【感想・ネタバレ】社会の抜け道のレビュー

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Posted by ブクログ 2014年06月01日

数ある対談本の中でも1,2を争う面白さ。

思想や哲学を生活に結びつけるということはきっとこういうことを言うのだろう。ショッピングモール、保育園、食など、誰もが身近に接するものから見える問題。そしてその問題との向き合い方のヒント。

今を代表する論者である國分功一郎氏と古市憲寿氏との対談はそれぞれの...続きを読む問題へのスタンスを明らかにする。國分氏は熱く、古市氏はクール。きっと大きな意見の隔たりもあるに違いないが、互いのリスペクトが対談を対立ではなく、協調へと導く。

対談自体もそうだが、批判の応酬からは問題の解決の糸口は見つからない。対談は最後は「反革命」というキーワードん出すが、まさにその通りで社会はマクロ視点からの批判では変わらない。現場でひとつひとつ変えてゆくしかないのである。

それは決して悲観するものではなく、地に足がついているが故に私には面白いものに思える。この対談自体がそうであるように。

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Posted by ブクログ 2014年04月28日

学生時代は社会学に全然興味がなかったんだけど、この二人の対談は、するする頭に入ってきて、世の諸問題への関心が高まっていく。
國分さんの単著も読んだことなかったんだけど、この本のおかげで大分関心が高まりました。
そしてシャルル・フーリエがなぜここ最近見直されているのか謎。妙に波がきてる感じがするよね。

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Posted by ブクログ 2014年02月19日

古市さんの「絶望の..」を読んだことがあるが、國分さんのものは初めて.的確な論評に感心した.保育園の話しでフランスの少子化対策での成功事例を紹介していたが、女性の労働支援を実施した由.日本も取り入れたらどうかな.國分さんの言葉で「いいものを提供しても、受け取れる人と受け取れない人がいる.リテラシーの...続きを読む問題がそれぞれの人のものの受け取りを規定している」は大事な論点だと感じた.

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Posted by ブクログ 2020年12月25日

哲学者の國分さん(39歳くらい)と、社会学者の古市さん(28歳くらい)が、消費社会、デモ、保育園、食の問題、反革命について雑談した本。

カジュアルな文章で読みやすいし、2人の博識なところが面白い。國分さんの子育て論的な部分も経験者だけにリアルで良かった。

とても旬な話題を取り上げているので、なる...続きを読むべく早く読んだ方が楽しめると思います。

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Posted by ブクログ 2019年06月20日

社会は革命で一気に変わるのではなくて、社会の中にある、ちょっと楽しい抜け道みたいなところを、気づいた人が通ったり使ったりしていくうちに少しずつ変わる、という考えに納得。

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Posted by ブクログ 2015年12月15日

軽い雑談トークのように作られながら、結構重要なトピックがいくつか。30年前にもこの議論はあったけど今もあんまり変わってないよね〜なこともあれば、この30年でものすごく変化したこともある。(後者はもちろんネットの普及によるところが大きい。)
どちらも、目をそむけたり都合のいい解釈をしたりせず、真っ向か...続きを読むら受け止め適応していかなくちゃならないんだよなあ。。。

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Posted by ブクログ 2014年08月30日

84年生まれゆとり世代代表(?)と75年生まれ就職氷河期世代の、新旧社会学者の対談集。

消費社会のありかた、農業やデモ活動の理想(日本のデモは礼儀正しいらしい)、保育園と女性の就労問題、食料危機と住民運動などなど。幅広く論じていくおもしろい逸書。

シングルファーザー経験もあり食通でもある國分功一...続きを読む郎に、負けないぐらい、豊富な知識と的をついた意見で攻める古市憲寿の対談をうまく構成。たまに古市のちょっとドラスティックな切り返しに國分が答えないまま章が終わってしまうのが残念だが、日本の各地を見学しながら社会問題を論じていくというスタイルに感動。

フランスは理性の国でオトナになれという外圧が酷いから、反動で日本の幼稚なアニメや漫画が人気を集めているという説には納得。専業主婦のピークは1975年で、すでに過去のものになりつつある、日本の商業施設は功利主義に反するように、余白をつくっているなど、おもしろい切り口で諸相を語る。

「抜け道」とあるように、現代社会の王道をはずれても生きていけるよ、と示唆するような提言の書ではない。ただ雑学として読むとおもしろい。

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Posted by ブクログ 2014年07月08日

第二章 「暮らしの実験室」の幸福論…の「契約派」と「農場派」の分裂から見えてくるもの、組織は必ず分裂するという新左翼運動の轍、「ダウンシフター」か「静かなる異端者」か、フーコーの権力批判と「新自由主義」…が特にお気に入り‼︎

見田宗介さんと大澤真幸さんの対談集『二千年紀の社会と思想』を読みはじめた...続きを読むけど、この周辺の話しが堪らなく面白い(o^^o)


國分さんの『来るべき民主主義』、『暇と退屈の倫理学』を読んでからの『社会の抜け道』でした。既に購入済みの『ドゥルーズの哲学原理』に挑戦してみようと思う。

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Posted by ブクログ 2014年05月18日

多様な領域へのたくさんの情報がちりばめられている、かつ読みやすくまとまった対談。これを足掛かりにして、注釈に書かれている文献に手を出すとかなり深められるのかと思う

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Posted by ブクログ 2014年04月12日

対談形式なので読みやすい。もっと雑然とした内容かと思っていたがそうではなく、しっかりまとまっているのは構成が速水健朗さんだからか。IKEAやコストコに行ってみたことで消費論について語ったり、これからの農業について、コミュニティについて語ったり、食や保育、政治参加にまで話が及ぶ。こうして読むと哲学とい...続きを読むうのは無用のものでいて、世間にどう相対して解釈するかの基準を作ってくれるのだなあと思う。
國分さんは著書を読んだ時、人としての感情がないくらいに超絶頭が良さそうに思ったが、実際はドライながらもかなり暖かそうな人のようだ。
とにかく頭が良い人同士の対談。面白かった。

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Posted by ブクログ 2014年04月08日

対談形式なので読みやすい

注釈で紹介されている本のなかに興味深いものが多々あったので、それらも合わせて読んでみたいと思った

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Posted by ブクログ 2014年03月18日

対話形式ですらすら読めるが頭に残りにくいため、☆四つ。ただ情報量はものすごく、改めてこの二人は本当にすごいと感じた。少しは紹介された興味ある文献に当たってみたい。

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Posted by ブクログ 2014年03月07日

古市 社員旅行に参加する年配社員の意識も変わってきているんだと思います。苦手な社員に酒を強要したりする昭和的圧力は駆逐されつつあります。小説家の朝井リョウさんは、社員旅行先でずっと小説を書いていたらしいです。だったら、行かなきゃいいと思うんだけど(笑)

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Posted by ブクログ 2014年02月07日

今の閉塞感ムンムンの世の中がガラッと変わるような大革命。そんなのはいろいろ大変だろうから、いろんなところからちょっとずつポジティブに変わっていけばいい。そんな良いところを草の根的に探して語ってる本に思えた。これは面白い。

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Posted by ブクログ 2013年12月23日

何かを変えたければ、いきなり大きくではなくて少しづつ変えていこうという國分さんの主張が色濃く出ている。
古市さんのいい感じの脱力感も健在。

ショッピングモールの役割から料理の意味、幼保一体化って一体なんだったのかというところまで幅広い話題を考えぬく過程がおもしろかった。

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Posted by ブクログ 2013年12月17日

○社会学者、評論家である古市憲寿氏と哲学者である國分功一郎氏との対談本。
○“IKEA”や“ららぽーと”といったショッピングモールや有機農業を営む農場、保育園の見学、デモの実態など、様々な場所を訪問しつつ、お互いが考える「現在の社会の実情」を、それぞれの知見から幅広い観点で考察。
○とても面白い作品...続きを読む

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Posted by ブクログ 2013年12月12日

古市さんと國分さんの対談本。

イケアから始まり、いろんな話題が出てきます。お互い得意分野の社会学、哲学を交えながら保育、遊びetc、を論じます。何か画期的な答えが見つかるわけでも、発明されるわけでもないんですが、様々な気付きを与えてくれる一冊です。

社会は革命的には変わらず、少しずつしか変えられ...続きを読むない。革命への願望、欲望はなかなか抗えないが、だからこそ少しずつかいくことに慣れるしかない。想像力が無いからガラッと変えるという発想になりがちです。気をつけましょう。

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Posted by ブクログ 2013年12月08日

國分功一郎と古市憲寿。この2人の論客に共通するイメージは「中性的、もしくはフェミニン」な感じじゃないだろうか?「社会の抜け道」という一見、硬そうな政策論かと思わせるタイトルなのに、いきなり「IKEA, コストコ、ショッピングモール、農場→料理」と来る。さらに、デモ、公園、遊びときて、保育園→主婦論へ...続きを読むと進む。
 徹底的に「日常生活」を出発点として話が進んでいくのですごく読みやすい。それで、随所に哲学的考察が入って来るので勉強になる。哲学が生活と切り離されていた学問として形骸化していったのに変わって台頭してきた社会学。でも、社会学書をいくら読んでも読み応えはなかなか味わえないわけだが、この本はサクサク読めるくせに、結構読み応えがある。
 たとえば、保育園→主婦論のところでは、専業主婦や家族主義なんて概念は「歴史の浅い幻影」であるとし、戦後高度経済成長を経て、主婦が労働力の調整弁として機能してきた経緯を考察し、家計が夫の労働だけで賄えなくなった現代では、ワークシェアリングの導入を含めた「ワークライフバランス」の制度設計が急務であると述べる。
 
 本書を通して、一貫した主張は「禁止して罰するような法整備ではなく、社会の持続力を支援するために望ましいモデルとなる制度を整備すること」である。法整備ばかりを急ぐ旧態依然とした政治や官僚の世界の現実とギャップを感じるばかりである。まあ、日本だけの問題ではないから難しいんだろうけどね。面白かった。

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Posted by ブクログ 2013年10月31日

至る所でひずんでしまっている社会。しかし、自分だけでは、自分の周りにいる人たちだけではどうにもすぐには変わりそうもない。
けれども、人間を天蓋のように覆っている制度や構造も完璧ではない、実は色んな所で水漏れをしている。
得てして人は革命や劇的な変化を望んでしまうけれども、水漏れから覗く半径1メートル...続きを読むのアクチュアルな世界を、少しずつずらして変化させていくしかない。

古市さんは現状をシニカルに観て肯定しているだけの社会学者だと思われている節があるけれども、むしろ現状を深く読み込み、そして読み替えた結果として現れたそうした社会の水漏れを大切に取っておこうとしているだけなのだと思う。國分さんが、そうした古市さんのスタンスには今までなかった観点から思想という骨を入れているのが面白い。

すこーしだけホネットが言及されます。いろいろ端折られすぎだし、つっこみたかったけれども笑
これだけ読んだ世の中の方は、ホネットをどういう人だと思うのだろう…?

「〜アクセル・ホネットの講演会に行ったことがあります。そこでフランクフルト第三学派と第二学派の子育て論争の話を聞きました。第二学派が第三学派に対して、おまえら生産性が低いって文句をいったら、第三学派のアクセル・ホネットが、俺たちはおまえたちと違って子育てをしているんだっていい返した。」(187)

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Posted by ブクログ 2013年10月15日

古市君の新刊(國分さんとの対談)。社会システムと現実は一致してない。故に、逆に不自由っぽく見える現実を楽しむ術がある(求められるんじゃない?)ということを、IKEAや保育園をフィールドワークして論考したもの。子どもかわいくないか?という國分さんの問いに「だったら猫の方がかわいくないですか?」とか、東...続きを読む京には「テンションの低い遊び」が少ないとか、相変わらずのクールで素直な古市君に、ますます感心。

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Posted by ブクログ 2013年10月12日

個別の現場に足を運び、それを元にした社会観察日記。実は速水健朗さんも関わっているという一冊。
なんとなく、このままではよくないと思いがちな社会。ガラッと変わる革命の不可能性、実際には自分の問題なんだという方向への気づき。
古市くん流の注釈を國分さんもやっていて、それも面白い。

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Posted by ブクログ 2017年06月21日

おなじみの社会学者・古市憲寿と、若手の左寄り哲学者・國分功一郎の共著、対談集。國分もlifeで知って、とても面白いしっかりした人だなという印象を持っていた。哲学者って名乗るのは結構大変だと思う。哲学の仕事って真理の探究でしょ。思想とは違う、っていうのはイメージで線引きはわからないけど、でも逆にそう名...続きを読む乗っているのが新鮮。

本の内容としては、現状、日本の社会制度や流行りなんかをバシバシと批判する感じ。古市はノルウェーに、國分はフランスに、共に学生時代留学していた経験があるので、そこと日本との違いをいいところ悪いところを上げながらやり合うのは、結構面白かった。相変わらず古市は自由で現代の権化。でもこの本では多少だけど、育った家庭のスタイルとか食事の好み、運動に関してとか、古市個人のことが書かれていて関心が行った。現代の権化、というのは決めつけだけれど(個人的には好きだけど)、それにも因果と言っていいのかわからないけれど、理由はあるのだなと感じた。こういう考え方はちょっと宗教くさいでしょうか。その点國分の考えは、ちょっと自分とは違うところはあるけど、いたって理解しやすく、コンテクストとテクストが素直に結びつく。

古市がいろいろと聞いて、國分がべらべらと考えていることをしゃべる。たぶんこの考え方、古市は納得してないよな、とかいろいろと想像もはかどる。面白かった。國分の消費と不満足あたりの着想はかなり関心がある。「暇と余暇の倫理学」今度読んでみよう。


17.6.20

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Posted by ブクログ 2016年03月09日

デモや消費社会、保育園に食料問題まで幅広く現代社会について対談している。当たり前の価値観が本当に当たり前かなんて比べてみなきゃ分からないし、社会は劇的になんて変わらない。何を選択して生きていくのかを考える本。

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Posted by ブクログ 2014年09月07日

読みやすいけど、これを出発点に考えを深める可能性がありそうな一冊。ショッピングモール、保育園、など題材は身近。だからなんだ、といいたくなるような個人の感想的な部分もあるけど、それすら裏付け部分に厚みがあるために興味ひかれた。

興味深かったのは、社会的な運動をする際、それ自体を楽しむのか、変革を目的...続きを読むとして啓蒙をするのかという二つのタイプについての話。前者は波及力は少ない代わりに永続的、後者は無理が生じて破綻しやすい。。など。

確かに、周りをかえよう!という運動ってどこかしんどい。多分本人も、まわりも。割合の問題と思うけど、自分はこれが楽しい!という割合が高いほど長続きしやすいだろな。

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Posted by ブクログ 2014年05月20日

思ってたより面白かった。随分前にぱらぱら冒頭を読んでいたときは、ざっくばらんであると同時に雑多な会話の集積という印象だった。けれど、今回ふと通読してみると、なかなかどうして面白い。視点が共有されていると同時に違うことで、話が面白く転がっている。
気になるのが、國分さんの加筆・修正部分。取ってつけたよ...続きを読むうな感じだし、とっちらかった印象は加筆のせいでもあるはず。
とはいえ、「消費と浪費」、「暇と退屈」の話を引き継いでいるものとして、『暇と退屈の倫理学』の修正点も聞けたのが収穫。

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Posted by ブクログ 2014年01月17日

國分&古市の軽い対談集。古市さんがいつもの調子で國分さんの発言をうまく引き出している。軽いけど、それなりに考えさせられる点もある。

IKEAとコストコでは、消費社会を否定するのではなく、新たな意味を消費者側が付加していく(ゲームセンターが高齢者のたまり場となっている例)ことで、望ましい方向に少しず...続きを読むつ変えていけるのではないか。それをこの本では「社会の抜け道」と言っている。

今の社会システムにはいろいろとマイナス面もあるけど、それをひっくり返すのではなく、少しずつ上書きしていくことで、少しずつシステムを変えていくべきだし、現実的にはそれしかできない、という主張はもっとも。

革命一発で社会を変えるというのはほぼ不可能。社会を変えようなんて言ってる人は、社会が何を知らない人の言い分なのだと。
日本では自分たちで物事を変えるということについて経験が少ないから、社会を変えることのリアリティがない、だからガラッと変えようという主張に安易に結びついて、結局何も変わらない。
少しずつでもシステムを変えていく、新たな意味を上書きしていくという小さな成功体験が私たちには必要なんだろうと思う。

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Posted by ブクログ 2014年01月16日

この窮屈な、閉塞感一杯の社会の抜け道は、やっぱり、一見か弱くも実は逞しく強かな、現場の人々によって見つけられて(作られて)いくのだなぁと。興味深い対談でした。

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Posted by ブクログ 2014年01月08日

予想していたとおり居酒屋トーク的にスタートしていく。いろんな本が紹介されているので、わあ読むものがまた増えたなあ、と喜びながら。しかし、本は過去のことが記録されているもので、世の中のオンタイムからは遅れてしまうのだ、キャッチアップできないのだ、とも…まあいいや。
消費派と半消費派的立場からショッピン...続きを読むグモールをあれこれ。新しい公共の場であるとも、疎外感や帰るときの虚無感など。
本書は外国の例も出しながら、あくまでも日本の「社会」を論じていて、そしてあくまでも社会の全体像ではない、と言っている。ただそこに示されている抜け穴、水漏れ穴は僕にはわりと好意的に映る。人生は、つまらないと隷属する。不満があると、つまらない消費が投入されてきて、不満のスパイラルに陥る。僕はそんなにつまらなくないけど、こんなもんでいいや、でもないつもりだが。本書を読む人はきっとそんな感想を抱く人が多いんじゃないかな、なんて思うのです。ああ居酒屋トークしたい。

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Posted by ブクログ 2013年10月20日

國分氏のやや難解な説明を古市氏が噛み砕いて説明していく流れ。
フーコーの下りが出てくる前半部分はやや難解。
幼稚園・保育園の下りからぐっと読み易くなる。

古市氏の脱力感はここでも健在。

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