【感想・ネタバレ】終戦のエンペラー 陛下をお救いなさいましのレビュー

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Posted by ブクログ 2017年08月15日

 トミー・リー・ジョーンズがマッカーサーを演じた映画『終戦のエンペラー』を観た。

 主人公はマッカーサーではなく、副官を務めたフェラーズ。日本を愛し、日本を良く知るこの男が、天皇を戦犯として裁くべきではない、との調査報告書をマッカーサーに提出したことが大きな要因となり、結果、天皇は不起訴となった。...続きを読む


 映画ではフェラーズと、かつてアメリカの大学で同窓だった日本女性との恋愛をからめて、日本の風景を織り交ぜながら抒情的な描写が多かったが、どうもその部分は脚色だったみたいだ(この本を原作として映画がつくられたわけではないのかもしれない)
 映画ではフェラーズはその恋人から日本文化を学び、日本を深く愛するようになったという話になっている。


 この本は単行本発行時は『陛下をお救いなさいまし 河合道とボナー・フェラーズ』という題名だった。そして実際にフェラーズと親交が厚く、多くの助言や、資料集めを手伝い、多大な貢献をしたのはこの河合道という教育者で、映画にでてくるような若い女性ではなく、すでに初老を迎えた女性だった。


 この本、ページの6割以上を河合道の生涯に割いている。彼女は恵泉女学園の創立者で、キリスト教の教えをもとに女子教育と女性の地位向上に努めた人物だ。
 映画の内容をもっと深めたいと思って読み始めた本なのに、全く知らない人物の人生一代記を読み始めた感じだったが、これがすごかった。信念を持って邁進する女性の強さを知った。


 とくにすごいと思ったのはが戦中にも関わらず、恵泉女学園とは別に恵泉農芸専門学校の設立を文部省に申請したときのやりとり。
 手持ち資金なし、資金提供者のあてもなし、土地なし、建物なし。そんな状況で学校の設立を申請してくる道に対して、役人はあきれて「それではあなたは何を持っているのですか」と尋ねた。
 彼女の答えは、「希望と熱意と信念です。そういういい方が口はばったいとおっしゃるなら、向こう気と呼んでくださって結構です」


 この無謀に見える挑戦も終戦の4カ月前に見事に設立して成就する。
 敗戦濃厚で日本各地が空襲に見舞われる状況下でも、女性の生きる道を標した偉業と言っても決して過言ではない。
 このおばちゃん、すごすぎる! ちょーかっこいい。
 大河ドラマ『八重の桜』で使われた「ハンサムウーマン」という言葉を、河合道さんにも使いたい。


 余談みたいになってしまったが、後半の3割くらいでこの本の主題である、天皇の戦争責任、その回避方法、フェラーズの苦悩、マッカーサーの深謀遠慮、昭和天皇のご発言の真意、そして日本国民と天皇の精神的なつながり、などの描写が続く。これはこれで読み応えがあり、映画の内容をもっと深めたいという当初の欲求を満たしてくれた。


 映画観ただけで知った気にならなくて良かった。 

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年03月21日

映画「終戦のエンペラー」の原作?原案?と知り、読みました。恵泉女学園の創始者、河合道にさかれている部分が多くて、彼女の伝記かと思った。フェラーズのハーンへの尊敬が日本への理解につながったんですね。天皇陛下、皇室への日本人が抱える感情は海外の人には理解できないでしょうね。理屈じゃない、日本人のDNAに...続きを読む刻まれたものだから、と私は思います。

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Posted by ブクログ 2014年03月10日

終戦の時にこんなことがあったのか。もうちょっと他の文献も見てみたい。この時代に女の人はこんなに海外に学びに行ってたんだな。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年11月02日

久保姉から借りた本。終戦の時天皇の戦争責任が問われるなか、マッカーサーに天皇不起訴を進言する覚書を提出した副官ボナー・フエラーズ。その際助言を求め 信頼した人物の一人 河井道の話。恵泉女学園。

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Posted by ブクログ 2013年11月01日

太平洋戦争後のアメリカ軍による統治を描いた作品、映画の原作です。
高校の歴史の授業でもマッカーサー以外の名前は聞いたことなかったと思うんだけど、その裏にいたアメリカ軍准将と河井道と言う女性。
この方、恵泉女学園の創始者なんですね。
文化も考え方も違うアメリカと日本がどのように交わって行こうとしたのか...続きを読む
いやー知らなかったね、ここら辺の話は。
勉強になりました。

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Posted by ブクログ 2013年09月11日

映画「終戦のエンペラー」を観て、ボナー・フェラーズ准将を初めて知り、興味を持ってこの本を購入しました。

そして河井道と言う女性も初めて知りました。

マッカーサー元帥のことは知っていても、ボナー・フェラーズ准将を知っている人って少ないですよね。

映画とはかなり違っていましたけど、それはまぁ仕方な...続きを読むいとして、この河井道っという女性凄いなっと驚きでした。
「イエスとノ―をはっきり言える人間におなりまさいまし」って。

日本人は曖昧、控えめが美徳とされ今でも自己表現は苦手だと思いますが、この時代にそれを言えるということにまず驚きましたね。

「家事はいつでも覚えられます。いまみなさんに必要なのは、たくさんの知識を得ることと、そして世界に向かって目を開くことです。戦争が終わったとき、世界にはばたく女性におなりなさいまし」
「女が結婚することを、あの人はお片づきになったなんて、そんなの駄目ですよ。結婚しようがしまいが、自分の足できちんとお歩きなさい」
「お習いしたことがきちんと学べなくて落第点を取るような人は、この世から遂電しておしまいなさいまし!」
いやいや、強い女性です。

今もそのまま伝えたい言葉ですね。
そして言葉遣いがいいですね。
品があります。
昔の邦画の女性はみんな言葉使いが良かったです、だから今でも高齢の女性は日本語が綺麗です。

今は・・・嘆かわしいです(涙)

彼女が電車の中での米兵と日本の女性たちに注意した話では、彼女がもしこれが逆の立場だったらと考えた場面では私も思わずうなずきました。
日本人は強いものには弱く、弱い者には強い嫌な面がありますもの。

映画を観たことでボナー・フェラーズ准将を知り、日本には素晴らしい女性がいたということを知っただけでもよかったと思いました。

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Posted by ブクログ 2013年08月23日

「終戦のエンペラー」の映画を観てから、本を読みました。映画はフィクション・ノンフィクションの境目がわからなくなるのではないかと本を読んだ後の率直な感想です。天皇はどうして戦犯として裁かれることがなかったか、この本を読んで納得しました。河合道さんのぶれない生き方、明治生まれの女性の強さ、感銘しました。

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Posted by ブクログ 2013年08月14日

河井道さんの言葉のひとつひとつが ぐっと胸に沈んでくる一冊でした。映画を観に行こうかどうか、迷っています。「お習いしたことがきちんと学べなくて落第点を取るような人は、この世から逐電しておしまいなさいまし!」……これは強烈だったなあ(笑)

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年09月03日

映画しか見ていませんが、DVDが出ていないので、Booklogでは登録できなく、本の項目で映画の感想を書きます。

天皇の戦争責任についてはアメリカ人が作った映画というより、日本人が作った映画という感じです。敗戦の受け入れについては天皇が指示したが、開戦責任については曖昧にしています。
日本の俳優陣...続きを読む(火野正平、夏八木勲、伊武雅刀、中村雅俊、西田敏行、羽田昌義等)が熱演しています。東条英機役の火野正平は台詞はありませんでしたが、結構見せる演技でした。
最後に天皇(片岡孝太郎)がマッカッサー(トミー・リー・ジョーンズ)に向かって「戦争の責任は一切私にあり、日本国民にはない」という台詞を聞いて思わず涙が出てしまいました。
この涙は自分でも予想外で、私は天皇崇拝者ではありませんが、やはり日本人だなあと感じた次第です。
トミー・リー・ジョーンズは「メン・イン・ブラック」と缶コーヒーのPRでしか知らなかったのですが、ハーバード大出身のインテリなんですね。

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Posted by ブクログ 2013年08月09日

神道の宮司の家庭に生まれながらキリスト教に出会い、両方の視点を持ち女性教育の先駆者となった河井道。

そしてその友人である親日家・知日派であるが故に対日本への情報戦を任され苦悩するボナー・フェラーズ准将。

二人の人生を追っていくことで、当時の人々の視点、戦時工作、そして昭和天皇を無罪にするために凡...続きを読む走した隠された真実を明らかにしていく。

こんな素晴らしい人々がいたのを知ることが出来て良かったと思う。
ただタイトルが内容と合ってないかも。

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Posted by ブクログ 2013年07月29日

本ではなく映画のレビューです。検索しても映画が出てこなかったので・・・

(No.13-40) 映画館で鑑賞。

太平洋戦争、戦争直後の日本で天皇をめぐって何があったのか?
私は知ってるような気になっていながら、実はぼや~っとしか知らなかった。

これはドキュメンタリー映画ではなく「物語」。恋愛部分...続きを読むなどはフィクションでしょう。
でもその後のことを考えると、かなりの整合性があると思いました。

マッカーサーは大変したたかに考え行動した人だとは思っていたけれど、その通りでした。
その下の、フェラーズ准将のことは初めて知りました。そんな極秘調査が行われていたのか。
マッカーサーが本国とは逆の構想があって、その結論に至る証拠を何とかひねり出すために言葉は悪いけれど「暗躍」した人がフェラーズ。それは大変困難なこと。

当時であれば本国との距離的なものもあるしマッカーサーの権力で証拠を「捏造」することも出来たのではないか?と思えるのですが、あくまでも正しい「証拠」を見つけようとするフェラーズ達の姿勢に感動しました。
開戦時の日本の権力構造の複雑さ、あいまいさ、証拠?そんなものどこにもない状況なのに、どういう結論を出して本国を納得させるのか、とても緊張して見ていました。

これはハリウッド映画。今まで日本を描いた海外の映画は、どこかで「う~ん?」というところがあったのですが、そういう場面が全然なかった、少なくとも私は違和感を感じませんでした。
日本の映画じゃないの?と感じてしまうくらい。プロデューサーが日本人だからもしれません。
戦後の状況はこうだったんだろうなと自然に思える映像でした。

でもハリウッド映画だからこれを映画化できたのだろうとも思います。終戦直後の天皇の処遇をテーマにした映画は、日本では作りにくいでしょう。
ただ日本以外でこの映画の需要があるだろうか?作ったアメリカでも見たい人がどのくらいいるか・・・・それを考えると、よく作ったな!

見て良かったと思える映画でした。

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Posted by ブクログ 2014年01月26日

読み応えあった。アメリカ映画『終戦のエンペラー』の原作ってことで文庫化されたので読んでみたわけですが、たぶん映画は全くの別物なんじゃないかなぁ。
それで残念というよりはむしろ好きなタイプのノンフィクションだったのでとても満足。
さて、主人公はGHQのフェラーズ准将と恵泉女学園創立者の河井道。とはいえ...続きを読む、実際には河井道に関するエピソードが多いかな。それぞれの取材量に相当大きな差があったと思えてならない。あとがきに書かれていたようにフェラーズの娘さんが亡くなってしまって取材できなかったってのも大きいんしゃないかなぁ。
ともかくもタイトルとしては元々の『陛下をお救いなさいまし 河井道とボナー・フェラーズ』の方がしっくりきますね。
なんにせよ戦後日本に決して小さくない影響を与えた人物の伝記として面白かった。

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Posted by ブクログ 2016年07月16日

渡米経験がありクリスチャンでもあった教育者・河井道とマッカーサーの側近で天皇擁護派だったボナー・フェラーズの言動や人生を元に、天皇陛下が戦犯にされることなく今日に至れたかを「外側から」考察した本。
米軍側の策略、彼らが意見を参考にしたであろう日本人たちのこと。核心は語られていないけれど、そうだったの...続きを読むだろう、と思えるお話でした。

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Posted by ブクログ 2016年03月31日

いまいちテーマが絞られていない感じだった。
視点がいくつもあったから、余計にそう感じたんだと思う。
道さんの話が一番面白かった。
恵泉に興味を持った。

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Posted by ブクログ 2015年08月01日

「終戦のエンペラー」
映画を観たのは2年前の夏です。
そしてこの本を買ったのは昨年の夏。ナツイチ2014の中の1冊でした。
今年、ようやく読み始めたのですが。

映画とは全然違いました。

映画では、マッカーサーの意向を受けた日本通のボナー・フェラーズが、東条英機や近衛文麿と会って話を聞きながら、開...続きを読む戦時の実態を探るという話でした。
ちょっとしたロマンス部分はフィクションとしても、軍や政府の高官たちを訪ね歩くところは事実に即しているのだろうと思って見ていました。

原作と言われるこの本は、ほぼ河井道について書かれています。
新渡戸稲造に師事し、やる気だけで恵泉女学園を創り、運営してきた女性河井道。
札幌農学校の教授時代、隣接するスミス女学校へ出張授業に出向いた新渡戸稲造は河井道の才能を見抜き、 河井道はまたその期待に応えるべくクリスチャンとなり、アメリカ留学も果たします。

当時クリスチャンで、アメリカで生活した経験を持ち、女子教育を志す日本人などそうそういませんから、知り合いの知り合いは皆知り合いっぽい感じで、フェラーズと河井道は知りあいます。
ロマンスはありません。年齢差もさることながら、フェラーズは結婚していますから。

フェラーズが日本を知るきっかけになったのは小泉八雲の本です。
小泉八雲の著作140冊を全て読んだというくらい、八雲に傾倒していたフェラーズは、対日本戦で日本人の心を知る者として心理作戦を実行していきます。

飛行機から大量のビラをまきますが、絶対に天皇の悪口は書かない。
この戦争は天皇の望むところではないと書き、降伏した者は丁寧に扱われるとして、捕虜の収容施設の食事風景などの写真を撒きます。
戦争の現実を隠す日本軍に対し、事実をビラでまき続けるアメリカ軍。
ビラを拾った者は重罪になるので、表立っては誰もビラを見ることはできませんが、徐々に日本人の戦意は喪失していったのだそうです。
だって自分に事実を話そうとしない人のことを、人は信頼できませんよね。

そして終戦。
天皇に戦争責任はあるのか、ではなく、最初から、天皇には戦争責任はない、という立場でフェラーズは動きます。

実際問題として、たかだか民間の女性の一言で天皇が救われたとは思えませんし、時系列があちこちに飛ぶので、全体的に何が書きたかったのかよくわかりませんでした。
いや、河井道の伝記として読むのなら、これでもよかったのかもしれませんが。

河井道は確かに興味深い女性で、戦前から「親に対してもNO!とはっきり言える女性」になるように教育していましたし、戦争中も御真影を飾らなかったりとか、かなり意志のはっきりした女性です。
でも、天皇という存在は無条件で信じていました。敬愛していました。
それが時代の限界だったのかもしれません。

付箋はたくさん貼りましたが、私が読みたかったのは、映画「終戦のエンペラー」の原作です。
そういった意味では、期待外れの本でした。
けれど、考えさせられることはたくさんありました。

“「人間は真理をつかみ、善悪をわきまえ、美しいものに感動できれば十分です。だから真善美だけを教え、神様を悲しませる神の子同士の殺し合いを奨励する戦意高揚の品は置きません」”(河井道)

“「下手だから、恥ずかしいからと、躊躇したり、断ったりするのは謙遜ではありません。何事も最善をつくせばいいのです。断る方が楽かもしれないけれど、失敗して人に笑われたくないと思う心は傲慢です」”(河井道)

“おまけに日本人は後退とか撤退の守備計画を決定的に軽視する。そもそも彼らはそういう事態が起きることを最初から認めない。作戦計画に無理や欠点があっても、最初の計画を何がなんでも貫こうとする。指揮官の命令は不変である。”(フェラーズの分析)

“「天皇は権威の象徴である。国民が最大の敬意を払うのは天皇であり、天皇以上に国民から愛着を持たれる者はこの国には存在しない」”(フェラーズの分析)

“「日本人は耳から入ったものより、目から入ったものの方をよく記憶している。それは多分、自らの胸の思いを生き生きと日記に書くという並はずれた熱心さの国民性のせいである」”(フェラーズの分析)

“もしソ連参戦を日本政府が最初に国民に知らせたら国民の士気を高めることになるかもしれない。しかしそれを私たちが最初に知らせたら日本国民の心理的打撃ははかり知れない”(フェラーズ報告書)

実際に開戦に踏み切った責任は誰にあるのか、私にはわかりません。
この本では、天皇は最後まで開戦に反対であったとしています。
でも、天皇の名で開戦を指示したのなら、それは「知らなかった」ですまされないのではないかと思います。
天皇でない者が、天皇の名を騙って命令を出すということは、あり得ないのではないでしょうか。
天皇は独裁者ではなく、議会で決定されたことに対して承認しただけ。議会の決定に対して異を唱えたことなどない。ということなら余計に、開戦の時だけ天皇に知らせずに周囲が暴走する必要はないように思います。

そして私がずっと引っかかっているのが、2.26事件の時の天皇の激怒ぶりです。
側近たちが縮みあがったというくらい、最初は2.26事件の首謀者たちに「よくやった」と声をかけていた陸軍の将軍たちが、天皇の怒りのすさまじさを見たあと手のひらを返して軍事裁判で死刑を宣告したくらい、激しい人だったのではないですか?

こうあってほしいという希望ではなく、事実を淡々と書いてほしかったと思います。

そして、映画はハリウッド製作のアメリカ映画です。
なぜ、この本がアメリカで映画化されたのか。
プロデューサー(日本人)は、「アメリカの占領政策は、日本でしか成功しなかった。他の国ではすべて失敗しているのに、日本でだけ成功した理由をアメリカ人に考えて欲しかった」と言っています。
他国の文化を尊重すること。

アメリカでは全く評判にならなかったようですが、私はすばらしい映画だと思いました。
特に俳優さんたちが、本当に本人に見えてしまうくらい迫真の演技で。
マッカーサーだけはちょっと宇宙人に見えましたが。
この惑星の住人を観察に来たんかい!と。(笑)

それはともかく、機会がありましたら是非一度、この映画をご覧になってみてください。
終戦直後の焼け跡の風景とか、苦悩する近衛文麿(中村雅俊)とか、東条英機(日野正平)とか、昭和天皇(片岡幸太郎)とか、本当に素晴らしいです。

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Posted by ブクログ 2015年02月16日

戦前、良妻賢母ではなく、一人の人間として生きようとした女性の話。
日本とアメリカの宗教観の違いなど納得させられるところは多くあったが、タイトルとは少し違う逸話集のようなものだった。
けれど、その時代に女性が生きるためにはこれほど強い芯を持っていなければいなかったのかと考えさせられた。

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Posted by ブクログ 2014年05月10日

天皇の戦争責任を回避した女性河井道の人生を描いた作品。恵泉を設立した河井道という女性がどのような人物であり、あの時代においてはたいへん希有な人物であったことはよく分かる。しかし、天皇陛下の戦争責任を回避するためにどれだけ貢献したかに関してはやや疑問なところもあった。たしかにフェラーズにとっては大変有...続きを読む力な人物であったが、彼女個人だけの力という訳でもない。ミクロな視点から見ればそういうエピソードもあっただろうが、もっとマクロな視点で見れば、天皇陛下の戦争責任回避という問題はもっと様々な観点から語られるものではないかとも思う。
これはこれとして読むには、ドキュメンタリーとしての筆者の書き方に馴染めない。そういうわけで☆☆☆。

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Posted by ブクログ 2013年08月12日

やや偏った感じは受けるけど、河井道の強い信念と行動力には惹かれる。
ただ、ひとつのことを為す人というのは善人ではダメだとも実感。
河井道の熱い情熱に傷ついたり袂を分かった人も多かったろうと思う。
いい人なだけでは物事は進まないし変えることもできない。

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Posted by ブクログ 2013年08月09日

映画「終戦のエンペラー」の原作とのこと。大部分はマッカーサーの側近で日本通のフェラーズ准将と、その友人であり恵泉女学園の創設者である河合道の話。肝心のフェラーズについては取材不足感が否めない。

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Posted by ブクログ 2013年06月29日

ネタになりにくい人物を書いた小説…
映画はだいぶ脚本を万人向けに振らないと難しいと思います。
でも、恵泉ってこんな高邁な思想の元に建学した学校だったんですね。
それが知れただけでも良しとします。

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