【感想・ネタバレ】社会の抜け道のレビュー

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Posted by ブクログ 2014年08月30日

84年生まれゆとり世代代表(?)と75年生まれ就職氷河期世代の、新旧社会学者の対談集。

消費社会のありかた、農業やデモ活動の理想(日本のデモは礼儀正しいらしい)、保育園と女性の就労問題、食料危機と住民運動などなど。幅広く論じていくおもしろい逸書。

シングルファーザー経験もあり食通でもある國分功一...続きを読む郎に、負けないぐらい、豊富な知識と的をついた意見で攻める古市憲寿の対談をうまく構成。たまに古市のちょっとドラスティックな切り返しに國分が答えないまま章が終わってしまうのが残念だが、日本の各地を見学しながら社会問題を論じていくというスタイルに感動。

フランスは理性の国でオトナになれという外圧が酷いから、反動で日本の幼稚なアニメや漫画が人気を集めているという説には納得。専業主婦のピークは1975年で、すでに過去のものになりつつある、日本の商業施設は功利主義に反するように、余白をつくっているなど、おもしろい切り口で諸相を語る。

「抜け道」とあるように、現代社会の王道をはずれても生きていけるよ、と示唆するような提言の書ではない。ただ雑学として読むとおもしろい。

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Posted by ブクログ 2013年12月17日

○社会学者、評論家である古市憲寿氏と哲学者である國分功一郎氏との対談本。
○“IKEA”や“ららぽーと”といったショッピングモールや有機農業を営む農場、保育園の見学、デモの実態など、様々な場所を訪問しつつ、お互いが考える「現在の社会の実情」を、それぞれの知見から幅広い観点で考察。
○とても面白い作品...続きを読む

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Posted by ブクログ 2013年12月08日

國分功一郎と古市憲寿。この2人の論客に共通するイメージは「中性的、もしくはフェミニン」な感じじゃないだろうか?「社会の抜け道」という一見、硬そうな政策論かと思わせるタイトルなのに、いきなり「IKEA, コストコ、ショッピングモール、農場→料理」と来る。さらに、デモ、公園、遊びときて、保育園→主婦論へ...続きを読むと進む。
 徹底的に「日常生活」を出発点として話が進んでいくのですごく読みやすい。それで、随所に哲学的考察が入って来るので勉強になる。哲学が生活と切り離されていた学問として形骸化していったのに変わって台頭してきた社会学。でも、社会学書をいくら読んでも読み応えはなかなか味わえないわけだが、この本はサクサク読めるくせに、結構読み応えがある。
 たとえば、保育園→主婦論のところでは、専業主婦や家族主義なんて概念は「歴史の浅い幻影」であるとし、戦後高度経済成長を経て、主婦が労働力の調整弁として機能してきた経緯を考察し、家計が夫の労働だけで賄えなくなった現代では、ワークシェアリングの導入を含めた「ワークライフバランス」の制度設計が急務であると述べる。
 
 本書を通して、一貫した主張は「禁止して罰するような法整備ではなく、社会の持続力を支援するために望ましいモデルとなる制度を整備すること」である。法整備ばかりを急ぐ旧態依然とした政治や官僚の世界の現実とギャップを感じるばかりである。まあ、日本だけの問題ではないから難しいんだろうけどね。面白かった。

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Posted by ブクログ 2013年10月20日

國分氏のやや難解な説明を古市氏が噛み砕いて説明していく流れ。
フーコーの下りが出てくる前半部分はやや難解。
幼稚園・保育園の下りからぐっと読み易くなる。

古市氏の脱力感はここでも健在。

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