【感想・ネタバレ】ろまん燈籠のレビュー

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Posted by ブクログ

人間の演じる、本音と建て前、エロス(生)とタナトス(死)、悲劇と喜劇を真面目に笑いながら皮肉る太宰作品は好物で、年に一度は読み返してしまう。5人兄弟姉妹が小説の連作に興じる「ろまん燈籠」。「ただ、好きなのです。それでいいではありませんか。純粋な愛情とはそんなものです。」と好意の弁解を嫌悪するところ、最後一番できの良かったのは母親のみよに決めるところ、が面白い。  その他、「秋風記」「思い出に生きるか、いまのこの刹那に身をゆだねるか、それとも、将来の希望とやらに生きるか、案外、そんなところから人間の馬鹿と利巧のちがいが、できてくるかもしれない」、「女の決闘」「芸術家には、人でない部分が在る、芸術家の本性はサタンである」など昭和14-16年の魅力的な作品が並ぶ。

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2021年04月17日

Posted by ブクログ

大好きな「愛と美について」がちょっと長くなって再登場だ嬉しいなという短編集。やっぱり次男が好きです。病弱で生意気なんて可愛らしいにも程があります。家族全員愛しくて、羨ましいくらい。令嬢アユ、恥、新郎、十二月八日、佳日、散華、どれも特に何か重大な事件が起こった訳じゃないのに、心がぐらぐら揺さぶられる感じのする良い話ばかりでした。誰かが誰かを思ってる話が多かったので、そういう愛の恋だのが大好きな子供のわたしはそれが嬉しかったのかもしれません。とにかくいい短編集でした。短くても長くても、きっちりまとめてくる太宰は天才だと思いました。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

ろまん灯籠、前々から友達にオススメされていて気になっていたから読んでみた。自分ならこう書くなぁなんて想像しながら読んでたら凄く楽しかった。太宰治って言うと人間失格とか暗〜いイメージしかなかったから新鮮だった。

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2019年06月30日

Posted by ブクログ

太宰治はいい。
自虐的に暗かったり、無性に力強かったり。
この短編集もその間を作品ごとにぐらっぐらしてる。
それでも裏のあらすじを読むと比較的安定してる生活の中かかれたらしいし、一体安定ってなんなのさと。
とはいえ楽しんで書いてるかのような試み。

おもしろかった。

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2011年08月29日

Posted by ブクログ

今まで、敬遠していたことに激しく後悔。
なんだろう、この何回も読みたくなる感じ。すてき。太宰すてき。
名言を浴びせまくられ。

誰にでもある、かよわい感情を、物惜しみせずに見せびらかしてくる。
それにたまらなく共感する。さみしい。かまってってかんじ。

自分はどうしようもない人間だと思う反面、他の人間とは違うことを信じている。そんなところがおろかで、恥ずかしくなる。

収録作品は
『秋風記』
『新樹の言葉』
『愛と美について』
『ろまん燈籠』
『女の決闘』
『古典風』
『清貧譚』

好きだったのは『新樹の言葉』
太宰が山梨とゆかりが深いことを知る。嬉しくなる。

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2010年10月01日

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2010/05/04
太宰が作品で遊んでる感じがおもしろい。
「古典風」がいかにも太宰な作品だけど、「愛と美について」、「ろまん燈篭」も新鮮で好き。兄弟それぞれの個性を書き分けてるのもすごい。

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2012年04月11日

Posted by ブクログ

5人の兄弟姉妹が順に物語を繋いでいく体裁になっているが、5人それぞれの性格や性別で「なにをハッピーエンドと捉えるか」が異なる表現をされており(特に男女で真逆になっている)面白いなと思った。

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2022年08月29日

Posted by ブクログ

太宰治は出鱈目でありながらも、要所要所でものごとの本質をあぶりだしてくるのがすごいところかもしれない。出鱈目で狡猾な人間を自認していて、良心というか本質を見る厳しい目ももっていたから、自死してしまったのかなあ。そう分析してみましたが、岩井俊二さんの解説によると、死ぬことに対するミーハー的な気質だったんじゃないかということで、そういうやっぱり軽い面のある作家だったのかなあという印象を持ちました。まあ、作家っていうのは誰しもがそうい軽さってあるとぼくは思っていますが。もしも太宰ばかり連続して読んでみたら、彼なりの文章の美しさや語彙が読み手にもある程度は身に付きそうですけれども、やっぱりその甘ったるさみたいなのに辟易としてしまう可能性が高い。ぼくにとっては、たまに楽しみで読むのがいいように思いました。間隔を開けずに二度読みなんかすると、興ざめな文章のときもあるよね。と、そんなことを言いつつも、おもしろく読みました。

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2015年11月18日

Posted by ブクログ

「太宰というのは、死にたいという思いと、やっぱり生きてみようと思わせる出来事との葛藤で作品を作っている人で、この背反する二つの要素の比率によってそれぞれの作風が異なって見えるのである。」という解説になるほどーと思った。

この本の中の作品では、「死にたい」方に傾いているものとして、「秋風記」が、「生きてみるか」の方に傾いているものとして「新樹の言葉」「愛と美について」「ろまん燈籠」「女の決闘」「古典風」「清貧譚」として分けることができるという。


「死にたくなった?」
「うん」
という会話がさらっと交わされる「秋風記」が好き。

ぐだぐだと自分を曲げることができない主人公の「清貧譚」も好きだ。

どの作品を読んでも、太宰は人のよろしくない部分を描写するのが上手い気がする。特にダメ男にかけて。

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2013年11月25日

Posted by ブクログ

「新樹の言葉」の舞台が地元で親近感がわきました。
太宰さんの小説は会話が多いから読みやすいです^^

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2011年06月08日

Posted by ブクログ

人間失格=太宰といったようなありがちなステレオタイプをぶち壊してくれる作品集。
太宰が楽しんで書いていることが伝わってくる。

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2010年11月20日

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