【感想・ネタバレ】帰らざる夏のレビュー

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Posted by ブクログ

裏表紙のあらすじで実に潔くネタバレしてて、「え、ああ…えっ?」って二度見。
主人公が最初っから抱かれたがっててヤバイ。

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2015年04月05日

Posted by ブクログ

素晴らしいの一言。
『フランドルの冬』でも感じだが、全体通し過度な修飾が無くとも音や色が入ってくる。作者の日本語の使い方に巧さと品があり非常に好み。
国を想う少年達が熱くぶつかり合う描写で、敗戦時の天皇主義に正解などないと率直に感じた。
当時の“稚児”という特殊な男色関係も、彼らの刹那的な生命における唯一の彩りだと感じ胸を衝かれた。
1人の少年が激烈な環境を生き抜いた果てに、終わりへと向かう姿に、言葉も無い。

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2023年06月15日

Posted by ブクログ

大東亜戦争、幼年学校の独特の文化と規律、上級生や同輩との関係、戦時中の思想、死、玉砕、不滅の皇軍と神州、苦しくなる食糧事情、父母からの空襲のたより、疎開先の苦労。少し不器用で感受性豊かな省治が、他人のように無心に思想に入り込めず、逆に終戦で24時間前と真逆のことを出来ず言えない。彼らは彼らなりの論理で戦争と勝利を信じて疑わず、若くして死ぬことを受け入れていて、ひたすら異常な戦争思想の真っ只中に入った、若さと純粋さそしてそれを表す言葉の強さと美しさ、読んでいて戦争を肯定も擁護もできないけど、そういう教訓めいたことも考える余裕はなく、小説にどっぷりと浸かってしまった。死を是と信じ切る閉ざされた環境と、人間の本能的な生への欲求と、外の世界や風潮との差。下世話な話だけど、源と省治はどこまでの関係だったのかしら。


おれはみんなのように泣けない、悲憤慷慨もできない。おれはただいま、この一刻、何も考えることができない。全く何にも。まっさらの白紙、透明な風、見えぬ光。

「一天万乗の大君が臣下の霊に額衝き給うたのである。恐懼の極みである。それは英霊からみれば光栄の極みである。」「大御心の深き御悲嘆は察し奉るだに畏れ多き極みである。」「武人としてお前もよき死所を得るように祈ってゐる。」「その何百万かの死の一つに自分が連なること、陛下が自分の死を嘉したまうこと、それこそが自分のとりうる唯一の道だ。」

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2022年04月24日

Posted by ブクログ

非常にリアルな、戦争の情景だけでなく幼い青年の心情の極めてリアルさが重苦しく、酩酊を覚える。難関の幼年学校に合格して教育を受け、生徒たちからも感化される。戦争を知らない世代に、当時を異常とは決して思わせないものがある。2.26事件をきちんと処理していれば太平洋戦争に避け得た、というのに興味。調べてみたい。14.1.18

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2014年01月18日

Posted by ブクログ

気になりはじめてから一年。ずっとずっとずっと読みたかった本。

大きな書店を何件か廻ったものの、なかなか見つからなかったので結局自分が働いているお店で取り寄せ。
大事に読む。

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2012年01月12日

Posted by ブクログ

三島由紀夫の忘れ物。同性愛作品だと聞いて興味本意で読んだら返り討ちにされた重厚な作品。
私は戦争が大嫌いだが、この作品が面白いと感じたのは国としての戦争を描いたからではなく、一個人の戦争体験記のように読めたから。
玉音放送後の省治たちの様子は井の中の蛙、なんだか滑稽で本当に可哀相だった。自害は国を思ってもあるし、自分の中の天皇像を守る事でもあるが、源との深い絆(むしろ愛)の結果だと思いたい。

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2009年10月08日

Posted by ブクログ

父親の手紙の文章の中で、
桜の描写があるんですがそれが神!!忘れられません。すごい〜
ちょっと同性っぽいのですが、それでも面白い。戦争もの。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

2008/2/19〜3/1
軍事もの。最初は読みにくくて頁が進まなかったけど『玉音放送』辺りから止まらなくなった。
戦時という魔物に翻弄された少年の話。
戦争を疑問に持つことすら許されないし、考える余地を与えさせないあの時代の息ぐるしさを感じました。
純粋で実直な性格ゆえの最後の決断なのでしょうか。
『十六歳の小さなこの身から戦争と軍人を抜き去りしならば何が残るでせう』534P

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

これも軍物。
陸軍幼年学校の生徒の話です。
ほのかにボーイズラブな香りもして、でも全体に流れるのは終戦間近の張りつめた空気。
折角助かった命を、それでも投げ出そうとするのは国のためですか。
それとも……?

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

あどけなかった少年が、一人前の将校生徒として、兵籍に身を置くものとして成長。玉音放送をきっかけに、ひたすらに信じてきたものが崩壊。どこかでわかってはいても、受け入れられない現実。苦悩の末に見出した答え。
読んでいて、胸が苦しくなりました。
若さゆえの苦悩、純粋すぎるゆえの悲劇かと。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

「帰らざる夏」は、三島由紀夫氏の割腹事件によって形をとり始めたということです。
戦争を正面から描いたという点で、「帰らざる夏」は三島由紀夫氏の文学よりも共感を覚えます。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

いい。
昔のこう・・・なんていうか、少年たちのさ!!
いいよね。少年。すごくいい。

陸軍幼年学校のはなし。
終戦間際くらいのはなし。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

――勝つことを信じることが、少年達の生きる意味。
現代人にはあるはずのない思想。だが少年達には強く強く信じていたものがあった。未来永劫、国家の勝利・・・それから愛した人。それを信じることが、生きることだった。
信じたものが、否定されたとき、あなたは怒るでしょう?それと同じなのだ。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

何となく入学した陸軍幼年学校生の軍人としての確立と、終焉。生徒間の人間関係や時代のうねりが圧迫感として迫ってきます。凛とした雰囲気。あれで良かったのだと思う。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

省治は百倍の難関を突破し陸軍幼年学校へ入学するが敗戦を迎える。聖戦を信じた心は引裂かれ、大混乱の只中義に殉じ自決することを決意する。


悲劇としか言い様のないストーリーです。15、6で死に急ぐ彼らが痛々しく、見ていられなかったです。敗戦後、源が亡霊だ、と言ったところが胸に痛かったです。

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2011年12月13日

Posted by ブクログ

戦争の只中、陸軍幼年学校という軍国主義に染まった場所で生きている少年達の、苦悩を思い知らされる一冊です。戦争の重く暗い話の中、少年達の笑顔のなんと輝かしいことか!

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2011年04月06日

Posted by ブクログ

文庫で1500円もした衝撃は忘れられません。内容は戦時に置ける行動と思想の崇高さがやはり異常で恐ろしい。案外怖く無さそうな死がそこにあってもっと怖い。BLだと思って読むと大変だ。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

戦時下の特異な青春の苦悩を鮮烈に描いた長編。谷崎潤一郎賞受賞。600ペ−ジにわたるまさに長編だったけど、続きが気になって一日で読めてしまった…。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

戦争を美化したり、正当化したり、そうじゃなくて、
本当に信じていた時代の、少年達の話です。
内容的に好き嫌い分かれるのだけれど、好きとか嫌いとかではなく、
個人の史実だと思って読んだ方がいい。
現代の価値観ではなく、過去の価値観を知ることは必要だと思う。
それが正しいとかどうかは別として、
価値観や常識や善悪など普遍ではないのだから。

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2009年10月04日

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