【感想・ネタバレ】東京難民(上)のレビュー

両親からの仕送りを頼りに東京の大学に通う主人公・時枝 修。が、ある時、両親が事業に失敗し行方不明に。仕送りも無くなり大学は除籍。住んでいたマンションも強制退去となり日雇いの危ないバイトを転々としながらネットカフェ中心の生活に陥っていきます。
自分に弱く、そして優しすぎるがゆえに底なし沼にはまっていく姿はとてもはがゆい。しかし同時に必死に生き抜こうとする姿を応援したくなります。
ちょっとしたボタンの掛け違いで坂道を転がり落ちるように落ちていく。フィクションなのにまるでノンフィクションかと錯覚してしまうマンガ『闇金ウシジマくん』を彷彿とさせるリアルなストーリー。現在の日本社会のひずみを鋭く描き切った傑作です。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公である時枝 修は社会や言葉をあまりにも知らないため、次々と都会の恐怖に陥れられる。
学費未納で大学は除籍となり、住んでいたマンションも家賃滞納で追い出され、あっという間にネットカフェ暮らしになり、日雇いの身に。

すべては修が社会についてあまりにも知らないことが原因となっている。
例えば、不動産の契約書を読んでいなかったり、クレジットカードについて詳しくないのに利用したり・・・。

作品を通して伝わってくるのは「知らないのが悪い」という社会の考え方。
無知であることは身を滅ぼすのだ。

人は三つのセーフティネット「国家・企業・家庭」に守られて生活している。
主人公のように、すべてのセーフティネットが失われた時、人はどう動くべきなのか・・・。

はじめは「こんなに社会を知らない若者がいるのか・・・??」と突っ込みたくなったが、読んでいくうちに、「そういえば自分も社会を知らない若者だ・・・」と思わされる。
そして、「いつ修のようになってもおかしくなかった」と思わされる。

地方から一度でも東京に出たことがある人にならわかる身近な恐怖。
そして、ますます格差社会を生もうとしている現代には非常にタイムリーな話である。
私のように社会を知らない、今時の若者に読んで欲しい。
無知であることは身を滅ぼすということを知る必要性が・・・この話から伝わってきます。

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2013年09月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

描写はリアルなのに、主人公のまっすぐさとお人よしっぷりがファンタジーの域。闇堕か、精神崩壊してもおかしくないのに。

茜さん可愛いと思ってたら、いきなり豹変したのには何か笑いました。

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2014年06月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

東京郊外にある私立大学の三年生の時枝修は、クラス担任から夏休み明けにクラス担任から、学費未納で除籍になるという寝耳に水の事実を告げられた。北九州の実家では、学費を収め仕送りをしていた両親が借金を抱え失踪行方がわからなくなる。アルバイトを転々とする中、家賃滞納で住居も追い出されてしまう。追いつめられる修。二人の親友と恋人に借金を重ねるが、繁華街でひょんなことから警官に怪しまれ職疑うけ、連行される。それはまだ、底なしの貧困と孤独への入口に過ぎなかった。若者の転落人生を追いかけていく、自業自得がぴったり。

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2013年12月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

普通の三流大学生が、学費滞納により除籍、家賃滞納により住所不定になるとどんな社会が待っているのか、、、。

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2013年11月10日

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