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省治は、時代の要請や陸軍将校の従兄への憧れなどから100人に1人の難関を突破し陸軍幼年学校へ入学する。日々繰返される過酷な修練に耐え、皇国の不滅を信じ、鉄壁の軍国思想を培うが、敗戦。〈聖戦〉を信じた心は引裂かれ玉音放送を否定、大混乱の只中で〈義〉に殉じ自決。戦時下の特異な青春の苦悩を鮮烈に描いた力作長篇。谷崎潤一郎賞受賞。
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Posted by ブクログ
裏表紙のあらすじで実に潔くネタバレしてて、「え、ああ…えっ?」って二度見。 主人公が最初っから抱かれたがっててヤバイ。
素晴らしいの一言。 『フランドルの冬』でも感じだが、全体通し過度な修飾が無くとも音や色が入ってくる。作者の日本語の使い方に巧さと品があり非常に好み。 国を想う少年達が熱くぶつかり合う描写で、敗戦時の天皇主義に正解などないと率直に感じた。 当時の“稚児”という特殊な男色関係も、彼らの刹那的な生命におけ...続きを読むる唯一の彩りだと感じ胸を衝かれた。 1人の少年が激烈な環境を生き抜いた果てに、終わりへと向かう姿に、言葉も無い。
大東亜戦争、幼年学校の独特の文化と規律、上級生や同輩との関係、戦時中の思想、死、玉砕、不滅の皇軍と神州、苦しくなる食糧事情、父母からの空襲のたより、疎開先の苦労。少し不器用で感受性豊かな省治が、他人のように無心に思想に入り込めず、逆に終戦で24時間前と真逆のことを出来ず言えない。彼らは彼らなりの論理...続きを読むで戦争と勝利を信じて疑わず、若くして死ぬことを受け入れていて、ひたすら異常な戦争思想の真っ只中に入った、若さと純粋さそしてそれを表す言葉の強さと美しさ、読んでいて戦争を肯定も擁護もできないけど、そういう教訓めいたことも考える余裕はなく、小説にどっぷりと浸かってしまった。死を是と信じ切る閉ざされた環境と、人間の本能的な生への欲求と、外の世界や風潮との差。下世話な話だけど、源と省治はどこまでの関係だったのかしら。 おれはみんなのように泣けない、悲憤慷慨もできない。おれはただいま、この一刻、何も考えることができない。全く何にも。まっさらの白紙、透明な風、見えぬ光。 「一天万乗の大君が臣下の霊に額衝き給うたのである。恐懼の極みである。それは英霊からみれば光栄の極みである。」「大御心の深き御悲嘆は察し奉るだに畏れ多き極みである。」「武人としてお前もよき死所を得るように祈ってゐる。」「その何百万かの死の一つに自分が連なること、陛下が自分の死を嘉したまうこと、それこそが自分のとりうる唯一の道だ。」
非常にリアルな、戦争の情景だけでなく幼い青年の心情の極めてリアルさが重苦しく、酩酊を覚える。難関の幼年学校に合格して教育を受け、生徒たちからも感化される。戦争を知らない世代に、当時を異常とは決して思わせないものがある。2.26事件をきちんと処理していれば太平洋戦争に避け得た、というのに興味。調べてみ...続きを読むたい。14.1.18
気になりはじめてから一年。ずっとずっとずっと読みたかった本。 大きな書店を何件か廻ったものの、なかなか見つからなかったので結局自分が働いているお店で取り寄せ。 大事に読む。
三島由紀夫の忘れ物。同性愛作品だと聞いて興味本意で読んだら返り討ちにされた重厚な作品。 私は戦争が大嫌いだが、この作品が面白いと感じたのは国としての戦争を描いたからではなく、一個人の戦争体験記のように読めたから。 玉音放送後の省治たちの様子は井の中の蛙、なんだか滑稽で本当に可哀相だった。自害は国を思...続きを読むってもあるし、自分の中の天皇像を守る事でもあるが、源との深い絆(むしろ愛)の結果だと思いたい。
父親の手紙の文章の中で、 桜の描写があるんですがそれが神!!忘れられません。すごい〜 ちょっと同性っぽいのですが、それでも面白い。戦争もの。
2008/2/19〜3/1 軍事もの。最初は読みにくくて頁が進まなかったけど『玉音放送』辺りから止まらなくなった。 戦時という魔物に翻弄された少年の話。 戦争を疑問に持つことすら許されないし、考える余地を与えさせないあの時代の息ぐるしさを感じました。 純粋で実直な性格ゆえの最後の決断なのでしょうか。...続きを読む 『十六歳の小さなこの身から戦争と軍人を抜き去りしならば何が残るでせう』534P
これも軍物。 陸軍幼年学校の生徒の話です。 ほのかにボーイズラブな香りもして、でも全体に流れるのは終戦間近の張りつめた空気。 折角助かった命を、それでも投げ出そうとするのは国のためですか。 それとも……?
あどけなかった少年が、一人前の将校生徒として、兵籍に身を置くものとして成長。玉音放送をきっかけに、ひたすらに信じてきたものが崩壊。どこかでわかってはいても、受け入れられない現実。苦悩の末に見出した答え。 読んでいて、胸が苦しくなりました。 若さゆえの苦悩、純粋すぎるゆえの悲劇かと。
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