感情タグBEST3
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ベルトコンベアーの上で誰もが踊っている、これが近代、英雄不在。しかし、問題はこの世界に何の爪痕も残せないという惰性的な虚しさを感じていることである。しかし、もし世界が変えられないなら、返ることの出来るものがある。それは自分自身である。自分というミクロ宇宙。こういう時に我々は自分自身を宇宙として、猛烈に彩られなければならない。たとえ自分自身がささやかでも生きる喜びは世界をおおう。そのためには、自分を、瞬間瞬間に分断し、切り捨てていくことだ。その切り口から彩りが生まれる。今日もし多くの人が誠実に、勇気をもって、そして平気で、己を変えていったのならば、絶望的と言われた世界の状況、非人間的なシステムも変え得ると思う。ところで、自分を切断し、変えるとは、言いかえれば、瞬間瞬間に自分を殺すことと言ってもいい。殺して、再生する。ちょうど季節の周期が、春夏秋冬と終結しながら再生するように、人間個個も、日に日に新しく生まれ変わるのだ。昨日の己にこだわることなく、あしたの不安におびえず、現在にこそ新鮮に輝く。
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今一番の愛読書。自分の心の中でいやったらしい考えが浮かんだ時に読んだら目が覚める。彼のような生き方をすることは、確かにこの現代社会では困難だ。しかし、この本を読むか読まないかで、人としての根っこの部分はかなり変わってくるだろう。
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生きること。人間であること。突き詰めると衝突や憤りを随所に感じるべき活動であると思う。
その衝突や憤りを乗り越えるからこそ、乗り越えるときに莫大なエネルギーが生まれ、美しい。
形式主義的、権威主義的な現代の無個性を痛烈に批判し、本能を目覚めさせる一冊。
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人間岡本太郎の逆鱗。
書店を散歩している時
なんか睨まれてるなァ。
と思ったらこの本でした。笑
しかしながら、
「怒らないことは堕落だ」
という帯の一言に激しく
揺さぶられ即購入。
こんなに勢いのある文体も珍しく
一語一句に岡本太郎の命そのものを
感じました。
怒らないことは美徳でも
なんでもなく堕落だと
言い放ってしまえる強さが
凄まじいですね。
久しぶりに読んでいて身震い
するタイプの一冊でした。
特に結婚披露宴に対する近年の
異常な感覚には以前から疑問を
感じていたので、激しく共感。
自分の在り方に自身を持てる
タイプの一冊でした。
もちろん一般的にはほとんど
共感など得ないでしょうけど。
読むのにかかった時間:3時間
こんな方にオススメ:人間らしく生きたい人
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養老さんが唯脳論や自然について話すけれど、
この岡本太郎という人はまさにその自然だなあと思った。
いままで岡本太郎という人に凄く奇抜な印象をもっていたけれど、
この本をよんで、それだけの人じゃないことを知った。
岡本太郎さんがとても好きになりました。
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岡本太郎の本は、学生の頃、「強く生きる言葉」を読んで感動しました。今また外国に住んだあと、この本を読むと、言いたいことがすごくわかる。
自分の中にあったことが言葉でちゃんと表現されていて、力をもらえる本。
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この本を読んで、多くのことにはっとさせられる。
いろいろな物事に対して、まっすぐに、開けっぴろげに自分の考えを述べていく。時には強烈な言葉で。
ただ、それは芸術家の極端な思想などではなく、私には妙に腑に落ちた。
岡本太郎は『法律、常識、風俗、しきたり。人間世界は譲歩しなければならない約束事ばかりだ。それは誰でもがまもる。しかしそんなもの、永遠の眼から見れば非本質的であり、皮相なアクシデントだ。』という。
今の世の中、岡本太郎が言うように、自分の感じたことをストレートに表現し、誰とも馴れ合わず、不合理とぶつかり合っていくと非常に生きにくい。
少なくとも私には無理だ。
ただ、いろいろなものごとに接するにあたり、「本質的に大事なことはなにか」を意識していきたいと感じた。
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岡本太郎のことばをテーマごとにツギハギしたような本。
小テーマごとにまとめられているような内容だったので、途中で話が終わっているような印象をうけた。
そのために、ちょっと物足りない。
引用元の本を読むしかないのかな。
読んでいるうちに、岡本太郎の教養の深さや知性の高さが垣間見えた気がしました。
知識教養を武器にしていないから、話を聞いていてとても素直になれる。
私自身は、小学校からずっと、教師という人の在り方に疑問をもっていました。
褒められているのに、裏になにかあるような感じがして、素直になれなかった。
もちろん、うれしかったんだけど、作られたような感じがして、どうしても学校という環境に馴染めなかった。
大人になってみると、そう感じた自分がひねくれていただけなんだと気付いたのですが・・・。
ひねくれた自分でもいいのかなと思えて嬉しかったですね。
今の日本人って、昔に比べて小さくなってしまったと思う。
インターネットで世界中の人たちとつながれるようになった。
でも、結果的に世界が狭くなってしまっているような・・・。
傍観者として生きようとする人が増えてしまったんじゃないかなあって。
岡本さんの現代人への眼は確かだと思います。
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命懸けで生きる…!こんな生き方があるんか…。
岡本さんが作った、久国寺の鐘の音を聞いてみたいです。「これはこうあるべき」って形を打ち崩す勇気。岡本さんはもちろん、鐘を頼んだお坊さんもその勇気を持っていたんだなぁ。
当たり前を疑え!
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メモ
p22 しかし、誰でも、もう一度、無心に空をふりあおいで見るといい。その色は、かつて見た「青」ではないのだ。生まれてきて、いまはじめて発見する輝き。ひろさ。はじめてぶつかる、一回限りの。すると、ああ空が青かった、ということに驚く。
P51 代用の生き甲斐にうつつをぬかして、自分をごまかしてしまうのは空しい。なま身をぶち込み、賭けるのが、人生レースの本当のルールなのだ。
P87 若い人たちにいいたい。ただのなまぬるいサラリーマンになることは容易だ。しかし、そこでは、ほんとうの自分をごまかして、画一化するよりほかはないのだ。それよりも、自分の目、手だけでふれる、だからこそ危険な、道をきりひらいてゆくべきだ。決して遅くはない。あきらめて、投げてしまってはならない。あえて敗れることを決意して、危険な道を選ぶのだ。それによって、さらに大きな、輝かしい人間を形成していくのである。
p176 「死の本能」が私の全人間の底で、強烈に引っ張るからこそ、生命の歓喜が燃え上がるのだ。
p178 危険をおかすこと、「死」に賭けることが逆に生きがいとなって生命がひらいて行くのである。
p183 こういうときにこそわれわれは自分自身を宇宙として、猛烈に彩らなければならない。たとえ自分の存在はささやかであっても、生きる喜びは宇宙をおおう。人間は即宇宙、対宇宙としてこそ生まれてきたのだ。
●自分の本能のままに生きる。それが岡本太郎という人物なのだろう。岡本太郎美術館に行ってみたくなりました。
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1998年刊行の底本は読んでいませんでしたので、タイトル即買いです。
岡本太郎が逝去して随分たつ今、なぜこの本があらためて出版されたのでしょうか。
政治や社会に対して、怒るべきときだ、という示唆なのでしょう。
「おおらかで激しい心」というフレーズが心に残ります。一行でも、いいことが書いてあればそれは大切な本ですが、この本は全域にわたってずっしりと。僕は割りと怒っている方だと思ったけれど、怒り方が足りないし、美しくなかったな、と反省です。自然に美しく怒れるよう精進しましょう。
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沖縄の本土復帰に関して。「一晩中、立ち往生したっていいじゃないか。車が進まなかったら、歩いて。沖縄の民衆の人波にもまれたらさらによかった。そうしたら、どのくらいお互いに救われたろう」というのが、心に残った。
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岡本太郎さんの本を読むのはこれが二回目。
内容は『自分の中に毒を持て』と似ているように感じた
現代社会と現代日本人の生き方に喝を入れるような内容になっている
この本を読んで思ったのは岡本太郎さんは芸術家としてだけでなく、博学で、社会を見つめる“人”としてもスゴイ力を持っていると感じた。
岡本太郎さんが職業(肩書きだったかな)は何ですか?と質問されて「人間です」と答えていて、私ははっきりと「人間です」と言えるほど日々を考えて、真剣に向き合っているのかと考えてしまった。