【感想・ネタバレ】1坪の奇跡のレビュー

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Posted by ブクログ

「やらなくちゃならない仕事」を「やりつづけたい使命」に変えた女性の一人語り。吉祥寺の駅前の一坪の小さなお店だけど星のような光を放っています。ダイヤ街の道の真ん中の大行列(他のお店の邪魔にならないように?)を見たことがありますが、その光を目指してのちょっと異常な風景なのでありました。そんなに羊羹・最中食べたいの?その光は、もしかしたら彼女が仕事を始めて10年目に感じた「炭火にかけた銅鍋で羊羹を練っているときに、ほんの一瞬、餡が紫色に輝くのです。」という瞬間の発光か?いやいやそれは商品の輝きでも店の輝きでもなく稲垣篤子という人間の放つ強い光なのでありました。ものすごい負けん気の持ち主です。屋台時代の雪の日の涙の想い出、高校の同級生が通りかかったとき顔をしかめたり、目をそむけた一瞬の記憶、そしてなんとしてもカメラを学ぼうとする意志、そして夫とのフィフティフィフティの関係、障がい者雇用の補助金辞退の意地、強い強い!なににもまして、父との師弟関係の強さ!まさに、羊羹版「巨人の星」!しかしもしかしたらすべての職人魂、商売道として、どこにでもあった物語だったのかもそれません。その意地がどんどん消えていくのに比例して、吉祥寺の行列が伸びるのでは?今となっては絶滅危惧種のような欲のない光です。そう、中島みゆき「地上の星」はここにも輝いていました。

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2018年08月20日

Posted by ブクログ

和菓子屋だと思ってあなどることなかれ、という印象でした。仕事や経営に関する大切なことがたくさん書かれていた、良い本だと思います。経営に関わる方には特におすすめです。

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2014年01月25日

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高校卒業後まもなく、
一家16人の生活を1人で背負ってお店に立ち続けた女性の実話。

決して弱音を吐かない・泣かないと覚悟した芯の強さ、
1つ1つの和菓子に妥協しない職人魂、
お客様に真心をこめて売り続ける愛情、
社員を対等に扱い育てる優しさ・・・

彼女を見ていると、
仕事とは本当に厳しいもので、
けれども決して弱音なんて吐いていられないいもので、
そこから得られるかけがえのないものがあることに気づかされます。

「背負うものがあるほど人は強くなる」
「親が一生懸命生きている、その姿を子に見せれば大丈夫」
・・・私も、弱音なんか吐いていられないですね。

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2013年02月18日

Posted by ブクログ

御歳80歳になられる稲垣社長。 そして社長が丹精込めて「練った」羊羹アンド最中の、たった二品目で行列が切れない和菓子店「小ざさ」の軌跡。

稲垣社長も凄いが、預金が封鎖された敗戦下の日本に、台湾より帰国し、すぐにキャラメルの製造、そして小ざさを立ち上げた親父さんもすごい。この親父さんの商売にまつわる教え「箱はキチンと並べすぎると取っつきにくいから少しズラして陳列する」や「店は雨が入っても、ちょっと下がって入店できるように設える」あるいは「お客さんのつま先がちょっとお店のほうを向いたときに声をかける」は、お菓子に人が求める心を知りぬいた達人の至言ではないでしょうか。

そして、親父さんを継ぐ二代目として、徳川秀忠の研究にまで着手した稲垣社長が切り盛りする、小ざさ丸の繁栄を素直に祈ってしまう、否、甘いものは苦手だが、一度は小ざささんの羊羹や最中をいただいてみたい!そんな風にさわやかに思わせてくれる一冊でした。

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2012年12月06日

Posted by ブクログ

あんの練り方の話が、詳しく話されている部分が興味深かったです。(自分が学んでいるマクロビとも共通点があったりして)
かなり細く書いていただいているので お店の風景が目に見えるようです。
こんなお店の残る吉祥寺がうらやましく思いました。

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2013年02月11日

Posted by ブクログ

すばらしい経営者だと思います。
昔ながらの仕事観を持ち、78歳で今なお現役で仕事をされています。


商品は、羊羹(ようかん)1本580円と、もなか 1個54円の2種類のみ
40年以上早朝から、行列が途切れない店、
お店は、1坪、年商3億

是非読んでみてください。

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2012年01月14日

Posted by ブクログ

40年以上も行列が途切れないという、吉祥寺の和菓子屋「小ざさ」の女社長・稲垣篤子さんによる会社と自身の歴史と和菓子づくりの精髄を語った一冊。商品は羊羹ともなかという2種類のみ。特に羊羹の餡にかけるこだわりは半端ではない。また小ざさの創業者である父親のエピソードも昔の職人気質がよく現れている。稲垣社長もその父の背中をみて育ったというのがよくわかる。「日本でいちばん大切にしたい会社」の坂本光司先生も絶賛されているというけど、彼女の経営方針を読んでいるとそれも納得。ぜひ次世代へつなげていって欲しい会社。

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2011年03月06日

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 小規模企業のあるべき姿のひとつが、具体例を通して述べられています。
 ただ、小ざさの場合は、伝統とか歴史とかがあることと高度経済成長を背景としていることが機会として働いていることは、割り引かなければならないかもしれません。
 とはいえ、日本の伝統的な商いの哲学を学ぶにはとても良い本だと思います。

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2011年02月26日

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稲垣社長のノンフィクション。唯一無二のお店を育ててきた社長の経営や人に対する考え方が、要所に散りばめられている。小難しい理論やテクニックを紹介しているわけではないので、エッセイ感覚で読めて読みやすい。

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2022年04月05日

Posted by ブクログ

2年前程前に読んだ本。

吉祥寺にある有名な和菓子屋さん『小ざさ』。
一坪の小さなお店にも関わらず年商3億を超える。
何より凄い事に、開店前から並ぶお客様の行列が
40年以上絶えないこと。

本書では小ざさの社長、稲垣篤子さんの半生が書かれている。お店や従業員への思い。家族、お父様から受け継いできた思い。
真面目に誠実に商売をされてきた方の言葉には
深く重みがある。

本書の中で書かれている大好きな言葉たち

『少しずつ少しずつ前に出ていけば、
いつか一番いいところに行ける。
だから、急がなくていい。
ただ前に出ることだけは忘れずに。』

『"ありがとうございます"も
"いらっしゃいませ"も真心を込めなければいけない』
『真心がこもっているかどうかは態度にでる。』

『慈悲より言葉』
『こちらに気持ちや思いがあっても、言葉にしなければ伝わりません。』

『慈悲より言葉』は本当に身に染みた言葉で
今も挑戦中。
心でどんなに、相手に感謝しているか、大切に思っているか、心配しているかは、言葉にしないと伝わらないんだと気付かされたから。
言葉で相手に気持ちを伝える事は今も恥ずかしいけれど、この言葉に出会ってから意識して伝えるようにしている。

稲垣篤子さん、大切な事を沢山教えて頂き
ありがとうございます!(^^)

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2022年01月08日

Posted by ブクログ

たった1坪で年商3億ですか?
しかも 扱ってるのは
「羊羹 580円」「もなか 54円」 というのです。

大量生産で薄利多売なのかと思ったら
羊羹は 味を保つには 一日150本しか作れないそうです。

凄いですね~~
著者のお父さんが始めた このお店を引き継いだときに お父さんの 心と味を 引き継いだようです。

一度行ってみたいお店ですが
朝早く行かないと 羊羹を買えないようなので
もなか狙いで いつか行きたいですね。

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2022年06月16日

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ネタバレ

 吉祥寺の駅前商店街の中にある和菓子屋「小ざさ」の社長稲垣篤子さんの「私の履歴書」的エッセイであり、ビジネス訓集だ。彼女の生き様、羊羹作りにかける姿勢は勿論すばらしいが、初代の社長で実父の伊神照男氏による薫陶が光る。

「事を始めるときに大方の人は、『資金や設備がないからできない』と言う。潤沢に揃えてからする事業なら、誰でもできる。なければ頭を使えばいい」

「一家を背負え、背負えば背負うだけ力が出てくるんだから、背負え」

 戦火をかいくぐってきた男の凄まじい気概がにじみ出ている。

 1971年11月に駅前に伊勢丹吉祥寺店がオープンした時も、
「もし、お客様が向こうに行ったとしても、コーヒースタンドで生き延びろ」と娘にアドバイスする。いくら人気の羊羹屋だからといって、事業にしがみつくことの愚かさを言っているのだろう。先に読んだ「ハモニカ横丁の作り方」で手塚一郎が言ってた「事業は継続しなければならないという前提なんて幻想です」とも通じる考えだろうか。
 いや、そんなビジネスモデル的なことより、生きていくこと、一家を養うこと、なにが事業の柱かをブレることなく全うした人間の生きながらに体得した教訓なのだろう。

 そんな厳格な父親との30年にわたる羊羹一筋の暮しが淡々と綴られていく。そして、とある年の大晦日に、”儀式”と呼ぶその日の羊羹の味見の席で
「ようやったの。じゃあもう、これからよかごつやらんの」
 と、初めて娘の作品を誉める言葉を口にする。 そして翌元旦の日に静かに息を引き取る場面は、涙なくして読めないところだ。

 その後、今の人気を誇る名店となるに至る年月が綴られた一冊ではあるが、事業として成功させる秘策のようなものは何もなく、ただただまっとうに羊羹に向き合ってきた「小ざさ」という店の営みがあるだけ。ただただまっとうに正直に、、、秘策といえば究極の秘策なんだろうな。
 一方で、往時の武蔵野の暮しぶりが垣間見れる記述も味わい深いところ(昔の武蔵野は雪も多く、井の頭公園でスキーをしたそうだ・驚)。
 また、彼女が若いころ本当はカメラマンになりたかったというのも面白いエピソード。土門拳と張り合って撮影ポジションを確保した話とか(@砂川闘争)、「羊羹を練るときは、五感を研ぎ澄まし、手に伝わる感触や少しずつ変化していく色や質感で判断します。この感覚が写真の現像に似ているのです。」と楽しそうに語る場面が面白い。

 さぁ、あとは実際に小ざさの羊羹を食べてみないと!(もなかはこれまでに何度が食べたことがある)
 本書を上梓した時点で稲場社長は78歳。いまや85歳になられている。125歳まで生きることを目標にお元気に過ごされているとしても、そうそう現場には出てらっしゃらないのではと想像する。ご存命のうちに小ざさの羊羹を是非賞味させていただかなくては!と心が逸る。

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2017年11月16日

Posted by ブクログ

吉祥寺にある、伝説級の和菓子屋「小ざさ」。
その現社長であり、78歳にしていまも現役の稲垣 篤子さんが綴る、これまでの軌跡といま。

「たった1坪で年商3億!」

「品数は,、「羊羹(1本580円)」と「もなか(1個54円)」の2品だけ!」

「40年以上早朝からとぎれない行列」

表紙や帯にならんだ、これらのセンセーショナルな文言から、
なにか画期的なマーケティングの手法、あるいは真髄、そういったことが書いてある本と思う向きもあるかも知れないし、あって当然とも思う。

しかし、そんな「ノウハウ」は、この本には書かれていない。
少なくとも文面の上では。


語られているのは、ただただ当たり前のこと。
きっと誰もが「そりゃそうだよな」と思うであろう事ばかり。

そこから何を汲み取るかが問われる本だと思う。

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2014年04月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

お客様がいなくても、ただつったっていたら店の空気が澱む 品質でお客様にきていただくようにしなければいけない 少しずつ少しずつ前に行けば、いつか一番いいところに行ける 。だから、急がなくていい 

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2012年12月09日

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