【感想・ネタバレ】わかったつもり~読解力がつかない本当の原因~のレビュー

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Posted by ブクログ

国語という教科に苦手意識が無いのに高得点が取れない…という経験はないだろうか。本書は国語が苦手な人と言うよりそういった中堅層向けの本かもしれない。
人は簡単に「分かったつもり」になり文章を誤読してしまう。一見起こりえなさそうな錯覚を見事に視覚化させてくれる。文章の選定にもかなりの労力を要したであろう
「文章を1回読んだ後自分なりにまとめてみる。まとめた文章があまりに簡素であったり、通りの良い綺麗事でまとめられている場合は『分かったつもり』になっている可能性が高い」と筆者は言う。なるほど読書感想文で型にハマったつまらない文章しか書けていなかったのは上っ面だけ読んでいたからかもしれない。
こういう自身の欠点や見えていないものを論理的に叩きのめしてくれる本は貴重だ。大事にしたい(あれ?これは綺麗事になっているか?)

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2024年04月23日

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ネタバレ

人はものを読む時、わかったつもりの状態に陥る。わかったつもりもそれ自体はわかっている状態の一種だが、より深い読みをするための障壁になっている。より深く読むためには文脈を駆使することが重要。文脈によりそれぞれの記載から意味が引き出される。その際は読み手の想像や仮定が欠かせない。その解釈は整合性を欠かない限りにおいては棄却される必要はない。

国語教育への提言も含めて目から鱗の一冊だった。大胆に整合性を欠かない範囲で想像力を働かせながら読むことが大事だと感じた。

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2023年09月10日

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知識の引出しが、個人ではなく社会に任されていく。衆愚に流れている今の風潮に対して物申したくなる。
「無知の知」に多くの概念が集約されているから、ソクラテスはすごい(語彙)
トイレの構造は描けないが、自転車の構造は正確に描ける自信がある。

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2023年05月07日

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自分自身、文脈を勝手に設定して相手の言いたいことを誤解してしまうことがあった。安直に分かったつもりにならないように、どのような文脈で言っているのかを意識することとしたい。

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2023年03月19日

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仕事上他の人の文章に対して指摘ができなかったり、
上司の指示や指摘を理解できてないことが多く、読んでみた。

自分の文章の読み方や話の聞き方が
内容に不自然な所がなければ、スルーしており、さらに深く読んでないことに気付かされた。

自分の知識で勝手に補完して文章を読み進めてしまうこともあるなぁと感じた。

意見に対して、例外が発生してない状態は矛盾してないないことになるというのが目から鱗の内容だった。

なぜその言葉を選んでいるのか、ここにその文言を記載しているのかの問をしながら仕事上も取り組もうとおもった。

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2022年12月03日

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面白かった。今後は文脈やスキーマを感じ取りつつ整合性を掴みながらわかったつもりにならないように読み取る力をつける訓練をして行きたいと思った。国語の入試問題は難しい。

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2022年07月22日

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ある事柄についてわかったと思っていたものでも実は理解が不十分でわかったつもりだった、という経験はないだろうか。実際には不十分な理解なのに分かったと思い、理解を深める歩みを止めてしまう。なぜこんなことが起こるのか。それは「わかった」というのは、「わからない」がない状態であり、すでに自分の中にある程度意味の関連がついている状態だからである。説明を求められればこの状態でもそれなりにできるので問題ないというわけだ。

これは、理解の安定状態と言える。しかし、悪く言えばわかった状態というのはわからないがない状態なので理解度の停滞、行き詰まりとも捉えることができる。もしわからない箇所を見つけそれを解消できたとき、今までの分かった状態は「わかったつもり」状態だったこととなり、そして、「よりわかった」状態へと更新する。こうした、後から振り返れば不十分な理解こそがわかったつもりである。

分かったつもりは簡単に脱却できないことを示唆している。なぜなら、もし今(わかった状態)以上の深い理解を求められても、分からない箇所が見当たらないので次の手を打てないからである。故に、わかったつもりというのは、もっとわかった状態へ移行するための障壁となるのだ。では、どうすればこの困難性を乗り越えることができるのか。読み手の持つ文脈を変更し文章から新たな意味を引き出すことで矛盾や不備を炙り出し、読み手の整合性のある想像、仮定、知識の導入によってそれらを解消することである。これが、わかったつもりを脱却する鍵となる。

本書を読めば分かったつもりからより分かった状態になる体験ができる。小学生用の国語のテキストでも深く読むことで、細かなニュアンスに気づく高揚感が得られる。その体験こそが、深みのある読書を目指す動機となるのだと実感した。

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2022年04月15日

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4章の2までで本書が伝えたいことは書いてあるが、4章の3のセンター試験の問題をみて、深い納得感があった。

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2021年11月22日

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面白かった!

結論ありきで読んでしまう、自分の読み方に思い当たる節がある。同じ本を何度も読み直すことがないけれど、読み直したら学びがあるのかもしれない。

この本自体をまた読み返したいと思った。来年も読む。

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2021年11月21日

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自分の読み方は固定観念に捉われていることを実感した。これまでの読書は自分の考え方や過去の経験を掘り起こすようなものであったが、一文一文から筆者の想いを読み取り、さまざまな考え方を味わいたい

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2021年11月03日

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ネタバレ

 主に国語の教科書に使われる文章の読みを想定して、「わからない」状態を「わかる」状態にするより「わかる」状態を「よりわかる」状態にすることが重要といことを解き明かした本。その手立てとして、心理学で使われる「スキーマ」という概念と「文脈」という概念を活用している。

「わかる」ということのは、「文章から引き出される意味同士の関連付けの緊密性」

「よりわかる」状態を意図して実現するために、無意識にあてはめている「スキーマ」=記憶と「文脈」=視点を変えていく習慣をつけることが有効であるというのが自分にとっては発見だった。


A 「わからない」「わかる」「よりわかる」に関する知見
①文章や文において、その部分間に関連がつかないと、「わからない」という状態を生じます。
②部分間に関連がつくと、「わかった」という状態を生じます。
③部分間の関連が、以前より、より緊密なものになると、「よりわかった」「よりよく読めた」という状態になります。
④部分間の関連をつけるために、必ずしも文中に記述のないことがらに関する知識を、また読み手が作り上げた想定・仮定を、私たちはもちだしてきて使っています。

B 文脈の働き
①文脈がわからないとわからない
②文脈がスキーマを発動し、文脈からの情報と共同して働く
③文脈がそれぞれの部分の記述から意味を引き出す。
④文脈が異なれば異なる意味が引き出される
⑤文脈に引き出されたそれぞれの意味の間で関連ができることで文がわかる

C どのようなときに「わかったつもり」がつくられやすいのか
文章の構成に読み手が惑わされた「わかったつもり」
・『結果から』
・『最初から』
・『いろいろ』
読み手の既存のスキーマによる「わかったつもり」
・「全体に当てはめられやすいスキーマ」
・「部分に関して当てはめられやすいスキーマ」
・「善きもの」「無難」

D 「わかったつもり」の「読み」の進展過程
①「わかったつもり」の状態
②新たな文脈による、部分からの新しい意味の引き出し
③引き出された意味による矛盾・無関連による「わからない」状態
④新たな無矛盾の関連づけによる「よりわかった」状態

E 「想像・仮定」に関する制限
①整合的である限りにおいて、複数の想像・仮定、すなわち「解釈」を認めることになります。間違っていない限り、また間違いがあらわになるまで、その解釈は保持されてよいのです。
②ある解釈が、整合性を示しているからといって、それが唯一正しい解釈と考えることはできないのです。
③しかし、ある解釈がどこかの記述と不整合である場合には、その解釈は破棄されなければならないのです。

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2021年09月18日

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わかったつもりは安心する。たとえ間違っていても 解釈の正しさを信じない  
自分はわかったと思っていても、わかったつもりの状態だと、明確に認識しておく。 まだその奥があると疑うやっぱり

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2023年01月11日

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本を読む際に内容が入ってこないことがあり読解力について知りたくて読んでみました。
文脈を読み取り、そこから生じるスキーマによって解釈をするということが例を持って色々と実感できました。
特に異なる前提(文脈)を与えられることによって、異なるスキーマが適用されることから同じ文章が全く違う印象となることに衝撃を覚えました。

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2022年09月27日

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教科「国語」における読解とは何かが明示されていて、なるほどね、という感想。それに加えて、正しく読解するために必要な仕組みが分かったので、その仕組みを要請しないように書けば、読解しやすい文章が書けるという、逆説的なヒントが得られた。基本的には、文脈を排除するように愚直に書く必要があるけど、勝手に文脈を持ってしまう読者に文脈を捨てさせる工夫を考えないといけない。難しい本を読んでて目が滑るのも、文脈の概念で解釈する論が立てられるかも知れない。

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2022年05月11日

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よく耳にする「読解力」とは何か、文章の読み落としや早とちり読みの原因は何か、等、文章理解の過程を踏まえ、わかりやすくまとめられています。これらの課題への解決方法も納得です。

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2022年03月26日

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事象を「わかる」「わからない」と区分するよりも、「わからない」「わかる=わかったつもり」「よりわかる」と区分することが大切。
また、整合性という切り口で物事を解釈できるかが論理的に考える上では大切だと感じた。

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2021年10月16日

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この本から得たもののひとつは、
「わかったつもり」の状態は「わからない部分が見つからない」という意味で安定していること。
そして、自分はわかっていると思っているけど「わかったつもり」の状態にあるのだと、明確に認識する必要があることを得て学んだ。

・今後読書をする上で心がけること
フレームを抑えるように読むばかりでなく、
ゆっくりと読み、時には読み返して理解を深めるようにしてみよう。

読後にかなり学んだとおもっているが「学んだつもり」なんだろうな~。

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2021年08月17日

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■2005年9月初版、2023年4月30刷のロングセラー
■題名のとおり、わかったつもりになる読書や読文の問題とその解決法
■スキーマ、文脈などを何回も読んでそれでも理解は半分程度か
■それでも漫然と読書することに警鐘を鳴らしている
■読みやすいが、それでも読むのに時間がかかった

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2024年04月23日

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認知心理学で言うところの「スキーマ(人の中に存在しているひとまとまりの知識)」をメインに話が展開する。経験の中で蓄積されてきた知識が元で、文章の行間を埋める(解釈する)ことによる影響を論じている。

私が学んだ速読術はこのスキーマをフル活用したものと言える。だがそれに頼りすぎると本来の解釈を誤ってしまう可能性もある。そのため読む内容によっては速読ではなく熟読に切り替えている。

本書を読んでいるうちに、自分がなぜ国語教育が嫌いだったのかを改めて認識する。文章の解釈を1つの「正解」に持っていかれることへの反発だ。解釈はそれぞれにあって良いはずだがと。

と思っていたら本書の最後でこのことに言及された。著者は国語教育のこうした面を是正すべきと最後の最後で少し触れているが、そこまでの言及ではやはり「あってる、間違っている」論が多く、なんだか釈然としないまま読み終えることになった。

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2024年02月10日

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感想
文章を読む。なぜその文章が紙に残っているのか。なぜその文章が必要だったのか。その言葉はどうして使われたのか。それらを全て考える。

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2023年12月21日

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わからないことがないからわかったつもりになっている、目から鱗でした。小学生の頃から文章を読むのが得意としているところがありましたが、確かに国語のテストで"著者が伝えたいこととは"という設問があると不思議に感じていました。大人になった今、読んでみて良かったなと思いました。

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2023年05月31日

Posted by ブクログ

読み始めてからすぐに著者の別の本を読んだことがある時に気づいた(「知ってるつもり」)
なので、目新しさと言うのはあまりなく、復習のつもりで読んだ。

中学校高校の国語のテストの間違い方のように、一般的な考え方に飛びついてしまう、あるいは冒頭から主旨を、詳細を捏造してしまうといったところに落とし穴があると言うことを繰り返し述べている。
著者自身の大学での講義においての、学生のレスポンスにも基づいており、彼らのコメントにとても共感できる。

最終章のところでちょっとどきっとしたのは、自分が書く文章や資料が、このようなミスリードを招いていないか。

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2023年03月27日

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読む時、結論ありきで読んでいないかとか、読み手に都合がよいスキーマを当てはめて文章を理解したつもりになっていることが何回も指摘されています。内容的に示唆に富むと思います。

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2022年11月05日

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ネタバレ

ていねいな「読み」のためには、「わからない」よりも「わかったつもり」の方が壁になる。「知ったかぶり」とは違うけれど、なんとなく「わかった」気がして満足してしまうと、落とし穴がありそうだ。

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2022年10月05日

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 「わかった」「わかったつもり」状態でいることは、それ以上の深読みを阻害する上で障壁になることをこの本が1番言いたいことだと理解した。
 自分では理解したと思っていても、読み方次第によって、例えば文中の言葉を使うと、文章の「全体の雰囲気」や「ステレオタイプのスキーマ」によって、誤った解釈をし、その解釈で「わかった」という状態に陥るのが、もっとも危険なことであるとわかった。
 その状態に陥らないためには、自分の読み方を常に疑いながら、「矛盾」や「無関連」な情報を契機としながら、「よく読めた」という終わりなき旅を続けていくしかない。

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2022年10月02日

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わかったつもり
→浅い理解から抜け出せない

わからない→わかる
はできる
わかる→よりわかる
は、「わかる」が、邪魔をする

■文脈がわからないとわからない
→どのスキーマを使ったらいいかわからないから

私たちの中に既に存在しているひとまとまりの知識
→スキーマ

頭の中には膨大な知識がある
体の知識の一部分にスポットライトを当てて使えるようにすることを 、 「活性化 」と呼びます

訳がわからなかったのは 、 「文脈 」がわからず 、したがって 、 「スキ ーマ 」の発動のしようがなかったから

男の朝の支度の描写も
「失業者」であることを想像すると
ひとつひとつの読み込みがかわる
それは、
「意識されないほとんど自動的 」なもの


同じ部分から 、異なる意味を引き出して

「文脈」から「意味」が引き出され
部分の「記述」につながる


文脈は 「諸刃の剣 」です 。適切な文脈がなければ 「わからない 」状態を引き起こしますが 、存在する文脈が強力であればあるほど 、それによる間違いを引き起こす可能性が高くなる

■読み飛ばし、わかったつもりの種類
・最初から
・結果から
→変化を読み飛ばす
・いろいろあるのだな
→いろいろというので、もう追求をやめてしまう

読み手が自分の持っている 「ステレオタイプのスキ ーマ 」を文章に簡単 ・粗雑に当てはめてしまうこ
→間違ったわかったつもり、を生み出す

■わかったつもりの壊し方


自分は 「わかっている 」と思っているけれど 、 「わかったつもり 」の状態にあるのだ 、と明確に認識しておく

文脈による意味の引き出し
→引き出された意味による、矛盾、無関連
→関連づける


■仮定を構築することは 、無限定に許されるものではない
→整合性があるかどうか

■整合性と正しさは異なる
→正しい、と言い切れるものは無い
→整合性をたもっていればその解釈は認められる

■わからない、について

①文章や文において 、その部分間に関連がつかないと 、 「わからない 」という状態を生じます 。
②部分間に関連がつくと 、 「わかった 」という状態を生じます 。
③部分間の関連が 、以前より 、より緊密なものになると 、 「よりわかった 」 「よりよく読めた 」という状態になります 。
④部分間の関連をつけるために 、必ずしも文中に記述のないことがらに関する知識を 、また読み手が作り上げた想定 ・仮定を 、私たちは持ちだしてきて使っているので
■文脈

①文脈がわからないと 「わからない 」 。
②文脈がスキ ーマを発動し 、文脈からの情報と共同してはたらく 。
③文脈がそれぞれの部分の記述から意味を引き出す
④文脈が異なれば 、異なる意味が引き出される 。
⑤文脈に引き出されたそれぞれの意味の間で関連ができることで文がわかる


ステレオタイプ
無難
よきもの

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2022年01月22日

Posted by ブクログ

二日に分けて読んだのが良くなかった。二日目には意欲減退しており、読みの深さは甘くなっていた。ただ一つわかった事は「わかった」という状態は読みを深くする事を妨げる。誤解があっても「わかった」状態に陥る。知っている情報は読み飛ばしを起こしやすく、その分誤解が発生する確率が高まる。

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2021年11月03日

Posted by ブクログ

本当に文章を理解できているのか、わかったつもりに陥ってないかを実際に国語の教科書に掲載されている文章等を使用し、解き明かしていく本です。自分の知識を当てはめて雰囲気で読んでいる場合は改めて指摘されると自分にも心当たりがあると気付きました。

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2021年10月29日

Posted by ブクログ

この本を読んだ結果、これから本を読むときに意識すること
・文章を読んだときに自分なりの仮定を立てる
・その仮定だろうと過信して読み飛ばしをしない
・仮定と本文との整合性が取れていない場合は矛盾が生じたことになる。矛盾が生じたら「わからない」という状況なので、もう一度仮定を立てるよう読み返す

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2021年09月21日

Posted by ブクログ

国語の試験問題の考え方が理解できた。
なるほどー、という箇所もあれば、納得感がイマイチな箇所もあり。
それこそ、私自身の読解力が足りないだけなのかもしれませんが。

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2021年07月17日

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