帰らざる夏

帰らざる夏

1,980円 (税込)

9pt

省治は、時代の要請や陸軍将校の従兄への憧れなどから100人に1人の難関を突破し陸軍幼年学校へ入学する。日々繰返される過酷な修練に耐え、皇国の不滅を信じ、鉄壁の軍国思想を培うが、敗戦。〈聖戦〉を信じた心は引裂かれ玉音放送を否定、大混乱の只中で〈義〉に殉じ自決。戦時下の特異な青春の苦悩を鮮烈に描いた力作長篇。谷崎潤一郎賞受賞。

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帰らざる夏 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    裏表紙のあらすじで実に潔くネタバレしてて、「え、ああ…えっ?」って二度見。
    主人公が最初っから抱かれたがっててヤバイ。

    1
    2015年04月05日

    Posted by ブクログ

    素晴らしいの一言。
    『フランドルの冬』でも感じだが、全体通し過度な修飾が無くとも音や色が入ってくる。作者の日本語の使い方に巧さと品があり非常に好み。
    国を想う少年達が熱くぶつかり合う描写で、敗戦時の天皇主義に正解などないと率直に感じた。
    当時の“稚児”という特殊な男色関係も、彼らの刹那的な生命におけ

    0
    2023年06月15日

    Posted by ブクログ

    大東亜戦争、幼年学校の独特の文化と規律、上級生や同輩との関係、戦時中の思想、死、玉砕、不滅の皇軍と神州、苦しくなる食糧事情、父母からの空襲のたより、疎開先の苦労。少し不器用で感受性豊かな省治が、他人のように無心に思想に入り込めず、逆に終戦で24時間前と真逆のことを出来ず言えない。彼らは彼らなりの論理

    0
    2022年04月24日

    Posted by ブクログ

    非常にリアルな、戦争の情景だけでなく幼い青年の心情の極めてリアルさが重苦しく、酩酊を覚える。難関の幼年学校に合格して教育を受け、生徒たちからも感化される。戦争を知らない世代に、当時を異常とは決して思わせないものがある。2.26事件をきちんと処理していれば太平洋戦争に避け得た、というのに興味。調べてみ

    0
    2014年01月18日

    Posted by ブクログ

    気になりはじめてから一年。ずっとずっとずっと読みたかった本。

    大きな書店を何件か廻ったものの、なかなか見つからなかったので結局自分が働いているお店で取り寄せ。
    大事に読む。

    0
    2012年01月12日

    Posted by ブクログ

    三島由紀夫の忘れ物。同性愛作品だと聞いて興味本意で読んだら返り討ちにされた重厚な作品。
    私は戦争が大嫌いだが、この作品が面白いと感じたのは国としての戦争を描いたからではなく、一個人の戦争体験記のように読めたから。
    玉音放送後の省治たちの様子は井の中の蛙、なんだか滑稽で本当に可哀相だった。自害は国を思

    0
    2009年10月08日

    Posted by ブクログ

    父親の手紙の文章の中で、
    桜の描写があるんですがそれが神!!忘れられません。すごい〜
    ちょっと同性っぽいのですが、それでも面白い。戦争もの。

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    2008/2/19〜3/1
    軍事もの。最初は読みにくくて頁が進まなかったけど『玉音放送』辺りから止まらなくなった。
    戦時という魔物に翻弄された少年の話。
    戦争を疑問に持つことすら許されないし、考える余地を与えさせないあの時代の息ぐるしさを感じました。
    純粋で実直な性格ゆえの最後の決断なのでしょうか。

    0
    2009年10月07日

    Posted by ブクログ

    これも軍物。
    陸軍幼年学校の生徒の話です。
    ほのかにボーイズラブな香りもして、でも全体に流れるのは終戦間近の張りつめた空気。
    折角助かった命を、それでも投げ出そうとするのは国のためですか。
    それとも……?

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    あどけなかった少年が、一人前の将校生徒として、兵籍に身を置くものとして成長。玉音放送をきっかけに、ひたすらに信じてきたものが崩壊。どこかでわかってはいても、受け入れられない現実。苦悩の末に見出した答え。
    読んでいて、胸が苦しくなりました。
    若さゆえの苦悩、純粋すぎるゆえの悲劇かと。

    0
    2009年10月04日

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