【感想・ネタバレ】新アラビア夜話のレビュー

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ネタバレ 購入済み

「自殺クラブ」という奇怪なタイトルの短編に心惹かれて購入したが、内容はそこまで猟奇的とも思えず、良識の範囲内に止まっている感があった。むしろ、「ラージャのダイヤモンド」の話の広がり方や、ハラハラさせる場面展開の方を面白く読んだ。

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2022年06月23日

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宝島を書き、ジキルとハイドを書き、自殺クラブを書いたということでスチーブンスンの天才ぶりがわかる。ヴィクトリア朝のロンドンの夜、クリームタルトを配る若者に連れられてきた自殺願望者の集まる自殺クラブに乗り込んだボヘミア王子フロリゼルの無茶苦茶な冒険談。アランビアンナイトのように話は別の話に広がって7つの話からなる短編集になっている。どの話も謎が提起され陰謀が謀られ、薔薇十字探偵社の榎木津並みに無茶苦茶なフロリゼルの活躍が繰り広げられる。たまらない!

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2022年05月10日

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ネタバレ

理由なき自殺願望者が集う、ロンドンの街。ボヘミアの王子フロリゼルは、悪の正体をつかむべくロンドンの夜を奔走する。

これも何も知らずに、文庫裏のあらすじだけ見てふっと借りた本(私はそれまで、スティーヴンソンは一冊も読んだことがなかった)。
で、すっかりハマってしまった。
とうにかく私は、こういう話が好きなんである。人間的な感情よりもむしろ、物語としての魅力が詰まった、軽妙だけど割りとこってり系の本が。
この本も読んでいて、会話や文章どころか、行間からも(!)物語の匂いがぷんぷんして、もう堪まらなかった。うーん、最高。物語の香りに酔えた一冊。

でも、多くの人が言っているように、最後がちょっといただけない。というか、もったいない。
私は登場人物の中で、聖職者のロールズが好きだったので、このロールズ氏が成り上がって、フロリゼル王子と全面対決してほしかったな、どうせなら。

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2011年07月03日

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著者は「宝島」「ジキルとハイドなど」のスティーヴンスン。
悪漢が闊歩するヴィクトリア朝ロンドンで、ボヘミアの魅力的な王子フロリゼルと、忠臣ジェラルディーン大佐の冒険譚です。
しかし…この作者は、スティーブンソン、スチーブンソン、スティーヴンソン、スティーヴンスン。。などなど翻訳者さんにより表記が違うので、検索するときに非情に見つけづらい!!ヽ(`Д´)ノ


『自殺クラブ』
自殺志望者が集まる秘密結社『自殺クラブ』を巡る3つの物語。

ロンドンに滞在するボヘミアの王子フロリゼルと、忠臣ジェラルディーン大佐が訪れたバーで、人々にクリームタルトを配って回る若者が現れた。若者は、生きることに絶望して「自殺クラブ」へ入会し、最後の散財をしているという。興味を示したフロリゼル王子は、自分も自殺志望者だと偽りその怪しい組織へと潜入する。
そこではクラブの会長が会員たちを集めて、トランプゲームにより殺される者と殺される者を選び出していた。
クラブ参加者の命運を見た若者は自殺を思いとどまるが、ある夜フロリゼル王子が殺される者のカードを引き当ててしまう。
 /「クリームタルトを持った男」

自殺クラブを解体させたフロリゼル王子だが、会長の影響力はまだ強かった。
アメリカ人青年スカダモアは、美しい女性から逢引の誘いを受ける。すっぽかされたスカルダモアが家に戻ると、自分のベッドに男の死体が残されていた。
呆然とするスカダモアの前に友人ノエル博士が現れた。ノエル博士はスカダモアの大きなトランクに死体を詰めさせ、旧知のジェラルディーン大佐を紹介する。スカダモアはフロリゼル王子とジェラルディーン大佐の一行に加り、税関も素通りできた。
しかしこの死体は、自殺クラブ会長を追っていたフロリゼル王子の手の者だったのだ。
 /「医者とサラトガトランクの話」

街を歩いていたリッチ中尉は、優雅な二輪馬車の御者により不思議な屋敷に送り届けられた。屋敷の中は紳士たちの賭博場だった。そして屋敷の主は客たちの様子を観察するかのように屋敷を回っている。
ホストの目に叶ったのは、リッチ中尉と歴戦の老兵オルック騎兵少佐の2人だった。
ホストの正体はジェラルディーン大佐で、フロリゼル王子が自殺クラブ会長との決闘の立会人として、信頼できる紳士を探していたのだった。
 /「二輪馬車の冒険」


『ラージャのダイヤモンド』
世界で6番目に有名なダイヤモンドを巡る4つの物語。
最後にサラッと書かれていたフロリゼル王子のその後が…(@_@;) 王子なにやってんの…

60歳になるトマス・ヴァンデラー卿は「ラージャのダイヤモンド」と呼ばれる素晴らしいダイヤモンドを持っていた。贅沢三昧により破産寸前となった若い妻は「ラージャのダイヤモンド」を含む財宝を夫から盗み出そうとする。
ヴァンデラー卿の秘書のハリーは、ヴァンデラー夫人から丸い箱をある場所に持っていくように頼まれる。その場へ向かうハリーをヴァンデラー卿と、夫人の従兄弟が追いかけてくる。
走って逃げるハリーは、侵入した他人の家の裏庭で、丸い箱の中の宝石をばらまいてしまう。
 /「丸箱の話」

ヴァンデラー卿の「ラージャのダイヤモンド」を拾ったのは有能な若い学者で聖職者のロールズ師だった。ロールズ師はダイヤモンドの美しさに魅了されてネコババしようとする。
ロールズ師がダイヤを持っていることを知った持ち主のトマス・ヴァンデラー卿とその弟で元軍人のジョン・ヴァンデラーは、ロールズ師を狙う。
やがてロールズ師は、ボヘミアの若くて魅力的な王子フロリゼルと知り合いになり助けを求める。
 /「若い聖職者の話」


銀行員の若者フランシス・スクリムジャーに、匿名の素封家から援助の申し出がある。どうやらスクリムジャーはその匿名者の私生児で、彼の言うとおりの結婚をすれば財産をもらえるらしい。
しかしこの話には「ラージャのダイヤモンド」を巡る人々の出し抜き合いが隠されていた。
 /「緑の日よけがある家の話」


ロールズ師の持っていたラージャのダイヤモンドは、いまはボヘミアの王子フロリゼルの手に預けられた。
外交特権のあるフロリゼル王子だが、このまま持っていては国際問題になる。だが持ち主に返せば罪に問われる者、理不尽な処遇を受ける者が出てきてしまう。思考を巡らす王子の前に刑事が訪れる。
さあ、いかにすべきか。
 /「フロリゼル王子と刑事の冒険」

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2022年05月10日

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19世紀のロンドンを舞台に、アラビアンナイトを下敷にして書かれた物語集。自殺クラブから始まり、ボヘミアのフロリゼル王子が関わる一本の大きな物語が、いくつもの短編で紡がれていく。
最初は一体何の関係があるの?という物語でも、少し読み進めると、あーここに繋がるのか!という感じ。
あとがきにもあったが、19世紀ロンドンは経済発展著しく、他の国からすると、魔都のようでまさしくアラビアンナイトの世界だったのかもしれない。
今のロンドンはガス燈でもないし、暖炉の使用が禁止されてから霧の都でも無くなったけど、それでも夜はビクトリア朝を思い起こす画がある。
中学生の姪っ子にお薦めしたい。

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2021年12月19日

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『自殺クラブ』3篇『ラージャのダイヤモンド』4篇の二部構成で、各篇のメインキャラクターは異なっているがボヘミアのフロリゼル王子がストーリーに絡む。「これで(とわがアラビア人の著者は言う)「~の話」は終わる」と各章は締めくくられる。最初よくわからず?となったが、読み直してから意味がわかった。フロリゼル王子の視点で書かないことで、突然わけのわからない状況に置かれたメインキャラクターのきもちになれてワクワクした!
『宝島』と『ジキル博士とハイド氏』と同じ作者とは思えない、荒唐無稽なファンタジー!

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2021年04月18日

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海の中で高波が来たらちょいと体を浮かせるような、クロールの息継ぎがビシリと決まるとか、いわゆるシャッターチャンスの瞬間をわかってらっしゃる作家だなあ、と思たら「ジキル博士とハイド氏」を書いた人だった。多分自分が翻訳物を初めて買った本がこれだった気がするの。だからしつこい位に何度も読み直してる訳で、二人で息の合った社交ダンスを踊るような、ガラス越しに手を合わせるような、変な一体感と恍惚感がありました。ボヘミアの
王子がロンドンにて「遠山の金さん」をやるシリーズもの。楽しい。ちょっとずつお話が続いている。

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2018年07月18日

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ネタバレ

勧善懲悪というか信賞必罰が貫かれているので
読後にモヤモヤせずに済む。
また狂人が出てくることもないので、感情移入もしやすい。

読むにあたって知っておくべきこともないので、
頭を使わずに読める本として非常に面白い。
ただ読後に何か考えさせられる本か、というと違うと思う。

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2012年09月09日

Posted by ブクログ

イギリスの最も素敵だった時代にぴったいの不思議なおとぎ話。
なんてことはないきっかけが、一夜のうちのめくるめく冒険に変わっていく…。
これで思い出したのが、以前友人から唐突にもらった坂田靖子氏の
漫画。(彼女はとにかくイギリスの最も素敵だった時代を描くのがうまい)日本では20世紀、漫画・コミック文化が華やぎこのようなお話にはたくさん恵まれているため、逆に重宝されないジャンルかもしれない。しかしイギリスならでのブラック・ユーモアは、一読の価値あり。

クリームタルトが食べたくなる。

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2010年05月10日

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『自殺クラブ』は子供のころにあかね書房のシリーズで読んだっけ。懐かしい!訳文も小説の世界を壊さない、実に雰囲気のある訳文だと思う。それにしてもフロリゼル王子の行く末がなんとも・・・

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2011年09月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

冒険小説の古典的名作「宝島」の作者スティーブンソンが書いたミステリー風の小説。

ボヘミアの王子フロリゼルの関わる二つの奇妙な事件が収録されている。
メインキャラクターはフロリゼル王子なのだが、章によって違う登場人物の視点での物語になる。
19世紀のロンドンとパリが舞台。

序盤のフロリゼル王子は、自ら刺激を求めて危ないことに首を突っ込んでゆく感じで、お付きの臣下ジェラルディーン大佐が諫めても聞かないタイプでなんと

なく漫画「レベルE」のバカ王子とダブってしまって、あのキャラクターの元ネタはこの王子なのかと思ってしまった。
しかし、後半の章になるにつれ高潔で正義感の強い人物になってしまい、さながら銀河英雄伝説のラインハルトの様になってしまっているのでギャップが大きい。

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2018年02月25日

Posted by ブクログ

アラビア夜噺というタイトルを耳にした時点で膨らむ妄想。
アラビアンナイトのようにわくわくした話を期待したけれど、なんか違う。

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2012年05月31日

Posted by ブクログ

なにがアラビアなのかがわからない。
解説読んでそういうことなのねと気づく。アラビアンナイトを知らない僕にとってはそこからまず読むべきなのだ。
とはいえ、中身はすごくオリジナリティがあり、ミステリアスな物語。かといって冒険活劇のような痛快さも含まれている。
この著者のは、子供も大人も楽しめる作品がおおいよね。

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2011年04月09日

Posted by ブクログ

新聞小説って片手間に読むのに向いてて手持ち部沙汰なときによいなぁ。主人公をコロコロ変えながら事件の真相に迫っていくんですが、設定も事件もファンタジックなのでシリアスな雰囲気はないです。まさしく冒険小説! タンタンとか好きな人は好きそう。

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2010年01月11日

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