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今更説明する必要がないほど有名な本。「歴史」と名付けられた本書は歴史書というより、当時のギリシア人が世界について聞きかじった内容をつれづれなるままに書き綴ったもので、全編にわたり「大いなる余談」として気楽に読める名著。節が短く記述が簡潔なので、通勤時の読書にもぴったり。
上巻では主にペルシア、エジプト、エチオピアについて触れられている。
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「歴史の父」と称されるヘロドトス(B.C.484-430)。世界史で「エジプトはナイルのたまもの」という言葉を習った記憶の方も多いだろう。「人間界の出来事が時の移ろうとともに忘れ去られ世の人に知られなくなるのを恐れて研究調査を書き述べる」という文章からこの名高い「歴史」は始まっている。彼はギリシア諸都市とペルシア帝国の大戦争「ペルシア戦争(B.C.492-449)」を後世に伝えるために筆を執ったとされる。彼はこの「歴史」で、「伝聞」の形を取りながらも、歴史のみならず風俗、地理宗教、農業、文化と実にさまざまな事柄について触れている。上巻(第一巻〜三巻)では主にアケメネス朝ペルシア帝国の興隆が描かれている。ヘロドトスが伝聞にせよギリシア側のみの研究や叙述ではなく、中立とも言える観点から実に詳しくペルシア帝国の成り立ちや内情について述べているのには感心させられた。ペルシアはメディアからの支配を脱し、小アジア、バビロンなど周辺諸国を次々に征服し、カンビュセスの時代にはエジプト遠征へと乗り出す。そこにあの有名な「ナイルのたまもの」という記述がでてくる。ヘロドトスはピラミッドの作り方、その目的エジプトの地理、宗教、歴史など実に詳しく叙述している。この「歴史」のおかげで我々はペルシア戦争について2500年後の現代において知ることができる。古代ギリシア、オリエント世界を知る上での第一級史料である事は間違いない。実にありがたく興味深いのだが…しかしヘロドトスの「歴史」が後世に与えた影響を無視することはできない。なぜなら彼の業績の集大成とも言える「歴史」を読んでいると歴史書と言うよりは…旧約聖書やギリシャ神話古事記などを読んだ時のような「トンデモ感」をどうしても感じてしまうからだ(^^)果たしてどこまで信頼したらよいものやら迷ってしまうぐらい荒唐無稽な話が続いたりする(笑)そのトンデモ感が楽しくて、やたらと出てくる人物名にちょっと辟易しながらもドンドン読み進める事ができるとも言えるのだが。彼が「歴史」においてピラミッドは「王の墓」だと書いたから、以来ずっとそう信じられてきた。しかし近年の研究において「王の墓」説には巨大な疑問符が投げかけられている。一個人が描いた「歴史」の嘘と真実。さて、どこまでを真実ととるか、トンデモ話と取るか…そこに歴史研究の面白さ、醍醐味があるのかもしれない。
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リュディア王クロイソスとそろんの会話。キュロスと戦えば帝国を滅ぼすとのデルフォイの信託。クロイソスの敗北。キュロスのイオニア地方制圧。マッサゲタイ遠征。キュロスの戦死。カンビュセス王のエジプト制圧。バビロニアの叛乱。カンビュセスの狂気。マゴス僧による帝国の簒奪。ダレイオスを含む7人の有力者によるマゴス僧の打倒。
1996年7月20日再読
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上巻ではアケメネス朝ペルシャのキュロス2世からダレイオス1世の頃までのペルシア、ギリシャ、シリア、エジプトについての歴史書。といっても今の歴史書とはかなり趣が異なっている上、専門用語もかなり多いので歴史が好きな人でもこれを初見で読み解くのはかなり難しいだろう。自分も今回の2週目でようやく輪郭が掴めてきた程度だ。
ただ内容としては非常に機知に富む。人間の心情や因果応報が描かれた教養的な部分も多く、現代の専門的な歴史書と比べるとこちらの方がとっつきやすいかもしれない。
参考書を脇に一冊置いて読むと太刀打ちできるかも。
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ずっと読みたいと思っていて、やっと読む機会ができた。
カタカナや、登場人物の多さに何度も何度も巻末の訳注や地図を確認して、なかなか内容に入り込むことができなかったが、徐々に慣れて物語に入っていくことができた。
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世界史に詳しくないので理解は遅いが、面白い本であることは間違いがない。エジプト、ギリシア、ペルシアの戦争や王の残酷な行い、女を女とも思わない、すぐに殺戮してしまうところは非人間的な感がする。これらがイスラム教徒のテロに繫がるのだろうか?しかし歴史が変わっても人間の考えることはあまり変わらないということが分かった。人の世の無常さ、歴史は繰り返される、永遠に栄える国はない、等は現代にも通じる。中巻が楽しみだ。
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歴史の父、ヘロドトス(紀元前484〜430年以降)が書いた歴史書。古代エジプトのミイラについて書かれていると聞いて電子書籍で読んだ。
古代エジプトに関するのは巻2(エウテルペの巻)。当時の風俗が事細かに書かれている。排尿の仕方から葬儀など、こういう書物がこんな時代にあったというのが感慨深い。
ミイラの制作過程について記した本は、大抵このヘロドトスの記述について言及している。
それだけ本家、最古の詳細な歴史書になるのかもしれない。
エジプトはナイルの賜、という有名な言葉もここにある。
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トロイの発見が有名だ。アカイメネス朝ペルシャの話。キュロス、カンピュセス、ダレイオス、クセルクセスまでの話。ダレイオスはアカイメネス家じゃないらしいぞ。王といっても結構不幸のように思える。私と比べればうんと幸福なのだが。
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上から見たなぞっただけの歴史の叙述ではなく、民衆の描写もあり、その描写も魅力的なのであるが、残念な事に、僕は世界史を取っていないため、基礎的な事柄がわかっていない。
なので、本書の世界に中々入りにくい。
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ヘロドトスの論理性は、魏の曹丕帝といい勝負です。
どちらも現状では分からないことを分からないとせずに、自分の常識に無理やり沿わせた形で判断します。
常識で考えればありえないので、そんな話は昔の人の妄想だと決めつけるみたいな。
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入院中に自宅の本棚から供給してもらった。何年か購入してあった著書だ。
紀元前5世紀頃に書かれたものだが、その時代にパピルスに書かれて残っていたこと(しかもこの文章の量だ)やしっかりした文章と著者の推量(正確さは別として)までがこのように残されていることに感心してしまった。
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上・中・下の三巻。あまりにも長いので、最初のほうは忘れているけれど、マラトンの戦いと、最後のクセルクセスの遠征はステキだった。特にマラトンの戦いは、戦場の景色が見えてくるような描写にくらくらした。