【感想・ネタバレ】若者はなぜ3年で辞めるのか?~年功序列が奪う日本の未来~のレビュー

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Posted by ブクログ


最近の若者は、、、という言葉で片付けるのではなく、そのバックグラウンドにある背景を客観的に分析できていると感じます。私自身が若者ですので、名著と呼べる本でした。

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2022年12月24日

Posted by ブクログ

すごい!
この本はすごい!とてもためになった。

〜以下、◇○本より抜粋、●・コメント〜

◇p.49:人事制度の違い
○「職務給(しょくむきゅう)」:
担当する職務内容によって給料が決まる
○「職能給(しょくのうきゅう)」:
勤続年数を軸に給与が決まる
●自分は、どちらかなぁ。
半分半分かもなぁ、


◇p.53:IT系日本企業の中途採用にくる30代後半以上のコンサルタント
「優秀なんだけど、即戦力じゃないから」
断る
●あぁ、たしかに実務の話が通じないマネージャはいらないな。。
(これは、でも反対に考えたときにキビシイ現実)

◇p.93:派遣社員ほど使える存在はない
●1999年の労働者派遣労働法の改正
2002年の改正で生産業でも受け入れが認められて
はじまった大ブーム。

◇p.101:派遣労働者が増えたワケ
○経営者 「若い人間は必要だ」
○労働組合「でも、リストラや賃下げは認められない」
労使共に50歳以上に限定
ツケをを受けるのは、若者。
●ひどい!
これが、若者の正社員数激減の原因だな!

◇p.135:年功序列制度が柱である以上、人材の価値は年齢で
決まってしまう。そのため、派遣社員、フリーター
では、職歴として評価されない
●極端に言うとそうかも。

◇p.157:「大丈夫、今はきついけど、将来は楽になるから」
と騙してコキ使い、人生の折り返し地点を過ぎたあたりで
「あぁ、自分は騙されたのか」と思い知らせるようなシステム
は一度ぶち壊してしまったほうがマシであろう
●ここに筆者の主張が強く出てると思った。
日本の年功序列の人事制度がもたらす制度の不備
でも、だからといって「完全能力制」がいいのか?

◇p.166:日本の高校生が将来なりたい職業は何だろう
1999年青年研究所調査
第一位:公務員
第二位:教師
→半数が公務員
●日本の将来って、、、、

◇p.178:体育会系が好まれるワケ
強力な昭和的価値観が醸成されており
その「主体性のなさ」が従順な羊として
体育会系が好まれる
●なるほど〜、たしかに年功序列(先輩後輩)を重んじ
組織としては使いやすいのかも。
でも「トビヌケタ」人材を確保しないと存続も危うい
という採用意志と相反していて、、、う〜ん。
しかしなぁ。。
組織として動くときに、この従順さはないと
統率はとれないな。。

◇p.185:「昭和的価値観の正体」
小学校から始まるレールのなかで、試験によってのみ
選抜されるうち、人はレールの上を走ることだけを刷り込まれ
いつしか自分の足で歩くことを忘れは果てる
最後は果物のように選別され、ランクごとに企業という列車に
乗り込み、あとは定年まで走り続ける
●これがもう通用しない!

◇p.205:「楽しんで働く、ということ」
目標はひとつ、全員が楽しみ、そして全員が食っていくことです
●会社ではできないのか?独立しているからできるのか?
サラリーマンでこの道を歩む方法は?

◇p.210:「転職によって成功する人は一割程度」
というが、明確に、「自分は〜をやりたい」という動機のある
人間なら、転職は個人と応募企業の双方にとってハッピーな
結果に終わる可能性が高い
●自分の適性? 自分の夢? 何が自分にとってハッピーか?

◇p.215「10年後の自分がどうなっているか」
年収で言えば、30代後半から40代前半で昇給は完全にストップする
従来、日本企業では、50代後半が基本給にピークだったが
それより15年近く前でストップすることになる
●、、、この現実。自分の幸せをどこに見出すのか。。。??

◇p.218:与えられた仕事をこなすだけでは、けっして
望むものは手に入らない。あくまで自己のキャリア形成の
ために業務が存在すべき
●自分がどんなキャリアプランをもっているか!!

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2019年05月04日

Posted by ブクログ

自分が就職してしばらく経た時、何故こんなに仕事ができない人間が自分の上司で、しかも高給取りなのだろうと疑問に思ったことは間違っていなかった。年功序列がもたらす弊害が少子高齢化に結びついているとは目からウロコだ。確かに若年層が、就職してから賃金抑制の憂き目に遭っているのを目の当たりにしている。高齢層は、我々からすれば高額な給与と退職金をもらって去っていく。成果を判断することが困難な職種があるが、そこに働く有能な労働者が、年齢に左右されることなく評価される社会・事業所は日本では実現困難なのであろうか。

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2017年09月03日

購入済み

未来へ

 今、まさにこの本に書いてあることが起こっている。そして、それが自治体の中ならば、地域創生などとは程遠く、更には活性化にはつながらない。
 土地を無料にしたり、補助金(一時的)を出しても結局は若者の言葉を取り上げなければ、若者は失望してその地域を去っていく。

 今、イノベーションしなければならないのは高齢者が持っている「既得権」を若者に譲ること。
 そして、未来に生きる若者に地域を委ねることだと思う。

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2017年06月27日

ネタバレ 購入済み

時代に沿った働き方を

若者はなぜ三年で辞めるのかとタイトルにある通りその仕組みを教えてくれる本。若い人ほど読むべき本かと思う。年功序列制度は既に破綻している企業がほとんどでその恩恵を受けられるのはベテラン社員。いまの若手に年功序列の恩恵を受けられる保証が全くないということを繰り返し述べられている。いまの社会は若手を除け者にしてベテラン勢が自らの権利にしがみつく構図という説明には妙に納得した気もする。自分の会社と照らし合わせて考えてみて将来を想像して今後の行動を決めるきっかけになる本かと思う。是非若い人に読んでもらいたい。

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2017年06月24日

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この新書を買う前は最近の若者の勤労意欲が低下していることなどを書いているものと思っていました。ところが、読み始めたら全く違っていて、若者が3年で辞めるのは若者の責任ではなく、将来に希望が持てない今の日本の会社にこそ問題があることが強調してあり、非常に興味を持ちました。

年功序列制度の時代には、若いうちは低賃金と長時間労働に我慢して、でも、40代50代になると高い給料とそれなりの地位が与えられるというシステムだったが、それは多くの企業で崩壊しており、今の若い者は報われることのない労働を強いられている、という指摘が繰り返しなされています。

日本の若年層にフリーター・ニート問題があることはよく知られていますが、その責任が個人個人の資質ではなく、社会の仕組み(とくに中高年を温存する企業)に原因があるとした玄田有史著『仕事の中の曖昧な不安』(中公文庫)と同じく、若者を見つめる目の温かさに惹かれます。

著者は最後に

「明るい未来とは本来、人から与えられるものではなく、自分の手で築くものであるはずだ。その自覚を促すことこそ、本書の意図したところである。」

と結んでおり、私の若い学生さん達にも是非、読んでもらいたいと思った次第です。

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2015年06月06日

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働くことへの動機づけが変化してきている。年功序列が機能し高度成長を持たされてきたが、年功序列が終わり成果主義の時代となって来ている。現実は成果の出せない成果主義の中、働く意味を問われているとおもう。

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2024年03月04日

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ネタバレ

年功序列の制度が今でも根強く続いていることがわかりました。仕事に対する価値観の違いから、勤続年数の低下が生まれていると改めて感じました。

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2023年01月19日

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東大という基盤があってこその意見という気はするけど、欲しいものはやっぱり自分で手に入れるしかない。年功序列うんぬんは言い訳でしかない

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2022年01月23日

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私の職場にはなかなか新入職員が入ってこない。そして、入ってきてもすぐにやめてしまう。こちらの求める物が高すぎするのか、それとも若者の忍耐力が不足しているのか。私は今の若い20台の世代は、休みや給与、むしろ休みや退社時間にばかり目が向いていると考えていた。しかし、実際にはそればかりではないようだ。むしろ、引退後の生活、無駄に物をほしがらないというように堅実で、かつ現実社会をよく見ているのかもしれない。

若者は下積みは望んでいない、意味のある、やりがいのある、責任ある仕事をしたいと思っているのかもしれない。40台手前の私の頭も、昭和な価値観、年功序列の価値観が支配している。私の仕事の顧客は個人個人を対象にする仕事だ。一人一人の対応は違えど料金体制は国の制度に縛られている。すなわち、経験があろうがなかろうが資格さえあれば誰でも同じ料金を請求することができると言うことだ。だから、私たちが行う仕事は、働く場所が違うが概ね同じような内容のことを行う。そのような環境の中で、職場、領域などで違いを有無要因はなんであろうか。賃金なのか、やりがいなのか。

勤務時間、有給休暇を含む休日体制はもはや当たり前のことだ。サービス残業、意味があるのかないのか分からない書類仕事を遅くまでやるような働き方はまさに、本書でなんども主張される昭和な、年功序列の価値観である。人か定住の生活を始めた遠い昔から、資本家と搾取される労働者の関係は、形を少しずつ変えてきてはいるが、働くものがそのような価値観の中で仕事をしていると環境は変わらず、かつ新しく入ってくる職員にもこの価値観のフィルターを通しての話をしてしまっているのではなかろうか。

今まで就職説明では、今の職場のいいところを主張してきたつもりだ。しかし、振り返ってみると、リハビリとしての職場として、やりがいとキャリアプラン、その意義を感じられることを説明してこなかったと思う。もう一度自分自信が、働く意味、やりがいを何に感じているのかを明確にして、新たに職場に入ってくる若者、同じ職業につく若者に話していきたい。私の職域は少なくとも年功序列には遠い職域だと思っているが、忍耐、下積みなどと考えるこの姿勢は、まさに昭和な、年功序列の価値観の塊であろう。

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2021年08月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

政府の雇用政策に隠された真実、企業の都合、笑う経営陣、そして苦しむ若者。
社会の様々なアクターがなぜ今こんな状況に置かれているのかが見えてくる。

著者の城さんは、年功序列制度が諸悪の根源とまで言うように、とにかく年功序列を徹底的に批判している。
今の日本が抱える、少子化、派遣社員・フリーター・ニートの増加、格差社会、2007年問題等々の問題は年功序列制度がそもそもの原因であると述べている。
年功序列が本当に全ての原因かどうかはわからないけど、納得できることが本当に多い。

「最近の若者は我慢が足りない」と言われ、若者だけが批判されがちだけど、若者に道を譲らず既得権にしがみ付いている老人たちは、あらゆる手段を使って若者を搾取していると言える。
人ありきの企業が人件費を節約するから、あちこちで不祥事が起きているんだと思う。

若い人がもっともっとこの本を読んで、今の社会に対して声を上げるべきだと思う。
正社員も、派遣社員も、フリーターも、そして学生も。
私たちが働くのは経営者や株主のためではなく、自分のため、家族のため、社会のため。

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2019年03月03日

Posted by ブクログ

日本の年功序列制度は、中国の資本主義社会の縮図。

若い社員(=農村部)が高齢者(都市部)を支える構造が完成されて今でもそれを引きずっている。内側から崩壊する中国の歴史と同じ道をたどろうとしてる。

初めて日本の年功序列制度の問題を知ったのかもしれない。

さらに日本は少ない若手で多くの高給取りを支えなければいけない呪いにかかっている。

長年働いたベテランたちはサラリーをもらえると当然思っているだろうけど、若手はそれに気づいて大手に向かっているのか…

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2019年02月28日

Posted by ブクログ

タイトルから、データを駆使しながら若者と企業のミスマッチを証明するような本だと思っていたが、実際は全く異なる。
日本企業の年功序列制度にメスを入れ、若者がスポイルされる仕組みを解明する。
経済成長時代、年功序列制度はきわめて上手く機能していた。新卒採用の若者は、終身雇用を前提に、下働にも耐えられた。終身雇用は職人を育てるのに最も適しており、企業に蓄積された技術が継承され、日本のものづくりのレベルを上げた。
経済成長が止まり、能力主義が導入されたが、これは日本型年功序列的能力主義であり、基本的なスタイルは変わっていない。
しかも、幹部の高給を保つために、若者はますます搾取される。
このことに気づいた若者は、年功序列レールから降りていく。
外資系の実力主義の世界に転職する人もいる。
独立して起業する人もいる。
しかし、その能力がない若者はどうすれば良いのか。年功序列レールを降りることもできず、ひたすら耐えるしかないのか。
公務員という固い年功序列レールに乗り換えるしかないのか。
日本人は、与えられたミッションを達成するのは得意だ。一方で、新たなことを創造し、未知の世界を切り拓くことができない。
それができる若者をどう育てていくか。ここにいまの教育の眼目がある。

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2016年07月28日

Posted by ブクログ

来年から社会人になるので手に取ってみました。

私の周りでも社会人1年ないし2年くらいで転職をしたいという友人が多く、電車の広告には転職のものを毎日見て、そんなに会社を続けられないほどの恐ろしいことがまっているのだろうかとても不安でした。

本書は、年功序列制度について詳しく書かれていて、いままでなんとなく耳にしていた言葉が、社会にどういった影響を与えたのか、また今はどうなのか、わかりやすく読みやすかったです。
成功主義でも年功序列でも生きにくいようになっていて、それが分かったうえでどう生きるのか、考えさせられました。

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2016年01月16日

Posted by ブクログ

・自分の能力を発揮できるというのは、とても幸せなこと
・マネージャーの道orプレーヤーの道
・一度レールから外れてしまった人間に機会を与えるして無を作ることも重要だろう。国でも経団連でもいい。企業に対し、採用者の中に一定数の既卒を入れる目標を与えることで、多くの人間に機会を与えることができるはずだ。

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2015年10月25日

Posted by ブクログ

10年近く前に出た本だけど、今も状況は変わってないんだろなと。
現代の若者論ってよりも若者を犠牲にして今も生き延びているリバイアサンすなわち年功序列制度についての批判的な論説。経済が右肩上がりでなくなり、今まで労働者を昭和的価値観のもとレールの上を走らせてうまいこと回ってた世の中がそうはいかなくなった。レールは途中でぶち切れ、もはやねずみ講のようなもんだと。若者に犠牲を強いるために出生率も低くなって、それが移民をって声になるのもリバイアサンの延命のためってのは鋭い指摘だと思う。

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2015年05月28日

Posted by ブクログ

八年ぶりの読み返し。なぜ高2の時にこれを読んだのか。
概ねここに書かれた通りの現実であり、捉え方も主流なように感じるが、それは俺の読むメディアに偏りがあるからだろうか。反論も特になく。単線型のキャリアパスとあやふやな職務分担、それから職場の人員構成が原因で、解決策は複数の価値体系よるピラミッド(技術職の道、技術職でありながら営業でやる道、間接部門などなど)を並列させることだろうけど。あと単純作業のアウトソースだろうけど。結局、年寄りが全部死ぬか価値観を入れ替えないと変わらんわな。

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2014年07月24日

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ネタバレ

2006年の本。
若者とあるけれど、主題になっているのは、本著を上梓した著者とほぼ同年代の30代のこと、かなと感じる。いささか感情論に流れているきらいもある。

バブル世代こそが入社したのに年功序列神話が崩壊して割りを食っているというが、そもそも、その正社員にすらなれずに昇給もない非正規雇用にされたままの氷河期世代以降からすれば、不可解に感じる。

分析には鋭い部分もあるので、まあ読んでいて損はない。上の世代への不満をするあたり、「高学歴ワーキングプア」と同じ匂いを感じるけども。その中高年ですらもリストラによって、「一部の残留組」のための年功序列の被害者だと説く。

年金問題や非正規雇用、少子化、若者の採用抑制など、現在問題視されている諸々のテーマに触れている。いささか論点がぼやけた印象はあるが。

最終章は読んで価値あり。
大企業を辞めてしまった著者が自分を正当化するために旧来の年功序列企業を叩いているように思えたのだが、安易に転職はしない、と促すあたり、けっきょく自分も年功序列意識に囚われていると独白している。

若者パッシングの本ではなく、むしろバブル世代に運良く就職できたが、終身雇用崩壊の煽りで転職の危機に晒されている中高年が読んでもよい内容。年功序列を批判してはいるが、だからといって、能力主義がいいとは限らない。

残業代ゼロ法案で年収が頭打ちになることが見えている正社員に未来は明るくない。

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2014年06月28日

Posted by ブクログ

年功序列をオワコンとして叩き斬る一冊。足りない記述は資本主義と世界の雇用形態についてぐらい。日本の「どうしてこうなった」をきっちり書いててわかりやすい。全方位から老害に搾取されつづける若者にこそ読んでほしい。

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2018年10月20日

Posted by ブクログ

大卒3年以内に37パーセントが辞めている。
非正規雇用の平均勤続年数はもっと短い。

成果主義は、あくまで年功序列制度の上に成り立っている。
給与は、序列が上がらないとあがらない。
要は成果主義は年功序列制度と何ら変わらない。
いいように見せているだけ。
会社に立ち向かうはずの労働組合も年功序列。
発言力の高い年配世代の声しか反映されない。

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2022年12月05日

Posted by ブクログ

年功序列ってのが絶対的に存在した方がまだ安心できたかも…
今は問題視されて年功序列なくなりつつある風潮だからこそ、ぬくぬくと過ごしてたら将来痛い目見るなと気付かされました。

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2021年02月23日

Posted by ブクログ

本書が出た頃に比べると、年功序列についてはだいぶ見直しの風潮が出てきてる?それでも他国と比べるとまだまだか。

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2020年04月13日

Posted by ブクログ

タイトルからはちょっと想像しにくいが、若者に向けての本である。

現在の若者は根性がないとか忍耐がない、という評価を得ている。そして若者自身は閉塞感としかいいようのない心理状況に陥っている。これはなぜだろうか。

日本の高度経済成長を支えてきた、終身雇用と年功序列制度、そしてそれによって培われてきた昭和的価値観。
それらは一見働いている人にとって優しい制度に見えながらも、そのレールから外れた人間に対してかなり厳しい態度を取ることで日本の楽園を維持し続けてきた。

現状の日本においてすでにそれらシステムは完全に疲労し意味をなさなくなってきている。しかし、既得権益つまりこの場合中高年の雇用や賃金を維持するために若者の雇用というものが容赦なく切り捨てられ、あるいは派遣などの形に置き換えられている。
年功序列はねずみ講だと言い切る著者の語り口には怒りの色すらうかがえる。

著者は第6章において若者に自らが働く意義を自ら自信に問うことを求めている。昭和的価値観の社会から一歩身を引いて、「自分の人生にとって何が大切か」ということを問うことは、これからの社会で生きていく上でかなり重要なポイントであるかと私も思う。それは今の学校ではなかなか教えてもらいにくいものだ。大人達も明確に示してはくれない。

その問いを誠実に行わないと、30代後半、40代になってから自分の人生の先行きに落胆し、そこで初めて閉塞感の正体に気づくことになる可能性はかなり大きいように思える。

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2018年10月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

同じ電機系大手F社出身の城繁幸氏執筆の本。

荒々しい言葉遣い、表現で、①年功序列制度(成長前提でのポスト確保)の破綻、②現在の”若者世代”への十分な待遇の行き詰まり、③若者世代への①②の継承と、働く理由の見つめ直し、、が記されている。

10年以上前の本ではあるものの、多くの企業で解決されていない現状と矛盾あり。また少子高齢化の中、”既得権”をもつ中高年世代への適切な処遇の設定と動機付け(解雇も容易にできず…)、など、考えさせられた。

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2018年08月16日

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10年前の本だけど、今とそう状況は変わらないよなあ。
年功序列制度や終身雇用は昭和的価値観だとしてもはや時代にそぐわないよねって話。
自分が何をしたいかをはっきりさせてレールを降りるならいいが、社風が古いとか仕事が面白くないとかいう消極的な理由で転職してもうまくいかないっていうのはぐさっときた

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2017年07月09日

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若者はなぜ3年で辞めるのか?
それは働く意味が失われたまま、これまでは“ある“と、そして上の世代からも乗ったほうがいいと言われていたレール(年功序列)に乗るが、かつてのようにゴール(定年退職といいポスト、給料)まで続いているわけではない。レールが途切れることを知った若者が3年でやめてしまう。

筆者は社会全体に蔓延している「昭和的価値観」「年功序列」が若者から搾取し、年長者に利益を与える仕組みになっているとして、そこに若者が3年で仕事を辞めてしまう理由を求めている。
また、若い時は“耐える”というのは今の世の中の仕組み上機能しないとした。

確かに、若い時に雑用して自分のしたいことを我慢し、上司の無茶ぶりに耐えたとしても、将来自分のしたい仕事をさせてもらえるのか、給料やポストはしっかりあがっていくのか分からないし、そもそも会社自体が存在しているか分からない。そんな昔とは違うなか、「将来はこうだから」といって若者を説得して働かすのは筆者が述べるように無理なのではないでしょうか。
なので若者は働く意味というのを考え、これから社会がどうなるか、自分がどうなりたいかどうすればいいのか考える必要があるし、中高年の人はそういう社会の状況とかも考えて若者に寄り添っていく必要があると思います。
社会をどうしたいかっていうのは今の閉塞感ある日本で考えるのは難しいことかもしれませんが、そこをなんとか考える、行動するに結びつけていくことが必要だと思います。
そんなことを考えさせられた一冊でした。

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2015年06月27日

Posted by ブクログ

就活を控えた、いち大学生としてこの本を読んでみた。内容は、年功序列や終身雇用について、それらは経済が拡大している時に作られた制度であり、今日では時代遅れ、などなど詳しく書かれていたと思う。個人的な感想としては、それらの制度は聞いたことはあるものの、よくは理解していない程度だったので、スッと腑に落ちなかった。これは働いてみるとわかることなのかもしれない。最後に、普通に働くだけじゃダメだ、ということを肝に銘じて、忍耐力を持って、仕事に取り組んでいければなあと。

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2015年03月31日

Posted by ブクログ

自分も新卒後就職した会社をわずか2ヶ月で退職した身として、
この本にはとても興味を持っていた。

若者が早々に退職する理由は、
本当に人それぞれであって退職を決意するに至るまでも、
ものすごい葛藤とかがあったと思う、みんな。

それをうまく枠に合わせてこうだからなんじゃないか、
とかあれこれ外野が言ってもいまいちピンとこない。

もちろん合っている部分とか共感できる部分もあったとけど、
結局のところ真髄の部分と言うか、
根本的な部分は当事者本人じゃないと分からんとと思う。

『3年以内で辞めた若者』である自分としては、
世間ではこんな風に思われてるのかー、とか、
うちらはこう分析されてるのかー、
と客観的に自分の身を知れたので、
その点が一番読み応えもあり、面白かった。

あともっとバッシングされているんだろうな、と思っていたら、
意外にも筆者が否定的な意見ばかりではないことに驚いた。

若者が3年で辞める理由、というよりも、
会社の年功序列・終身雇用の崩壊について深く書かれていたような。
それが間接的に若者が辞める理由にも繋がっているんだろうけど、
正直今の私にはその点がまだしっくりこなかった。


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2014年12月21日

Posted by ブクログ

元富士通人事の城さんは、確か前著で現在世の中に蔓延している中途半端な成果主義の問題点を指摘し、正しい成果主義は年功序列制度と共存出来ると主張していたはず。
本書では、年功序列を否定している訳ではないと言いながら、結局は年功序列を否定している様に思う。
一人一人がみんなしっかりした考えを持って自分の道を進んでいけるような強い人ばかりなら良いが、日本人は白黒つけずもたれ合いながら組織として最大の成果を出してきた点が良いところではないのだろうか。
そのインフラとしての年功序列制度の果たす意義は大きいのだと思うのだが、こう考える私自身がどっぷり「昭和的価値観」に浸かってしまって救いようが無いということかな。

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2014年09月22日

Posted by ブクログ

 うちの会社も半数は非正社員で構成されている。
 
 人件費を削減するための有効な手段。
 必要となれば簡単に募集。
 余剰が出れば、契約更新お断り。
 年をとった人も、若い人もいるが、
 それぞれの事情で勤めている彼ら。
 雇用側からすればもっと頑張って欲しいと思い、
 雇われている側からすれば、そんなにはやりたくない。

 モチベーションをどうやって維持すればいいのだろう。
 どこを目指せばいいのだろう。

 自分もアルバイトから採用されて20年。
 次第に雇用側に染まってきて、
 でも、若い彼らの明日をサポートしてあげたい、とも思う。

 中年の明日も不安だけど、若者の未来がせつなく思えてくる。


 この本をバスの中で読みながら向かった忘年会。
 滅多にしたことがないけど、若い連中を連れて飲みに行ったりした。

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2017年08月16日

Posted by ブクログ

 どうして自分探しばっかりしている若者が増えたのかわかってスッキリした。つまるところ今の日本の閉塞感は団塊世代がつくってるんじゃないか。
 JALの年金問題もそうだったけど、過去の功績を考慮してたらもうどうにもならないところにいる。若者にツケを回す長寿社会はひどくいびつだ。

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2017年08月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

3年で辞めている人には共通性があるのか?と思い、読んでみた。確かに、年功序列が最大の原因のような気がする。若いころに汗水たらして、安月給で働く。それでも、毎年給料が上がっていけば、未来のビジョンも見えるだろうし、モチベーションを保てるかも知れない。でも実際のところ、年功序列が崩壊し始めており、終身雇用も保証されない現実。退職金をあてにすることもできなければ、途中でいきなりリストラされる可能性もあるわけで。。。あとは、新卒者は就職というより、就社してるところにも原因があるのかも。だからミスマッチが起きて、すぐに辞めてしまうのかもしれない。そういう意味では、自分が本当にやりたいことやった方がいいし、海外を視野に入れたほうがいいのかもしれない。

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2020年01月04日

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