【感想・ネタバレ】片耳うさぎのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

家系構成やお屋敷の間取りを確かめつつ読み進める前半はなかなか進まなかったけど後半はクライマックスにむけて一気に読み切ってしまいました。全編にわたるちょっと古いモノに対する畏怖の雰囲気がここちよい一冊でした :)

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2014年07月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 父の事業が失敗し,父の実家に居候することになった小学六年生の奈都。父の実家は,「蔵波邸」と言われ,田舎では随一の大屋敷。奈都の父は,職探しのために実家にはいない。母親も,母方の祖母の具合が悪くなり,蔵波邸を離れてしまい,週末まで戻らないという。
 奈都が蔵波邸で寂しい思いをしないように,友人の「ねえちゃん」である「さゆりさん」が週末まで一緒に過ごすことになった。
 田舎が舞台であり,謎のおばあさんである「みやさん」が登場したり,蔵波家に不幸をもたらすという「うさぎ」の伝説があったり,うさぎについての童謡が存在したり,子供が主人公であるにもかかわらず,古き良き時代の日本の本格ミステリである横溝正史っぽさを演出している。
 しかし,ストーリーがあまり頭に入ってこない。家族構成がややこしいのも原因だが,結局のところ,蔵波邸でどのような問題が起こっているのかが分かりにくい。火曜日の夜に,奈都とさゆりが屋根裏に忍び込み,屋根裏で謎の人物と鉢合わせになる。この謎の人物が誰かを捜査するという話があるが,この話に併せ,蔵波家に誰かが入り込み,悪さをしようとしていると,謎の老婆,みやさんが言ってくる。この部分が,あまりピンとこない。なぜか,大叔母である雪子がジャージ姿で探しものをしていたりするのだが…。
 真相は,蔵波家に選挙で敵に回ってほしくない陣営が,過去の蔵波家のスキャンダルとなる手紙を探しており,蔵波家の人々も手紙を探していたというもの。その手紙は,奈都が昔,屋敷で手に入れたうさぎのぬいぐるみの中に隠されており,蔵波家の長男と八重子さんが結婚するのを恨んだ蔵波家の当時の次男である潔が当時の蔵波家の長男達を殺害したという告白が書かれた手紙だったという。ところが,真相は,潔は殺人をしたというよりは,見て見ぬふりをしていた程度と無理やりいい話にもっていき,奈都と一緒に過ごしていた一基といういとこは偽物
 さゆりさんは,実は八重子さんのひ孫だったという展開。意外性を突こうとしたのかもしれないが,あまり伏線が生かされておらず,まとまりがない話という印象になってしまった。
 大崎梢らしく,奈都,さゆりをはじめとしたキャラクターはそこそこ魅力的なので,もう少し話全体をうまくまとめればなかなかの秀作になっていたと思うのだが…。
★3かな。

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2017年01月01日

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