、ハッとするカットが随所に見られ、彼女の思いあふれる様子が魅力的。
ああ、辛い。
7巻
この漫画は心理描写と情景描写をうまく合わせてとても効果的に魅せてくれます。
ただ七巻は何故鳥を使ったのか、水族館に行ったのだから魚を使ってほしかったです。鳥を見て主人公を思い出すのは不自然。次の展開とも掛け合わせてるだろうけど、魚がよかったです。
情景描写を心理描写に合わせるのはいいけれど
心理描写を無理に情景描写に合わせて見えます。
Posted by ブクログ
前巻ラストで告白からの擦れ違い、更に次巻が最終巻ということも有ってか、この巻は溜めの印象を感じさせた。
かと言って、溜めているのは侑と燈子の関係性だけで周囲動き続けている
燈子に告白を拒否された(と思っている)侑は「好き」が判らなくなってしまう。「特別」が判らないと日々を過ごしていた侑が燈子と過ごす内に「特別」を少しずつ知り始め、燈子にその想いをぶつけたのが前巻の話。
ここでの侑の状態は端から見れば失恋がショックすぎて心が追いついていない状態に見えるのだけど、近くで朱里の失恋を見ていた侑は自分が朱里と同じようにならなかったことで、自分の恋心を疑ってしまう。
これは自分の中にあった「特別」を否定してしまう動き
それに対して燈子は侑の内面に踏み込むことができないまま
これまで侑に気持ちを押し殺させてきた申し訳無さ、「好き」を知ってしまった侑がどの様に変わったのか判らない恐怖、自分は侑に何も応えられないという足踏み感などによって燈子は動けなくなる
これまでは侑が動かなければ燈子が、燈子が動かなければ侑が動き、心を通わせてきた。しかし、二人が同時に動けなくなったことでこんなにもあっさりと交流が無くなってしまうなんて…
二人が動けなくなった中、動き始めるのは沙弥香
沙弥香は生徒会劇が終わり燈子が燈子になれば好きだと言えるのだろうかと14話で考えていた。そして、燈子は無事生徒会劇をやり遂げ「普通」を手に入れた。加えて侑と燈子は微妙な状態
告白するにはこれ以上のタイミングはないだろうね。でも、沙弥香はすぐに動くことはできない。やはり同性への告白なんてそう簡単なものじゃない。動き出す切っ掛けが必要になる
そういった意味では都と理子が同棲カップルでありながら、今の関係性を手に入れられた馴れ初め話やとても良い雰囲気の二人の光景は沙弥香の気持ちを後押しするものになったのだろうね
修学旅行中、万感の想いを込めて燈子に告白した沙弥香
ここでの燈子の動きが印象的。燈子は沙弥香が告白しないよう遮った上で「沙弥香が期待するような人間じゃない」と釘を刺した
でも、覚悟を決めた沙弥香にはそんな言葉じゃ留まる理由にはならない。燈子が隠した「弱さ」に手を差し伸べた上で「恋人になりたい」とはっきり伝えた沙弥香の姿は賞賛に値するね
以前は誰かから告白されても丁寧に断っていた燈子。しかし、親友の沙弥香が相手であれば丁寧程度では足りない。沙弥香の気持ちをきちんと斟酌して向き合わなければいけない
ただ、沙弥香にとって不幸なのは燈子に自身の気持ちと向き合わせることで燈子は「好き」とは何かを理解していってしまう。燈子自身が望む答えを明確にさせてしまう
沙弥香への返事を「応えられない」ではなく「選べない、選ばない」と表現した燈子。沙弥香の気持ちを尊重しつつ、それと同じくらい譲れない自分の気持が有ることを明かす言葉
沙弥香からの告白をどう応えるかという悩みを通して自分の中の「好き」に燈子は気付く。それを祝福するように再び好きと告げた沙弥香の姿はやはり良いなぁ
そうして心に変革を起こした燈子と対象的に、自分の心から逃げ続ける侑。遂には槙に一喝されてしまう。「君と僕を一緒にしないでよ」と厳しくあたった上で「小糸さんはもうわかってる」と優しく諭した槙。
舞台上の役者ではなく、観客で居たいという槙の信念を考えればこうして侑に助言するのは半ば役者になってしまうようなもの
それでも助言したのは自分と似たようで違う侑が、「好き」に向き合えず藻掻き苦しむ姿に思う所があったからなんだろうな
侑を「好き」だと気づけた燈子、「好き」が欲しいと苦しむ侑。二人の「特別」を巡る物語がどのような結末を迎えるのか、最終巻を楽しみにしつつ待ちたいと思う