【感想・ネタバレ】超マクロ展望 世界経済の真実のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年02月20日

市場は国家の存在なくしてはその枠組みを持ちえないという前提のもと、経済覇権国の利子率の推移を下に現在は歴史的な大転換の位置にあるという議論。
これまでの歴史的な流れにおいては、実体経済で隆盛を極めたのち経済体系が金融化する、ことを指摘しリーマンショックはその終わりを意味するものとしている。
しかしい...続きを読むぜんであれば、陸から海、海から空へと領域を拡げていくことで成長してきたが、今回は違うかもしれない。これが意味することは、歴史上はじめて生産国と資本蓄積の場の分離が起こっていることであり、国家と資本の分離である。つまり、今後は中国が以前のアメリカのようになるのではなく、相変わらずアメリカが資本をマネジメントの場であるかも。

また資源の高騰により先進国の交易条件が悪化してきていることを指摘しつつ、今後、中国やインドが現在の先進国並みに成長するとどうなるかという話など。

他にも資本主義社会の定員、アメリカのドル、日本のバブルなどについて述べ、今後は規制というものを付加価値に変換できるようなルール作りをしていくべきで、インフレで景気が回復するとは思わないほうがよいとしている。

この点、注目。
それにしてもイタリアのジェノヴァの利子率とかほんまかいなとw

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年12月29日

・多くの経済学者やエコノミスト達は取り扱うべき経済現象をモデル化可能な範囲に限定し、その枠組みのなかで理論の完成度やモデルの精緻化を競っている。しかし、今やその枠組みそのものが崩壊しつつあるのではないか。水野さんのまなざしはその枠組みの外に注がれているのである。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年02月19日

すごく為になった一冊。経済の行く末を『国家』という枠組みも取り入れて、現在の世界情勢、日本の立場を書いています。今までは市場が拡大することを前提に、経済が回ってきた。しかし世界的飽和状態で低成長のだから資本主義は崩壊していくと言うもの。歴史から見た世界主権の移り変わりも勉強になった。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年01月04日

約1ヶ月前に読んだばかりですが再読しました。
資本主義の歴史を、軍事力や空間革命に裏打ちされたヘゲモニー(覇権)の推移を交えて解説されていて、読み応え有り。その中でも交易条件の悪化等が実物経済の利潤率低下を招き、そして金融経済化するといった流れはとてもわかりやすい。
また、個人的に日本について今後は...続きを読むそんなに大きく経済成長できなくてもよいのではと感じていたが、低成長を前提として政策を立案すべきとあり同感。”これからは低成長です。だから社会保障を大幅に見直します。”と宣言してくれる議員さんはいませんか?

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年03月08日

日本の書き手としては珍しく、歴史的視野で経済を見る水野と、政治哲学の立場から発言する萱野による時宜を得た対談。
現在もっとも求められているのは本書のように「絶望を煽ることなく、希望のない状況を語る」ことだと思う。国全体を動かすような成長や活力が幻であることは、誰もが薄々感じていることだから、冷静に語...続きを読むりかけられればパニックにはならないのに、どうしたことか巷に溢れるのは超楽観か絶望あるいはスパルタ式の叱咤激励本しかない。
いや、そもそも国なんてものに縛られている必要はない、という議論もあるが、資本主義が常に市場経済の「外部」を必要としたという本書前半の対話、特に今般の危機に際して最後の貸し手として国家が必要とされた事実の前には沈黙せざるを得ないのだ。
中身は十分刺激的であるので、単純すぎる表題をもう少し捻ったものにすればよかったのではないか?(集英社新書がいまひとつ新書ブームに乗り切れていない理由がそこにある気がする)

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年06月28日

1970年代前半から先進国では交易条件が悪化し資本利潤率が低下してきている。高度経済成長が止まり、資本投下によるリターンも得られなくなる。実物経済から金融経済へと舵を切るも2008年の金融危機は金融経済化の方向も息詰まらせることに。定員15%の近代資本主義が新興国の隆盛によりバランスが崩れ、今、世界...続きを読むの資本主義の構造が大きな転換期にさしかかっている。現在のデフレは一時的な不況などではなく構造的なものであり、金融施策で克服できるようなものでは決してない。今こそ低成長時代の制度設計の立て直しをと著者は訴える。このほかバブルのしくみ。イラク戦争の真相。ヘゲモニー移転など興味深い内容が次から次へと繰り出される。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年07月02日

随所に論旨のつながりが追いきれない箇所あり。著者の水準についていけぬ私の未熟のせいか?

超マクロ展望世界経済の真実
■資源価格の高騰
先進国の交易条件の悪化、途上国の改善。
グローバル化以降、新興国向けの貿易が増加。ゆえに価格転化できず。
先進国は売上が増えども、原材料費が増加。固定費つまり人件費...続きを読むを削減するしかなし。
原油価格が高騰。日本は一時期は省エネ技術で原油高を克服。交易条件を改善できた。
しかし、欧米は技術革新できず。
■金融経済の肥大化
代わりに金融経済による利潤の極大化を目指す。
■石油の金融商品化
イラク戦争の真の理由
フセインが石油売上代金の受取通貨をドルからユーロに変えようとしたことをつぶすため。
■軍事力の行使目的
領土支配から経済システム維持、支配のために変質。
ドル基軸通貨体制に基づいた金融帝国化

資本主義の歴史とヘゲモニーの行方
利潤率、利子率の推移
覇権国の利潤率が上がる。やがて低下。実物経済から金融経済への転換で利潤率を維持、拡大。
ジェノバ→オランダ→イギリス→アメリカ

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年03月11日

「人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか」でファンになった水野氏と政治哲学者?の萱野氏による対談形式。基本的には上記水野著書にあった、過去の超長期的トレンドに基づいて現代の経済・金融動向を説明する、という内容。萱野氏が加わることによって国家間の覇権の遷移など政治と経済の関係がより充実しているが、...続きを読むその分上記水野著書にあったような統計情報に基づいた説明というのが希薄になってしまっている。ちょっと週刊誌の対談的になってしまい残念。  それにしても、毎度のことながらこの煽りタイトルはやめてほしい。こうしないと売れないのか?

0

「ビジネス・経済」ランキング