感情タグBEST3
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晏子の4巻を通じて登場する崔杼が没落するところに関する晏纓の論が興味深かった。荘公への憎しみが深いほど手厚く葬り、自身の幻影を見せれば、死ぬことはなかっただろう、ということである。それだけ荘公への憎しみが深かったということであれば、そのために崔杼は死んだということだ。ここに、学びがあった。強い憎しみだけで行動してはいけない。
季札から晏纓への助言も興味深い。危ういバランスをとっている閣内において、職位を返上し距離をとることで、政争に巻き込まれないようにアドバイスしている。これは非常に重要なことだと感じた。正道のない嵐が巻き起こっているときは、距離を置くのが吉と出る。
あとは、和と同の話か。
話は例えるならスープ。火と水が合わさって、美味しいスープができて飲むことができる。同は水と水、合わさっても生み出されるものはない。王が言うことを察して、答えるだけでは、同であり諫めたりさらに深めたりすることが和であると理解した。
自分が人を用いる立場にあっても同ではなく、和を大事にするようにしたい。
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崔杼が死んだ。
君を弑して終わりが良いはずはないが、哀しい。
そして、晏嬰も死んだ。
景公は、御者を押しのけ、みずから馬を御しながら
「これでも馬は走っているのか」とわめき、
ついには自分の足で走った。
少々出来が悪くても愛すべき君主だった。
最近の宮城谷さんの本はなかなか文章に没頭できない面があるけど、この本は何度読んでもドキドキしたり、泣いたりしながら、晏子親子の生涯を時間軸を同じくして見続けた気がする。
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痛快な前半2巻と、心の強さ・優しさを感じる後半2巻。
主人公は僕も読むまで知らない人物だったけど、内容も量も読み応えがあって良かった。
孟嘗君、楽毅と続けて読んだけど、どんどん作品にはまっていく。
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春秋戦国時代の斉の宰相の話です。歴史から生き方を学ぶといいますが、考えさせられる物語ですね。來の国を領土としたやり方、「社稷を主とす」という言葉は名言ですね。どんな時代にもぶれない生き方をしていきたいものです。
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ひとたび小さな声を発しても国の隅々までその声が伝わる。君主でされも憚られる小さな大声。声を上げなくてもそのたたずまいから国中ににらみを効かす怪人。沈みゆく国を背負い聖人となって何を見るのか。
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目まぐるしい政変の傍らで、何人殺されても同じ言葉を刻む史官のエピソードが印象的。
晏嬰の筋の貫き方も、対比の中で、一層、際立つのか。
大義、歴史、民、幅 ―――
考えさせられることが多い。
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読破!
晏子は、国の為に主君にものを言い、国の為に行動で示す。
現代の我々は、何の為に生き、何の為に言葉を発し、何の為に行動したらの良いのだろう。
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崔杼が謀反を起こしたが没落し、晏子が宰相となる。
1巻から登場し、晏弱を認めていた崔杼は憎めない人物で、展開が残念だった。
全体的に時代の流れが分かりやすく、晏子の逸話が丁寧に織り込まれ、読んでいて楽しかった。
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宮城谷昌光さんとの出会いの一冊です。
それ以来、夢中になりました。
そんなこともあり、新鮮さも手伝い、思い出の一冊です。
どの本から入っても、面白いと思います。
天空の舟、重耳、晏子が私のベスト3です。
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中国春秋時代に生きた篤実と正義の政治家、晏子の物語。ヒーロー伝ではなく、宰相として、参謀として、そして人として、どう生きるか、が描かれている。史実や歴史書などの多くの情報に支えられた宮城谷昌光さんの文章。司馬遼太郎さんの後継者一番手と感じる。