【感想・ネタバレ】その桃は、桃の味しかしないのレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

なんかもう、ぐしゃぐしゃの、どうしようもない気持ちを、加藤千恵さんはいつも代弁してくれる。
夏に旬のかわいい桃。甘くてやわらかい桃。傷つきやすい桃。本当は渋みもあったりして。旬は短かったりして。そんな恋の話。

今の自分の恋と重ねて読んだ。
うまくいかないことなんてわかっているのに、やめられないのはなぜだろう。

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2016年01月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

表紙のイラストのインパクトがありつつ淡い感じがそのまま物語とマッチする。
解説までを含めて比較的サラッと読める印象。
読み終わったときの達成感や納得感が多少薄いような気もするが、それも含めて良さという感じ。
何より桃のシーンが印象的。
本編の視点が変わらず分かりやすく、内容は重みがあるがそれぞれの人物に必死感がありつつも淡白でかつ人間味もある。
少ない登場人物の浅くて深い関係性に引き込まれた部分もあり彼らの今後が幸せであることを祈る様な気持ちになった。

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2020年08月30日

Posted by ブクログ

ルームシェアの相手と自分の共通点は、同じ男性の愛人であること。

と設定だけ見るとどれほどの修羅場を想像するかというところですが、実際は静かすぎるくらいに静かな物語。
けどその静かさは穏やかさを装っていながらもとてもぴりりとしたものだと感じました。

主人公たちひとりひとりの感情や行動の理由がすべて語られるわけではないけど、それにもどかしさを感じるひともいるかもしれないけど、そのもやっと感がリアルですきでした。
女の子は自分の感情を説明しないのでなく、できないのです。そのくせ目の前にいる女の子が同じことをしてると苛つくわがままな生き物なんです。

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2013年12月12日

Posted by ブクログ

正しい関係じゃないけど一緒に食べて暮らせば情がわく。奏絵にとってまひるは生きていくなかで、いいアクセントだったと思う。

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2013年10月26日

Posted by ブクログ

 桃がすきなのと(笑)、女性が静かに狂っていくはなしが結構すきなので読んでみました。
 ジャケットのかんじが、最近の軽い本みたいで、あまり期待せず読んだのですが、そのせいか意外に楽しく読めました。静かに淡々と進んでいくかんじが、まひるの静かに狂っていく不気味なかんじとうまく溶け合っていて面白かった〜

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2013年10月04日

Posted by ブクログ

静かな物語に感じるがとても熱いスティグマを感じる。
スティグマがあるからあえて押し隠しているそれを男性はわからないのかもしれない。

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2013年08月29日

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まひるに憧れるような愛しく想ってしまうような。ウィスキーを出されたときに悪酔いしている様な、気付かないふりをしたい時の様な感覚の後味の本。読んでる時の味は薄いビールの様にもっとすっきりしているけど。不思議な小説です。

個人的に後書きは好みに合いませんでした。

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2013年08月27日

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食べることは、生きることだとわたしは思っている。
実際、誰かが家に一緒にいるときは三食の心配をするけど、ひとりだと何かを作ったり支度をしたり、あまりしない。
だからひとり暮らしは向かないと、心底思っている。

この小説は、ひとりの男性が付き合っているふたりの「愛人」という立場の女の子がメインだ。
性が生活費を払ってくれる高級マンションに、ふたりは同居している。
色白で二重で目がぱっちりとしていて読者モデルの経験もあるというまひると、まひるよりひとつ年下のホームセンターでバイトをしている奏絵。
奏絵の目線で、日々は語られる。

愛人同士が同じマンションに同居し、男性は定期的にそこに来て3人で食事をする。
もちろん個別に外で会うこともするけれど、そこに秘密はないからお互いがいつ男性に会ったかを知っている。
「おかしい」し、「狂気じみている」のに、せかいはとても静かだ。
ときどき、呼吸すら薄くなるほどの静けさ。
色の鮮やかさもあまり感じない世界の中で食事がとても鮮やかに見えて、あぁこの人たちは生きようとはしている、と感じた。
食べることは生きることだ。
オムライスも中華スープも麻婆豆腐も、桃も。

まひるの脆さや危うさや幼さ、奏絵の目線の俯瞰やまひるへの思いに、ときどき苦しくなりながらも一気に読んでしまった。
加藤千恵さんの小説はいくつか読んでいるけど、これが一番好きかもしれない。
「おかしい」状況に住んでいるふたりがどこへ向かうのか。
生きることに正解なんてきっとなくて、でもみんな正解を欲しがる。
だけど正解じゃなくてもあたたかい空気はきっとあるし、自分の中にすとんと落ちる現実にもきっと出会える。
明日に目を向ければ、きっと。

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2013年08月18日

Posted by ブクログ

同じマンションでルームシェアをしている、まひるとわたし。
共通点は、同じ男性の愛人であること。


ユニークな設定。
だけど、普通じゃないからこそ、共感しながら読み進めるのがかなり難儀。

主人公の奏絵が平井さんのことが本当に好きなのか、世界が狭くならないようにバイトをしているのになぜおかしな生活を続けられるのか、始めようと思ったのか、何がきっかけでまひるは奏絵に話しかけだしたのか、謎が多いままずっと進んでしまう。そこにモヤっと。

個人的に好きな展開だったラストにやっと希望が見えて良かった。

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2024年01月05日

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ネタバレ

まひる、平山さん、奏絵。ここは2人が不倫相手で、でも一緒に暮らしてるっていう意味の分からない話。かなえは平山さんよりまひるの方に思いを馳せるし、何かおかしい。違う、と思いながら生きてる。引用したフレーズだけど、これ非常にわかる。やりきれなくて泣いたところでいったい自分がどういう意味を込めて、だれのために泣いてるのか分からんものを知られたくはないし、泣きたくもないなあと思った。この本にオチはないし、最終ふたりでおうちでていこうってなるんだけど、私は現状がだめだと思ったらすぐに足を洗えるような人になりたい。あと奥さん全部知ってるのに知らんふりしてあげられるとかすごいな。私には無理

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2020年05月23日

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淡々と話が進んで(登場人物に感情の起伏があまり無いから)、この後が気になるところでで終わってしまった。
解説は良かった。まさにその通りだと、頷いてしまう。

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2017年06月29日

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恋って大変だな・・・って気持ちになった。
二人みたいな生活はしたくないし、しないし、出来ないだろうな。

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2016年07月24日

Posted by ブクログ

不思議な本だった。
食事の描写が巧みすぎて、ああ、こうやって流されていくもの、強烈な印象を残していくもの、あるよなあ、って。
感情の機微にはっとさせられ続ける一冊だった。

わたしはやっぱり、彼女の短歌が読みたい。

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2013年09月09日

Posted by ブクログ

奇抜な設定に反して、静かに淡々と進む物語。なのに、徐々に胸の奥に少しずつ溜まっていくなにかの存在を感じずにはいられなくなって。西加奈子さんの解説を読んでまさにそれだと思い当たる。『疼き』。なるほど。女は強いのか弱いのか、よくわからなくなる。泣き叫んで早く楽になりたい。

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2013年08月06日

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