【感想・ネタバレ】不倫と南米 世界の旅3のレビュー

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ネタバレ

河合隼雄と吉本ばななの対談集「なるほどの対話」を読んで、読みたくなった本のうちのひとつ。

どの短編も好きだったけど、特に好きだったのは、というか、グッとくる表現があったのは、「最後の日」だった。

私がこわいのは、いつも人間の心の働きであり、運命とか自然の脅威のほうではなかった。(P44)

もう一度あの気持ちがやってくるなら、嬉しいと思う。(P51)

その光景に、胸がしめつけられた。(P56)

それぞれとても短くて、詳しいことは書かれてない文章なんだけど…なんでだろう。
その場面でそんなこと感じちゃうの?という意外性もあるんだけど、妙に共感できてしまう感じもするのが不思議。

あと、最後の一文も。

そして、幼い日には想像もつかなかったそんなことで、この年のこの日この夜、胸がしめつけられることが私の人生に生まれていたことが、ただとても嬉しく思えた。(P56)

これからどんな困難なことに出会っても、こんな風に感じられる人間になれたら、もう、無敵な気がした。そして、今まで起きた辛いことも、こんな風に捉えられたら、前向きに生きていけそうな気がした。

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2023年12月06日

Posted by ブクログ

世界の旅シリーズ3作目、めちゃくちゃ良かった…!最高!アルゼンチン、すごく行ってみたくなった。
7編の短編集だけど、一つ一つの話が濃厚、どれもアルゼンチンの景色を織り込んでて自分も旅行してる気分になれる。
ブエノスアイレス以外の都市も出てくるので、Googleで地図や写真を見ながら楽しめた。
買ってよかった!やっぱり吉本ばなな好きだなぁ。

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2022年08月05日

Posted by ブクログ

言葉に出来ない興奮を感じ、それをどうしても言葉にしたいのに自分ひとりでは持て余してしまう、そんなときに手にとった本。

大好きな南米の魅力、パワーを、胸に沁みる言葉、絵、写真で綴られた小説。
南米は、行き場のないエネルギーに詰まっていると感じていて、それが溢れる形はこれらの国で生まれる音楽や文学や、政治や人々の生活そのものから感じられるのだけれど、この小説で果たされた「不倫」と「南米」の組み合わせによって発せられるエネルギーは、この2つの色がすごく似ているのか、それとも今この本を読む私の心と同調しているのか、よく分からないけどひたすら圧倒される。

もやもやして、逃げ出したくなって、この本を手に取ると、不思議と心が落ち着いて、そしてすごく南米に行きたくなるんです。

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2012年07月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

久々に吉本ばななさん。
しかも南米・アルゼンチンが舞台だなんて!
合間に写真も結構載ってていいかんじ♪
Mr.Bookmanで見つけて購入ー満足02♪

旅行記としても、小説としても楽しめる!

実際に足を運んで経験したことが書かれてると、
吉本ばななさんがこんな体験したんやなーとか
こういうふうに見て感じてきたんやーとか思って読めて面白い☆

南米(ペルーやけど)行ったことあるから、
何となく分かったふうに想像して読んだw
でもほんと写真もあるし、その風景が頭に描ける。

小説としても好き。
心地良い瞬間の中で、あー今死んでもいい、って思える。
・・・なんとなく分かる。そりゃあ死にたくはないけれど、
もし突発的に死んじゃうならそれはしょーがない。
日々の中のふとした心地良い瞬間。

イチノセの畑で藁をかき集めて燃やす。
煙から避難して、しばし陰でこの本片手に休憩。
お父さんは藁を運びに行ってまだ帰って来ない。
暑すぎない秋の空。雲。稲。赤とんぼ。
そんな心地良い瞬間。

あーーーアルゼンチン行きたい!!
Buenos Aires!!イグアスの滝!!のどかな町!ホットチョコレート!
いつか絶対行く!!!!!
2009年夏休み.実家にて.

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2011年10月18日

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50向いていないことは、してみないとわからないとよくいうが、本当にそうだった。

94「ここって山梨みたい。懐かしいんだよね。」メンドーサ

117これでいい、今はこれでいいのだ。・・・時間をかせぐのだ、それしかできないのだから。野生動物がじっと傷をなめて、熱をもった体中を癒すために暗がりでただ待っているように、精神がじょじょに回復して、うまく空気が吸えて、まともなことを考えられるようになるまでこうしているのがいちばんいい。そう思った。

121悲しみは決して癒えることはない。薄まっていくかのような印象を与えて慰められるだけだ。

135わかっていた。今悲しいのなら、今。そこにいなくては意味はない。

137人生はたくさんの事件の連続で、愛する人になにか起ころうとまわりはじいっと見ているしかない。実際、身動きひとつとることもできない。気持ちがぐるぐる回ることだけが愛を示す唯一の証拠だ。
152ひとりでない旅の一番好きなところは、孤独をこんなふうに全く忘れることができるところだ。

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2009年10月04日

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南米の情景が美しい。

南米の強い地にそっと
お邪魔する彼女たち。

そっと。決して傲慢にではなく、謙虚にそっと。

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2009年10月04日

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タイトルは不倫とあるけど、静かで爽やかで恋は恋だ
もんなって思ってしまうようなお話だった。エピソー
ドが1つずつ終わるごとに写真が挟んであって、フィ
クションのかノンフィクションのかわからなくな
るけど小説の雰囲気とその写真が合わさって残るのが
凄い素敵だなって感じた。小説よりも紀行文のような
ものでアルゼンチンに行きたくなるし、
を飲んでみたい。でも吉本ばななの情緒溢れる雰囲気
はマリカの永い夜のほうが出てる気がした。面白かっ
た。すき。

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2022年05月19日

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アルゼンチンを舞台にした短編集。
現在、自分がアルゼンチンに住んでいるからか、作者が感じたことがとても理解できる。
と言うか、自分がその場所で感じたことをうまく言葉にしてくれている感じ。
ほんの2週間ぐらいの取材なのにここまでうまく雰囲気を切り取って言葉にできるのはさすがだと思った。

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2018年07月05日

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20代のころからばなな作品が大好きで、出版を追いかけるように読んできたけれど、当時の私には「不倫」も「南米」も遠すぎて、タイトルだけでしばらくのばなな離れに。今になって読んだけど、食わず嫌いはやめておけばよかった!!やっぱり私は、ばななさんのその土地の表現がすきなのです。

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2017年12月13日

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ばななさんがアルゼンチン旅行で体験したことが織り混ぜられてる。
ひとつひとつの話に写真が載ってて、想像しながら読んだらさらに楽しかった。アルゼンチンって奥が深そうだな。。

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2013年07月20日

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『人生はたくさんの事件の連続で、愛する人になにが起ころうとまわりはじぃっとみているしかない。実際身動きひとつとることもできない。気持ちがぐるぐる回ることだけが愛をしめす唯一の証拠だ』

不倫と南米、まさにそのまま(笑)
アルゼンチン、ブラジル…。
この挿し絵が苦手だ、
わたしの夢にでてくる白黒の世界みたいで。
でも南米って明るさとこの種の暗さが共存してるかんじがする。

この本は普段の吉本ばななとかちょっと違う気がする。
そんなときがたまにある。
それらはきまって海外取材をしてる作品だったりする。
やはり影響をうけてきてるのかな

写真もあって国々をまわりながら
ストーリーを生み出すばななさんを想像したら
尊敬したり、微笑ましい気持ちになったりした

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2013年03月02日

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最終章で作品の価値が一変した。作品全体が最後から照射されるような、そういう構成のよう。重くズシリとくる。生きるとか、そういう次元を作家は逡巡してたのは、どういうわけか少し見えた気がする。

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2012年05月17日

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よしもとばななさんの小説と、原マスミさんの装画、山口昌弘さんの写真がベストマッチな一冊。
読んでいる間中、南米を旅しているような感覚に陥りました。
よしもとばななさんの本を読むと、いつも、生のきらめきを感じると同時に、死の恐怖が少しやわらぐような気がします。
アルゼンチンに行ってみたくなりました。

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2012年02月20日

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短編の「電話」の中にある一節、『みんなの髪のいろも服の色もそれぞれ違っていて、まるで小さな花瓶にぎゅうぎゅう詰めにささった色とりどりの花のようだった。』という表現が好き。
よしもとばななのこういう表現が好きで、読み続けてます。

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2012年01月28日

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筆者がブエノスアイレスはじめ南米各地を訪れ、そこで見た景色や出会った人を元に描いた短編集。

いずれも不倫と絡めて書かれているが、設定上というだけで、踏み込んでドロドロしているわけではない。

私が感じ取ったのは、遠く離れた異国の地だからこそ強く感じる生と死、肉親や恋人、大切な友人への愛、といったところか。

物語を読み終えて次のページをめくると、ストーリーにまつわる風景写真が載っている。写真と照らし合わせて読み直すのがまた面白い。

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2011年03月21日

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行ったことは無いけれど、南米の雰囲気が行間から漂ってきたように感じた。
不倫ということについての感想を言えば、『窓の外』が一番いい。
結局は普通にハッピーエンドになる。
終わりというか、続いていく形だし。
旦那と別居はしてるけどたまに会うくらいには互いに愛情があって
愛人と言ってもどっちかが若くて独身とかじゃなくて、
お互い結婚している人同士で
誰とでもどうでもいいんじゃなくて、きちんと好きだと思える人との不倫っていうのは
いいなと思う。それはそれでひとつの形かと。

実際自分がするとしたら、不倫て私にできるのかなとも思うし
するほどなんだったら結婚なんてもう重いから、こんな甘いハッピーエンドはいらない気もするが。

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2010年03月07日

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旅シリーズ3作目。
前2作品よりも、
南米の風景が作品にすっと溶け込んでいます。
その土地をフューチャーしまっせという
ガツガツした感じがないのがいい。

短編なのがいいのかもしれない。

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2010年01月20日

Posted by ブクログ

ブエノスアイレスは大好きな街だし、街の様子が細かく描かれていることがとても気に入った。
いくつかの短編集だったけど、主人公の女性がちょっと事情のある恋や結婚(再婚)をしていたりして、そんな設定が多かったから作者本人のことかと、読みながら思ってしまった。

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2009年12月02日

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久しぶりの吉本ばなな。スタッフと共に旅行して取材した成果を生かした短編集。妙なタイトルだなと思いましたが、テーマですね。さすがに旅行したような気分になる描写〜満載です。世界の旅シリーズの3、平成15年発行。

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2009年10月07日

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090120貸出
さばさばしてていいと思う。
ばななさんらしい。
旅のトランクに入れておいてもいいかも。

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2009年10月04日

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短編集、さくさく読んだ。
吉本ばななさんの旅行シリーズを知らなかった。
南米の景色を見ながら物語を思いついたのかなって思ったから、その景色をイメージし辛いとなかなかのめり込むのも難しいよね。日本の四季は線で、南米はもっと濃いみたいなのが良かった

恋愛とか結婚とか難しいけど、『私は、小さい時から身が細るような寂しさや、夕方の静けさや、秋の空の高さや、ひとりで歩く夜道が好きだった。彼の中にはそういう匂いがあった。それが彼と結婚した理由のひとつだった。』この文がとてもよかった。匂いとか感覚とか結婚して一緒に暮らすには切っても切り離せないんだろうな、と。

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2024年01月26日

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悲壮的、が心地よい人、新鮮。
南米のエネルギー力、感じてみたい
目的もなく街を歩く心地よさ 確かに東京の人は、みんな目的を持って歩いている気がする

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2023年06月28日

Posted by ブクログ

ばななさんの本は何冊か読んでいる。この本は活字を追いながら内容が頭に入らなかった。悪い本じゃないと思うのに。

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2022年09月21日

Posted by ブクログ

子供の頃にTSUGUMI読んだなぁ。で、大人になってから読むばなな。挿絵が素晴らしくて、BGMのようにストーリーを楽しんだ。さらっとね。話の中身は南米の距離感と同じくらいリアリティとは遠いので、そんな世界もあるかもな、にちょうど良い。

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2021年12月12日

Posted by ブクログ

ちょっと軽すぎるかも…。
(私にとって)不自然な日本語が結構あって引っかかったのと、南米の空気や風景によって引き起こされる自分の内面描写に力が入りすぎていて、空気感や風景がイマイチ伝わってこなかった。

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2019年03月26日

Posted by ブクログ

隠さないと続けられない恋の孤独と窮屈が 乱暴なくらいの大自然とそこに暮らす人々のあっけらかんとした明るさによって 救われたり一歩踏み出したり …な作品。
吉本ばななって もともと孤独をやりすごす人の表現にひいでてて ある意味日本的かなと思う。南米の大らかさは日本でよしとされてる控えめさとは対照的に書かれてるけど かえって両方のよさを見せているかも。
挿絵がステキー!

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2013年01月10日

Posted by ブクログ

久しぶりのばなな。鮮烈さは薄れたけど、文体と世界観はより確固としてきているなぁ。十年前くらいに何処に行こうとしているか分からない感があって読まなくなっていたけど、読み返したくなつてきた。

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2012年03月07日

Posted by ブクログ

最近、ばななさんの本ばかり読んでる気がする。

こういう風にどこかの国地域をスポット当てて、
いろんな話を読めるのが楽しい。

旅がテーマ、食がテーマ好きです。
読んでて単純にあぁー旅したいって思う。

このシリーズ他も楽しみだなぁ〜。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

7話の短編集。すべての話において主人公の女性が不倫を経験、もしくは継続中、あるいは母や祖母などが愛人だったなど不倫にまつわる出来事が語られ、話の舞台はそのほとんどがアルゼンチン。(ひとつだけブラジルに住む友人の話)ばななさん自身によるあとがきによると、小説中のエピソードの多くは、アルゼンチンを旅したばななさん自身が体験したものによるそうだ。ただ恋愛的な要素については、実際はなかったそうだが・・アルゼンチンって不思議な国だと思う。ヨーロッパの歴史と古代文明の香りが融合したような。日本から一番遠い国のひとつであることも想像力をかきたてられるひとつの要因かもしれない。

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

舞台はアルゼンチン。

外は埃っぽい力強い南米の空気、アルゼンチンの町並み。旅行者の目、日本人の目で見ています。
別にアルゼンチンじゃなくても成立しそうだけど、大事なのは旅行中の「異邦人」的感覚なのかな、と。
特殊な「異邦人」状態での、人間関係や、心情だとか。
それを味わうための小説だと思いました。
そのためのアルゼンチン。

話と話の間の絵と写真がすてきでした。

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2009年11月23日

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