感情タグBEST3
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福井晴敏のデビュー作品とのことだが、ベテラン作家が描いたかのように壮大な物語が繰り広げられる。その後の作品でもあるようにアクションシーンが非常に細かく描かれていて、そのまま映画のシーンが思い浮かぶような描写が続く。日本はアメリカの属国になり下がるのではなく、きちんと自立しないといけないという論を展開しているようであり、それは多分この作者の他の作品でも同じことを述べているのだろう。
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国家間の戦略や陰謀がひしめく壮大なスケール感に、ああ、福井晴敏を読んでいるのだなと思う。軍事戦闘用語等理解できない言葉は数多あるのだが、それを頭の片隅におかせながら臨場感を誘う筆力は流石である。人は、壮大な複雑な政治戦略の歯車に呑み込まれ、一つでしかなくなりながら、歯車を形作るもの、歯車の動きを変化させるものでもあるのだ。利害欲望や自己保身によって形骸化された組織をあらゆる場面で糾弾しながらも、人の心の真実や叫び、愛に生きてしまうロマンチシズムに心動かされずにはいられない。
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川の深さはと亡国のイージスの中間に位置するシリーズ2作目、戦闘機での空中戦の描写がリアルでスリリング、内容もそこまで重くなく一気に読める、江戸川乱歩賞
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「川の深さは」の続編的位置づけだが、いきなり本作から入っても問題ないと思った。主人公は違うがキャラクターに互換性がある。ヘリコプターの操縦シーンが好かった。自分が主人公とシンクロして、操縦桿を握っているかのような錯覚を覚えた。ほろ苦く切ない結末だった。
読み終えてもう一度、最初から読むと違った角度から理解できるような気がした。巧い。
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何だかなかなか理解できなくて、前半読み進まなかったけれど、後半一気に読み進んだ感じ。平曹長が不器用だけど愛せる感じ。理沙と護が生きてのびられてるといいな・・・
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自衛隊だとか、ヘリコプターだとか専門用語が詳しくたくさん出て来て正直そこは頭に入って行きませんでしたが、
急に事態が変わったりストーリというか福井さんの文章の書き方は好きです。
「川の深さは」もおもしろいのかな
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福井晴敏の江戸川乱歩賞受賞作、日本のミリタリーものは、どうかなと思ってようだけれど、めまぐるしい展開とディテールがスケールの大きさを感じます。「川の深さは」「亡国のイージス」と一連のテーマも十分読み応えがありました。
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福井晴敏の1・5作目。
初読みの『人類資金』(未完)の魅力にヤラれて…。
専門用語が飛び交う世界観の複雑さが多少苦しくはあったが、手に汗握る(←と書くのも陳腐に感じてしまう程)リアリティとスピード感溢れる戦闘描写の虜になった。
硬質で、いちいち長文で、一見読みづらい『地の文』も、不思議な魅力をもって心地よさを感じさせてくれる……。
基本的には興味の無いジャンルである軍事・防諜モノにここまで心奪われることになろうとは思ってもみなかった。福井晴敏、イイ!!!
……物語について……
“そして誰もいなくなった”という結末にならなかった点に胸を撫で下ろした(笑)。若い2人が、爆風吹き荒れる地下での一時をどうやり過ごしたのかの描写もあれば嬉しかったけれど……。
★4つ、9ポイント。
2013.11.27.図。
巻末解説文が大沢在昌平。
よくある「あらすじを追うのに紙面の大半を費やす」ような解説文と違うのが、好印象。
コレがデビュー作と知り驚愕……、受章前年に選考から漏れたという『川の深さは』も、是非読みたくなった。出版されているのだろうか……?
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防衛庁、米軍、更には、その背後に隠れた秘密組織の話であるが、その行間には、戦後日本が、米軍の傘の下に隠れて、自主自立してこなかったことに対しての反省を促すような記述が目立つ。これは作者の意思なのか?それとも、私が話に引きずり込まれているだけか?
同じ作者の「川の深さは」もぜひおさえておきたい。
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沖縄から米海兵隊が撤退した。
それは米国防総省(ペンタゴン)が、たった1人のテロリストに屈服した瞬間だった。
テロリストの名は「12」。
最強のコンピュータウィルス「アポトーシス2」と謎の兵器「ウルマ」を使い、米国防総省を脅迫しつづける「12」の正体は?
真の目的は?
福井さんおなじみのダイス&グソーが初登場する作品。
ここから、始まるんだなー。
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国のあり方とかもっともらしい所もあるが、その行動の根源にあるものは結局・・・・いくら不確かで脆弱な形でしかなくても、そんな思いのもとの行動では中々変えることは出来ないということ・・・・
まあでもそれが人間の真理なのかもしれません。
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これってヱヴァンゲリヲンやんけ。同じテーマと言うか構造を持っている。私怨というか私欲を大義名分で正当化し、親子喧嘩に世界を巻き込み、これって変! と言いたくなるところは同じ。登場人物のキャラクタも似通っている。違うのはヱヴァンゲリヲンは私怨、私欲を最後まで貫き通したたが、本作では言い訳を用意していて潔くない。
実は二回目。無敵の少女が出てきたところで二回目であることを思い出した。大義名分の説明が、どこかの新聞の社説の用で退屈。アクションシーンはマニアックで迫力あるんだけどな。退屈なモノ語りが中だるみした。
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国防のあり方を問う。問いたくなるのも分からんではない。しかし「幸福論」という視点から考える時、どうにもそこから遠くはなれてしまっている気がしてならない。どうせなら戦うことを前提としない方向で考えることをしていきたいものだ。
やはり何事も信じ込んでしまうのは危険なことなんだろうな。
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『12』に秘められた謎を紐解き、それが徐々に姿を表す時物語の壮大なテーマが浮かび上がり、日々安寧の住処と化した現状に何の疑問を抱かぬ我々に警鐘を打ち鳴らし得る作品。専門用語、多層的な暗示を含む表現描写が、脳内映像となるには時間を要したが、それだからこそ読後の満足感は一入でした。
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TWELVE Y.O./福井晴敏:第44回大賞受賞。1998年。W受賞。
Y.O.って何?
自衛隊の話。戦後アメリカに守られてる日本。
戦後、ふと出会った日本人娘と米兵。子ができる。米兵、アメリカに去る。娘村八分状態。息子青い目のせいでトラブル。母没後、父に会いに行く。父、驚くほど出世してた。息子の存在を知り、暗躍する人々。
ウルマ。
いきなり沖縄出てくる。
この国は12歳で止まっている。Y.Oはyears old
もうさ、ねぇ、推理小説ではないよ。話を追うのも登場人物覚えるのも大変。
ノルマのように読み進めているだけ。活字中毒だからできるけれど。
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前半は自衛隊やヘリの細かい描写にちょっと驚く。きちんと調べて書いている感じ。途中ちょっと中だるみして、「グソーの門」が開くあたりはエヴァやアキラ、BB文書は『アドルフに告ぐ』みたい。前半がリアルだっただけに後半のマンガっぽさには少し異和感を感じてしまう。12が21世紀というキーワードに変換されるところはややクサいがなるほど。
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冒頭のシーンは緊張感がありワクワクした。
これからどんな物語が始まるのかと、期待は膨らんだ。
でも、中盤以降になってくると少しずつ期待値が下がっていった。
スピード感もありスケールも大きい。
ただ、わけありげな人物ばかりが次々と登場し、しかも裏事情は誰かの説明によって語られてしまう。
実際にはありえない設定をいかにリアルに感じさせるか。
もっとキャラクターのひとりひとりを掘り下げ、活き活きと動かしてほしかった。
ただ「闘う」ことに対する揺るぎない信念はストレートに伝わってきた。
「闘う」意味、何のために、誰のために、戦うのか。
そして物語の作者である福井さんにも確固たる信念があるように感じた。
他の福井さんの作品を読んでからの「Twelve Y.O.」だったせいか、いまひとつ満足度は低く残念だった。
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かの有名な『亡国のイージス』の作者のデビュー作らしい。本当は他の作品を読みたかったんだけど、なんつっても長いしね!せめて上中下巻ならともかく…!
が、自衛隊の専門的知識とか、国際関係の背景やらがうじょうじょし過ぎてて、読み難いし入りづらい!読み疲れたよ、マジで。
日本の防衛がアメリカ任せで、それはいざとなったらどれほど危険なことかというのを伝えたいのか…!?
何にしてもきつい…。
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ローレライとイージスは以前読んだことあったけど、この作品は初。
福井さんの作品は面白いけど重い!っていうイメージが有るんだけど、この作品はあまり重くなく、内容もそこそこという感じで少し印象が薄いかな。
果たして今の日本は12Y.O.から成長できているのだろうか?
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時系列では、亡国のイージスの直前といったところで、再度亡国のイージスを読みたくなった。
日本の防衛、国のあり方について考えさせられる小説である。
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『川の深さは』からの繋がりも交えてストーリーは勢いもスピード感も有り面白いと言える作品ではあるが、登場人物や流れ、展開の構成が『川の深さは』と似かよった面がある。
期待し過ぎた為か微妙な感覚。
誰も何も信じられない世界でそれがあるから生きてゆける希望、、
優しく暖かい余韻がある。
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だめです。失敗作かな。いつまでたっても12歳のままで大人になれない日本に活を入れるため、テロリストとなって沖縄に眠る毒ガス兵器を使おうという話。
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忘れ得ぬ痛み。
何となく読んでしまったダイスシリーズ。前回の流れを引きずりつつ、終わりはちょっとマシ?
今回は割と様々な人に入れ替わり立ち替わりスポットが当たっているよう。
だが、相変わらずの国防の存在意義を問う姿勢は継承。いいねー。そういえば、今回はその答えを出していなかったような。
是非を問うための行動だが、結局止めたのはその手段が間違っているから。
そもそもの是非を問う部分には何の答えも出されていなかったよう・・・な。うーん、一度その路線で突っ走ったのを読んでみたい。
1人1人の為人よりは、全体の問題提起に対して、どのような意見を持ち、どう行動するか。
が、意見を持ってたのは一部で、中心人物はただ生きるため、助けるために行動したような。
うーん、、、前後作を読んでしまってると、つい比べて読んでしまうのがもったいない。
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終戦のローレライも読んでて思ったが、この人の文章は私には読みにくい。
軍事用語や政治の語りが多いからか。
ストーリー自体はアツくていいけど、主人公が複数いるため入り込むことはできなかった。
アツい男の話が好きな人はいいのでは。
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"中盤までは文句なしに面白かったんだけど、 真相が明かされた後のクライマックスがいただけない。 まず戦闘シーンの情景がまったくつかめない。 それと、二重底、三重底の真相なんかいらないので、 人間ドラマに焦点をしぼるべきだったとも思う。
ま「亡国のイージス」や「終戦のローレライ」への習作と 考えれば上出来ではあるが・・・。"