【感想・ネタバレ】日本史の謎は「地形」で解ける【文明・文化篇】のレビュー

『養老孟司氏、推薦! 荒俣宏氏、推薦!』 権威にまるきり弱い私。

「奈良⇒京都⇒江戸と遷都がなぜ行われたのか」
「なぜ頼朝は鎌倉に幕府を開いたのか」
「なぜ脆弱な土地の福岡が巨大都市となったか」
権力者のお気に入りだったとか心情的な理由によるものではなく、地形学の専門家である著者が、そっと極上の裏話を教えてくれます。物凄く、誰かに話したくなります。ただ女子にはそれほどウケません。

個人的には、16章「なぜ大阪には緑の空間が少ないか」に目から鱗。これまで非関西人から「大阪は緑が少ない」と言われても、ふるさと愛ムキ出しに否定してきましたが、いやいや非常に納得のいく理由が書いてありました。認めます。少ないです。ざっくり理由を言うと、誇り高き庶民の街だからなのですが、詳細は読んでからのお楽しみ。

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Posted by ブクログ

歴史を地形から読み解くアプローチ。
平城京→平安京→江戸と都が遷移した理由、産業革命以前の経済1、2位の超大国中国・インドが欧米に屈する中植民地にならなかった日本、見渡す限り砂漠しかない地で一神教が生まれ、絶えず自然が移ろう多神教の日本など。
高校の歴史では事象と人物しか学ばず、なんとなくモヤっとしていた事がスッキリしました。
著者の私見であって学術的な根拠はありませんが、新たな視点を示すそんな1冊です。

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2024年01月01日

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めちゃ面白かった。こういうの好き。

当たり前だと思っていた日本での日常は、当然だけど昔の人たちの苦労や犠牲のうえに成り立っていて、世界一のインフラを作った経緯も奇跡的だし、この人がいなかったら今頃は...と思わずにはいられません。
それにしても徳川家康ってすごく洞察力があって、戦略を立てるのがうまかったんだなと感心しきりでした。家康の鷹狩は「地形調査」って、カッコ良すぎる。
他のシリーズも読みたいです。

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2023年12月25日

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土地・気候の”事実”から紐解く あのとき の話。

愛情が溢れて読んでいて心地よい。

「西郷隆盛の像は、彰義隊を遮ってはいなかった。樺山資紀という人は心から西郷を愛していたのだ。
西郷像の前でそれを理解したとき、ほっとして目が滲んでしまった。」

のくだりは、私も電車内にも関わらず涙が溢れそうになった。

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2019年03月10日

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かなりおもしろい。地形という視点で歴史を見る。同じ様な応用がありえるかも、健康という視点で歴史を見る・・・とか。輸血、種痘、HIVさまざまな出来事が歴史を変えていくともいえる。

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2018年10月13日

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ダム・河川のキャリア官僚が、気象・地形から学び・ヒントを得た文明の構造モデルから歴史の常識を見直す作業。
客観的事実を抑え、著者の感性で磨き上げた文化・文明感・物差しでの「竹村公太郎」節。
読んでいて、納得することばかりです。
17章・18章のピラミッド建設の謎、ナイル川西岸に建設された訳、そして、最後残った3つのピラミッドの謎。
6000年前から始まった海水面の降下が原因だった。
この本を読破し、養老孟司さんとの対話「本質を見抜く力」に移行していますが、これまた、お二人の痛快なお話。
すっと読めてしまいそうです(笑)。

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2016年02月26日

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地形で読み解く日本史第二部。前作と違って石田光成みたいなつまらない誤字がなく、前作と同様面白いのでグイグイ引き込まれた。
彼の説が正しいかどうかは置いといて。地理や気象といった下部構造が文化等の上部構造を決定づけるってのは納得。日本人の小さな物を好む文化や勤勉な性向があること、日本将棋の発展など。他にも横浜の水道や石狩川の整備、江戸から東京まで地方の支えがあっての発展だったこと、木がエネルギーだったために山が荒れ果てたころ黒船がきて石炭にエネルギーが切り替わった話。海外にも飛んでナイル西岸のピラミッド群はナイルをリビアの砂漠で消滅させないためで、ギザのピラミッドは耕作する人々の灯台だったという説などなど。

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2015年03月02日

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田町と品川の間にある背の低ーいトンネル は、東京〜横浜間を初めて駆け抜けた蒸気機関車が武家屋敷街を抜けられなかったから出来た、といったローカルネタから、東京が首都になったのは何故かというマクロなものまで。

元・国土交通省および同河川局長による一 冊。挙句の果てに、ピラミットはなぜナイル河の西側のみに群立しているのかにも迫っちゃいます。

人が造作を加えるのには、机上にあって決してわからない実際的な理由が必ずある。 石狩川はなぜ執拗に真っ直ぐする必要があったのか! はっきりいってメチャクチャ面白いです。 他に2シリーズがあるそうで、必ず読むと思う。

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2014年11月25日

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今年一番興奮したノンフィクション。
こんなにも美しく鮮やかに証明していくなんて!
ははぁ〜!と思わず声が出てしまう。
今までと違った視点からの考察でピッタリはまってしまうパズルの美しさに、読んでる誰もがうっとりするはず。

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2014年08月09日

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荒俣宏氏、驚嘆! 「地形で読み解けば、全地球の文明・文化が理解できる。第2弾は古代エジプトの謎まで!」

養老孟司氏、激賞! 「なぜ日本は世界一の長寿国になれたか──。その問いを解く鍵が『大正10年』にあったとは!」

河川行政に長年携わり、日本全国の「地形」と「気象」を熟知する著者が、人文社会分野の専門家にはない独自の視点(=インフラからの視点)で、日本の歴史・文明・文化の様々な謎を解き明かす。

◎なぜ江戸は世界最大の都市になれたか
◎なぜ家康は「利根川」を東に曲げたか
◎なぜ日本は欧米列国の植民地にならなかったか
◎「小型化」が日本人の得意技になったのはなぜか
◎日本将棋はなぜ「持駒」を使えるようになったか
◎日本人の平均寿命をV字回復させた意外な人物とは?

「地形」を見直すと、まったく新しい日本史・日本文化が見えてくる! ベストセラーとなった前作『日本史の謎は「地形」で解ける』同様、定説がひっくり返る知的興奮と、ミステリーの謎解きのような快感を同時に味わえる1冊。

古代エジプトのピラミッド建設の謎に挑んだ「番外編(第17章・18章)」も必読。

文庫オリジナル。

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2014年06月18日

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歴史の学問には正解はありますが、タイムマシンで確かめることが出来ないので、答えが正解か否かはわかりません。
筆者は歴史学者ではなく、理系の土木建築の専門家、建設省出身者としての特性から独自の史観を展開していますが、非常に興味深いです。特に維新後の開国直後に列強の植民地にならなかった理由を当時頻発した大地震にあるとしていたことや、エジプトのピラミッドが造られた理由など、今までとは違う角度から考えることが出来て良かったです。

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2014年04月02日

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 日本史の謎は「地形」で解けるシリーズの4冊目を読みました。これでこのシリーズは全部読んだことになります。さすが4冊目になると他と重複している図が出てきます。
たぶん書いていて同じ話がまた出てきてしまうのだと思います。
 そう言えば、「逆説の日本史」の井沢元彦氏の本も何度も同じ話が出てきますが、自説が確固たる信念に基づいているからこそなのだろうと思います。
 なぜ日本は欧米列強の植民地にならなかったのか?となぜ江戸は世界最大に都市になれたのか?は面白かったです。

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2024年01月05日

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地形から歴史を読むアプローチが新しくて面白い。歴史とその時代の文化に精通してこそ生まれる発想に感心。時間軸を長く持ち海面変化を考慮した考察には当たり前を疑う姿勢の大事さに気付かされた。
ピラミッドは堤防を築くためだった話は面白かった。

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2023年03月30日

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歴史の色々な謎に対して、地形を切り口になぜそのようになったかを解明していく。

雑学、うんちくを得るのにも盛りだくさんの本。
ただし、この本は雑学、うんちくを盛り込んだだけの本ではない。
作者の視点の鋭さ、豊富な知識の組み合わせによる立体的な考察に面白さがある。

解明する謎は、通常皆が当たり前と思っていることで、でも、実は不思議なことだよね?と思うことを扱っている。

たとえば「横浜はなぜ近代国家の表玄関になれたか」など、横浜=大きいが当然の感覚になっているが、そもそも開港前の横浜村は100人の住民の弱小村で、開港ともに人口が増え大きな都市になった。これはどのようになったか?というようなテーマ設定だ。

テーマ設定だけでもトリビア的知識が次々にでてきて、「へぇ」を何度もつぶやくことに。

そのテーマに関して地形を切り口に解明をするのだが、色々な専門家の知人の発言などから、筆者がひらめきを得るところが名探偵のようで、わくわくする。

筆者の竹村さんが好奇心を持ち、楽しみながら謎を解いていることが伝わってきて、仲の良い友達の楽しい話を聞いているような感覚で、引き込まれる。

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2017年10月07日

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作者の考え方が合っているかどうかはともかく、独創的な視点から説得力のある解決策を導くのはおみごとといった感じ。特に水の塩素消毒により子供の生存率が飛躍的に上がったというのはなるほどと思った。あと、ピラミッドのは面白かった。何事も、仮説&検証。まずは材料となる知識を集めねば。。。

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2017年02月27日

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著者は建設省で主にダム・河川事業を担当した方。インフラが地形や気象に立脚し、文明を支えているという視点で論じているのが面白い。

後藤新平は岩手県水沢市に生まれ、自費でドイツに留学してコッホ研究所で博士号を取得した。台湾総督府民政長官、満鉄初代総裁、逓信大臣、内務大臣、外務大臣を務めた後、東京市長に就任し、シベリア出兵時に毒ガスとして開発された液体塩素を転用して、大正10年に水道水の塩素殺菌を始めた。これを機に、国内の乳児死亡率が劇的に減少し、平均寿命が改善することになった。後藤は大正12年に関東大震災後に帝都復興院総裁となり、東京復興計画を立案して政府に提出した。

銚子沖では黒潮と親潮がぶつかって太平洋に向かう潮流があるため、房総半島の西岸には関西からの船が上陸する港が連なっていた。家康が利根川を東遷したのは、鬼怒川と利根川の間の関宿を塞ぎ、仮想的だった伊達政宗から上総を守るためだったと考えられる。利根川の流れを銚子に変更した後も拡張工事が続けられたのは、洪水防止と乾田化だった。

1597年に家康が小泉次大夫に多摩川両岸の用水路の建設を命じて作られたのが、二ヶ領用水と六郷用水(次大夫堀、1945年廃止)。

幕末の開港後に東海・南海地震、安政江戸地震とその余震が続いたこと、山がちの地形が欧米の植民地になることからまぬかれた。石狩川の流路を直線化して川底を洗堀させることによって、石狩平野の泥炭層の水を抜き、農地に転換することができた。日本には馬車や牛車がなく、荷物を自分で背負わなければならなかったため、物を小型化することが得意になった。

エジプトのピラミッドはナイル川の西岸だけにあり、山岳地帯が連続している東岸にはない。西岸に広がるリビア砂漠に水が流れ消えることを防ぐため、洪水の流速を低下させて運ばれてきた土砂を沈降させるための「からみ」だった(からみは筑後川河口の有明海の干拓でも用いられた)。ギザの3大ピラミッドは、当時のナイルデルタ河口の台地に位置しており、正四角錘で表面には大理石が張られていたことから、灯台としての役割を果たしていた。

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2018年10月31日

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土木の観点から見た日本史トリビア的読み物
割と牽強付会な部分もありはしたが、それなりに楽しめる読物になっている。

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2015年08月16日

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シリーズ2作目
前作同様、これまでの歴史の常識とは違う視点からの考察は、非常に興味深いものです。
3作目も期待しています。

<目次>
なぜ日本は欧米列国の植民地にならなかったか 1―地形と気象からの視点
なぜ日本は欧米列国の植民地にならなかったか 2―「海の中」を走った日本初の鉄道
日本人の平均寿命をV字回復させたのは誰か―命の水道水と大正10年の謎
なぜ家康は「利根川」を東に曲げたか―もう1つの仮説
なぜ江戸は世界最大の都市になれたか 1―「地方」が支えた発展
なぜ江戸は世界最大の都市になれたか 2―エネルギーを喰う大都市
なぜ江戸は世界最大の都市になれたか 3―広重の『東海道五十三次』の謎
貧しい横浜村がなぜ、近代日本の表玄関になれたか―家康が用意した近代
「弥生時代」のない北海道でいかにして稲作が可能になったか―自由の大地が未来の日本を救う
上野の西郷隆盛像はなぜ「あの場所」に建てられたか―樺山資紀の思い〔ほか〕

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2015年05月09日

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地形と気象の観点から日本史の謎や文化を考察した本で、なかなか面白かったです。「日本史の謎」と言っておきながら、最終的にピラミッド建造の謎に挑んじゃうあたりが特にいいです(笑)しかもすごく説得力あってびっくり! 

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2015年07月06日

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「なぜ日本の国旗は太陽の図柄なのか」「ピラミッドはなぜ建設されたか」が特に興味深かった。
国民性だと思っていたのは地形によるものだと分かり腑に落ちた。

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2014年10月16日

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日本史の謎は地形で解ける第二弾。地形や気象、災害列島日本だからこそ植民地にならなかった。利根川の流路を東の銚子に向けることによって天然の要塞として関東平野を守った。上野の西郷隆盛の像はなぜあの場所に建てられたか?大正10年の上水道の塩素消毒の話などはなるほどと興味深く読んだ。日本人は小さいものを愛おしみこだわる縮み志向にあるのは参勤交代のせい?などはちょっとこじつけ感があるが楽しかった。番外編のピラミッドが灯台という話もおもしろかった。

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2014年09月06日

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シリーズ2冊目ですが、期待を裏切らない知的冒険!
題材がまたいろいろ節操なくていいです。たしかに一度は「?」と思った事のある事象がとりあげられ、その殆どが地形・気候で語られる(そして傍証に広重)というのは非常に新鮮。
そして最後にピラミッドの謎!いやあ、がつんときましたです。

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2014年08月07日

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この本、勉強になるわー。
疑問の切り口がおもしろいのと、その意識を作者が常に自分の中に持ってるからなんだろうな。

〝なぜ江戸は世界最大の都市になれたか〟では、徳川家康が江戸を拠点とした理由をエネルギーの問題から掘り下げている。木がエネルギーであったんだ。
いまも昔もエネルギー問題っていうのはあったんだな。

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2014年05月17日

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会社の先輩に薦められて読んでみた。
『日本史の謎は「地形」で解ける』の続編。
建設省出身の著者が独特の切り口で考察していく様子はいい意味で裏切られた。一章、一章が程よい文量で読みやすい。
第3章 日本人の平均寿命をV字回復させたのは誰か
第9章 「弥生時代」のない北海道でいかにして稲作が可能になった

特にお勧め!

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2014年04月23日

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人間は単純で、歴史の原因は、地形とか気候とか、にあるんだろうな。と思わされた。なかなか面白い作品。
日本を考えた時、自然の脅威が根底にあるのだろうな。

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2014年04月12日

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 全18章で、章ごとに異なるテーマを扱っており、当たり外れはある。それでもいくつかの指摘や発見は、飛び切り面白い。日本の平均寿命が飛躍的伸びた理由が、水道水の普及だけではなかったこと。江戸前後のエネルギー政策。そして白眉は、エジプトでピラミッドを建設しなければいけなかった物理的理由。この建設理由はまだ証拠固めが必要だが、是非、吉村教授のコメントを聞きたいものである。

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2014年06月08日

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地形というか、地理という科目の存在意義を理解出来る。地理と歴史が同じ「社会」という科目に入っているのには理由がある

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2023年12月17日

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著者は学者かなんかで、歴史を地形から読み解くのかと思いきや、土木関係の専門家なのですね。地形と言うよりも、地名の方からのアプローチが多いので、雑学好きには楽しめる。一つ一つの項目が短いので、スキマ時間に軽く読むにはいいが、言い切っているわりに結論に至らない項目が多く、中途半端な印象ばかりが残った。

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2015年06月30日

Posted by ブクログ

「日本史の謎」海外の謎にまで発展しています。
江戸時代のエネルギーとしての木の消費やエジプトのピラミッドの話とか面白いです。
ピラミッド建設の目的・理由の仮説は不覚にも「お、おう、そういうのがあるのか」と思わされてしまった…。

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2015年02月22日

Posted by ブクログ

○「地形」シリーズの竹村氏の作品。第3弾。
○文明や文化に視点を当てたもの。
○今までの作品に比べ、ややわかりにくく、情緒的な印象があった。少し残念。

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2015年01月04日

Posted by ブクログ

少し前に読んだ、「日本史の謎は地形で解ける」の第2弾
第1弾と同様に、地形・気候・地理によって歴史が
動くという論調のもの。第1弾は新鮮で面白かったが
第2弾は少しくどいかなと。
歴史の謎や原因が地形・気候にあるのは、一理あると
は思いますが。それだけではないような。

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2014年04月10日

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