【感想・ネタバレ】晏子(一)のレビュー

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晏子の言行録から得られる人となりを、まごころを通じて体現した小説。宋の公子として生まれたために亡命を余儀なくされた晏子。斉では不遇であったが戦略眼で国難に立ち向かう、といったところでしょう。ここでいう晏子は晏弱です。宋は殷の子孫なので子弱、晏に領地をもらったため晏氏となりました。全てを失った男の決死の覚悟が突き動かしたものは!?

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2022年01月01日

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全体の感想は最終巻に記載したい。

だが、流れるような言葉と描写は流石と感じた。

第二巻も期待して読みたい。

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2021年01月02日

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<文庫全4巻を通してのレビュー>

強国晋を中心に大小いくつもの国が乱立した古代中国春秋期。
気儘な君公に奸佞驕慢な高官たちが群れ従う斉の政情下、ただ一人晏弱のみは廟下にあっては毅然として礼を実践し、戦下においては稀代の智謀を揮った。
緊迫する国際関係、宿敵晋との激突、血ぬられた政変・・・・・度重なる苦境に晏弱はどう対処するのか。


面白いです。
今まで読んだ、「王家の風日」「沙中の回廊」「孟夏の太陽」この3作品と並ぶぐらいに傑作です。

斉の国の晏弱・晏嬰父子を「嬰子」として描いた作品であり、父子ともに生き方が爽快で、名臣中の名臣といえます。
父の晏弱と交流の深かった南郭偃と蔡朝、そして晋の郤至も見事な人物で、雄が雄を知ることの喜びを分かち合えたのだと思います。
物語前半の晏弱が将軍となって出撃した莱の戦は痛快でした。お見事!としか言いようがありません。

そして晋との戦いの中にあって、静かに粛然と亡父・晏弱の喪に伏していた晏嬰。
生涯、毅然とした言動と礼を重んじる晏嬰の活躍は、もうすでに他国にも知れ渡っていたはずであり、斉という国が春秋時代に生んだ最高の人物でしょう。
相手がたとえ君主であろうが、諌めるときはきちんと諌める。
簡単なようで難しいことであり、諫言したことによって殺される人も多かった中で、晏嬰は何よりも社稷を重んじ礼を重んじることにより、人臣からの圧倒的な支持を得ました。
最後まで驕ることのなかった晏弱・晏嬰父子、その生き様に感服です。

晋の士会と並んで、晏子が大好きです。

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2019年03月29日

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前半は父の晏弱、後半は息子の晏嬰の話し
話しの流れとしては武人だった晏弱の部分が面白いけど、深いのは晏嬰の部分かなぁ…

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2012年04月26日

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一度読んだときに父親に惚れ、三度読み直したときに息子にやられました。ふと、晏子親子に会うために読み替えしたくなる物語です。

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2011年11月18日

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個人的に、最初の宮城谷昌光さんの本です。
この本を読んでから、宮城谷昌光さんの本を総なめしました。
今でもときどき読み返したくなる本です。
親子2代にわたる物語で、歴史的に有名なのは子供の方ですが、個人的には親の方の物語に魅力があるように感じました。

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2011年10月01日

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宮城谷昌光さんの作品の中でベストと言っていいでしょう。晏子と聞いて、まさか父親の代から物語が始まるとは!しかも、ストーリーとしては、父、晏弱の方が面白いかもしれません。少しづつ頭角を現しながらも、人として男として屹立している姿にしびれます。

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2010年12月05日

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人は自分では到底敵わない行ないを為す者に対して尊敬の念を抱くもので、辛い修行を行なった僧に対して敬虔な気持ちを抱くのもそれである。その伝で行くと晏嬰という人物は聖人である。現代日本人は、どうも富貴を善しとし、成功者への志向が強く、自己喧伝に巧みであろうとする。これは先の大戦後にアメリカ的な物の考えが刷り込まれた故もあろうが、元来人間には欲があって、矢張りそれを抑える事が中々出来ないので、それを行なえる人物が尊敬される事は自明であるし、吾身の行く末を考えず諫言し得る点についても、例えば会社で上司に、その誤りを正すべく発言出来得るかと考えた時に、どうしても長い者に巻かれろ的な行動に出てしまっているのが普通の在り方だ。そういう意味で晏嬰の物語は、人生の規範と成る物であり、銘とすべき物語なのだ。父の晏弱も知仁の人であったが、どうしても巧将という感があって、物語としての面白さは父・晏弱にあれど、人としてのあり方に感動させられるのは晏嬰の方であった。

 ここでは晏子(晏弱~晏嬰という親子)を描きながらも、春秋時代の中国の様々な人物群を判り易く整理して描かれてあって、春秋時代について読みながら晏子の物語りを読み、晏子の物語を読みながら春秋時代について読むという事になるのである。つまり人は時代と無関係で無いと云う事なのだが、時代とは環境とも言えて作中に「橘化して枳となる」という言葉の語源となった挿話が出て来るが、晏子を産んだ時代・環境に比べて、現代はどうなのか?、紀元前の時代に比べて、成る程、色々な事物が発明、発見されて一見進歩を辿っているように見えるが、人間そのものの行動について、例えば政治を司る人間を見るに、この物語の登場人物達より、今の政治家が進歩していると言えるのか?人間というのは、どんな年月が経てもそう容易く進歩するものではないのではないかと思われて、少し暗澹たる気持ちになった。

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2010年06月06日

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社稷を主とす-この時代には新しい思想を実行したことが興味深かった。君主が神ではなくなり、民の新しいよりどころが必要となったのが、晏嬰の生きた時代だったのだろうか。そして最も魅力を感じたのは崔杼。宮城谷氏の作品を読むと、悪人とされている人物でも実は歴史の敗者で、本来は魅力ある人物だったのではないか、と思われる人物に多々めぐりあう。崔杼もそのひとり。晏弱と晏嬰親子を輝かせたのは、崔杼ではないか、と思われる。晏弱の死後かれの手腕がフルに発揮できていたなら、と残念であるし、晩年の事件の苦悩と晏嬰が見抜いた崔杼の運命がとても切ない。そしてその事件こそがクライマックス。

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2010年05月18日

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何度も読み返してボロボロになり、何度も買いました。それだけ面白く、感動します。

<2015年3月25日追記>
何度目かの再読。断道の会に出席するまでのスリリングな展開は、何度読んでも面白くドキドキする。そして結末は判っていても崔杼の魅力的なこと...。
デジタル文庫に入れたので、いつでも読めるのが嬉しい。

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2015年03月25日

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後半はちょっと硬派だけど、前半は勢いがあってドキドキする。中国の逸話の清廉な感じと生き生きした時代描写が、宮城谷作品の中でも一番うまく融合していて、また読後に残る余韻も私は一番好き。二代にわたる名宰相晏子の物語、父親は息子より一見押しが弱い。でも、彼の想いの強さとしたたかさ、懐の大きさは、とても美しく学ぶところが多い。というか、その一見すると控え目って感じがたまんない。息子は小柄ながら清廉苛烈。人間の理想の一つ行き着いたところといった感あり。

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2009年10月04日

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前520年頃。晏嬰(あんえい)とその父晏弱(あんじゃく)の物語。斉の名宰相と呼ばれた晏嬰。史記の著者である司馬遷も彼を尊敬していたそうです。
晏嬰は,父が死んでから古い礼儀にしたがい3年間の喪に服したそうです。当時は1年はあったとしても,3年間は珍しく,これが人々の尊敬を集めるきっかけになります。喪中に敵が晏嬰宅に攻め込みましたが,これを見て感激し「手を出してはならぬ」と命じたそうです。
晏嬰が喪から明けたとき,斉は宰相の崔杼の陰謀等により滅亡の危機でした。しかし崔氏も没落し,景公が王位についた時,晏嬰は入閣しました。晏嬰は景公にも臆することなく諫言し,国を大いに栄えさせました。
晏嬰は歯に衣を着せず,相手が君主であろうとNOを言い続け,しかも天寿を全うしたことがすごい。
また晏嬰は位が高くなろうとも質素倹約につとめたことは,管仲や范雎,子産が多少吝嗇に走ったことを考えると異質であり,すばらしい。
春秋戦国時代は,富めば嫉視され,貧しければ蔑視される。力があれば憎まれ,力がなければ虐げられる。このような中,正道を進んでゆくのは至難である。しかも天寿を全うするなど,天が晏嬰を生かしたとしかいいようがない。
「君主に愛されるより,民に愛されることだ。君主は一代であり,民は永代である」「人が迷うとすれば,欲においてである。欲を捨てれば,自ずと迷いも消える。ただ,欲を捨てようとすることも欲であり,難しい。過大な欲を捨て,寡欲であればよい」「勇気とはおのれの正しさを貫いてゆく力をいう」「やり続ける者は成功し,歩き続けるものは目的地に到着する。わたしは人とかわったところはないが,やりはじめたことはなげださず,歩き続けて休まなかったものです。あなたが私に勝てないというのであれば,ただそれだけのことです。」この言葉が好きだ。
全4巻
1回目2008/2/3

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2010年09月22日

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春秋中期の斉の臣、晏弱、晏嬰親子の活躍を描いた小説。キーキャラクターである崔杼やそのほか、当時の有名人も派手に登場。脇役が光り、主役がその脇役に負けていない良作。
丁寧な作りと描写力で丹念に描いています。

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2009年10月04日

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最初に読んだのは、ハードカバーでした。

とにかく、晏弱という人間性の気持ちいいこと。武将なので、人を斬っていくのが仕事なのですが、それでも暖かい。それを取り巻く配下たちも暖かい。

話しの流れも面白く、すごくわくわく読みました。

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2009年10月04日

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晏弱と晏嬰親子のお話。
父上カッコ良すぎ。息子は意思強すぎ。
違う格好良さの親子が飽きさせない小説。

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2009年10月04日

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晏弱、晏嬰の親子の生涯を描いた作品。「花の歳月」「華栄の丘」に次ぐ好き作品です。個人的に父の晏弱の方が人物としては好みです。 *全4巻

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2009年10月04日

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全4巻。中国春秋時代に生きた晏弱と、その息子である賢人宰相とされる晏嬰の物語。危機を脱して見事に名を上げた父、そしてそんな父を見ながら成長した息子の行う政治とは。晏嬰が父の喪に服する場面は、言葉を尽くせないほどすさまじい。

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2009年10月04日

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多分、宮城谷先生の著書で一番最初に読んだ作品。

時は中国春秋時代。
奸臣蔓延し政略巡る戦乱の世。
存亡の危機に陥った国を守り抜いた晏弱・晏嬰父子の物語。
ぐだぐだ言うよりも先ずは父・晏弱の男前っぷりをご堪能あれ。

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2009年10月04日

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ネタバレ

随分前に胸を躍らせて読んだ記憶がある。マンガで三国志を読んだ勢いで、再度「晏子」を読むことにした。時代は春秋時代。諸葛亮孔明の生まれが181年、晏弱(父)の生まれが紀元前556年ということなので、この本の舞台は、三国時代から遡ること700年くらいだということになる。

春秋時代中期に大国と呼べる国は、秦、晋、楚、斉の四国で、本書の主人公晏子はその斉の人である。ただし、本書はその父・晏弱の活躍の時代から描いている。

第一巻の主役は父・晏弱。斉の当時の君主・頃公の品のない外交上の悪戯が晋との間に確執を生じるもととなり、その尻ぬぐいにかりだされたのが、本書での晏弱の最初の役割だった。

晋の郤克の怨念の種を蒔いたのは、晋の頃公なのだが、その郤克の執念深さもまた強烈で、その両国のプライドをかけた戦いに、斉の側で戦いを進めたのが晏弱あった。

彼の勇と智、そして人を引き付ける魅力で、読者としては、どうしても斉びいきとなっていってしまう。

子の晏嬰の誕生に触れられたが、まだその片鱗は紹介されていない。

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2024年02月01日

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春秋時代の斉の宰相晏子の父・晏弱と晏子の物語。

晋の郤克の容姿を嗤ったことから恨みを買い、国の関係が悪化していくという国際関係が描かれていくのもおもしろい。
晋と斉の戦いで晏弱が戦うシーンは手に汗を握る。

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2014年02月06日

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ネタバレ

春秋時代に斉の国に仕えた、晏弱・晏嬰の父子の波乱の生涯を描く。父晏弱は気儖な君公に奸佞驕慢な高官たちが群れ従う中、廟中にあって毅然として礼を実践し、戦下においては稀代の智謀を揮っていた。子の晏嬰は、自分の信念を貫こうとする。凡人から見れば、狂気の沙汰のように見えるほど、孝と忠を貫く。司馬遷をして「御者になりたい」と言わしめるほどの人物の伝は人生の糧になると言っても過言ではない。父晏弱は武将としてかっこよく、子晏嬰は人としてかっこいい。

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2012年10月31日

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宮城谷昌光さんとの出会いの一冊です。
それ以来、夢中になりました。
そんなこともあり、新鮮さも手伝い、思い出の一冊です。
どの本から入っても、面白いと思います。
天空の舟、重耳、晏子が私のベスト3です。

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2012年02月22日

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久々に中国史熱に冒されたため、前から気になってた晏子を読んでみた。
晏弱、晏嬰の父子2代にわたるドラマの幕開けである第1巻。春秋時代の斉において決して高い身分にない晏子が、その才能と国への厚い忠義心によってどう出世を遂げていくのか…
熱い、熱すぎるぜ!

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2011年08月14日

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今年の重点テーマの一つである中国歴史物。
晏子については、まったく知らなかったが、なかなか面白い。第2巻に突入。

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2010年05月21日

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中国の春秋時代の話。
斉の将軍の晏弱、宰相の晏嬰の、親子二代にわたる物語です。
活動的で人望も篤い晏弱、真面目で実直な晏嬰と、親子でかなり性質は違いますが、
命を懸けて国のために尽くす生き方が印象に残ります。
あと歴史だとかなりの悪者の崔杼が、ここではなかなかいいキャラしてます。
長い間策謀を巡らせ、国まで掌握しようとしながら、
ひとりの人間のために破滅した最期は人間的で、泣けます。

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2009年10月04日

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再読中。
ずいぶん前に読んだときには、あん弱はいいけどあん嬰はいまいちだなあと思いましたが、今回再読してみて、あん嬰ってやっぱりすごいんだ、と感激できました。似たような感想で終わっている本があるので、読み直してみよう。

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2010年02月12日

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この作品は、春秋時代の中国が舞台。宮城谷さんの持ち味の出た、父の晏弱(あんじゃく)、子の晏嬰(あんえい)親子二代に渡る壮大な物語。


 斉の国を訪れた晋の国の使者郤克(げきこく)が体の特徴を笑われたことに怒り狂い、斉と晋の関係が悪化。斉の晏弱は険悪になった晋と国交回のために、晋へ向かうところから、話は始まる。
 前半のみどころは、四方八方敵だらけの晋で、晏弱無事に使命を果たして帰国できるのか?
 その他、野心に燃える元亡命貴族の崔杼(さいちょ)とのやりとり、南郭偃(なんかくえん)、蔡朝(さいちょう)といった友人との関係もなかなか楽しい。


 そして後半のみどろこは、体は小さいながらも(およそ身長135?以下)誰に対してでも間違ったことをぴしぴし指摘する晏嬰の活躍。


 物腰が柔らかい晏弱と、言いたい放題で、体の小ささを理由に嫌がらせをされても、ちょっとやそっとのことではへこまない晏嬰という対照的な親子の描き方が興味深い。


 「羊頭をかけて狗肉を売る」「橘化して枳となる」といった言葉のエピソードも織り交ぜられ、晏嬰の言葉をきっかけに物語がどんどん進んでいく。
 それだけ言いたい放題言って、よく殺されなかったもんだと思うくらいの晏嬰だけれども、おそらくそれは、「社稷(しゃしょく)を主とす」(君主に仕えるのでなく、国家に仕える)という考えを貫き、裏表無く仕えた晏嬰の人柄であったのだろうと思った。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

『史記』を書いた司馬遷(辛口歴史家)が「この人の御者になりたい」とま大絶賛した斉の名宰相・晏子のお話。歴史で賞賛されている晏子は、一人ではなく父・晏弱と息子・晏嬰(歴史上ではこちらを“晏子”と見ている)であるという解釈が素晴らしい。父・晏弱が男気溢れるまたいい男で、宮城谷節炸裂!歴史で語られてない分、自由に書けることもあったんでしょうか、とーちゃんが活躍する前半部分はかなりワクワク楽しく読めました。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

全4巻。
すごく刺激になった。
これはビジネスマン必読の書。
ただこんな風に生きられるかどうか。。。
彼は本当に垂明の人だ。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

高校の古典の先生が読んでいて、読もうと思った本。面白かった。ここから中国ものに手を出し始めた。→パールバック『大地』

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2009年10月04日

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